ヒロアカウォッチ 作:なんか妖怪
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玄関の方で何かが届いた音がして受け取りに行くと雄英からの封筒が届いていた。届いていた封筒を握ってみると紙ではない何かが入っている感触がする。
「これ何が入ってるんだ?手紙とかじゃなさそうだけど…」
軽く中身を弄ってみると円形の何かが入っている感じだ。
そうやって封筒の上から正体を探っているといきなり封筒が明るくなり、
「私が投影された!」と大きな音でオールマイトの声が聞こえてくる。
「えっあっ何これ?」
あわあわともたつきながら封筒をあけリビングで投影された映像を見ようと移動していると同居人が起きてきた。
「何してるんだ?」
「火伊那さん、今雄英からの封筒が届いたんですけどなんでか映像にオールマイトが投影されてるんですよ。
「オールマイトがか?雄英の自由さは変わらないな」
2人でリビングのソファに腰をかけテーブルの上に置かれた投影機をみる。
「何故私が雄英の合格発表映像に出ているか?それは私が今年から教師を始めることになったからだ!」
「てことは不合格ってことはなさそうだな」
オールマイトの言葉を受けて火伊那さんは髪をかきあげながら話す。
「どうしてですか?」
疑問に思って理由を問いかけてみる。
「わざわざオールマイトが教師をするなんて情報を不特定多数に振り撒くような真似はしないだろ」
「なるほど、確かにそうですね」
確かにオールマイトが教師をするという情報は聞いたことがない、自分が入学する年になってもそんな噂を聞いたことはなかったから雄英はオールマイトが教師をすることについては大事にする気がないんだろう。
「それでお待ちかね合格発表の時間だ!筆記試験と実技試験の結果だが…」
オールマイトは結果をもったいぶって溜めているが実技の手応えはあったし、さっきの考えが当たっているなら合格というのは分かっているのでそれほど緊張したりはしないがそれでも僅かにドキドキとしてしまう。
「合格!しかも3位での合格だ!」
「一先ず筆記は置いておいて実技からだ!」
結果は予想通りの合格、しかも3位通過らしい。自分自身実技試験は上手くやった自信があるが筆記は怪しかったから意外だ。
「君の実技試験での動きは実に見事なものだったね、見ていた他の先生方も絶賛していたよ!君の取った得点は38P!得点がこれだけならね!」
「君はもしかして気づいていたのかな?もし気がついたのなら見事だし、
知らずに周囲を助けていたのなら素晴らしいね!もう1つの得点、それこそが救助P!名前の通り救助に当たる行動をした際に獲得できるポイントさ!」
救助P…確かにヒーローを育成する学校だからそういうところを見るのは当然だ、だけど評価に繋がるとまでは思ってもいなかった。試験中はプロならどう動くかばかり考えててそういう隠し要素があるとは考え付かなかった。
「これだけ見たら入試は1位通過…といきたいところだったんだが!筆記試験!頑張ったのはわかるけど少しギリギリだったね!実際に思考する力や応用力は十分だったが純粋な知識問題は少し苦手だったかな?ともかく!合格おめでとう!
その一言と共に映像は終わりリビングには静寂が訪れる。少し間を開けてから火伊那さんが口を開いた。
「合格おめでとう、よくやったんじゃないか?筆記についてはもう少し頑張ってほしかったが…」
少し険しい顔をして火伊那さんが話す。
「どうにも座学とか知識を詰め込むようなのは得意じゃなくて…」
子供のころからどうにも物を覚えたりとかするのは苦手だった、逆に思考問題とか応用は基本がわかっていれば何とかなったのだが。
「筆記は置いといて実技はよくやったと思うよ、救助Pの存在には気づいててやったのか?」
「いえ、考えもつきませんでした…今考えてみるとそういう評価項目があるというのは予想できたのに…」
「お前のそういう損得考えないで人のために動けるところは美徳だよ、思い返せば昔からお前はそうだったな」
そういうと火伊那さんは物思いに老け始める、昔の色々と無鉄砲だったり考えが足りなかった頃を思い出されるのが恥ずかしくて俺は朝ご飯が何がいいか問いかけることで思考をそらさせようとしたのだった。
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合格通知が届いてから時は流れついに入学初日がやってきた。前日の夜に用意しておいた荷物を確認して忘れ物がないようにチェックしておく。
「忘れ物はなさそうか?」
火伊那さんが問いかけてくる、小さい頃は忘れ物をしがちだったので心配なんだろう。
「大丈夫ですよ、わすれん帽もいないし…」
「そろそろ行きますね」
「まだ少し早くないか?」
「時間ギリギリだとそわそわするから早めに着いてたいんですよ、それじゃあ行ってきます!」
「おう、行ってらっしゃい」
まだ少し早い時間で本来ちょうどいい時間に着く電車の2本前の電車に乗るべく家から出る。
特に急がずともこの時間に出れば電車には余裕で間に合うはずだ。
新しく通う学校に思いをはせながら事前に一度テストで通った道を進んでいく、何か事件が起きたりもせず順調に駅までたどり着く。
2本前の電車に何事もなく乗れて席に座りながら電車に揺られていると見覚えのある金髪の少年の姿を見つけた。
『あれもしかして上鳴君かな…?ヒーロー課に受かってるといいな…妖怪についてほかの人たちが受け入れてくれるかわからないし…』
とややマイナスな考えを巡らせていると雄英高校の最寄り駅に着いたので席を立ち降りる。
上鳴君もどうやら同じ駅で降りたみたいで声をかけるか迷っていると先に向こうから声をかけられる。
「もしかして怪禍視も合格したのか!?」
「もってことは上鳴君も合格したの?」」
「ああ!バッチリヒーロー科!」
「上鳴君が受かっててくれて良かったよ…同じ中学の仲良かった人は全員別の高校に行ったから…」
「俺もだわ、てかやっぱり雄英の試験難しくなかった?」
「うん、合格発表でもっと座学頑張った方がいいって言われちゃったよ…」
俺たちは話に花を咲かせながら雄英までの道を歩いていく、友達と話すのはやっぱり楽しくて気がつけば雄英の校門まで着いていた。
「俺たち同じクラスが良いよな」
「そうだね、あっ!クラス分け貼ってあるよ!」
「俺たち同じクラスじゃね!?」
「やったー!知り合いがいて心強いよ!ていうか耳朗さんも同じクラスだ!」
「受かってたのか!よっしゃ早速行こうぜ!」
「俺が出席番号1番じゃないの初めてかも…!」
あの時の全員が合格していてしかも同じクラスである喜びを噛み締めながら教室に着くとその教室のドアはとても大きくいろいろな個性に対応していることが伺えた。
「おはようございます」
教室の扉を開けると中は既に半数くらいの席が埋まっておりそのうち窓側の列の眼鏡をかけた少年が立ち上がり挨拶をしてくる。
「おはよう!俺は私立聡明中学出身飯田天哉だ」
「怪禍視君…君とは試験当日あった以来だな」
「怪禍視知り合い?」
上鳴君が試験会場にいたっけと言わんばかりの顔でこちらを見てくるので答える。
「あの後リカバリーガールについて行った会場で知り合ったんだよ」
「そうなのか、俺は上鳴電気よろしくな!」
「ああよろしく頼む」
「じゃあ僕らも席を探さないと」
「怪禍視君は俺の前の席だ」
「そっか、これからよろしくね飯田君!」
「こちらこそよろしく頼む!」
そういうと直角に腰を曲げて頭を下げる、前会った時から思っていたがTHE真面目君と言った性格だ。相手だけ頭を下げてるのはアレなのでこっちも深々と頭を下げてから自分の席につき準備を済ませているとガラガラっと音がして勢いよく教室のドアが開く。
準備している間に何人か入ってきたがクラスの中でも言葉を選べばヤンチャっぽい悪くいうなら不良っぽいオーラのある少年が入ってきて自分の席につくや否やドンっと机の上に足を置いた。
その余りにもヒーロー志望とは思えない行動に彼にグレるリンやゴクドーとかの妖怪が取り憑いていないか辺りを見渡すが妖怪の姿は見えずアレが彼の素であるという可能性が出てきて今後のクラスが早くも不安になる。
そんな彼に困惑していると真面目な飯田君は見過ごせなかったようで注意しに行くが
「思わねーよてめーどこ中だよ端役が!」
と暴言を吐く始末だった。
そっちの方向を見やると緑髪のもじゃもじゃ頭のあの日腕にすごい怪我をしていた少年がなんとも言えない表情で立っていた。
飯田君の注意が不良っぽい少年から緑神の少年…緑谷というらしい少年にうつり話しかけに行った。
その後ロボの残骸の上でグロッキーになっていた少女が緑谷君に話しかけたところで何処からともなくよく通る声で
「お友達ごっこしたいなら他所へ行け」
という声が聞こえてきた。周りの視線から察するに席の位置の問題で見えないが廊下の床の方?に発言者がいるらしい。
立ち上がったことでようやく姿が見えた人は見た目からして大人なので恐らく担任なのだろう。そう考えているとその大人が口を開いた。
「ハイ静かになるまで8秒かかりました」
「時間は有限君たちは合理性に欠くね」
「担任の相澤消太だよろしくね」
と手短に伝える、さっきの発言から察するに合理的なのが好きな人みたいだ。
「早速だが、体操服着てグラウンドに出ろ」
といきなり言われ、教室にいた俺たちは事情も飲み込めないまま渋々と言った感じで更衣室へと向かった。更衣室で緑谷君の腕とかが大丈夫だったかが心配で着替えながら声を掛ける。
「えーと、緑谷君?試験の時の傷は大丈夫だった?」
「え!?な、なんで僕の名前を!?試、試験の時同じ会場だったっけ?」
説明を横着したせいで怖がらせてしまったみたいなので改めて説明する。
「ごめんごめん、名前はさっき飯田君と話してる時に聞こえてきたんだ、
会ったかについてはこの姿を見ればわかるかな?」
そう言って俺はざしきわらしの姿へと変身する。
黒髪に青い着物虫取り網に籠と草履というあの時と同じ姿に変身すると緑谷君は目を丸めて、
「君はあの時の!ありがとう!おかげで助かったよ」
と感謝の言葉をくれた後に急に考え込み始めながらブツブツ言い始める。
「姿が変わったって事は変形型?だとしたらどういう個性なんだろう、確かに僕のことを治癒してくれたけど子供のような姿に変身した事とに関連性がわからない、逆に考えると普段が変身していて回復するためには元の姿に戻る必要があるのか?いやそれだと今度は普段変身していることの理由がわからないぞ、変形型と異形型に多いとされているのは特定の生物と同じ特徴を得る個性だから個性はやっぱり何かに変身する個性?それだとやっぱりなんで人の治癒が出来るのかがわからない、兎にも角にも彼が何に変身しているのかがわからないことには個性の全貌がブツブツ……」
前半はなんとか聞き取れたけど後半に行くにつれて彼の思考と共につぶやく速度も上がっていくので後半は最早聞き取れない。つぶや木にでも取り憑かれているのかと思ったけれど不良っぽい少年の時と同様いない。
雄英に受かるような人はやっぱり一癖二癖あるのかななんて思いながら自分が話しかけたせいで彼が遅れては忍びないので声をかけて準備を促す。
「そろそろ移動した方がいいかも…?」
「あっ!ごめん!昔から考え込むとこうなっちゃうんだ」
「よく考えるのは悪いことじゃないし謝らなくても良いよ、それより俺の名前は怪禍視化、よろしく!」
「うん!よろしく!」
長話をして少し遅れ気味になった俺たちは急ぎ足でグラウンドに向かった。
グラウンドに全員が揃うと相澤先生が口を開いた。
「これから個性把握テストを行う」
「「「「個性把握…テストォ!?」」」」
「入学式は!?ガイダンスは!?」
とグロッキーだった少女が至極当然な疑問を投げかけるが
「ヒーローになるならそんな悠長な行事出る時間ないよ」
とバッサリ切り捨てる。
「雄英は自由な校風が売り文句、そしてそれは先生側もまた然り」
その後に続いた相澤先生の話曰く中学の頃からやってる個性禁止の体力テストは合理的じゃない文部科学省の怠慢らしい。
そして不良っぽい立ち振る舞いの少年、爆豪に個性を使ってソフトボール投げをするように促すと
「死ねえ!!!」
というヒーローとして最悪な声と爆風と共に遥か遠くに投げ飛ばした
周囲が面白そうとキャッキャし始めると相澤先生の雰囲気が変わる。
「……面白そう…か」
「ヒーローになる三年間、そんな腹づもりで過ごす気でいるのかい?」
「よし、トータル成績最下位の者は見込みなしと判断し、除籍処分としよう」
…この雰囲気は嘘じゃないもしも見込みなしと判断されたらこの人は本当に除籍処分にするだろう。
こうして俺の普通とは程遠い入学初日の雄英の歓迎会が始まった…
怪禍視‘sアイ
個性の影響で妖怪が見えるようになっている。
時計の針のような目をしている。イメージはシイタケ目の横がないバージョン猫目っぽい感じ?深く考えられてはいないので読者の皆様のイメージ通りに