マイクラから来ました。   作:マイクラ外から失礼するぞ

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優しいおじさんとファイブちゃんが仲良くお話する回。(これで国会行けるぜ~)



ファイブちゃんとおじさん

 

 日本は異世界ファンタジーに対して大量の資料が存在する。アニメやゲームを元に蓄積されてきた常識。異世界では魔法が、エルフが、モンスターが、神が、様々な要素を含んだ常識が存在している。二次元を普段から日常の一部として無意識化でも学んでいる日本人は、柔軟に受け入れられる土台があったのだ。

 ゲートが開いて異世界という現実が存在すると世界に知られてから、今まで幼稚な考え、オタクが見るもの、と偏見の眼で見ていた者も勉強として二次元を学ぶのがビジネス上において必要と見なされる程、世界規模で常識の変化が一般化している。

 

 外国からの旅行客が増大している

 

 留学生を含む、日本に滞在を望む者達が後を絶たない。日本政府の捉え方としたら、現日本に来る外国人の目的は十中八九ゲートである。銀座付近に不審な影が跋扈しているのは情報として日夜届いている。

 先日、新たな門、改めマイクラ世界の住人を招いたニュースを見た各国の反応は、歓迎する準備があるの一点である。ただし、自国に招いてと付くが。日本に日夜絶賛という名の講義が来るのをさばいている。

 

 我が国も彼女たちと友好的に接したい

 

 予想できていた反応だ。当初から予定していたガス抜きのためのパフォーマンス。見目麗しいのも幸いしただろう、4人の現実離れした美女が異世界から現れた。そしていい意味で想定外だが、彼女たちが親しみやすい言動を繰り返したことで、日本国民は歓迎ムードに染まっている。

 言語の問題がないのも大きい。まだ多国語を話せるか不明だが、日本語を意思疎通に問題レベルで熟知して発しているのを確認できているのだ。仮に未修得だろうと、我々の世界の言語を一つでも理解しているならすぐ覚えてくれるだろう。

 

 良い悩みと言うべきか

 

 彼女たちは日本初の招待した異世界人として素晴らしい成果である。そう、素晴らしすぎだ。ゲートの設置が自由にできる。その一点に注視しすぎていたと言えばそれまでだが、外交官が聞き出した情報が上がってくると、椅子から転げ落ちそうになるほどの衝撃がきた。

 

 無限の資源を生み出せる

 

 毎時間500程の鉄などを含めたインゴット各種が、彼女たちの建築した工場で無限に生成される?嘘だろと口を揃えて資料を確認した者達で言い合う中、実際に彼女たちの魔法を見た外交官から現実として受け入れるべきと念を押して記載された文章もあり、担当した彼も信じられない気持ちだったのだろうと察せられた。現物がない現状実感が湧かないが、ゲートという非現実が現実になっているのだ。ある前提で話を進めるべきと会議は続いた。

 

 彼女たちの価値が想定を上回る

 

 ゲートの自由設置で各国との取引の場を作れる金の卵のように思っていたのだ。第一にマイクラ世界との交流で利益をと思っていた矢先に、その世界は日本が最も欲していた戦略資源が無限に手に入る世界でした。と後出しを食らった状態である。まだ突けば様々な事柄が後から出てきそうな…いや、出てくるだろうと予想できる程、期待と想定外のストレスを感じていた。

 

 彼女たちと交渉して日本だけの取引を行う案。無限ならば他国を巻き込んで日本の優位な立場を作ろう案。など、日本の戦略的構想の一部としてマイクラ世界強いては彼女たちを有効に扱うべきだ。と与党内では考えが改まってきている。だが肝心のまとめ役たる総理が弱腰でまとまらない。

 その他にも問題は彼女たちを表に出し過ぎてしまった事である。友好の証としてゲートを各国に…最終的にそうなる物語を予定していたのだが、価値がわかった今になってゲートを設置されるのは困る案件となってしまった。だが当初予定していた迅速な土台固めが仇となり、マスコミメディアにも既に彼女たちとの友好的開催準備についてもリークさせてあるのだ。今更止めてもなぜ今になってと勘ぐられ、嗅ぎまわれる。

 

 ならば仕方ない。更なる価値を見出すのだ

 

 現在、4名の内3名はマイクラ世界に戻っていると報告を受けている。お互いに見せたくない何かに対処するのは当然のこと。我々も表に出さない事柄を抱えている。逆に交渉する上で共感できる行動を見れて安心している程である。

 残った一名に関しては、他3名より言動が行動的、言い方を変えれば情緒にあふれ、突拍子のない行動をする場面が多いらしい。新たなゲートを守る為とはいえ、周りをコンクリートで埋め立てたとある。物理的侵入を防ぐ上では最適ではあるが、現代知識を持ち得ている者にしては軽率と捉えることもできる。身の回りの警護を担当している部隊員からも普段からアニメやゲームの話を振って話題作りをしているとある。

 

 微笑ましい事だ

 

 年老いた我が身にとって、ゲームやアニメの知識は仕事として必要な場合に学ぶ時もあるが、好奇心が導くまま熱中できる情熱は薄れていく一方である。まあ、銀座事件で中断になった同人誌即売会が開催されたら絶対に行いきたいぐらいの情熱はくすぶっているが。

 

 負うた子に教えられて浅瀬を渡る

 

 優柔不断で責任から逃げて、こっちに丸投げしやがったク…森田総理から特地問題対策担当大臣を任されたのだ。新たな特地からの使者殿と交流するのも、任された外務大臣として当然の行動だろう。ただでさえ特地での伊丹率いる自衛隊とドラゴンの一戦で5.56mmで歯が立たなかった等の頭を抱える案件を抱えているのだ。すぐ近くに解決の糸口を持っているかもしれない者と会話するのも必要だ。

 

「本物の魔法をこの目で見れる機会があるなんてなぁ…俺も使いたいな」

 

 森田内閣 特地問題対策担当大臣 嘉納太郎(かのうたろう)は、嬉々として会談に向かった。しかし、外交官である菅原にとってはいきなり実質上司の来訪に急いで準備をする羽目になり、人となりを理解しているが故にため息を飲み込むのであった。嘉納さんが無意味に動くはずがない。それだけの信頼を菅原は思っていた。

 

 


 

 

 

「本日は急な会談に」

「ぬるぽ!」

「ガッ!!」

「え」

「「ノリが悪いな」」

「おじさんはノリがいいね!」

「ありがとう。菅原君は責任感が強いからねぇ、こういった流れに遅れてしまうんだよね」

「は、ハハ、すいません」

「細けえことはいいんだよ」

「そうそう」

 

 マイクラ世界の住人との会談。今後のことも考えて慎重に接する相手なのは間違いない。ましてや、目の前にいる彼女は4人のトップの内の一人なのだ。

 

「私は嘉納太郎、特地問題対策担当大臣という肩書のおっさんだ」

「長いね。嘉納さんでいい?」

「おう、君はファイブでいいのか」

「一応ね。シャンク〇でもいいぜ!」

「おいおい、俺は異世界に対しての防衛大臣みたいなもんだぜ?海賊は取り締まらなきゃいけねぇなあ」

「オレ達は皆、生まれた時から自由だ」

「巨人はNG」

「なんでや!」

「冥き夕闇版ではキ〇トの理解者になってたな。懐かしい」

「うぉぉぉ!嘉納さんマジリスペクトっすよ!」

 

 二人のアニメや漫画などの話についていけず、盛り上がる中で嘉納さんが何を考えてこの会談を実施したのかを思考する。会話相手であるファイブ氏が二次元を好んでいる為に合わせているのはわかる。アニメやゲームの話から印象を良くする為だろう。

 傍から見るとまるで親子のようにも見える。実際はファイブたちの話を信じるなら数百歳なのだが、今見える光景は歳の離れた娘とアニメや漫画ネタで熱狂しているおっさんにしか見えない。

 

 …大丈夫だよな

 

 顔に出たのか、笑顔で会話していた横顔が深みのある笑顔に見えてしまった。丁度、魔法少女の話をしている最中の時である。今思い出したように問いかけていた。

 

「魔法といえば、ファイブたちが使ってる物は魔法でできてるのか?」

「ん?つるはしとかの事?」

「ああ、叩いたら大きくなったり小さくなったりしてるらしいが」

「別に普通じゃない?私たちが叩いたらブロック状になるのはルールみたいなもんだし」

「へぇ、まるでゲームだな。じゃあ、俺たちがマイクラ世界の道具を使えば同じような事ができるのか?」

「う~ん、どうだろう…やってみる?」

「お、是非やりたいねぇ」

 

 これは…この流れは賭け(・・)になるのではないか。外交的に考えて、我々の会談は相手側の弱みにつけ込む方法だ。第一回目の会談相手であるイッチに対して、仲良くお話したからあなた達の技術の一端を使わせてください。と言っているのと同じだ。今回はお世辞にも外交を意識して会話できる相手ではない。確かに話を合わせれば様々な技術の理解を深めることはできるが、継続して信頼関係を続けられるか相手側の受け取り方次第になってしまう。

 

 止めるべきか

 

 そう考えた時、合わせたように肩に手を置かれる。

 

「そうだ、菅原は彼女たちが我々日本側の技術が欲しいと聞いてるんだったな?」

「え、ええ、確かに科学技術を含む技術を取引すると」

「じゃあ、彼女たちの道具で私たちが同じ魔法を使えたらどれぐらいの価値(・・)を付けれる?」

 

 本気ですか…瞳で訴えると、何でもないかのように笑顔で返された。ここで相手側の技術的価値をレートに直せと。魔法技術を現代価値に換算して決めてしまえと言っているのだ。それは確かに必要な事ではある。取引する上で互いに渡す技術の価値が曖昧では問題なのは理解できる。しかし、急すぎる!本来なら私の意見も含めて、与党内で妥協できる状態まで落とし込むのがセオリーだ。

 

「ファイブたちはどんな物が欲しいんだ?技術といっても様々だぞ」

「私たちがレシピとして理解できるまでかな?」

「あん?レシピって、ゲームでいう何か作る時に必要な?」

「そうそう。苗とかだと持っただけで頭に浮かぶけど、日本の機械とかを持つと電子基板とか、私たちにはない物(・・・・・・・)が必要になるんだよね」

「…なるほどな。つまり、ファイブたちが造れる物は自分たちで認識っていうか、大まかにそれはこういったものだ。みたいな内部部品とかの勉強が必要なんだな?」

「そうだね!これはどの回路で動いて、こういった動きになるってわかるとパって!レシピがアンロックされる感じになって、どんな物を作ろうって楽しくなるんだよねこれが!」

「ひゅ~、モノづくり魂が輝いてるな。要するにだ、俺たち日本側は技術の教科書を売ればいいわけだ」

「ッな、なるほど。そういう事でしたら、現在採用されている機械類含めた特許料金を算出すればまとめられます」

 

 自分にない視点からの読解。自分だけなら後、数回以上の会談を必要とした案件。それが数十分の雑談に思えた会話から導き出されてしまった。

 

 嘉納さん…貴方は…

 

 尊敬の眼差しを向けている最中、ファイブが懐から会談用の机の上に四角い謎の箱を置いた。

 

「なんだこれ?」

「作業台。これにレシピ通りに物を入れれば道具ができるよ」

「凄いな!何でもレシピがあれば作れるのか!」

 

 何でもないようにオーバーテクノロジーを出されたが、まだ始まりであった。ファイブはまた懐から鉄のインゴットを3つ、木の棒を2つ取り出して作業台に入れると…カンっと鉄を叩いたような音が聞こえた時には、彼女の手につるはしができていた。

 

「はい。エンチャもしてないけど、いいよね」

「おお、ありがとう。エンチャというのはエンチャントのことでいいのかい?魔法を付与できる的な」

「経験値が必要だけど、耐久力を上げたり、ドロップ率上げたり、ガチャ要素だね」

「へぇ…それは武器にも付けれたりするのかね?」

「そりゃできるよ」

 

 

 

 そうか、そうか…今度試してみたいねぇ

 

 

 

 結果だけ話せば、嘉納太郎が持ったつるはしで物を数回叩いた結果・・・物がブロック化した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 帰りの車の中で嘉納は、貰った(・・・)つるはしを厳重に保管して、口の堅い研究職の者達にブロック化した物を含めて預ける手筈を整える。

 

 楽しい休日になったよ、わかるかい、私も魔法が使えたんだ。伊丹にも自慢できる、我々の世界での人類初(・・・)の魔法使いとね。

 

 

 

 今回の行動が、マイクラ世界の有用性を現実のものとする初めての試みであった。そして人類は知っていく、未知なる技術は手の届く場所にあると。夢のような力が手に入ると分かった時、人間はどんな行動をとるのか、わかりきった事であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 






 
 ※原作の嘉納さんはここまで酷くないので悪しからず。

個人的にはマブラブ世界の政治家、あるいはコズミックイラ世界の人間並みにしたい願望があります。ええ、あくまで願望なので。気にしないでください。
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