マイクラから来ました。   作:マイクラ外から失礼するぞ

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森田総理の下の名前がわからんので、元ネタの人の名前を参考にしました。あまり気にしないでね。(政治の話って疲れるわ)


二国間交流の始まり

 

 二国間の会談は自らの任期中に何度行われるであろうか。日本国の責任を引き受ける回数は果たして何度の瀬戸際を求められるのだろうか。なぜ、自分が総理になってから理解の範疇を超えた事柄が跋扈して押し寄せてくるのだろうか。

 

 森田康夫(モリタ ヤスオ) 内閣総理大臣。

 

 己は他者を先導、導く性格ではない。自らの役目を客観的に見つめ、できる範囲で実行していく男だと自負している。長年の積み重ねて来た経験、歴史を参考に学び己の力としてきた。その考え方は、携帯などの新たな電子機器の登場やゲートなどの異世界の門が開こうと変わる事のない不動の精神であった。

 

 こんな子供らが首脳だと…ありえない

 

 二国間の会談それは国同士の繋がりを強固にする為に使われる。同盟国との経済的繋がり、技術的、軍事的。相手国を互いに尊重し、理解し合う場。少なからず頭では、森田総理はそう認識していた。

 相手国を認め、互いに認め合う。だからこそ、大統領や首脳となっている者達は各自国民に認められた者達で構成されているのだ。それが常識であり、民意であり、今までの歴史上でもそうだった。

 

 外交官の菅原は何を考えているんだ…我々はまだ、彼女らの世界に住人がいる事しか知らないんだぞ

 

 特殊な技術を持っているのは知っている。魔法という非科学的な技術を持っていることも。嘉納太郎、特地問題対策担当大臣 より教えられている…そも、森田と嘉納の仲はあまりよろしくない。森田からしたら幼稚な者達が見るアニメやゲームなどを好んでいる、いい歳した政治家なんて国民から選ばれた我々の品位を落とす害悪とすら内心思っていたりする。現実にゲートが現れて世の考え方、捉え方に変化が訪れても森田総理の根幹には届かなかった。

 

 資源の使用権だけ持っているだけの子供なのでは…いや、そうなのでは…

 

 異世界からの首脳ら。森田の眼に映るのは4名の麗しくも、若さ独特の活発的な行動力に満ちた者達と見えた。森田が話すことは挨拶程度と事前に嘉納と打ち合わせしているとはいえ、自らは首脳、総理である。最終決定権の責任は己にのしかかるのだ。その過程で生まれた問題責任は特地問題対策担当大臣が被るとしても、国家首脳を相手にした事実がある限り、問題があれば己にも降りかかるのは確定している。

 

 海外からゲート、ゲートと、いつまで独占していると迫られている状況が続いているんだぞ

 

 同盟国であるアメリカからゲートへの合同軍事介入許可を求められ、中国からゲートの主権を求められ、ロシアから北方領土問題をもう一度話し合う気があるかと求められ、EUなどから様々な支援云々・・・国際的に我が国への圧力が強まっている。

 

 やはり、共通財産として世界と繋がりを求めた方がいいのではないか

 

 無限の資源?それは素晴らしい。私だって日本国を思えば絶対手に入れたい物だ。自国だけの物になるのなら後押しするのもやぶさかではない。だが各国が許すはずがない現実があるのだ。ならば、共有することを第一にしたっていいじゃないか。

 仮にマイクラ世界との繋がりを重視して、各国から制裁を受けたらどうする?資源は何とかなったとしても、孤立した我が国と取引する場所が無ければ終わりだ。その前に食料品の輸入を止められただけで干上がるのではないか?

 

 彼女たちに貸出するように呼びかけるだけでいいのではないか?資源などの各技術の使用料金だけで十分な利益を彼女たちは得るはずだ。彼女たちが我々の世界に協力するだけで、国際社会は平和に収まるはずだ。

 

 森田総理は内心で都合がよい言葉の羅列を積み上げて酔っていくのだった。

 


 

 

 

 関係閣僚会談が行われるにあたり、両者の自己紹介から行われた。通訳がいらず、何度も会っている外交官の菅原はいつも会っているためスルーとして、特地問題対策担当大臣の嘉納が自己紹介をした時、ファイブ以外の者達から一睨みされた。それをまるで友好的なモノとして笑顔の返答から始まった。

 

「独断で会談したのは印象が悪かったか。申し訳ない、好奇心が抑えられなかったんです」

「…まあ~こちらもお待たせしてましたし~・・・お互い様でいいですよ~」

「おお、それは良かった」

 

 今度は森田総理から言葉遣いで一睨みされたが、それは素知らぬ顔で話を続ける。資料を菅原が配り、各自確認していく。確認していく中で、森田総理が目を見開き嘉納の方に何か言いたげに目線を向けるがその瞬間まで声には出さなかった。そして早速話題に上がったのはゲートの設置である。

 

「ゲートの設置場所は~特地と陸上自衛隊基地(・・・・・・・・)でよろしいですか~?」

「少し待って頂けますか」

「どうしました、森田総理?彼女たちの言葉を遮るのはいかがなものかと思います」

「…これは失礼しました。ですが、私はゲート設置に関して特地のみ(・・・・)と認識していたのですが、嘉納さん?」

「おや?おかしいですね、私は自衛隊が特地にて拠点としている場所に往還できる(・・・・)ゲートを設置する予定だと…事前にお伝えしたはずですが?」

「…あ~、ゲート間の往還を勘違いしてたんですね~」

「ははは、どうやらそのようですな!」

「ッ、特地の自衛隊が確保している場所はあくまで野営地(・・・)であると認識していますが?自衛隊基地とは記載間違いではないですか。特地の土地は日本国の土地ではないはずです」

「更に勘違いですねぇ。ゲートを設置するのですよ?入口と出口(・・・・・・)が必要になるでしょう?入口となるのは特地の自衛隊が確保している場であり、出口が我らの世界にある陸上自衛隊基地内になる…ただ、それだけじゃないですか」

 

 こいつッ!森田総理はやられたと理解した。確かに嘉納から説明は受けていた、だが肝心な情報を伝えていなかったのだ。設置されるゲートは、特地のゲート越しでも日本国に繋がると。ゲート間を通せば、銀座にある門を経由しなくても、マイクラ世界経由で移動できると。

 嘉納は嘘はついていなかった。そも、彼女たちと接触した際には特地にてマイクラ世界と特地を繋ぐゲートの特性は察せられていた。そして、前回ファイブとの会談時に日本国内でゲート設置からマイクラ世界に帰還している実績もあるのだ。そのことは共有している情報であり、認識の差異があっても聞いてこないお前が悪い(・・・・・)

 

 ふざけるな!自衛隊基地に特地の、しかも新たなゲート先への直通のゲートを置くだと!そんな事を許せば、海外にバレた時にどんなことになるかわかっているのか⁉

 

「そんなことッ」

「森田総理…我々はマイクラ世界の首脳らと会談しているのですよ?間違えて恥ずかしいからと、声を荒上げるのは抑えて頂けますか」

「・・・わかっているのですか、これは重大な決定です。日本国の未来に繋がる選択です」

「だからこそ、今回の会談をこの私(・・・)に委ねたのではないのですか?ええ、特地問題対策担当大臣として特地に関わる防衛も兼ねて会談に臨んだ次第です。必要でしたら後ほど、マイクラ世界に関わる交渉についても担当するとでも一筆しますが?」

 

 だからお前は黙れ…あとは私がやる

 

 お前は邪魔をするなと…会談中にも関わらず無言の時間が過ぎていく。森田総理は嘉納からの目線に耐え切れず目をそらし、一言謝罪して着席した。

 

「いやー申し訳ない!我々の歳になって間違いが起こると、つい意地を張りたくなるんだよ」

「・・・そうなんですね~」

「え、おっさん怖い」

「…ふふ、政治家らしいじゃない」

「私たちも政治家になってるけどね」

 

 彼女たちは長年政治家をしている者の顔を見て、少し気を引き締めた。自分たちは存在した時間こそ優っているが、それは遊びの為。日々人と人との醜い権力争いをしているわけではないのだ。

 

「ゲートを設置次第、我々の方から国立健康危機管理研究機構より数名派遣させて頂きたい。大丈夫だと思うが、何分世間体にも説明の為には一歩ずつ進めなくちゃならなくてねぇ。面倒だが」

「ああ~未知のウィルスとか菌とかの調査ですか~…私たちは長い期間滞在してますけど~?」

「確かに!だがなぁ、特地の時と違って自衛せざる得ない緊急対応中じゃないのが問題でな。大丈夫だと思うのだが、形上ではやらないと民間に説明ができないんだ、申し訳ない」

「国家って面倒ですね~」

「ああ、だがやりがいはある役目だよ。君たちとこうして特等席で話せるのは何より自慢できるしな」

 

 チラっとイッチが森田総理を見つめたが、総理の方は下を向いて気づかないフリをしていた。勿論それにイッチは感づいていたが、内心でどっちが総理だろうかと思った。

 

「それでは~私たちにとって重要な取引についてです~」

 

 事前に取引材料を確認してもらうためマイクラ世界から持ってきていた各種インゴットを取り出す。そして、ニッチからの意見で取引で使えると持ってきたコンクリートパウダーを机に置いた、正確には各種浮いている。

 

「圧巻だな、やはり物が浮いているのを見ると。ん?それは…」

「ファイブからプレゼントを受け取ったのでは~?」

「ははは、手厳しい。あれは勿論大事にしているとも、だからこそ君たちの魔法の理解が進んで取引に繋げられたのだからね。ところでインゴットの隣にあるのは?」

「コンクリートパウダーです~」

「ほう、マイクラ世界の物は固形なのか…それはもしかして接着できるタイプのパウダーかな?それも出すってことは無限に」

「そうです~」

「…土木・建築産業にとって革命的な商品だよ…全く、君たちには驚かされる。勿論、良い意味でだがね」

「その反応だと~ブロック状の物を設置する実験も済んでるんですね~」

「好奇心からね。ただ、狙った位置に上手く接着させるのはクセがあるが。それでも革新的な魔法だよ、君たちのように懐に収納はできないが収縮されている状態は重さ(・・)がないんだから」

 

 嘉納が何としてもマイクラ世界のルールを自分たちで体得したい理由は、私的な気持ちを抜きにしても利点が多すぎたからだ。無限の資源に目を奪われがちだが、マイクラ世界のつるはしで変化させた物はブロック化、あるいは圧縮される。それは既に実験済み。何より、持ち運びに適した状態に変化させるのに有益であると認識していた。

 

「食品をブロック化してみたが、あれは凄いな。時間が経ってもゲームみたいに食べるまで形が固定されているのか、あったかい食事を何時でも持ち運べる」

 

 しかも重さゼロでだ。それだけじゃない、キャンプ用品一式や…武器に至るまで全てブロック化できた物は重さが無いのだ。だって使うまでずっと浮いているのだから。しかも都合がよく、何かにしまいたい時は近くに手を伸ばせば勝手に近づいて来る仕様である。

 

 嘉納からすると、無限の資源より、つるはし。しかも自衛隊に配れるレベルで欲しい。戦略的価値がデカすぎるのだ。コンクリートパウダーだってそうだ、どうしてこう、戦略的価値が大きいモノばかり見せてくるのか。こんなものばかり見せられたら絶対に君たちを逃す気が無くなるというのに。

 だからこそ首脳になって頂いたのだが。例え日本を嫌っても仲良く取引するまで逃さない。嘉納はもうマイクラ世界を手放すことは絶対しないし、させない。これは日本にとっていくら積んでもよい投資先であり、仲が良い隣人がいる世界を大事に思う一心のおもてなし。

 

 だが…焦らない

 

 特地の問題が優先だ。残念ながらまだ、マイクラ世界を世に出すには早い。そう、世に出すには…。

 

「そうだ、設置したゲートを経由をするにあたって入口の大きさは変更可能だろうか…だいたい縦横5mほどの物を見たが、輸送するとなると中型車が限界なんだよな」

 

 嘉納にとってネックなのはそこだった。取引した際にも輸送に大型車を使えないのは不便だし、何より戦車(・・)を特地に送れないのは残念だと思っていた。

 

「最大サイズで造ると~23マスだから…23m(・・)ですね~」

「・・・ぷっくく、ははは!そうか、それだけ大きければ何でも輸送できるな!いや、海路も航路も設置場所次第で直接行けるじゃないか!」

 

 

 

 ああ、本当に最高だよ君たちは!

 

 

 この手を放すまいと、特地問題対策担当大臣として、一人の人間として、日本国を背負う一人として、より友好的に接することができるように動くと公約を含め約束させた。むろん、公約を決めるのは森田総理である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おいおいおい、何で特地にS()の奴らがいるんだ…」

 

 伊丹耀司はエルフの村を後にしてから、赤いドラゴン。現地の者達から炎龍と呼称。井戸の中で発見し保護したエルフの生き残りである テュカ・ルナ・マルソー の眼が弱点であると教えられ、炎龍との交戦の後に撃退に成功。

 同時期、炎龍から避難していた避難民と接触。その中で魔法を学ぶ少女、レレイ・ラ・レレーナ が自衛隊の存在に興味を示し同行・・・そして、巨大な斧槍を自在に扱う神官?の少女、ロゥリィ・マーキュリー 。避難民を含めた彼ら彼女らを特地の自衛隊基地、アルヌスの丘へ避難し、避難民キャンプ地として炊き出しを行う予定であった。しかし、基地に戻って見慣れない部隊がいると伊丹が観察するとすぐに正体に気が付いた。

 

「隊長、Sって何ですか?」

 

 伊丹の部隊員の一人、倉田武雄(クラハシ タケオ)。重度のケモナーでありオタクでもある。伊丹もオタクの為、作戦中でもオタ話をスピーカーで垂れ流すなど仲が良い。任務中に私的な話は良くはないが。伊丹部隊にとってのムードメーカーとして、唯一無二の存在であった。

 

「ああ、見たことないか…SってのはSOG Special Operations Group の略だ。特殊作戦群だよ、彼らエリート中のエリート部隊だ」

「うへぇ…何で今になって特殊部隊が来るんです?」

「…さあな」

 

 Sが出てくる案件。伊丹はすぐ帝国か?と考えたが、正直彼らを出動させるほど切羽詰まっていないのが現状だ。炎龍は確かに問題だが、あれは武装の問題であり、いくら特殊部隊とはいえ対象外だろう。

 潜入任務、暗殺、世論操作…様々な任務をこなせるだろう部隊員が人数だけでも10名ほど見つけていた。

 

「ん?あれはなッ⁉」

 

 炊き出しを何故かSの部隊を主体にせよと、司令官である狭間(ハザマ)陸将より命令が来ていた。だからこそ、避難民が知らない者達に怖がらないように近くにいたが・・・Sの者達がダンボールから取り出したのは非常食の缶詰ではなかった。Sの者達が取り出したのは調理された料理そのものだった。ただし、浮いている。彼らの手に直接触れず、食品が浮いているのだ。

 

「た、隊長、あれって魔法ですか⁉」

 

 日本では既に魔法を実用化していた?伊丹は咄嗟に考えた思いを冷静に分析した。そうしてる間にも浮いている食品を避難民に渡していくのを眺めながら考えていると…後ろから突然、すごい勢いでロゥリィに抱き着かれた。

 

「い、伊丹~!貴方たちの世界の()はどこにいるの!あれは食事の神なの!」

「は、はぁ?神って、魔法じゃないのか」

「あれはぁ、世界の法則を書き換えているのよぉ~!」

 

 あれは魔法じゃない?…伊丹がロゥリィから圧縮された食品について聞いた時、避難民たちに笑顔で食事を積極的に配っていた特殊部隊の動きが一瞬止まった。そして…

 

 

 

 ちょっと、我々と来ていただけないか?伊丹耀司 現特地資源状況調査担当隊長殿

 

 

 

 隊員の一人に肩を掴まれ、ロゥリィと共に別室に連れて行かれる伊丹なのであった。なお、倉田隊員は特殊部隊員より笑顔で情報規制を求められ泣きそうになりながら了解した。

 

 

 

 

 

 

 





 やっと主人公とヒロインたちを書けた!(感動)まあ、少しだけだけどね・・・

次回、主人公達に知られるまでの話。
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