ホロウの中で人のGO!を咎めるおじさん 作:究極の出来損ない
生きる事その為に、足掻く事それ即ち原罪なりとでも?
なら、私はソレを生きてる限り背負い続けるだろうさ。私を必要だって言ってくれる者達の為に。
だから行くのさ。どんな危険な場所だろうと。彼らがこのままの私を愛してくれる限り。何度でも。私も彼等を愛しているから。さあ、始めようか。原初より変わりなき戦いの始まりだ。
理由はシンプル。実に単純だ。オレはテメェが気に入らねぇっ!!!
――――残された古いボイスレコーダーより。
装備を揺らしながら、長く続く廊下を歩き、中枢部にある作戦司令室へと歩を進める。エラルドの奴は決して私とは、1人で会合を行う事はない。
良くも悪くも猜疑心に包まれた臆病で狡賢いだけの男だ。軍務を真面に熟している所と言えば、作戦を提起する時、もしくは汚職を働いている時だけだろう。
何処からどこまで軍人として動いているのか正直分らん。
ハローを腕に抱きながら、片手で保持したEBRをチラリと一瞥し、握る力が強まるの自覚する。
ここで目標を、振り返って確認してみる事にする。必須目標はオリジナルのDNAの破壊。そして私とハローの生存。防衛軍に残留する考えは残念ながら、可能性を低めに想定している。この状況まで来てしまったなら、もうホロウレイダーにでもなって自分でモビルスーツの材料の回収等も面倒臭がらずに全て自分の手でやると決めた。
時間は想定していた倍以上は過ぎ去ると予想は着くが、原作には間に合わせて見せる。最悪、完成しなくても最低限技術体系としては確立させておきたい。そうすれば私が倒れても、後に続く者達の力となってくれる筈だ。
ニネヴェや超大型級ホロウに対抗する手段が虚狩りだけでは、この世界の人類の生存は何時か破綻してしまうだろう。
ふと、脳裏に未だ姿を見ぬノルムーの顔が思い浮かんだが、あいつにこの技術が渡ってしまうとどんな化学反応を起こすか予想被害の収拾がつかなくて、軽く眩暈を覚えた。
申し訳ないが、失敗した際の最悪な未来の一つの可能性として処理し――――駄目だ。どう着地しても私が死んでいた場合、彼女が止まる未来が予想付かない。
この後の展開、なんとしても生き残らなければ。ブーアストラムがモビルスーツの生産工場になってしまったら目も当てられない。
我ながら、考えが飛躍し過ぎだとも思うが、残念ながら解像度が高く、脳裏に高笑いしてガンダムを製造するノルムーの姿を幻視出来てしまったので有り得る未来だと冷や汗を流す。
「ナンナナナ。ナンナ」
(レガ、そう言えば残してた『設計図』はボクのストレージ内に移しておいたよ。保存していたデータ自体の痕跡も消したから心配事はないよ)
「相変わらず、私の行動を先読みするのが上手いなハロー。助かるよ。それはそれとして、私の行動は解りやすかったかね?」
「ンナ、ンナナナ、ナナナン」
(いいや、僕以外は気づいてないから、この基地の人間が鈍過ぎるのと、レガが上手に隠し過ぎなんだよ。ボクも、ここで一生を車両整備や武器の点検に費やしたい訳じゃないし、何度も言ったけどキミがボクの相棒だからだよ)
「ふっ、そうかね。ならばしっかり掴まっておき給えよ。始めるぞ。我々の生き残る為の闘争を」
ハローのファインプレー過ぎる言葉に冷や汗すら掻いて内心焦っていた私は、一気に持ち直した。
最悪、武装蜂起した後に回収して、跡形も残さず潰すから良いかとか思って―――――はい、思いました。
◇◇◇◇
「プロト1、作戦終了報告及び指令の再受領に出頭いたしました。ある程度はお察しかと存じますがね」
「来たか。プジョンホロウは縮小反応。先方の重要人物は生死不明の行方不明。我ら防衛軍の貴重な戦力に、あちらの護衛は文字通り全滅。そして無傷のお前か・・・。処分は、まずは貴様からの報告を聞いてから検討するとしようか」
入室した勢いのまま形だけの敬意を微塵も乗せていない敬礼を行い、目線もくれずにTOPS御用達のブランドの葉巻を燻らせながら、踏ん反り返った姿勢で、椅子の背凭れに収まり書類を眺める冷徹な眼差しの将校・・・エラルド・ハーデンス中佐殿の姿を観察しながら、一拍置いてから報告を始める。
武器の携帯は確認出来ず、何が起きても対処出来るという自信がリーディングを行わなくても、ありありとその振る舞いから発せられている。
さて、ここからだ。お前は何を吐こうと此処で始末する。薄く口角を上げて微笑むように佇みながら、事実を奴自身に理解出来るように羅列していく。
「護衛、作戦従事の部隊、重要人物、そして件の施設・・・全て壊滅、並びに全滅です。検証斑はもう派遣されたのでしょう?」
「・・・俄かには信じられんがな。未知のエネルギーによる大量破壊行為の痕跡、そして貴様の装備の残骸があった。貴様も、もう死んだものと思われていたがこうして戻ってきたという事はアレは事故か?」
まるで最終確認するかの様に葉巻を咥えたまま、書類から目を離し、私に目線をようやく私に寄こしたエラルド中佐に、口角が更に吊り上がるのを自覚しながら、笑みを浮かべながら侮蔑する様に座る奴自身を見下す。
「結果は分かり切っているでしょうに。私が殺した」
左腕に抱えられているハローがベシリと私の胸板を叩き、態々悪ぶるなと、不満そうに言外に伝えてくる。
ハローの無言の抗議を努めて黙殺しながら、奴の反応を窺い、EBRのロックを外して何時でも射撃出来るように戦時待機状態へと移行する。
その言葉に奴は瞼を閉じて、数舜考える様に咥えた葉巻から煙を吐き出すと、机の隅にある灰皿に葉巻を乱暴にぐりぐりと押し付けて消火すると思いもしない言葉を吐き出した。
「他に目撃者はいないな?」
「・・・それはどういう意図の発言か御分かりですかな?まるであなたが、私の起こした行為を見逃すと言っていると捉えられますが・・・」
「その通りだが、そうは捉えられないか?今までの貴様の扱いで心底信用を失った様だが、そんな事はどうでもいい。『ソレ』は他の者に使える可能性は?」
「再現性が低く、見込みが薄い。何時もの結果と変わりませんよ。で、あなたはあの屑共と繋がっている筈ですが、命惜しさに私に寝返るとでも?」
会話を続けながら、奴の瞳を覗き込んでリーディングを仕掛けてみるも、完全武装した私に不思議と危機感も恐怖も抱いておらず、拍子抜けする程、穏やかな彼の心情の揺動に私は気味の悪さを覚えた。
「そもそも、検証班からある程度の推論を受け取って、待ち伏せをしていない時点で察して貰いたかったが、今までの部下の対応が本当に悪かったようだな・・・。少し、話が長くなる。座れとは言わんから、楽にしろ」
溜息を吐きながら、片手で疲れた様に眉間を揉み解して深々と葉巻を吸い込み・・・煙は、肺に入れる物ではないのだが・・・それだけ気を揉んでいる仕草に訝しさが更に増す。
仕方なく、そう、本当に仕方なくEBRの掲げかけた銃口を気持ち数mmだけ、彼から下げて照準をずらして話の続きを促す。
「続けて下さい。少なくとも今際の際の発言にしては些か冷静な様ですからね」
「ンナワッタ」
(ボクは、最後まで聞いて判断するよ)
ハローが何時の間にか取り出した使い古したレンチを片手でペチペチと鳴らしながら、中佐を睨み付けているが、まさかそれでぶん殴るつもりか・・・?何だってそういきなり脳筋的に・・・いや、何も言うまい。
「まずは、貴様の出自・・・もうほぼ見当はついているだろうが、お前は神楽宮流のクローンだ。現時点ではこれ以上お前であろうと秘匿する。というより、私も彼が何者なのかは、知らされていない。奴等の事だ。碌な理由はないだろうが・・・」
「それは今はどうでも良い。たかがオリジナルがどうであろうが、オレはオレだ。それが生きるのを止める理由にはならない。あのクソ共が何をやらかそうとしているのか、オレもアンタも軍人だ。服務を遵守し、市民を庇護する義務がオレ達にはある・・・。今回の件といい、なぜ奴等に手を貸した?それから言え」
オリジナルの出自の話をされるが、そんな事は今はどうでも良い。オレは不本意とは言え、再び軍服を身に纏い戦地に立つのなら、背後に控える市民の皆様を御守りするために・・・
―――――『再び?』何だ?何が過ぎった?オレはクルーゼの物真似をしているだけの転生者でDEDEDEDEDE・・・・・
「ンナ?ナナン?」
(レガ?どうしたの?)
「秘匿された記憶の自己矛盾エラーを起こしたんだろう。不憫な・・・仕方ない。予定とは違うが、ハローお前の中にある秘匿情報はあれから誰にも公開していないな?お前は何としても彼と共にソレを守り抜け。いざとなったら私や他の連中を切り捨ててでも守り抜け。良いな?」
「ナンナナ。ワタタ」
(何がどうなって・・・どうしてボクとレガがあんたの言う事を聞かなきゃならないのさ。)
「伝えてやりたいが、事情は複雑に過ぎる。今の防衛軍はもう滅茶苦茶だ。何処に奴らが潜んでいるかが把握しきれない。それに、中に入っている『彼』にも非常に申し訳の無い事をしているが、どうあっても必要な事だ。これからの為に、そして彼らの為に・・・。不完全な肉体しか用意してやれなかったが・・・『こいつ』ならきっと望む未来を掴んでくれると私達は信じてる」
「ナナナ!!ンナン!ワッタッ!!!」
(自分だけ納得して話してるんじゃないよ!ボクもレガもお前達の玩具じゃないんだぞ!ふざけるな!!!)
「解ってる。だが、『俺達』側にも敵がいるんだ。何度話してやりたいと思ったか・・・。レガリアが、いや、■■■が完全に己を掌握し切ってからではないとこれは言えない。頼む、彼に寄り添って何とか立ち上がれる様にしてやってくれ。お前の選択が、彼を目覚めさせる。時間は限りなく少ない。もしかしたら思い出させるのを失敗に終わるかもしれない。それでも―――――」
過ぎ去っていく。聞こえてる筈の言語が、見覚えも聞き覚えもない不協和音となって流れて出ていく。このウサギを模した玩具の様なロボットはなんだ?目の前の男の顔・・・見覚えがないのに懐かしい・・・?
ぼんやりとした意識ともいえない頼りない散漫とした考えが、煙の様に朧に浮かんでは消えていく。
オレは/私は誰だっけ?
何をしなきゃならなかったんだっけ?どうしてここにいるんだっけ?
どうしてオレは生きてRUのカな?なニか大事NAことがGAGA
私は告解します。鬼武者で義経シバいた後、戦争の犬になってました。尚、今もですが・・・いやね。楽しかったんですよ。すいません。これからボチボチまた書きますので気長にお待ち下さい。
本当に申し訳ない(メタルマン)