ようこそ鑑定者のいる教室へ   作:アキラああああああ

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最後の日常

4月後半あれから何事もなく学校生活に溶け込むことができ緩やかにその日々は過ぎていく。先生も生徒たちの私語や遅刻などの生活態度には一切注意せず黙認していて、最初に俺が感じた違和感は気のせいかと錯覚してしまうほどだ。そして社会の授業となり担当である茶柱が教室にやってきた。

 

「ちょっと静かにしろ〜!お前ら今だけは真面目に授業を受けてもらうからな。月末により小テストを行うからな」

 

「え〜聞いてないですよ〜佐枝ちゃんセンセー」

 

既にそんな愛称が茶柱には付けられていた。

 

「そう言うな。今回のテストは成績には反映されない。今後の参考用だ。安心して受けろただしカンニングは厳禁だ」

 

やけに含みがある言い方だな。そう言うと前からプリントが回され俺はそれを受け取る。テスト内容は全教科を複合した数問のテストであり範囲は中学生レベルだと分かった。入試に比べて緩いと少し俺は感じた。だが最後の3問だけは異次元の難しさと俺は感じた。考えても全く理解できないので俺は適当な物を鑑定してみた。ピコン

 

数学問17

内容 微分法

概要 高校3年時の出題範囲

 

やはり最後の3問は今この時期に出る出題範囲ではないようだ。そして鑑定能力はそれを調べる能力は合っても解決策までは教えてくれないこともわかった。なんとも難儀な能力だな

まぁ考えても仕方ないので寝るか

 

⭐︎⭐︎

 

「なぁ、お前ら正直に答えろよ。俺たちは3年間苦楽を共にする仲間だよな?今から正直に言えば許してやる」

 

昼食を王と終え別れた俺は自販機のそばで池、須藤、山内、綾小路とだべっていた。どうやら綾小路は最近この3バカとも絡む様になったらしい。俺がブラックコーヒーを嗜んでると池が声をかけてきた

 

「なんだ?急によ。お前らに隠すことなんか何もねぇぞ」

 

そう俺は言ったが本当に心当たりもない。同じく質問された綾小路も心辺りもなさそうだ

 

「彼女が出来たらもちろん報告するよな?綾小路

お前堀北と付き合ってるんじゃないだろうな?」

 

と言いながら池は綾小路に肩を回しながら俺の方にも視線をよこしていた。

 

「澪も王のやつと付き合ってねぇだろうな?今日も一緒飯食ってたよな?抜け駆けは許さないぞ」

 

そう言いながら池だけじゃなくて須藤や山内も俺を怪しむ目で見ていた

 

「バカ、付き合ってないって、全然マジで。そもそも堀北はそんなキャラじゃないって」

 

綾小路が否定する。鑑定で出たこいつの性格の冷酷からは想像できない口調だ。ますます不気味な印象を俺は感じた

 

「知らねーよ、俺たち話したこともないし、そもそもどんな奴かも知らねーよ」

 

だが確かに堀北の奴は綾小路以外と会話している所をろくに見たことがないな。俺も会話したのは初日のコンビニが最後だ

 

「顔だけは可愛いじゃん?だから注目しているわけよ」

 

とうなづく山内

 

「まぁ、性格はキツイけどな、俺はああいう女は無理だ」

 

「まぁ確かにななんかトゲトゲしいと言うか近寄りがたいんだよな。俺は付き合うならもっと明るくて会話が続く子がいいなーー例えば櫛田ちゃんとか!あーーえっちしてーー!」

 

下品なことを山内が叫ぶ

 

「ばっか、お前なんか友達で終わりだよ、てか想像するのも禁止な!」

 

「お前こそ付き合えると思ってるのかよ池!俺と櫛田ちゃんは幼馴染で昔大きな桜の木で結婚を誓い合った運命の人なんだよ!」

 

「嘘つけ!てか前から思ってたけどお前嘘ばっかだよな!」

 

と本人がいないのをいい事に好き放題いう二人

 

「てか健はどうなんだ?バスケ部に可愛い女子とかいねぇのか?」

 

「あぁ俺はいねぇよ。てか女の品定めしてる余裕なんかないっての」

 

「本当かよ…てか彼女ができたら隠さず報告すること!いいな!」

 

と念入りに注意されたので俺たち3人は思わず頷いてしまった

 

「てか澪の方はどうなんだよ、王の奴と仲良いじゃねぇか?」

 

「あ?アイツとはただ飯食うだけの関係だ。そんなんじゃねぇーよ」

 

「本当か?まぁ王もそこそこ可愛いしな!櫛田ちゃんほどじゃないけど!」

 

と櫛田と王を比較する池

 

「まぁ確かに可愛いけど、俺はああいう貧乳は無理だな〜。やっぱ佐倉くらい巨乳じゃないとな!まぁこの前告られてブスだから振ったんだけどな!」

 

と言いたい放題言う山内。そして佐倉を振った事についてはおそらく嘘だろう

鑑定で心拍数を見てみると少し上がっている

 

「てかうちのクラスで軽井沢と平田が付き合ってたらしいな!先日手を繋いでる所を本堂が見たらしいぜ!」

 

そんなカップルの話で盛り上がる池たち。俺はこいつらの会話を聞きながら自販機で口直しに水を買おうとした時山内が声をかけてきた

 

「あ!俺コーヒー!」

 

「お前な…友達にたかるなよな。飲み物くらい自分で買えよ」

 

「実はもうポイント殆ど使っちまってよ!あと1万くらいしかないんだ!最近ゲーム機買っちまってよ」

 

そんなことを言いながらゲーム機を見せつけてくる山内。という事はこいつは4週間で9万も浪費した事になるのか。そして俺は山内の戯言を無視して自分の水を買おうとすると無料のミネラルウォーターが目に入った

 

「…ここにもあるんだな」

 

「なにがだ?」

 

反応する山内

 

「いや、確か食堂にも無料で食べれる定食があるよな?確か山菜定食とかいうのが。しかも結構いるよな?食ってる奴」

 

「確かにオレもさっきの昼食でみたな」

 

共感する綾小路。つまり山菜定食を食べている人達はポイントがないと言う事になるだろうか、それに山菜定食を食べている人達の顔に正気がない様な気もした。

 

「あぁ、確かにいるな、まぁ好きなんじゃねえの?あと月末だし」

 

と呑気に考える山内。確かに山内みたいに散財しまくればそうかもしれない。でも本当にそうなのだろうか。俺は今までの発言や出来事を連想して一つの考えが浮かんだ。もしかしてポイントは増減するのではないかと。俺は一抹の不安を覚えながら無料のミネラルウォーターを飲もうとボタンを押した

 

「あー!早く5月にならねぇーかな!」

 

山内達はそう笑いながら叫んだ

 

⭐︎

それからさらに数日。

 

今日は学校のない休日であり、俺はケヤキモールに足を運んでいた。だが買い物目的でここに来たわけではない。俺はこのカフェでランチを食べていると突然声をかけられた

 

「あれ?喜多君?」

 

俺の名を呼ぶ声が聞こえ、そちらに顔を振り向く。そこにはDクラスの平田とギャルの風貌をした軽井沢がいた。付き合っていると山内達が言っていたので恐らくデートであろう

 

「どうしたんだいこんな所で。もしかして誰かと待ち合わせ?」

 

「いや一人だ。少し昼食を取っていただけだ」

 

だがご飯の後にアレがないとやはり口寂しいものだな

 

「ならよかったら一緒に昼食を食べない?」

 

「まぁ俺は別に構わないが…」

 

俺はそう言って軽井沢を見ていたが彼女もそこまで悪い顔はしていなかった

 

「まぁいいじゃない?私も少し喜多君と話してみたかったし!」

 

と思いがけない反応だ。デートの邪魔してウザがられてると思っていたが

そしてチラリと軽井沢のステータスも覗いてみた。

軽井沢恵

身長154 体重45 バストC

性格 臆病

 

…臆病?なんだこの性格はとてもじゃないが彼女からは想像できないな。もう少し深く見てみるか。ピコン

詳細

中学時代に虐められた過去あり

 

イジメか…つまり彼女は過去に虐められていてそれを高校生活ではバレない様にワザと派手な格好をしているということなのだろうか。まぁその結果イケメンと付き合えてクラスの中心人物に慣れたのだから大した物だろうな

 

「どう?喜多君と軽井沢さんはもう学校になれた?」

 

と軽井沢について考えていたらいつの間にかそんな事を聞かれていた

 

「まぁそこそこだな。小遣いも10万と最初はびっくりしたが。今はもう慣れたな」

 

正直なところ最初に10万というポイントを受け取った時は世間とのギャップを感じてしまったが、ここの学生に触れる事によって色々学ぶことができた。

 

「でもー10万円じゃ足りないよね〜私もっと色々アクセや化粧品買いたいしー」

 

「あぁ、そうだな。だが5月も果たして同じポイントをもらえると思うか?」

 

「え、それはどういうことかな?喜多君」

 

俺の質問に疑問を示す平田

 

「……いやなんでもない。きっと気のせいだ」

 

あの日綾小路達と自販機で話した次の日俺は気になって山菜定食を食べていた生徒の学生証をこっそり鑑定で見てみたが、殆どの生徒がDクラスと表記されていた…

俺にはそれが偶然とはとても思えなかった

 

「あーーこんな楽園ずっと続けばいいのになー」

 

軽井沢の呑気な声が今の俺にはこれからの試練の前触れな様な気がした

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