■シリーズ
【奈落家】幻と香 ~白夜と男友達~

■キャプション
白夜の男友達香介(こうすけ)がアロマセラピストのバイトをする店に奈落が…!

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■まえがき

いつも読んでいただき、ありがとうございます。

※ 奈落家のいつもの設定確認

・設定は戦国時代なのになぜか現代の要素が入る。
(今回はオイルマッサージ。エロはありません)

・奈落家の服装は、原作通り。

・奈落さんと分身たち皆生存していて
人見蔭刀に仕えて
皆一緒に人見城に住んでいる設定です。

・季節は特に記載が無ければ、
投稿された日と同じです。
(今回も季節はあまり言及されてないです。
4月~5月くらい)

ストーリーのジャンル:少しシリアス・家族愛

(pixivにも同時に投稿)

では、このまま下へスクロールして本編どうぞ。

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第1話

まさか白夜の父親である奈落が来るとは思わなかった。

 

店のパソコンで予約の名前を見た時は

「人見」とあったため、

この人見領内のお偉いさんが来るのか

というくらいにしか思っていなかったが、

まさか人見蔭刀をのぞいて

事実上のトップである奈落の予約だとは。

 

人間のふりをした蛇妖怪の香介は、

人見城は、体裁上は人見蔭刀が支配しているが

実情は奈落たち一派が乗っ取っていることを

白夜から聞いて知っていた。

だが、その乗っ取っている奈落たちにも

家族の問題があることも聞いていた。

 

夜が更けてくる頃。

やって来た奈落は受付を済まし、

彼が着替えて一部裸になりうつぶせになる。

ヒーリングのBGMが優しく流れている。

その半個室に入る香介。

 

「担当の花田(はなだ)です。よろしくお願いします」

 

奈落と香介は人見城がサイバー攻撃を受けた際に

一度会ってはいるものの、

香介の長めの金髪は

施術のため、後ろで軽く結んでいるし、

服装もふだんのパンクファッションとは違う

看護師みたいな上下紺色のセラピストの格好、

左頬の赤い蛇のタトゥは

感染症対策の白い不織布のマスクで隠れている。

背丈は奈落がうつぶせのため、正確には把握できないだろう。

 

香介の名前はフルネームだと

「花田香介(はなだこうすけ)」と言う

鬼滅の刃や東京喰種の主人公の声優みたいな名前だが

苗字しか言っていないので知り合いだとは思われない。

 

声はふだんハスキーなカッコイイ感じだが、

仕事モードでに落ち着いた感じで出している。

 

よって奈落は香介を自身も知り合いである白夜の友人とは気づかない。

 

エロ目的かな?

若いセラピスト目当てに通って来る"おぢ"もいるにはいるので

香介はそれを危惧した。

ちなみに香介の勤める店はそういうサービスはしていない。

 

とにかく施術を始める香介。

アロマオイルは何が良いか奈落に訊くと

ローズをリクエストされた。

 

白夜の親父に合ってるなぁなどと思いつつ、

香り過ぎると部屋が大変なことになるから

そんな匂わないんだけどな、などとも思い、

奈落の肩から背中に塗りつつ

ゆっくりとマッサージしていく。

ほのかにローズが香る。

 

「お仕事は大変なんですか?」

人によっては地雷のこともあるため、

あまり会話はしないのだが、

気になったため話しかけてみる香介。

 

「公務員だが、全体管理なのでいろいろとな」

奈落が施術台の顔を置いている

穴の部分から顔を少し上げて話す。

 

「じゃあデスクワークで大変ですね」

穏やかな口調で話す香介。

 

「だからこうしてときどきリラックスしたくなるのだ」

 

「ご利用いただき、ありがとうございます」

少しイケてる兄ちゃんの声で話す香介。

 

「んん」

奈落は香介の適切な施術に満足しているようだ。

 

なでるようにしつつマッサージしていく香介。

鍛えられている引き締まった体型だが、

どこか疲れを感じる。

オイルマッサージは後ろ腕や腿、ふくらはぎへ。

腕毛やすね毛は少ない方で施術しやすかった。

 

「お子さんはいらっしゃるんですか?」

奈落のことを知っているので白夜たちのことを

聞こうと突っ込んで訊いてみる香介。

 

「お恥ずかしい話、

結婚はしていないのだがな、

なぜかたくさんいるのだ。

だが皆、わしの仕事を手伝ってくれて

とても感謝している」

 

「殊勝なお子さんたちですね。

でもお子さんたちを自由にしようとかは…

考えたりはしないんですか?」

 

一瞬、奈落は黙った。

さすがにまずかったかと香介は思ったが

思うが早いか奈落が答える。

 

「わしはな、実は妖怪なのだ。

この人見城下の町にも人間のふりをして

穏やかに生活を送る妖怪もいるだろう?

その妖怪の性(さが)と言うか

子供たちを自由にできない想いがある。

しかしいずれは…とは思っている。

だがな、子供たちと離れるのがつらいという想いもあるのだ。

子供たちには悪いと思っているのだがな…」

そう言って奈落は小さくため息をついた。

 

香介は自身の正体を見抜かれているのか?と

一瞬戸惑ったが、

「人間も妖怪もいろいろ事情はありますからね」

と態勢を立て直して対応する。

 

じんわりと温かいオイルマッサージが終わって

奈落の体からローズオイルを拭き取った後、

香介はサービスでさらに奈落の肩を揉んだ。

デスクワークが過重な者にはありがたい。

奈落は心地良く呼吸していた。

 

奈落はなんだかんだいがみ合いはあるが、

子供たちのことは想っていると話してくれた。

だが、それがどうもうまくいかなかったりもすると。

 

香介はお子さんたちもきっと想ってくれていますよと

白夜を通じて聞いた白夜が奈落を想っていることを中心に

分身たちの想いを代弁した。

 

施術後、ローズの残り香に

疲労がスーッと抜ける感覚を感じて

奈落はまた一つ深呼吸した。

そして着替えて、受付で支払いを済ます。

 

受付の女性と共に香介も出て来て奈落をお見送りをする。

 

「白夜を頼むぞ。香介くん」

奈落は出入口前でわらじを履いて

帰り際に振り返って一言、香介に声を掛けた。

 

「!!! もちろんです! つーか、気づいてたんですか!?」

驚く香介。マスクを取って顔を見せる。

 

「当然だ。それくらいでないと人見領の全体管理はできん。

ありがとう。元気でな」

 

「はい! 親父さんもお元気で」

 

奈落は手を挙げて最後のあいさつをすると

出入口のガラス戸の軽やかな鈴の音と共に

去って行った。

 

それから香介は施術後の片づけをしつつ、

ふと思う。

 

もしかして俺のこと探りに来たのか?

…聞いてた通りの人だったな。

ま、白夜たちのことは想ってるみたいだし。

 

香介は心配していた白夜たちの親子関係も

完全な暗雲ではないようだしと一安心した。

 

香介は奈落とまた話してみたいと思った。

 

夜の帰り道の奈落も

白夜に良い友達がいてホッとしていた。

 

おわり

 

最後まで読んでいただき、

ありがとうございました。


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