けれども一ヶ月ほど経つと幼馴染を始めとするパーティの皆と実力差が生まれ、もう一ヶ月つと埋められない程の差となった。
皆いい奴だし実力の差は気にしないでとはいうがこのままだと俺が死ぬ。
俺には悩みがある。それは仲間達が強すぎるということである。
一人目は幼馴染だ。アイツとは一緒に英雄になると約束して村を飛び出した仲だが実力差がもうかなりある。男としては女に負けるのは正直情けないとは思うがアイツに勝てる同年代の方が少ないから仕方ないと思っている。言い訳である。
剣士として前衛を担当しており何処にそんな力があるのかな?っていうくらい細い腕で二つの剣を使って敵を凄い速さでバッサバッサと斬っている。
二人目に魔法使い。彼女は街に着いてから仲間になった一人で魔法の天才らしい。天才とは思うが他の魔法使いをあまり見たことがないのでどのくらいの天才かは分からない。
パーティのメイン火力として活躍しており敵をドカンと吹き飛ばしている。
三人目にシーフ。彼女も街に着いてから仲間になった。ダンジョン攻略の時には大活躍。宝箱の鍵開け、罠の探知と解除など。
それだけでなく戦闘でも相手の背後からの奇襲や目眩ましで戦況を動かしている。
四人目には神官。彼女は街に来てから1ヶ月程経った頃に教会から来た優秀な聖女候補者。
ヒーラーなのになんか聖なる力でモンスターを倒してる。
そんな仲間達とチームを組んで一ヶ月。なんだったら俺と幼馴染は冒険者になって二ヶ月。そんな短期間で仲間達はどんどん成長していってパーティとして活躍しなんとパーティランクがEランクになり中級冒険者の仲間入りを果たした。
俺自信はGランクのモンスターを一人でやっと倒せるくらいなのに。
俺にはもう一つ悩みがある。仲間が強すぎるのと関連するがそれはこのままだと俺が死ぬということ。
俺はパーティのバッファーを担当している。仲間と比べると実力がないがバフは癖ありだが中々のものであると思う。実際俺のバフがあるかないかではかなりの差がある。
俺のバフは俺のカード占いに起因する。例えば仲間の調子を占いそれが吉となれば調子が上がり何時もは勝てないとも渡り合える。逆に凶となれば調子が下がり何時もなら倒せる敵にも苦戦してしまう。
かなり破格な性能をしているが欠点がいくつかある。
まずは自分で結果を決めることが出来ない。先ほども言ったが吉となればバフになるが凶となればデバフとなる。この時点でバッファー失格である。
次に占うものを絞らないと結果があらぬ方向へいってしまう。例を挙げると過去にダンジョン攻略前に今日の仲間の運勢を占った。すると占いの結果が吉であったが、仲間の運勢でも金運、恋愛運、仕事運など運のどれに作用したのかが俺にも分からない。しかもカードなので何について占ったのか出てこない。結果としてはその時の仲間は恋愛運が吉だったらしく酒場で恋人を見つけてパーティを抜けた。
そして次に占う対象と向かい合う必要があるということ。遠くにいる何かを占う事が出来ないというだけならそこまでの欠点じゃない。ていうか遠くの奴をバフできるほうがおかしい。問題は「向き合わなくてはならない」ってとこだ。つまり一人一人にカード占いをする時間が必要だということ。
最後に一個前に関連するが自分は占う事が出来ないということ。正直これが一番大きい。コレがなければ空いている時間に自分を占ってバフを積んで仲間達との差は埋められる……はず。
まあ正直、デメリットよりもメリットの方が上回るし実力の差は大きいとはいえ仲間との関係も良好。なら何故このままだと俺が死ぬのかというと前にモンスターの魔法が飛んで来て顔の横スレスレを飛んで行った事があり命の危険を感じたからである。
命の危機を感じたのは冒険者になって二ヶ月始めての事だった。仲間達はかなりの実力者で後衛である自分に魔法が飛んで来るのはあまりないとはいえ時々あった。
問題なのは俺が喰らったら消し飛ぶような魔法が飛んで来たということ。その時始めて自分が居てはならない所に居るのだと気付いた。
ランク
アルファベット順でAからGまである。強さの基準。ランクが一つ違うだけで決して勝てないとされている。
冒険者は基本的にパーティ事にランク付けされる。