暴君忠長に転生したので、兄上のために日本列島をメンテします 〜SFチートのはずが、田んぼと水路と寺社ノードの保守係なんですが〜   作:パラレル・ゲーマー

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第15話 大御所様、米の数字を見る

 黄金色の田んぼで初収穫の喜びに沸き、そして「米って政治なんだな」と深く悟ったあの日から、数日が過ぎた。

 

 竹千代兄上の指示により、俺たちは江戸城の奥深くで行われる「正式報告」のための準備に忙殺されていた。

 

 小栗半兵衛が寝る間を惜しんで書き上げた、区画ごとの収量比較帳面。

 

 各区画から厳密に量り取られた籾の見本袋。

 

 試作三号機である「草祓い車」の実物。

 

 水札の木札と、その運用記録。

 

 塩水選に使った桶と、与平や源七たち現場の者の証言書き。

 

 これら全ての「証拠」を揃え、俺は今、江戸城の最も奥まった座敷の前に控えていた。

 

(家康公と秀忠父上に、農業改善実験のプレゼン……。前世でも、ここまで偉い相手に向けた資料なんて作ったことないぞ……)

 

 緊張で胃がちぎれそうになる俺の隣で、竹千代は静かに前を見据えていた。

 

「国松」

 

「は、はい」

 

「数字を問われたら、正しく数字を答えよ。分からぬことは分からぬと正直に言え。できぬことをできると見栄を張るな」

 

「心得ております」

 

「……そして。年貢の件だけは、決して退くな」

 

 その言葉に、俺はゴクリと唾を飲み込んだ。

 

「兄上、最後だけ一番難易度が高いし怖いです」

 

「そこが一番大事だからだ」

 

 竹千代の強い視線に背中を押され、ふすまが開かれた。

 

     *

 

 座敷の空気は、以前の「水神様を囲む和やかな家族会議」とは全く異なっていた。

 

 上座に徳川家康、その横に秀忠。

 

 少し離れて天海僧正と、数名の幕閣の重鎮たる老臣たちが並んでいる。

 

 文字通り、徳川幕府の最高意思決定機関「政策会議」の場であった。

 

(空気が……重い。同じ城の座敷なのに、田んぼの泥よりも深く足が沈む気がする。これ、完全に天下人の御前会議じゃないか……!)

 

 俺は必死に足の震えを抑えながら、竹千代の少し後ろに平伏した。

 

「国松。……報告を聞こう」

 

 家康の低く静かな声が、座敷の空気をさらに引き締める。

 

 俺は竹千代と一瞬だけ視線を交わし、小さく頷きを返されてから、顔を上げた。

 

「はっ。竹千代様・御試み田法、初年収穫の結果をご報告申し上げます」

 

(怖い怖い怖い怖い!)

 

 内心では絶叫していたが、不思議と声は震えなかった。

 

 俺の合図で、半兵衛が進み出て収量表を広げた。

 

「従来法の『甲』区画の収量を百とした場合、塩水選のみの『乙』は百七。正条植えのみの『丙』は百九。塩水選と正条植えを合わせた『丁』は百十八。水札管理を加えた『戊』は百二十三。そして、草祓い車を継続投入した全部入りの『己』の区画は……百二十七にございます」

 

 百二十七。

 

 すなわち、二割七分増。

 

 その数字が読み上げられた瞬間、秀忠の表情が微かに、しかし確かに変わった。

 

 老臣たちの間にも、どよめきに似た低いざわめきが走る。

 

 ただ一人、家康だけが表情を変えずに黙って聞いていた。

 

 俺は、すかさず言葉を継いだ。

 

「ただし、これは御料地の一部における、初年の極めて局所的な試験結果に過ぎませぬ。天下の全ての田で、同じ数字が出るとは限りません」

 

「また、これには大量の塩、厳密な記録係、水番の労、専用の道具、そして何より……現場の百姓と職人の深い理解と協力が不可欠にございます。単に上から命じれば、どこでもすぐに出る数字ではございませぬ」

 

 俺はここで、「これは妖術や神仏の奇跡ではなく、あくまで条件を揃えた『理』の結果である」ということを明確に示した。

 

     *

 

 長い沈黙の後、家康がゆっくりと口を開いた。

 

「……見事なり」

 

 場が、水を打ったように静まり返った。

 

「同じ田より、二割七分。しかも、ただ青々と豊かに見えたというだけではなく、乾いた籾で厳密に量った数字。……値千金である」

 

「ありがたきお言葉にございます」

 

 俺が深く平伏すると、家康はにやりと口角を上げた。

 

「水神としての働きだけでも値千金と思うておったがな。まさか、豊作をもたらす『田の神』でもあったとはな」

 

「やややややめてください!! 違います! 私は水神でも田の神でもございません!」

 

 俺は即座に三下ムーブを発動して全否定に入った。

 

 家康は「ハハハ」と機嫌よく笑う。

 

「分かっておるわ。そなたの報告の通り、施策と理が上手くいった結果であろう」

 

 俺が安堵しかけたその時、家康は意地悪く目を細めた。

 

「だが、民はそうは見ぬ」

 

「そこが一番困っているのです!」

 

 俺が半泣きで抗議すると、少し離れた場所に座っていた天海僧正が、ぽつりと呟いた。

 

「水を整え、田を実らせ、なお民の腹を守る……。まこと、神仏の御使いと見るなという方が、民にとっては難しゅうございますな」

 

「天海様!! なんでそうやっていつも絶妙なタイミングで補強するんですか!!」

 

 俺の悲痛な叫びに、座敷の空気が少しだけ緩み、老臣たちからくすくすと小さな笑いが漏れた。

 

     *

 

 だが、その笑いが収まると同時に、家康の目がスッと鋭さを増した。

 

「……だが、国松。現実は悲惨ぞ」

 

 場の空気が、一瞬にして張り詰めた。

 

 家康が老臣に目配せすると、別の分厚い帳面が出された。

 

「今年の、他地域の田の出来じゃ。日照不足気味の地域、冷え込みで生育が悪い地域、水害に見舞われた地域、虫害が出た地域……。今年の天下の収量は、平年より落ちている田が少なくない」

 

 俺はハッとした。

 

(そうだった……江戸時代は小氷期の影響もあって、気候が全く安定していない時代だ。飢饉なんてどこでも普通に起こる。俺の試験区画だけが局所的に良かったからって、天下全部が豊かになるわけじゃないんだ)

 

「そなたの田は、実によく実った。……だが、他の田はそうではない。この『差』が出たこと自体が、政にとっては極めて重いのだ」

 

 家康の言葉を引き継ぐように、秀忠も重々しい口調で言った。

 

「もしこの田法が広がるなら、天下の飢えを減らせるかもしれぬ。だが、中途半端に命じて失敗すれば、かえって村に余計な負担をかけ、取り返しのつかない破滅を招く」

 

「はい。その通りにございます」

 

 俺は深く頷いた。

 

「塩が要るのだな」と家康。

 

「はい。塩水選には塩が必要です。田全体に撒くわけではありませんが、塩が貴重な内陸の村では、それだけで重い負担になります」

 

「手間もかかる」と秀忠。

 

「はい。正条植えは田植えの刻を奪います。水札には読み書きできる記録役が必要です。草祓い車は鉄を使い、道具の整備が不可欠です。……楽になる手間もございますが、新しく増える手間も確実にございます」

 

 家康は、試すような目で俺を見据えた。

 

「では、ただ『やれ』と命じればよいものではないな」

 

「はい。上の者が命じるだけでは、必ず失敗いたします」

 

 その答えを聞き、家康は少しだけ満足そうに深く頷いた。

 

「そこを分かっておるならよい。……妖術や法術などというあやふやなものではなく、現実の『理』として成した。それが、何よりも偉大なのだ」

 

 俺は、少し息を呑んだ。

 

 水神扱いというオカルトではなく、「理」として天下人から褒められたことに、前世の現代人としての魂が、本気で嬉しく震えていた。

 

     *

 

「これが、草を祓う車か」

 

 家康と秀忠が、持ち込まれた草祓い車を興味深そうに観察している。

 

「はい。ただし、これは正条植えの列幅に合わせて作ってあるため、乱雑に植えられた田では使いにくうございます」

 

「つまり、道具だけを真似て配っても駄目か」と秀忠。

 

「はい。種、植え方、水、草取り、記録。……これらが全て繋がって、初めて一つの意味を持ちます」

 

「一つの道具ではなく、一つの『仕組み』というわけか」

 

 家康のその言葉に、俺は「その通りにございます」と深く平伏した。

 

 天下人は、俺の持ち込んだ現代農業の本質を、すでに見抜いていた。

 

 一通りの報告が終わり、満足げに頷いた家康が、俺に向かって言った。

 

「国松。見事であった。褒美を取らせる」

 

「……褒美、でございますか」

 

「うむ。何が欲しい」

 

 俺は困った。

 

(欲しいもの……? この家に生まれた時点で、食べるものには一生困らない。金銀? 使い道がない。官位? 政治的火種になるから絶対に嫌だ。領地? 面倒くさいから絶対いらない。女? 俺はまだ六歳だぞ!)

 

 俺は、正直に口に出した。

 

「……正直に申しまして、私個人には、特に欲しいものはございませぬ」

 

「ほう」

 

「この家に生まれ、大御所様や父上の庇護のもと、何より……竹千代兄上に巡り会えた時点で、私は十分すぎるほど幸運にございますゆえ」

 

 俺の言葉に、竹千代の肩が少しだけピクリと動いた。

 

 秀忠も、意外なものを見るように目を丸くしている。

 

「ただ……」

 

 俺は言葉を継いだ。

 

「今後も、水神などというふざけた呼び名ではなく、真面目に『水と田を見る役目』は続けねばならぬと思っております」

 

「水神としての働きは続けると?」

 

「違います! 水と田の調査です!」

 

「同じことではないか」

 

「全く違います!!」

 

 家康のからかいを全力で否定しつつ、俺は願い出た。

 

「田や水路、古い祠の保全状況を見て回る必要がございます。御料地だけでなく、いずれは他の土地にも。……ですので、褒美として、必要に応じて土地を巡る『移動の許可』をいただければ、ありがたく存じます」

 

「褒美を聞いたのだがな」

 

「私にとっては、これが一番必要な褒美にございます」

 

 家康は面白がるように笑った。

 

「六つの小童が、金銀も官位も求めず、泥田巡りの許しを欲しがるか」

 

「まこと、水の御使いらしゅうございますな」

 

「天海様、だから補強しないでくださいってば!」

 

     *

 

 座敷の空気が和らいだ、その時。

 

 家康の目が、再びスッと冷たい光を帯びた。

 

「ならば、ほかにはないか。……本当に、他には何もいらぬか」

 

 俺は、一度深く息を吸い込んだ。

 

 ここが、俺の生存戦略における最大の山場だ。

 

「……では。豊作になったからといって、すぐに年貢を絞り上げるのだけは、お止めいただきとうございます」

 

 座敷の空気が、完全に凍りついた。

 

 秀忠がわずかに眉を動かし、老臣たちが「何事か」とざわめく。

 

 家康から放たれる圧が、先ほどとは全く次元の違う、重く鋭いものに変わった。

 

「ほう……。政に口を出すつもりか、小童」

 

(怖い怖い怖い怖い!! これ絶対、戦場で敵将を睨みつけてた目だ! 六歳児に向ける圧じゃない! 死ぬ! でも、ここで退いたら、泥まみれで頑張った与平たちが死ぬ!)

 

 俺の足は震えていた。

 

 だが、表向きは平然と顔を上げ、家康の鋭い視線を真っ直ぐに見返した。

 

「はい。口を出します」

 

 場が、さらに一段深く凍りついた。

 

「……ただし、これは私一人の思いつきではございません。あらかじめ兄上と話し合い……兄弟で出した結論にございます」

 

 家康の視線が、俺から竹千代へと移った。

 

「竹千代。国松はこう申しておるが?」

 

 竹千代は、一切の迷いなく、はっきりとした声で答えた。

 

「私も、全く同じ意見にございます。これは国松だけの願いではなく、兄弟で出した結論にございます」

 

 俺の背中に隠れることなく、次期将軍候補たる兄上が、堂々と俺と並び立ってくれた。

 

 家康が目を細め、秀忠も驚いたように竹千代を見つめている。

 

「豊作になったからとすぐに年貢を増やせば、それは一見、公儀にとって得に見えます」

 

 俺は、震える声を必死に抑え込みながら説明を続けた。

 

「ですが、初年度の成果をすぐに搾り取ってしまえば、百姓は二度と新しいことを試さなくなります! 良い種籾も残せず、道具も直せず、飢饉への備えもできません! そして次の年に天候が崩れれば、余力のない村は一瞬で潰れます!」

 

 家康は黙って聞いている。

 

「手加減を知らない徴収は、豊作そのものを潰します。この御試みを公儀として真に広めたいとお考えなら、増収分をすぐに年貢に直結させないことを、条件にしていただきたいのです」

 

「では、増えた分はどうするのだ」

 

 秀忠が、実務家としての問いを投げかけた。

 

「まず来年の種籾、道具の補修、水路と井戸の維持、不測の飢饉への備え、そして村の腹を満たすために使うべきです。……何年か続いて本当に安定したなら、その時に初めて、年貢の見直しを議論すべきかと存じます」

 

 横から、竹千代が静かに補足した。

 

「初年の数字は、これからの制度を作るための『証拠』であって、決して搾り取るための『口実』ではございませぬ」

 

 その言葉の強さに、老臣たちが息を呑む音が聞こえた。

 

     *

 

 家康は、あえて冷たく、突き放すような声を出した。

 

「……百姓を、甘やかすか」

 

「違います。百姓に『新しいことを試させるための余力』を残すのです」

 

「余力を残せば、怠ける者も出よう」

 

「だからこそ、記録を取るのです」

 

 俺は、半兵衛の帳面を指差した。

 

「田ごとの水位、草取りの手間、種籾の質、道具の状態、そして収量。全てを残します。収量が落ちた時、それが怠けたせいなのか、天候が悪かったのか、道具が壊れたのかを、記録によって見分けるためです」

 

「記録か」と秀忠が反応する。

 

「はい。記録なき徴収は、ただの力任せの略奪になります」

 

 その言葉に、家康は「くっ」と喉を鳴らし、やがて腹の底から笑い声を上げた。

 

「小童が、よう言うわ」

 

「恐れながら、泥の中で見てきた真実にございます」

 

(怖い怖い怖い! もう帰りたい! 布団に潜りたい!)

 

 内心では号泣していたが、俺の表情は、たぶん、引き攣ったまま崩れていなかったはずだ。

 

 長い、長い沈黙の後。

 

「……よい」

 

 家康の一言で、張り詰めていた座敷の空気が、ふっと緩んだ。

 

「褒美として、その願いを聞こう。ただし、すぐに天下に布くわけではない。まずは徳川の御料地で、さらに数箇所、条件を違えて試せ。増収分をすぐ年貢に算入せぬ代わりに、半兵衛とやらに厳密な記録を取らせよ。種籾や道具、水路へ回した分も全て記録せよ」

 

「……!」

 

「怠けを許すわけではない。これは、試みを殺さぬための『猶予』とする」

 

「ありがたき幸せにございます!」

 

 俺と竹千代は、揃って深く平伏した。

 

「それと、土地を巡る許しも与える。……ただし、竹千代の許しなしに勝手に遠出することはまかりならんぞ。水神様が行方不明になれば、江戸城が騒がしいのでな」

 

「水神様ではありませんが、承知いたしました!」

 

 俺の返答に、竹千代が横で少しだけ「ふっ」と笑う気配がした。

 

     *

 

 その後、秀忠によって実務的な方針がすり合わせられた。

 

 追加の試験地の選定、塩の調達量の確認、新たな記録係の育成。

 

 草祓い車の数は鉄を節約するために制限し、鍛冶・木工の負担を確認する。

 

「年貢への即時反映禁止」はあくまで試験地に限ることなど、現実的な落とし所が次々と決まっていく。

 

「国松」

 

 秀忠が、父としての少し厳しい目で俺を見た。

 

「そなたの願いは聞き届けられた。だが、公儀の場で願いが通ったということは、それだけそなたが負う責任も増えるということだ。分かっておるな」

 

「はい。承知しております」

 

(やっぱり、仕事増えたぁぁぁぁっ!!)

 

 俺の背負う十字架は、さらに重さを増していた。

 

 報告会の終わり際。

 

 家康が、最後に俺を見据えて言った。

 

「国松。そなたは普段、三下のように天下を嫌がり、逃げ回るが……真に守るべきものがある時は、一歩も退かぬのだな」

 

「……え?」

 

 俺が驚いて顔を上げると、家康は満足そうに頷いた。

 

「よい。竹千代の側におれ。……そなたが泥を見る。竹千代が政にする。それが、徳川の利となろう」

 

「……兄上の御世を支えるためなら、泥でも水でも、どこまででも見まする」

 

 俺が深く頭を下げると、竹千代が静かに、しかし深い信頼を込めた瞳で俺を見つめ返してくれた。

 

     *

 

 夜。

 

 自室に戻り、疲れ果てて布団に倒れ込んだ俺は、懐の端末を開いた。

 

『追加試験地選定』

 

『記録係育成』

 

『塩調達計画』

 

『草祓い車生産制限』

 

『年貢猶予制度試案作成』

 

『水源巡回許可:条件付き承認』

 

『信仰ノード巡回:準備中』

 

「……褒美をもらったはずなのに、どうしてタスクが倍増してるんだろうな」

 

 俺の呟きに合わせるように、KAMI様から着信が入った。

 

『やっほー。家康相手に、よく言い切ったじゃない』

 

「怖すぎて、マジで吐くかと思ったぞ」

 

『でも、逃げなかったでしょ。三下ムーブばっかりじゃ、いつか見限られるものね。兄上の横に立つには、それくらいの胆力がなきゃ』

 

「別に、横に立つつもりはないさ。俺はただ、兄上の後ろに隠れて、泥と水を見てるだけだ」

 

『はいはい。そういう謙虚すぎるところが、未来で面倒な信仰に変換されるのよ』

 

「やめろ」

 

 褒美として、俺は金銀も官位も得なかった。

 

 得たのは、田と水を見て回る許し。

 

 そして、豊作をすぐに搾り取らせないための、小さな「猶予」だけだった。

 

 それは、六歳の子供の褒美としてはあまりに地味で、そしてあまりにも重すぎる。

 

 だが、俺にはそれで十分だった。

 

 竹千代兄上の御世を支え、俺自身が平穏に生き残るために。

 

 明日もまた、俺は田と水の小さな歪みを拾いに行くのだ。

 

「……でも、そろそろ普通の六歳児の生活に戻りたい」

 

 俺の心からの愚痴に、端末の向こうでKAMI様がカラカラと笑った。

 

『無理ね、水神様。次のタスクが待ってるわよ』




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