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私と霊夢は霊たちを蹴散らしながら階段を進んでいく。道並ぶ桜は全て満開に咲き誇っており、舞い散る桜の花びら一つ一つがゆらゆら揺らめいて、こう…とても趣を感じられる。そんな気がする。
「えっと……霊夢?」
ふと、私は霊夢を呼び止めた。
「何?まさかここまで来て怖気付いたの?」
「いや、怖いけど…。というか霊夢……道中寒くなかったの?」
ずっと気になっていたことを霊夢に聞く。
だって、今の霊夢の衣服はどうしても風邪を心配してしまうくらいに薄着だ。
申し訳程度の手袋はあるが、薄着1枚である巫女服のまま異変解決に赴いてる。
いや別に巫女服がダメだというつもりでは無いが…。私だったら翌日絶対風邪をひくだろうなと思うくらいの薄さだ。
「…今それを聞くの?」
霊夢も予想外だったのか、少しキョトンとしてる。
こんな時に聞くのはどうかしているとは思うけど、1度気になっちゃったら後もずっとその事を気にして目の前に集中できなくなって、うっかり被弾してしまうかもしれない。
そう、つまりこれは私の身の安全為でもある。霊夢よわかってくれ。
「寒くは無いけど…そういえばなんでかしらね?普段なら寒いと感じるくらいの気温だった気がするけど。」
「異変になると変なスイッチが入ったりするのかな?」
「まあ別にいいわ、そんなの気にしてもしょうがないし。さっさと行くわよ。」
そう言い終えると霊夢は前進スピードを1層とあげる。
寒さを感じないって、もうなんかの妖怪にでもとり憑かれているのかもしれないんじゃないかな。
風邪になった時、世話するのは私と魔理沙なのに…。
◆◆◆
魔理沙の背後を奪い、そのまま弾幕を放つ。
魔理沙が私に気づいた時には既に遅く、弾幕が炸裂し、小さな爆発を起こしながら、煙が辺り一面に舞う。
間違いなく直撃、吹き飛んだ魔理沙の帽子はそのまま私の所へふらふらと落ちくる。
私はそれを手に取った後、付いていたホコリをぱっぱとはらいながら弾幕を解き、魔理沙がいた方を見る。
「ふぅ…、予想外に時間がかかった。」
かなり時間をくってしまった、急がないとあの2人に追いつけないかもしれない。とにかく早く行かなければ。
私は振り返り、そのまま先に行った2人を追いかけようとする。
しかし、それは
「おーい!まだ私は負けてないぞ!!」
後ろから聞こえる声によって阻まれた。
声の方を向くと、無傷の魔理沙が悠然と立っており衣服についたホコリをとっぱらっている最中だった。
「…どうして、無傷なんですか?」
思わず声が漏れる。
「私に当たったってのがそもそもの間違いだ。当たったのは私が出した…。」
ゴソゴソ…と魔理沙がポケットの中を漁る。そしてその中から、中身が入った1つの布巾着を取り出す。
「っと、これに当たったわけだ。」
「なんです、それ?」
「ただの桜の花びら…とは言っても、妖怪桜の花びらだが。これを咄嗟に前の弾幕に投げたら、これと弾幕が炸裂。弾の勢いで私の帽子が飛びはしたけど、無傷で済みました…と、こんな感じかな。」
「き、汚い!そんな小細工に頼るなんて!」
「あー悪かった。確かにこんな勝ち方は美しくないし、桜の花びらにあった春も全部妖怪桜に吸い取られちまった。今後この逃げ方は二度としないと誓うぜ。」
流石に魔理沙も悪いとは思っているらしく、バツの悪そうな顔をしている。
「仕切り直し、するわけにもいきませんし…。」
私は早く2人に追いつきたい。もちろんそれは魔理沙も同じ考えであるからして、仕切り直しする時間の余裕もない。
「…ジャンケンでどうだ?」
「こんな時にふざけてるんですか?」
「じゃあ聞くが他にいい方法があるか?」
「仕方ありませんね、私のじゃんけん力を見せてやりましょう!」
「「最初はグー!じゃんけん…ぽん!!!」」
私はグー、魔理沙はチョキ。
私の勝ちのようだ。拳を点高々に突き上げ自慢をすると、魔理沙は大袈裟に膝から崩れ落ちていく仕草をする。
空中なのによく違和感なくその仕草が出来たものだ。
「くそっ…、やはり私の本能に従ってパーを出しておけば…」
魔理沙が悔しがっている姿を横目に、私は飛んでいったのだった。
◆◆◆
暫く階段を進んでいると、巨大な和式の門が見えてきた。私の2倍くらいの高さはあるだろうか。門からは塀が伸びており、何びとたりとも入れはせぬという気概を感じる。まあ、上から飛びぬけるんですけど。
門の奥へと進むと、そこには門の大きさに見合うほどの大きな庭と、建物がみえてくる。
まるで本物の川のように流れが汲み取れる立派な枯山水に、塀に沿って植えられている桜の木をキョロキョロと見回していると、建物の奥から普通の桜の木よりも何倍とでかい桜の木を見つける。
「あれが…。」
「おそらくあのちんちくりんの言ってた桜の木、西行妖でしょうね。とてつもなく大きい気…多分これが満開になり、あの木が目覚めたらかなりヤバいかもね。」
「ひょっとしたらこの世界終わるんじゃないかな…。」
「流石にそれは…ない、はず。さっさと黒幕を探しに行くわよ。」
私と霊夢は西行妖の前で着地。というか上から見ても一瞬何処が端っこかわからないくらいに広いのに、その中から黒幕探し出すってほぼ無理じゃない?
「あの〜霊夢、どうやって黒幕さがすの?」
「え?そりゃその辺歩いてたら足がかりか何か掴めるでしょ。もしくはここら辺を吹っ飛ばしてそれを呼びエサにして…。」
「流石にダメ!こんな立派な建物そうそうないし、弁償料絶対高いよ!というか大きな音をたてるだけでいいと思うんだ!それでその後、「この木ぶっ倒すぞー!」とかなんなり言って脅せば出てくるでしょ、多分。」
「…たしかに。」
霊夢も私の作戦に納得してくれたようだ。
「じゃ、せーので言おう、せーので。」
「わかったわ。じゃあ、せーの…」
「貴方達…何してるの?」
不意に声をかけられ、私はビクッと体を震わすと同時に、私と霊夢は構えながら振り返る。
「あらあら、生きているのにここに来るなんて…まったく、どうかしてるわ。」
振り返ると、そこには1人の幽霊が立っていた。