かつて茂札普夫が――と呼ばれていた時のお話。
とはいえ、これが実際のお話かどうかというのは、未だ観測されない闇の中のお話。
それでもよろしければ、どうぞ皆様ご歓談くださいな。

※この作品は死ネタであり、それに至るまでのグロい描写が含まれているのでご注意ください

1 / 1
※この作品は死ネタであり、それに至るまでのグロい描写が含まれているのでご注意ください
念のためスペースを空けますので大丈夫なお方はスクロールをお進め下さい。




























ちょっと妄想が捗りすぎました☆


あるいは夢のおはなし

 スローモーションがかかったように目の前に飛び散る赤い液体を見て

 ああ私は死ぬのだ、と。

 よりにもよってアイツの前で死ぬなんて申し訳ないな、と。

 他人事のような感想ばかり抱いて、しかしいつまで待とうとも体のどこにも痛みや熱感が襲ってこない。

 疑問だらけの現状に諦観を以てシッカリと見えていなかった現実を認識した途端、世界は急速に動き出し答え合わせが始まった。

 

「ッグゥ……!ってぇなぁ!!」

「…………は?」

 

 ああ、他人事にしか感じなかったのはある意味で正しかったのだろう。

 この身を害するはずであった鈍く輝く刃は共に居た――の腹を切り裂き、鼓動と共に鮮血を噴き出させていたのだから。

 それをようやく頭の中で噛み砕けたときには、襲ってきた暴漢が何かに駆られる様に近くにいた親子に次の狙いを定めて向かおうとするような素振りを見せるまでに状況は変化していた。

 

「まて゛や゛ゴルァ!」

 

 いやだ、やめてくれ、そんなに激しく動かないでくれ。

 暴漢の歯が砕けるたびに腹から血だけではなく臓物もまろび出てきた。

 暴漢の頭蓋が砕けるときには――の口からも血が出てきた。

 暴漢が動かなくなったときに――も動かなくなってしまった。

 

「ぁ、あ、――、――……!」

 

 駆け寄りたい、今すぐ駆け寄りたいのに、不自由なこの足はこのような時でさえピクリとさえ動かない。

 

「ぁぐ……!――、――、―……―」

 

 車椅子から転げ落ちる。

 それでも足は動かない。

 車椅子操作のために人並み以上に鍛えていた腕で這いずる。

 ――を中心として赤が広がる。

 ――に見せたくて、普段しないオシャレで買った服は埃でくすむ。

 血で滑り、少しでも綺麗に思われたくてした化粧は服と手と共に赤黒く染まる。

 

「いや、いやだ、死ぬな、しなないでくれ、しんじゃヤダ、――、――!」

 

 息吹が聞こえない。

 鼓動が感じられない。

 胸が動いていない。

 熱が奪われていく。

 どうしようもなく死が訪れていると理性は主張する。

 死んでほしくない、生きて欲しいと感情が訴える。

 視界がぼやけ、透明な汁が滴る。

 

 まったくもって、年甲斐もない。

 いくつも下の男に懸想して、今まで見向きもしなかった着飾りに時間を費やし、その結果がそいつに縋りつき、顔を血と泥と涙で覆われ泣きつく哀れな女だ。

 

 それ以降の記憶は曖昧だ。

 葬式に出たような気も、そんな儀式に参加する気も起きずに引き籠っていた気もする。

 それでも、Lifeだけはやめられなかった。

 ――との繋がりだから。

 ――が好きだった遊びだから。

 いつしか、ファイトの腕も相当に磨かれたような気もする。

 しかし、それを見せたかった男はもういない。

 こんなことになるのであれば、もっと早くに思いを告げるべきだったという後悔が胸を埋める。

 こんなことになるのであれば、恋心など持つべきではなかったという考えすらも頭を過ぎる。

 


 

 目が覚める。夢を見ていたような気がする。

 もちろん夢の内容など覚えているはずもない、が不自然に涙が零れ落ちた。

 

「……ふむ。このような顔、妾を女帝と崇める者達の前に見せる訳にはいかぬな」


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

読者層が似ている作品 総合 二次 オリ

IFルート ~早期にリナ先輩と接触ルート~(作者:oota)(原作:俺の切り札は光らない)

IFとして、ドロシーちゃんが体験入部に来る前の頃に。▼荒れていた時期のリナ先輩が気まぐれで部活の様子を見に来て、部員達に喧嘩売ったら普夫くんが買って。その結果仲良くなる話。▼ツイッターで見たジグ部長ルートについての話題から、このIFルートについて想像し、楽しそうだと思い書きました。▼リナ先輩良いよね……という個人的な思いを燃やして書きました。▼本作品では一部…


総合評価:440/評価:8.11/短編:7話/更新日時:2026年06月23日(火) 12:00 小説情報

OVA:共鳴を使わない男を、共鳴最強の世界三位にぶつけてみた(作者:檻@102768)(原作:俺の切り札は光らない)

 共鳴最強の世界三位。▼ 対するは、エニグマを握るモブ。▼ 望むカードを引き寄せる者。▼ 望むカードを引かずとも、勝ち筋へ辿り着く者。▼ 共鳴という奇跡が実在する世界で。▼ その頂に立つ共鳴使いへ、共鳴を使わない男が挑む。▼ これは、奇跡に祈らない男のエキシビションマッチ。▼※フツオくんのエニグマで、共鳴最強の世界三位に挑む番外編です。▼※一話は導入。▼※二…


総合評価:13691/評価:9.18/連載:15話/更新日時:2026年06月19日(金) 19:30 小説情報

一般通過脳焼きクソボケ大魔王(作者:Nemusugi )(原作:崩壊:スターレイル)

人の優しさに脳を焼かれた一般通過大魔王が、周りの脳を焼いていくだけのお話▼尚、脳を焼いた魔王自身は(自責の念とか諸々で)クソボケとする。▼処女作です。誤字や脱字の凡ミス、▼強い独自解釈や設定があります。▼それらを踏まえて閲覧ください。


総合評価:2166/評価:8.72/連載:18話/更新日時:2026年06月04日(木) 11:30 小説情報

ゲヘナ学園所属の男子生徒がいろんな生徒に重い矢印向けられていく話(作者:コウハクまんじゅう)(原作:ブルーアーカイブ)

▼タイトル通りの作品です。▼突然、透き通る世界に男子生徒をぶち込んで擦った揉んだの騒動に巻き込まれて欲しくなって書きました(陳述)▼尚、主人公は時間をかけて重い矢印を向けられて行くものとする。▼毎度ながら勢いで書き上げたので、続くかは不明。好評ならば頑張るます。▼※タイトルを「ゲヘナ学園ーー→ゲヘナ所属男子生徒←ーー他学園」から変えました。▼


総合評価:1672/評価:7.08/連載:15話/更新日時:2026年06月22日(月) 23:00 小説情報

時間が巻き戻ったので今度こそと死ぬつもりで助けたら、何故か生還して激重感情持たれるやつ(作者:イグアナ)(原作:Fate/)

タイトルの上から下まで殴り書きしました。


総合評価:6162/評価:8.52/完結:5話/更新日時:2026年06月05日(金) 20:41 小説情報


小説検索で他の候補を表示>>