マイクラから来ました。   作:マイクラ外から失礼するぞ

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国会はまだでした。ごめんね。(そもそも参考人招致で現在の彼女たち呼べる立場じゃないので、そこら辺は無理やり理由を作ります。原作組との合流も遠い…)


国会に持っていく話

 

 政治的に話し合いの前には、打ち合わせという名のラインを決めている。どこまで話すか、妥協できるラインはどこか、表向きな公約との食い違いをどうするか。国民感情と建前を用意して、自分たちの椅子を確保しておく。ドラマ等で描かれる、お約束と言える闇の部分。

 

 主にバランスを考え調整する中で最も難しいのは外交官である。多国間とのやり取りで相手国からのお話を読み取り、その裏に隠されているかもしれない事象まで理解した上で仲良くお話する仕事である。

 

 日本側からの外交官が、門の先の門から来た住人の元へ向かっている。彼の名は菅原浩治(スガワラコウジ)。若輩でありながら、首相より任命されたエリート官僚である。

 彼に任せられた任務は、彼女たちとの友好関係を築くことである。そして、彼女たち側から日本国に協力的姿勢を引き出すのが使命とされている。

 

 第一に新たな門を設置してもらう。この目で確かめたい、未知の菌がウイルスが、理由なんてどうでもいい。当初の門を撤去してしまった報告を受け、新たな門の先を見たのが伊丹たちしかいない現状なのだ。可能なら相手側から設置する言葉を引き出したい。

 報告内容だけ確認すれば、自由意志のない住民に、縄を腹に巻かれ逃走を抑制された者…正直言って、資料だけでは友好的に接することができる相手なのか疑問が残る。自分たちが支配、あるいは命令権を持っている立場の4人組。見た目がよかろうと、お近づきにはなりたくない相手と個人的見解で判断してしまう。

 

 門から来た敵。和訳の末、帝国兵とわかった者達は、自分たちの歴史に当てはめれば初期のローマ兵に近い。武装はもとより、思想が他国を侵略し自国拡大を目論む輩であった。生き残りも尋問の際『我々は偉大なる帝国のッ』など、自国のプライドを吐き出し続ける始末。

 友好的接触を望んだ相手。それだけ聞けば彼女たちの方がと考えが偏るものだが、それこそが彼女たちの企みではないか?実は帝国とは元より手を組んで…そこまでいけば被害妄想であるが、彼に求められているのは偏見なき友好的にかつ自国に対する有益な取引を行える状態まで持っていくことである。それでいて、相手側に疑わしい事柄はないかを探り、今後とも友好的状態を維持しなければならない。

 

 彼女たちに関する資料には、訝しむ内容が羅列されていた。現日本のアニメやゲームなどを含む、いわゆる二次元に対する理解がある。インターネット内にて情報元からトピックされた内容の発言。アニメやゲームでの印象深いセリフを用いたコミュニケーション。

 なぜ知っている、どこで…そういった質問には一切応じない徹底ぶり。外交的観点から見れば脅威である。異世界の住民でありながら、日本の、こちらの日常を理解していると、現在の日本の立場も理解している可能性が高いことを示唆している。

 

 やりずらい相手だ

 

 そう考えるのも必然である。日本語が通じる、我々が普段から扱うあいまいな表現も理解した上で発言できる相手。しかも、相手はこちら側、日本の引き出しをわかった上で取引できる優位性を持っている。

 何より、帝国と違い技術力の底が知れない。資料の中には物を圧縮させ取り出す等の魔法?が使える事も記されていた。彼女たちと接触する隊員たちが着く1時間ほどで廃墟となっていたであろう村を整地できる力も持っているのだ。

 

 攻める権利は相手側か

 

 相手側の立ち回り次第だが、日本は受けだ。知りたいことは沢山あるが、相手側の知りたいことは無いに等しいかもしれない。不利な外交になるのは確実。あとは相手側が素直に同行した経緯などが知れれば、取引材料に使える。

 

 思考をする中で彼女たちの一室まで足を進めている時・・・何かを叩いている音が聞こえだした。

 

 

 


 

 

 

「な、なにをしているのですか!」

 

 菅原が部屋のドアを開けた時には…護衛の自衛隊に止められている最中であった。部屋中の至る所が謎の陥没?約1m程のブロック状になって消失している状態だった。

 

「申し訳ありません!彼女たちの好奇心による暴走を止められませんでした!」

「は、はぁ?好奇心です…か?」

 

 護衛の部隊長は如何にも疲れてます。と顔に出ている状態で謝っている。そんな状態を見ながら彼女たちは和気あいあいと喋っていた。

 

「普通のコンクリートブロックだね~」

「鉄部分も鉄だ」

「お、テレビを叩いたらテレビのままだ!」

「マジ!MOD状態になってる感じかな!」

「いい加減にやめてくれ!ここのホテルは借りてるだけなんだ!」

 

 は~い。と先生に諭されたように部隊長の説得により、圧縮?されていたであろうブロック状の鉄などを元の場所に戻していく。資料で知ってはいたが、実際に魔法のような光景を見て驚愕が止まらない。先ほどまで確かにブロック状に消失していた場所に埋め込むように各ブロック状のコンクリート等を押し込んだ瞬間…継接ぎなく元に戻ったのだ。触ってみても、切断された様子もなく接着していた。

 

 これは…別の意味で厄介になりそうだぞ…

 

 アニメやゲームをコミュニケーションに使ってくる時点で考えて…いや、ここまで論理的思考から外れる人物とは思えないが。想像していたより、取引を行う相手は論理感の欠如が見られる。

 だが、見た能力だけでも有益であり、使い方次第で国益にもなる。傷なくはめ込む魔法もそうだが、物の圧縮に収納、見た限り圧縮できる大きさは1m程であるようだが、圧縮だけでも用途はいくらでもある。気を引き締めて対応に望まなくてはならない。

 

「改めまして、私は外交官を務める菅原浩治(スガワラコウジ)と申します。今回はあなた方の世界、門の先の世界について話し合う場を用意して頂きありがとうございます」

 

 出鼻をくじいたが、それはお互い様として受け入れよう。そういったニュアンスを含めて笑顔で挨拶を行うと、ピンク髪の女性が返答した。

 

「いえいえ~、こちらこそ日本にお招き頂きありがとうございます~」

「あなた方は日本についてすでにご承知のことと存じますが。実際に来訪され、日本で気になった点はございますか」

「う~ん・・・あ、そうだ。こっちの世界ではマイクラ、Minecraft(マインクラフト)ってゲームはないんですか~?自衛隊の人に聞いても知らないって言われて~」

「Minecraft…鉄を掘り、作るゲームですか?申し訳ありません、私は存じておりません。そのゲームはネット上で調べれば検索できる物でしょうか」

「あ~…たぶん、この世界(・・・・)にはないのかも~。気にしないでください~」

 

 この世界…引っかかる言葉であるが、気にするなと言われてしまっている状況で根掘り葉掘り聞きに行けば、気分を害する可能性が高い。後で調べる事として終わらせる。

 そうですか、と会話を一度区切ろうとした際に赤髪の女性が会話に割り込んできた。

 

「え、なに、こっちの(・・・・)日本はマイクラないの?話が通じないじゃんね」

「こっち…ですか。あなた方の世界にも日本があるのですか?」

「日本はないね。そもそも国が無いね」

「国が?」

「ちょっと~、私が代表で話すって言ったよね~」

「ごめんね、こいつちょっと頭が二次元に支配され過ぎてるから」

「その考え人格が悪魔に支配されている!」

「悪魔?」

「ネタがわからない人にやるのは辞めようね?」

「気にしないでください」

 

 赤髪の女性が緑髪と青髪の女性に羽交い絞めにされる。赤髪の女性が何故か喜びながら叫んでいるが気にしないようにした。

 

「そういえば、私たちに名前が無いのが不便らしいですね~」

「ええ、まあ、個人をお呼びする際にどうしても」

「ですので~、私はイッチとでもお呼びください」

「イッチさんですか」

「はい~、青髪がニッチ、緑髪がサッチ、赤髪がヨ「ファイブだ!四は駄目だめなんだよぉぉぉ!、あ、あるいは赤髪のシャンク〇でも可「「うるせぇよ」」」…赤髪はファイブでお願いします~」

「わかりました」

 

 相手側が気にしないと言ったのだ。自分も気にしないことにした。そしてようやく本題である。

 

「ではイッチさん。我々日本側としてあなた方と取引したいと考えております」

「取引ですか~、具体的には?」

「…その前に一点よろしいでしょうか?あなた方は鉄やコンクリートを収集されておりましたが、あなた方の世界にはそういった資源が少ない、あるいは乏しいのでしょうか?ご不快でなければ教えて頂けますと幸いです」

無限(・・)にありますよ~?」

「…無限と仰いましたか?」

「はい~、無限に集める事ができますよ~?」

「無限というのは…具体的に聞いてもよろしいでしょうか」

「う~ん?建築した規模だと~、1時間で鉄のインゴット500個ぐらい~?」

「1時間で500…それが無…限ですか?」

「多少バラつきが出ますけど~それぐらいですね~。多すぎて邪魔なので、私たちがこっちに来るときに稼働を止めてますけど~」

 

 とんでもない話が出て来た。今までのやり取りが吹っ飛ぶかのような爆弾情報。無限に鉄のインゴットが手に入る?日本で一日精錬して約1万トンの鉄が手に入る。インゴットにすれば大きさによるが約1万本ほど。これは24時間フル稼働しての結果だ。それと同等の量を無限に手に入ると言われたのだ。

 

「そ、その無限に手に入る資源は鉄だけでしょうか?」

「銅も鉄も金も無限ですよ~アメジストの欠片もありますね~」

「は、はは・・・銅も…金もですか…どれぐらいの生産量なのでしょうか」

「鉄と同じぐらいですね~、あ、金は少し少ないかな~」

「つまり、毎時間500程のインゴットが無限に手に入る…」

 

 これはどうすればいいのだ

 

 外交官としての立場から顔や動作は表に出ないよう抑えてはいるが、頭を抱えたい事案の連続だ。相手は無限に資源を確保できる施設を建築できるようだ…無限である。取引したいと日本側が持ちかけても、相手側の要求を相応に飲まなければ対等な席に座る事すら許されないではないか。

 無限に各インゴットを作成できるというのは、枯れない鉱山を持っている?それとも魔法により生み出しているのか…どちらにしても、国益として門の設置に匹敵するレベルの情報だ。

 

「そうだ~、話が長くなっちゃいましたけど~、取引って何を交換するんですか~?」

「・・・正直に申し上げますと、我らの国、日本国は資源に乏しい立地であります。あなた方が許して頂けるのであれば、資源を含め、幅広い取引のご検討を願います」

「私たちは~日本にしかないレシピ~…あ~、技術が欲しいです~」

「技術とは…科学技術を含む技術でしょうか?」

「そうです~」

 

 それは意外な申し出だった。無限に量産できるだけの施設を建築できるのであれば我々の技術より遥かに上回っていると考えていた。

 

「我々の技術では、無限に生成する段階には届いていないのが現実でして」

「私たちが無限にできるのは資源だけですよ~?」

「資源だけ…それは、どういった事でしょうか?」

「見てもらえればわかりますよ~。ゲートで私たちのマイクラ(・・・・)世界に来てくれますか?」

「マイクラ世界というと、先ほどのゲームのタイトルと同じですが」

「同じ世界ですよ~」

「それは…あなた方はゲームの世界から来たと?」

「う~ん、違います~。ゲームと同じ仕様の世界から来た感じですね~」

 

 ゲームと同じ仕様の世界から来た?ゲームから飛び出してきたとでも言うのだろうか。

 

「日本側としても、ありがたい申し出です。お手数でなければ、ゲートの設置場所を日本側で決めさせて頂けないでしょうか。護衛から始まり、何事にも順序がありまして」

「いいですよ~…でも~、勝手に装置とか触られると困るので~必要な時以外はゲートを閉じますね~」

「ええ、わかりました」

「少し待ってくれない?」

「…ニッチさん、何か問題が」

「こっちの問題なので、日本側は何も心配しなくて大丈夫です。ゲートの設置ですが、数日待っていただけますか?」

「どうしてですか~?」

「私たちの世界で話すから…ファイブ以外は戻りましょう」

「何で私を置いていくんですかぁぁ!ウゾダドンドコドーン! 」

「貴方はこっちでゲートを見張ってて。ホテルの屋上にゲートを造るから」

 

 このままゲートの設置にと、話が進む瞬間。青髪のニッチが待ったをかけた。明確に時間を欲している行動を見て、彼女たちのマイクラ世界において見られたくない何かがあると菅原は察した。

 

「…わかりました。どこに設置するか話し合う時間もありますので」

「ありがとうございます。私たちも日本を招待できるように準備しますので…ほら、行くよ」

「う~ん?何かありましたっけ?」

「あー、何となくわかったわ」

「僕のデータにはないぞ!」

 

 彼女たちを観察していると、まとめ役がピンク髪のイッチ、補足や観察の役割をニッチ、全体のバランスを見ているサッチ、突拍子のない行動で相手側の…いや、これは考え過ぎか。

 見られたくない何か。資料にあった住民に対する事であろうか・・・証拠を消すため…だが、わかったところで介入できない。証拠もあくまで伊丹たちの資料しかなく、写真などの物的証拠もない。これから取引する相手を追い詰める行為は問題であり、そもそも相手の…世界、支配環境下に干渉しては外交問題として捉えかねない。

 

 彼女たちの行動は早かった。屋上に向かい、僅か数十秒で新たな門が設置された。その建築能力の速さは、言葉で言い表せない衝撃を与えるのに十分だった。

 

「では~また会いましょう~」

「次回の会談もよろしくお願いします」

「30秒で支度しな・・・早く帰ってきてよ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 マイクラ世界に戻った3人は情報の共有を行った。それは共有というより、思い出す行為であった。

 日本人に何をしているか(・・・・・・)を、驚き問わず声をかけられた時のことを話し合ったのだ。簡単に言えば、彼女たちの持つ記憶に当てはめる行為。これからの取引で問題になる物を話し合ったのだ。

 

「う~ん、資源は欲しいらしいので~トラップタワーはいいのでは~?」

「一番問題なのあるでしょ、住民よ。私たちが異世界へのゲートを見つける前にはあったんだから、住民を見られてる可能性があるのよ」

「やさしいプレイしてたら大丈夫な案件だったのにね。途中から面倒になって効率プレイになっちゃったし」

「あ~!怖がられちゃうか~」

「日本と取引するのなら、こっちみたいに物々交換で終わりにならないわ」

「少し面倒ですけどね」

 

 うんうんと納得したイッチを皮切りに各自、紫の光を放つ直剣を装備する。

 

 

 

 さあ、間引きの始まりだ~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





 取り残されたファイブちゃん
 空気になってた部隊長さん
 常識を破壊されまくってる菅原さん

「ねえ、見張るのはいいんだけどさ。いつまで見張ればいいの?」
「え、話し合ったのではないのですか」
「一番大事な事じゃないのか」

 なんとも言えない空気になった面々だったが、ファイブはいいことを思いついた。

「この屋上全部、水没させていい?」
「「駄目!」」

 様々な問題発言を繰り返すファイブがとった行動は、ゲート周辺をコンクリートブロックで物理的に埋める事だった。
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