誰かを守ることさえできれば……(鬼滅の刃:互いの決意) 作:つねお あきら
基本として、『鬼滅の刃』の世界観において、無惨を除くすべての鬼は「1つの血鬼術」のみを習得可能です。
無惨はすべての鬼の「始祖」であるため、非常に長い年月を生きてきただけでなく、それ相応の強力な血鬼術を複数保持しているという設定にいたしました。
上弦の鬼は1つの血鬼術のみを持ちますが、長く生きている分、その1つの血鬼術を極限まで高めた技を多数保有しています。
下弦の鬼も上弦と同様に1つの血鬼術のみを持ちますが、相対的に早く討伐されやすいため、1つの血鬼術にしては多様な技を備えるに至っておりません。
その分、生存能力が低く、事実上十二鬼月の中では、下弦の鬼は「柱」1人でも十分に討伐可能な存在であると言えます。
※ここからは重大なネタバレを含みます。
1. 鬼舞辻無惨(現在保有する血鬼術:14個=14代地獄血鬼術)
一般的な鬼のような「第1型、第2型」といった体系は存在しない。無惨の7つの心臓と5つの脳が演算する14個の血鬼術は、それぞれが戦場を焦土と化す独立した血鬼術である。
刃の触手:両腕を数メートルから数十メートルまで伸びる剣赤色の鞭状に変形させる。この触手には鋭利な爪や牙のような刃が生えている。
背中と太腿の筒:背中から9本、太腿から8本の細い筒状の触手をさらに引き抜き、死角なく超高速で猛攻を加える。この攻撃速度は、鬼殺隊の「柱」たちが肉眼で追えないほどである。
第1血鬼術:黒血枳棘(こっけつききょく)
体外へ噴出した血を、棘の生えた有刺鉄線状に凝固させ、戦場を蜘蛛の巣のように覆い尽くす広域感染機。
第2血鬼術:白色雷電衝撃波(はくしょくらいでんしょうげきは)
胸部に巨大な口を引き裂き、白色の雷電形状をした超高圧衝撃波を発射し、神経系をかき乱し地形を粉砕する。
第3血鬼術:細胞侵蝕・解体(さいぼうしんしょく・かいたい)
自身の血が大量に付着した人間や鬼の体内遺伝子を、リアルタイムで遠隔爆撃したり、遺伝子構造を崩壊させる即死級デバフ技術。
第4血鬼術:鬼門空間歪曲(きもんくうかんわいきょく)
鳴女の能力を自身の脳で軽々と演算して駆使する技術。自身に向かってくる攻撃の軌跡を微細にワープさせ、虚空を斬らせる。
第5血鬼術:肉塊障壁・牙城(にくかいしょうへき・がじょう)
自身の肉片を瞬間的に爆発するように増殖させ、鋼鉄より数十倍硬い肉の盾となる城壁を構築する絶対防御権能。
第6血鬼術:血気咆哮・精神崩壊(けっきほうこう・せいしんほうかい)
5つの脳を同時共鳴させ、超高音の呪われた咆哮を放つ。人間である剣士たちの理性を一時的に麻痺させ、鬼殺隊の戦術連携を瓦解させる。
第7血鬼術:詛呪之鎖・強制回収(そじゅのくさり・きょうせいかいしゅう)
自身が創造した鬼たちの呪いを強制的に活性化し、鬼の鬼殺隊員が強力な技を使う際、体内の魔力を逆流させて一時的に無力化する呪い。
第8血鬼術:肉片増幅・下弦の軍勢(にくへんぞうふく・かげんのぐんぜい)
自身の肉片や細胞の一つ一つを地面に飛散させれば、わずか数秒で自我のない、肉体のみが強化された下弦級スペックの異形鬼へ高速増幅・成長させ、数百の物量で鬼殺隊を包囲する召喚術。
第9血鬼術:肉槍黒線・万雷(にくそうこくせん・ばんらい)
背中から生えた数十本の脊椎触手の先に超高密度の血の結晶を纏い、致命的な槍の弾丸として四方から雨のように降り注ぐ超光速の乱射技術。
第10血鬼術:血海之繭(けっかいのまゆ)
鬼殺隊の赫刀連撃によって致命傷を負った際、自身を巨大な血の繭で包み込み、赫刀の「再生阻害」効果を抑え込み、わずか数秒で細胞を再構築する復活機。
第11血鬼術:真空之牙齒(しんくうのきば)
触手を振るう速度が音速を遥かに超越しており、空気そのものを引き裂いて見えない巨大な「真空の刃」を四方へ射出する、接近不可の権能。
第12血鬼術:滅亡悪心花・万象収縮(めつぼうあくしんか・ばんしょうしゅうしゅく)
全身の肉体を切り裂き、数千の醜悪な牙が生えた口と充血した目を一斉に開花させる、無惨の完全戦闘形態。目撃するだけで破滅を招く呪い型の権能である。
1)滅亡花の呪い(精神狂乱):無惨のこの醜悪な身体開花形態を正面から目撃した人間は、韓国説話における「滅亡の花」の呪いを受けたかのように、精神が瞬時に汚染される。一時的に敵味方の識別能力を失い、理性を失って隣の仲間を「鬼の本能」のように喰らおうとする、極めて深刻な視覚的狂乱デバフを引き起こす。
2)深淵の吸気(引力との二者択一):この呪いは目を閉じれば完璧に免疫を得られる。しかし、無惨が全身の口と目を通して周辺の大気と空間そのものを丸ごと吸い込む「超強力吸気」を開始すると状況は一変する。目を閉じた隊員たちは見えない状態で凄まじい引力に引きずられ、無惨の刃の触手の前へ強制的に引き寄せられる。この致命的な機動拘束から逃れるために無理やり目を開けると、即座に滅亡花の呪いに直面させるという極悪の二者択一技術である。
第13血鬼術:意識奪取・細胞之傾聴(いしきだっしゅ・さいぼうのけいちょう)
人間社会を揺るがした無惨の緻密な脳力と欺瞞性が結合した、情報支配および精神破壊型の権能。
1)戦術盗聴:戦場に飛散した自身の細胞をアンテナとして、鬼殺隊が愈史郎の札ネットワークでやり取りする作戦指示をリアルタイムでハッキングし、見抜く。
2)トラウマ逆流:微量の血であっても剣士に触れれば神経系を伝って侵入し、最も恐ろしい記憶を強制再生させる。これにより剣士たちの精神を崩壊させ、赫刀を強制的に消させる。
3)人間汚染:民間人にあらかじめ植え付けていた細胞を一斉に暴走させ、大量虐殺を誘発。鬼殺隊に残酷な二者択一を突きつけ、戦力を分散させる。
第14血鬼術・最終破壊権能:黒血胎世・天地開闢暗黒界(こっけつたいせい・てんちかいびゃくあんこくかい)
無惨が持つ全ての心臓と脳の鼓動を爆発させ、戦場全体を飲み込む最終結界奥義。
大地全体を自身の血と肉体の領域として強制同化させ、足元から触手を際限なく突き上げさせる。空気中に満ちた無惨の細胞情報により、味方の「透き通る世界」は維持するだけでも脳に深刻な過負荷がかかる。さらに、呼吸を締め付ける圧倒的な重圧のせいで、「赫刀」を維持できる限界時間が通常の半分以下に急減する、絶望的なタイムアタック結界である。
2. 月倉ナルナリ(現在保有する血鬼術:1個)
「痣」と「透き通る世界」の両方を所有する至高の武人。敵軍陣営である鬼殺隊の主宰「鬼月柱」である継国巌勝と、純粋な剣術のみで幾度も刃を交えるほど、刀剣類の極意に達している。ただし、極限の「透き通る世界」を保有し、強力な精神力を持つ存在には、この血鬼術の効果が完全に通じるわけではない。また、無惨の「精神連鎖(読心術および強制支配)」の影響を受けない。
血鬼術:心魔成業・百鬼兵仗(しんませいごう・ひゃっきひょうじょう)
空間を切り裂く異能ではなく、戦国時代の戦場で狩った侍たちの怨霊と、敵の「心」を切り裂く心魔(幻影)の権能。ナルナリが切り替えて使用する武具は、彼が喰らった人間たちの否定的な思念が凝縮された幻の武器であり、この武器に斬られるか、あるいは目撃するだけで、剣士たちは己が抱える逆鱗と恐怖に囚われ、自滅へと追い込まれる。
血鬼術 第1型:月暗 十字星(げつあん じゅうじせい)
軌跡が見えない光速の十字斬撃を放つ。剣風をかすめるだけでも、敵は「最も恐れる存在が喉元を狙う」ような幻覚に陥り、防御のタイミングを逸する。
血鬼術 第2型:心魔之逆鱗(しんまのげきりん)
武器を長槍へと変換し、前方へ突き穿つ。槍先から溢れる黒き思念が、敵の精神的トラウマ(逆鱗)を物理的な衝撃波へと置換し、脳を直接打撃する。
血鬼術 第3型:業火魘(ごうかえん)
巨大な大太刀を振り回し、周囲の五感を遮断する。領域内の剣士たちは、全身が鎖に縛られたような金縛りを経験し、「痣」や「透き通る世界」の鋭さが急激に鈍化する。
血鬼術 第4型:後悔之羂索(こうかいのけんさく)
鎖鎌を投げつけ、敵の四肢を拘束し精神汚染の血を注入する。拘束された者は、過去に救えなかった大切な人々の怨嗟混じりの幻聴を聞き、呼吸の調子を完全に失う。
血鬼術 第5型:悪情不吸・百鬼夜行(あくじょうふきゅう・ひゃっきやこう)
周辺の人間たちの恐怖と憎悪をリアルタイムで吸収し、自身の「痣」の能力を限界突破させる。発動後、ナルナリのあらゆる斬撃は予測不可能な不規則な刀の残像を残す。
血鬼術 第6型:夢幻阿修羅(むげんあしゅら)
ナルナリが操る武具たちの思念が、個別の「上弦級」の剣気を宿した実体分身として形作られる。分身たちが破壊されれば本質に微細な打撃を受けるが、戦場の物量を覆す凶悪な連撃である。
血鬼術 第7型:無我之闇(むがのやみ)[隠密体術]
殺気と闘気を完璧にゼロへと消し去り、「透き通る世界」を極限まで引き上げる。相手の目にはナルナリの形体が暗闇の中へ完全に蒸発したかのように映る、極意の回避および隠密術。
血鬼術 第8型:罪業処刑台(ざいごうしょけいだい)[巨大武具]
重厚な斧や鉄槌の形状で地面を破壊する。大地の亀裂から、敵が抱える過去の罪悪感が黒い棘の手の形状で噴出し、足首を掴んで無慈悲に引きずり下ろす。
血鬼術 第9型:百卒之痛哭(ひゃくそつのつうこく)
刀、槍、大太刀を狂気的な速度で切り替えながら繰り出す精神崩壊連撃。打撃を受けるたび、精神的な絆が引き裂かれ、目の前の仲間が「鬼」に見えるという極度の錯乱を誘発する。
血鬼術 第10型・最終奥義:月暗成業・無間冥府武具葬(げつあんせいごう・むげんめいふぶぐそう)
剣を掲げた瞬間、戦場全体が月光さえも差し込まない「無間地獄」の暗闇へと変貌する。空から数多の種類の武具が雨のように降り注ぎ、大地へと突き刺さる。突き刺さった武器はそれぞれが致命的な斬撃を放つ「砲台」となり、戦場を刃の森へと変える。「透き通る世界」を持つ者の中でさえ、入門したばかりの武人たちは、四方からの幻の悲鳴と見えない斬撃の軌跡により精神が汚染され、肉体が切り刻まれる。上弦の壱に相応しい、絶滅の絶対墓標である。
3. 月倉カツヒサ(現在保有する血鬼術:1個)
兄のナルナリとは異なり、サイコパス的な残虐性を持ちながらも、武人の矜持を捨てない奇妙で二重的な性格。華やかな色彩の衣をまとい、顔に濃い化粧を施す破格的かつ誇示的なビジュアルを好む。無惨の鬼の特性上、食人を愉しむが、幼少期に戦国時代で父母や村人が虐殺されたトラウマにより、鬼でありながら女性、子供、老人などの弱者には決して手を出さない。その一方で、力を持つ強者(鬼殺隊、侍、僧兵など)を相手にする際は、極限の肉体的苦痛を与えて殺した後にその肉を剥ぎ取り、喰らう。同様に、兄と同じく無惨の「精神連鎖(読心術および強制支配)」の影響を受けない。
境地および武具:兄と同様に「痣」と「透き通る世界」を所有する至高の鬼。普段は銃や石弓のような遠距離火器を好むが、本質は中間サイズの双短刀を操る近接戦の達人である。倒した強者たちの「日輪刀」を戦利品として収集する奇妙な趣味がある。
血鬼術:疫天成業・萬華兵仗(えきてんせいごう・ばんかへいじょう)
自然属性を操る他の鬼とは異なり、乱世の死体山から湧き出た極悪の疫病とウイルスを、華やかな火薬の煙に混ぜて散布する肉体破壊型の権能。遠距離からは銃砲で疫病を移して味方の呼吸と免疫力を崩壊させ、接近した強者は双短刀で蹂躙するという、地獄の遠近交戦体系を併せ持つ。
血鬼術 第1型:萬華初胞・腐蝕之箭(ばんかしょほう・ふしょくのや)
華やかな五色の煙を噴き出しながら石弓を超高速で発射する。矢にかすめるか、爆発する煙を吸い込んだ瞬間、皮膚と粘膜が細胞レベルで融解し、「全集中の呼吸」を遮断する。
血鬼術 第2型:火迹落・骨髄炎(かぜきおとし・こつずいえん)
血鬼術で生成した銃器類を召喚し、火炎の閃光と共に弾丸を乱射する。命中すれば火傷とともに骨の髄まで焼き尽くす骨髄炎の痛みを誘発し、武器を握る握力そのものを消失させる。
血鬼術 第3型:歌舞伎凶斬(かぶききょうざん)
遠距離武器を避けて接近する剣士たちを嘲笑いながら、双短刀を華麗に振り回す。戦利品として奪った日輪刀たちの剣気を逆流させ、柱たちの斬撃を完璧に弾き飛ばして四肢を切り裂く。
血鬼術 第4型:疫病之花園・黒斑病(えきびょうのはなぞの・こくはんびょう)
顔の化粧粉を四方へ撒き散らし、戦場を華やかな「胞子の帳」で覆いつくす。胞子に触れた人間は全身に黒い斑点が浮かび上がり、免疫力が底をつくため、微細な擦り傷でさえ全身麻痺を伴う致命傷へと発展する。
血鬼術 第5型:疫天之祝祭・血涙(えきてんのしゅくさい・けつるい)
天に向かって銃砲を一斉に発射し、爆竹のような汚染煙を炸裂させる。煙を吸い込んだ敵は目と鼻から血の涙を流して視界が完全に麻痺する。カツヒサは血の臭いを嗅いで興奮し、再装填速度が3倍以上に加速する。
血鬼術 第6型:火弾満発・壊死(かだんまんぱつ・えし)
自身の肉片から作った特殊な銃身から、誘導性能を持つ細胞弾丸を乱射する。弾丸が埋まった部位は即座に真っ黒に腐敗するため、自ら肉を切り落とさなければ全身が壊死して死亡する。
血鬼術 第7型:単刀舞楽・無血勝利(たんとうぶがく・むけつしょうり)
自身の名前(勝恒、永遠の勝利)を具現化した技。双短刀を奇妙な角度に折り曲げ、歌舞伎の舞を踊るように急所を蹂躙する。近接戦に巻き込まれた剣士に一度の有効打も許さず、血管を全て断ち切る。
血鬼術 第8型:狂大之囁・敗血症(きょうだいささやき・はいけつしょう)
狂気じみた笑い声と共に、銃口から目に見えない微細な「血液汚染波動」を射出する。波動に晒された隊員たちは体内の血が急速に汚染される敗血症に見舞われ、心拍数が暴走、痣の負荷により自滅する。
血鬼術 第9型:月暗共鳴・兵仗修羅(げつあんきょうめい・へいじょうしゅら)
兄のナルナリと共に戦う際に発動する致命的なフォーメーション。兄が振り回す幻の武具による斬撃の軌跡の裏側に、弟の疫病弾丸が潜り込んで飛来する。「透き通る世界」で兄の剣をかろうじて避けても、直後に不可視の弾丸に撃ち抜かれ、確定的に疫病に罹患する。
血鬼術 第10型・最終奥義:疫天成業・終末之黒死萬華(えきてんせいごう・しゅうまつのこくしばんか)
カツヒサの両腕が巨大な生体機関砲へと異様に変形し、背中からは戦国時代の攻城砲を彷彿とさせる肉片の大砲が開花する。四方へ無差別爆撃を浴びせるが、これらの弾丸は単なる火薬ではなく、「終末の疫病胞子」を宿した華やかな黒い閃光である。この爆発に巻き込まれた瞬間、免疫を持つ鬼殺隊員でさえ細胞が耐えきれず、遺伝子単位で腐食し、痕跡も残さず消滅する。
4. 童磨(現在保有する血鬼術:1個)
血鬼術:童磨の血が混じったあらゆる冷気は、人間である剣士の呼吸(肺胞)を即座に壊死させる。技が展開されるほど、彼が喰らってきた女性たちの怨念が氷の彫像となり、美しくも残酷に開花する。
血鬼術 第1型:蓮葉氷(はすはごおり)
冷気を纏った鉄扇を振るい、その軌跡ごとに鋭利な蓮の形の氷を形成する。かすめるだけで服と皮膚を凍結させる基本の二重攻撃。
血鬼術 第2型:枯園垂雪(かれそのしだれゆき)
双鉄扇を一度に何度も振るい、隙のない氷の刃の軌跡を描きながら敵を切り刻む高速連撃。
血鬼術 第3型:凍て曇(いてぐもり)
扇を仰ぐことで粉末状の冷気を前方に霧のように大量散布する。正面から浴びれば眼球と全身が即座に凍りつき、敵の視界と戦闘ペースを完璧に奪い去る。
血鬼術 第4型:蔓蓮華(つるれんげ)
氷の蓮から硬く鋭い氷の茎(蔓)を鞭のように数十本射出し、四方の敵を捕獲して圧殺する。
血鬼術 第5型:寒烈の白姫・百花繚乱(かんれつのしらひめ・ひゃっかりょうらん)
童磨が喰らってきた美しい女性信者たちや、鬼殺隊の女性剣士の姿をした巨大な彫像がいくつも開花する。これらの女神像は偽りの救済の微笑みを浮かべ、口から超高濃度の冷気と毒霧を滝のように吹き出し、戦場一帯を完全に凍土へと変える。
血鬼術 第6型:冬がれ氷柱(ふゆがれつらら)
敵の頭上の空から、人間よりも遥かに巨大な大型の氷柱を数十本、流星群のように落とし、対象を地面に突き刺す即死級の投下技術。
血鬼術 第7型:散り蓮華(ちりれんげ)
無数の氷の花びらを吹雪のように放つ。刃よりも鋭い数千枚の氷の花びら一枚一枚が自律的な軌道で降り注ぐため、完全な回避が不可能な広域斬撃機。
血鬼術 第8型:結晶ノ御子(けっしょうのみこ)
童磨本体と完全に同一の血鬼術を駆使する氷の分身を量産する。最終局面基準の万全の状態では、少なくとも5〜10体以上を同時量産し、戦場の「柱」や隊員を各個撃破する、極めて凶悪な軍団生成機である。
血鬼術 第9型:霧氷・睡蓮菩薩(むひょう・すいれんぼさつ)
童磨の部屋全体を埋め尽くす超巨大な氷の仏像を召喚する。万全の状態で召喚された仏像は、その途方もない巨大さにもかかわらず光速で動き回り、四方を圧壊させる。さらに、大量の壊死粉末冷気を強風と共に戦場へ常時散布する。
血鬼術 第10型:聖堂の偽泣(せいどうのにせなき)
万世極楽教の地下聖堂を氷で戦場に完璧に再現する領域制御型の血鬼術。地面から氷の聖壁と柱が突き出し、鬼殺隊の陣形を強制的に分断して孤立させる。聖堂内部では童磨が喰らった女たちの奇妙な痛哭の声が氷柱に共鳴し、剣士の平衡感覚を狂わせる。
血鬼術 第11型:楽園引導・氷の棘原(らくえんいんどう・こおりのいばら)
偽りの楽園へ導くという童磨の悪趣味が詰まった技術。味方の隊員が踏んでいる大地全体を瞬時に薄い氷板でコーティングする。剣士が地面を踏んだ瞬間、その圧力を感知した氷板の下から数万本の微細な氷の棘が突き出し、足の裏を貫いて肺胞壊死の冷毒を体内に直接注入する。機動力を重視する剣士に恐ろしいペナルティを与える技術。
血鬼術 第12型:犠牲の舞姫(ぎせいのまいひめ)
鬼殺隊の女性隊員の脳内データを最も残酷に利用した、視覚的・精神的破壊技術。過去に童磨に喰われた女性鬼殺隊剣士の姿を完璧に複製した氷の彫像(舞姫)を召喚する。これらの彫像は生前に使っていた呼吸技術の型を氷の剣気として再現し、味方に突撃する。仲間だった者たちの顔をした彫像を斬らねばならない味方に対し凄まじい精神的ショックを与え、彫像が破壊される際には超高圧の粉末冷気爆弾と化して周囲を凍結させる。
血鬼術 第13型:万世極楽・氷河沈水(ばんせいきょくらく・ひょうがちんすい)
押し寄せる数多の隊員や「柱」をたった一振りの手ぶりで皆殺しにするために、万全の状態で駆使する大災害級技術。扇を大きく振り下ろせば、戦場全体に膝の高さまで達する超低温の「氷の血霧(氷河水)」が津波のように押し寄せる。この霧に足が触れた瞬間、長靴と服が凍りつき身体細胞が壊死し始める。霧が気化する際に放出される壊死性の粉末冷気の濃度が戦場全体で極限まで高まり、「領域内では息を1秒たりとも吸えない」という最悪の呼吸遮断環境を創り出す。
血鬼術 第14型・最終奥義:永遠なる無の救済・凍土極楽鳥(えいえんなるむのきゅうさい・とうどごくらくちょう)
異母弟である地雲カクシンの最終奥義「万物浄化極楽鳥」と完璧な対を成す、童磨の感情の去勢と偽りの慈悲が形を成した最悪の氷結奥義。童磨が両手を胸の前で合わせ、「ああ、哀れだね。僕が救ってあげるよ」と嘲笑いながら呪文を唱えると、睡蓮菩薩の頭上で絶対零度の冷気を宿した巨大で美しい青白い氷の極楽鳥が開花するように舞い上がる。カクシンの極楽鳥が温かな熱気で万物を浄化するならば、童磨の凍土極楽鳥は羽ばたくたびに戦場の全ての生命力と温もり、そして鬼殺隊の「赫刀の炎」を完璧に凍らせて麻痺させてしまう。この鳥が地上へと降臨し爆発する瞬間、領域内の全ての人間は悲しみも苦痛も感じない硬い「氷の彫像」と化し、永遠に剥製にされる。上弦の弐に相応しい、残酷極まりない絶対凍結の奥義である。
5. ヒトカタウラ(現在保有する血鬼術:1個)
人間時代(賀生セイノスケ)、素流道場に乗り込んだ際、狛治に対して一度も攻撃を当てることすらできず、剣を折られるという屈辱を味わった。父は正々堂々とした勝敗を認めて引き下がったが、彼は屈辱と憤怒を抱く。父の死後、誰も自分を止められないと悟ると、狛治が墓参りで不在の間に卑劣にも井戸に毒を混入させ、雪と慶蔵を毒殺したすべての元凶である。激怒した狛治の手により死は免れたものの、四肢を切断された状態で上弦の壱の弟(カツヒサ)によって鬼となった。雪を手に入れられなかった異常な所有欲と、狛治に対する燃えるような怨念を原動力とし、実力を上げるためなら老若男女問わず捕食する残酷な性分を持つ。数百年もの間、ただ狛治を切り刻んで殺すという一念で修行を積み、鬼の「痣」と「透き通る世界」第2段階(通達)を常時発動させる強力な武人へと変貌を遂げた。
血鬼術:毒血成業・大刀修羅陣(どくけつせいごう・だいとうしゅらじん)
狛治の正々堂々とした素流の拳法をカウンターするために編み出した、荒々しく凶悪な大刀剣術。彼の血は生前に犯した「井戸毒殺」の罪業と融合しており、かすめるだけで傷口の血管を破裂させて過多出血を誘発し、人間の五感(視覚、聴覚など)を麻痺させる極悪非道なデバフ権能を宿している。
第1型:怨恨血斬(おんこんけつざん)
大刀に荒々しく凶悪な血色の剣気を纏わせ、振り下ろす技術。掠めるだけで傷口の血管が破裂し、持続的な過多出血を誘発するほか、敵の細胞再生力を大幅に鈍化させる。
第2型:卑劣之業報・井戸の残滓(ひれつのごうほう・いどのざんし)
床設置型の毒撃動機。生前に井戸へ毒を撒いた卑劣な投毒事件が剣術として形骸化した技術。大刀を地面に強く擦り付けながら前方へ、黒い泥状の毒性血液を波のように噴出する。この泥毒に触れた鬼殺隊員は、内臓が焼けただれる激痛と共に「全集中の呼吸」の脈が強制的に断たれる。
第3型:悲恋之暗雲(ひれんのあんうん)
生前に雪の目を奪った蛮行の発現。大刀を虚空に大きく振り回し、自身の血を微細な「血の粉(血粉)」に変換して前方を覆い尽くす。この粉が目に触れた瞬間、網膜の神経を即座に麻痺させ、敵の視覚を完璧に奪う。
第4型:卑劣之沈黙(ひれつのちんもく)
生前に雪の耳と鼻を傷つけた蛮行の発現。大刀の刃を打ち鳴らし、奇妙な血液波動音を高度な周波数で放出する。この音を聞いた隊員は鼓膜が破れて聴覚と平衡感覚を喪失し、血の悪臭によって雪の銀白色の冷気の匂いさえも嗅ぎ取れないよう妨害される。
第5型:血崩鳥(けつほうちょう)
自身の肉片を瞬間的に大刀に増幅・凝縮させた後、飢えた血色の猟犬と鳥の形をした巨大な広域斬撃を放ち、前方のあらゆる地形と敵を切り刻む。
第6型:一心片・四肢発作(いっしんぺん・ししほっさ)
狛治によって四肢を切り落とされた屈辱の記憶を敵に投影する呪い。ヒトカタウラの血を浴びた隊員の四肢神経系を遠隔で刺激し、激しい痙攣を引き起こす。刀を握ったり跳躍したりした瞬間に手足が硬直してしまう変則的な制御機。
第7型:奪取之所有慾(だっしゅのしょゆうよく)
戦場に溢れる鬼殺隊員たちの血を、自身の大刀で強制的に吸収(捕食)する技術。血を吸収するたびに大刀のサイズが巨大化し、斬撃の殺傷力がリアルタイムで上昇する。
第8型:死闘武具・肉片大斫(しとうぶぐ・にくへんだしゃく)
狛治の破壊殺(徒手空拳)の接近を阻止するためだけに、大刀に自身の骨と肉片を奇妙に付け加える技術。剣の長さを通常の3倍以上に伸ばし、刃の四方に鋸歯のような棘を生やすことで、遥か遠距離から四肢を寸断する射程増幅機である。
第9型:修羅之犬小屋(しゅらのいぬごや)
大刀で地面を円形に大きく切り裂き、四方から巨大な血色の肉の壁を噴出させて戦場を隔離する。外部からの支援や妨害を遮断し、自分が憎む狛治を閉じ込めて残酷な1対1のデスマッチを強要する。
第10型:嫉妬之棘原(しっとのいばら)
大刀を地面深くに突き刺すと、これまで戦場に散布された自身の毒血が大地を伝い、血の棘の森のように一斉に噴出して味方の足の裏と全身を貫く広域殺傷機。
第11型:道場破壞・賀生流断篩(どうじょうはかい・がせいりゅうだんし)
人間時代に狛治に惨敗した記憶に基づき、彼の「素流道場拳法」を破砕するためにすべての身体リズムを異常に変転させた連続斬撃。徒手空拳の防御および武器破壊の軌跡を「透き通る世界」で予測し、刃を奇妙な角度に折って突き入れるため、素手で剣を受け流そうとする狛治の格闘術を正面からカウンターし、四肢を粉砕する。当然、この攻撃は鬼殺隊員にとっても極めて致命的な技術である。
第12型・最終奥義:血狂・無間滅絶修羅陣(けっきょう・むげんめつぜつしゅらじん)
狛治へ向けた純粋な嫉妬と劣等感を殺戮のエネルギーとして爆発させ、全身を魔獣のように変化させる最終変身奥義。全身が血のように真っ赤に染まり、筋肉が凶暴に膨張し、頭部に二本の悪魔の角が生える。この状態で加わる効果は以下の通りである。
再生遮断猛毒の完成:大刀に、慶蔵と雪を死へ追い込んだ卑劣な猛毒の濃縮液が流れる。この攻撃に斬られた者は、鬼殺隊員であっても体内細胞の再生速度が完全に停止する。(雪の最終奥義以外では治癒不可)
透き通る世界の逆利用(身体構造破壊):すでに常時維持中の「透き通る世界・第2段階」の精密さを限界値まで引き上げ、相手の「神経の流れと臓器の鼓動」まで完全に看破する。狛治が拳を繰り出したり呼吸をしたりする際、その力が集まる身体的な核心の交差点を正確に切り裂き、相手の攻撃力と呼吸そのものを因果的に破壊する至高のカウンター状態となる。
6. 頓浦ムソ(とんうら むそ)
上弦の壱の双子兄弟と同様、無惨の「精神連鎖(読心術および強制支配)」の影響を受けない。無惨は、この少年の透明で真っ直ぐな思念にだけは嘘がないと理解しているため、連鎖を解いて傍に置いている。これは、無惨の非常に偏屈で独断的な性格を考えれば、極めて異例のことである。十二鬼月の序列に縛られない、無惨の独自直属護衛である。
非常に異例なことに、鬼でありながら人間を喰らわず、人を殺すことを極端に拒む。ごく少量の血さえ飲めば生きることに支障がない特異体質。最初は食人と殺人を拒否した理由で激怒した無惨から、幾度も頭が砕け、肉体が分解されるほどの過酷な処罰を受けたが、少年は死を恐れず極度の意地を通した。結局、少年の折れない透明な信念に無惨が一歩譲り、「人を殺さない代わりに、私だけを守る守護護衛(水神護衛)になれ」と許可した。サクラン期が終わる頃の、あどけなく華奢な少年の姿をしている。敵を傷つける攻撃技術は一切なく、ただ無惨を保護し、鬼殺隊を煩わしく足止めする「絶対防御および非殺傷空間制御」に能力が特化している。
血鬼術:思念成業・夢想楽園(しねんせいごう・むそうらくえん)
少年が願う温かい思念と想像を現実に変える異能。鬼殺隊を傷つけはしないが、無惨に1mmたりとも近づけさせず、四方を遮断して縛り付ける慟哭の結界体系である。
第1型:所望之堡塁(しょもうのほうるい)
「無惨様に手出しはさせない」という強い思念を物理的障壁として具現化する。無惨の周辺空間を包み込む透明で強固な思念障壁を生成し、鬼殺隊の「柱」たちの強力な剣撃を、傷一つ負わせることなく完璧に弾き返す。
第2型:無痛世界(むつうせかい)
「皆が傷つかないことを願った」心の顕現。自身や無惨の身体に加えられるあらゆる物理的ダメージと毒の効果を、瞬間的に「想像の中の無」へと帰してしまう。攻撃を受けても傷そのものが存在しなかったかのように、即座に消し去る。
第3型:平和之歩履(へいわのほり)
少年を中心に半径数十メートル内の空間の流れを極端に鈍化させる。領域内に侵入した鬼殺隊員たちは、まるで巨大な沼や深い水の中を歩くかのように動きが遅くなり、全集中の呼吸の速度さえも制限される。
第4型:嘘之因果(うそのいんが)
自身を罵倒した人間たちの「嘘」に由来する技術。相手が放った強力な斬撃や血鬼術に対し、「その攻撃は最初から存在しない嘘だ」と思念を確定させれば、飛んできた攻撃が虚空で煙のような蜃気楼となって蒸発する。
第5型:少年之機智(しょうねんのきち)
生前に盗賊たちを殺さず、ただ煩わしくさせるだけだった罠の記憶。敵が踏む地面や虚空に、思念で成された柔らかく硬い、棘のない蔓を大量召喚する。敵を傷つけないが、暴れるほどに強固に拘束し機動力を奪う。
第6型:温暖之座(おんだんのざ)
戦場に温かく包み込むような思念の霧を深く立ち込めさせ、無惨と自身の「位置座標」および「殺気」を完璧に隠蔽する。「透き通る世界」第2段階を持つ者でさえ、この霧の中では真の無惨の位置を見失い、残像を斬ることになる。
第7型:罵倒之残響(ばとうのざんきょう)
自身を殴り罵った人間たちの悪意を投影する非殺傷反射機。ムソの障壁を打撃した敵の攻撃エネルギーをそのまま吸収し、攻撃を放った鬼殺隊員の脳に「君は失敗した、君のせいで仲間が危険だ」という極度の自責感と幻痛を逆流させ、戦意を喪失させる。
第8型:相生之鎖(そうせいのくさり)
無惨が危機に陥った際に発動する、守護護衛専用の極意。無惨が負った致命傷を、自身の無限なる鬼の細胞で強制的に転嫁して代わりに受け止め、無惨を完璧に保護する。他者に傷害を与えないため、敵にダメージを与えず、ただ自分が代わりに苦痛を負うためだけに用いられる。
第9型:夢想楽園・拒絶世界(むそうらくえん・きょぜつせかい)
少年の脳内に存在する「誰も争わない平和な部屋」を戦場に結界として完成させる。この結界内では、外部からの鬼殺隊のあらゆる攻撃意図と「殺気」がシステム的に拒絶され、武器を振るったり呼吸を発動すること自体が極めて困難になる。
第10型・最終奥義:無想成業・終末之永久陥穽(むそうせいごう・しゅうまつのえいきゅうかんせい)
人間時代に少年が仕掛けた「盗賊たちを煩わせる罠」の概念を、上弦級の鬼の思念エネルギーで極限まで増幅させた非殺傷広域封印奥義。ムソが両手を合わせて祈るように思念を集中させれば、戦場全体が巨大で精巧な「透明な思念の歯車ゼンマイ格線(Grid)」で覆い尽くされる。この結界が展開される瞬間、領域内の全ての鬼殺隊の柱たちと隊員たちは、身体構造と筋肉の節々が目に見えない思念の糸とゼンマイに強固に固定され、指一本動かせない強力な物理的強制硬直(Stun)状態に陥る。敵を攻撃したり斬る殺傷力はないに等しいが、ムソ自身もこの巨大結界を維持するためにその場に立ち止まり、全精神力を注ぎ込まなければならない。つまり、「相手を殺すことはできないが、自身が解くまで鬼殺隊全体の足を完璧に縛り上げ、無惨が安全に後退したり戦列を整える時間を稼ぐ」という、徹底した守護護衛目的の最終無力化罠結界である。
7. 半天狗(はんてんぐ)
血鬼術:感情具現・五行分流(かんじょうぐげん・ごぎょうぶんりゅう)
本体である「怯」が危機に追い込まれるたびに、自身の歪んだ感情を実体化させる異能。分身たちは日輪刀で首を斬っても死なず、「木」属性の生命力と四天王の権能を操る。分身の数が増えるほど戦力は分散するが、各感情の連携は鬼殺隊の「柱」たちすら圧倒する。
1. 基本感情分身一覧
1-1)喜:空喜(うろぎ)
外見・武装:鴉天狗の姿。鳥の翼と、金剛石さえ砕く鋭い爪を持つ。
技術:血鬼術・狂暴超音 — 口から大気を引き裂く超音波を発射し、敵の鼓膜と平衡感覚を麻痺させる。空中を高速飛行しながら遠距離狙撃を担当する。
1-2)怒:積怒(せきど)
外見・武装:半天狗の法衣を纏った鋭い青年。自身の指の骨から引き抜いた、電気を帯びた錫杖を持つ。
技術:血鬼術・天動閃雷 — 錫杖を地面に突き刺し、広域の落雷を降らせる。敵を一時的に完全麻痺させる。「喜怒哀楽」の中で最も冷徹で、分身たちを指揮するリーダー役。
1-3)哀:哀絶(あいぜつ)
外見・武装:憂鬱に満ちた悲壮な武士。鬼殺隊の四肢を貫く巨大な十文字槍を持つ。
技術:血鬼術・激涙刺突 — 槍を超高速で突き出し、前方に五つの鋭い斬撃波を放つ。分身の中で腕力と近接体術が最も強力。
1-4)楽:可楽(からく)
外見・武装:何事も愉快に捉える好戦的な青年。楓の葉の形をした巨大な団扇を持つ。
技術:血鬼術・暴風大破 — 団扇を軽く仰ぐだけで建物を粉砕し、地形を揺るがす超強風の衝撃波を発生させる。ただし、団扇を奪われると敵も使用できるという致命的な弱点がある。
1-5)怯:怯(おびえ)
ネズミほどの大きさの半天狗の真の本体。再生力は極度に遅いが、「柱」級の斬撃でなければ傷一つ付かない金剛石のような防御力と、超高速の逃亡能力を持つ。この首を斬らねば半天狗は消滅しない。
1-6)恨:憎珀天の核(うらみ)
本体が命の危機を感じた際に発動する、巨大な強化服形態の分身。本体はこの「恨」の心臓の中に隠れて操り、最期の瞬間に刀鍛冶たちを追撃しながら音波を放ってあがく。
2. 真・上弦の肆:憎珀天(ぞうはくてん)
特徴:積怒が空喜、哀絶、可楽をすべて吸収し、繭から誕生した青年期の雷神の姿。背中に「憎」の文字が刻まれた5つの太鼓が浮いており、これを金剛杵で叩くことで「木」の五行と雷、そして強化された喜怒哀楽の権能を自由自在に奏でる。
第1型:光明雷殺(こうみょうらいさつ)
金剛杵で太鼓を叩き、地面から巨大な「木龍」を5体召喚する。木龍の口からは、空喜の超音波、積怒の落雷、哀絶の斬撃、可楽の暴風が強化された形で放射され、戦場を焦土と化す。
第2型:狂圧鳴波(きょうあつめいは)
空喜の音波権能を憎珀天本体の肺活量で極大化して正面から発射する。単純な音ではなく物理的な圧力そのものであり、かすめるだけで一般人の全身を骨ごと粉砕し、大地を抉る破壊力を持つ。
第3型:無間業樹(むげんごうじゅ)
数十体の巨大な木龍がグリッド状に突き出し、戦場を覆い尽くす広域攻撃。召喚された木龍の口からさらに数十体の仔木龍が無限に増殖し、敵の回避経路を完全に遮断して圧殺する。
第4型:天動遠雷・憎悪之網(てんどうえんらい・ぞうおのあみ)
背中の雷神太鼓を同時に連打し、戦場に逃げ場のないほど密度の高い血色の雷の帳を召喚する。この雷に触れた「柱」は全身の神経系が焼き焦げ、瞬時に全集中の呼吸の流れを失い、自滅に追い込まれる。
第5型:暴風十字・断罪(ぼうふうじゅうじ・だんざい)
可楽の風圧と哀絶の槍術の軌跡を融合させた技術。大気を圧縮した真空の十字風刃を縦横に放つ。日輪刀でガードしても風圧の重さで後方へ吹き飛ばされ、内臓が損傷する絶望的な中距離技術。
第6型:哀惜之樹棘原(あいせきのじゅきょくげん)
金剛杵を地面に突き刺し、鬼殺隊の足元から数百本の鋭い木の棘と槍を竹林のように一斉に突き上げる。玄弥のような鬼化した鬼殺隊員がこの木を喰らおうとしても、木自体に流れる雷の電流によって逆に脳が焼き切られる防御型殺傷機。
第7型:怨魂之木獣追撃(おんこんのもくじゅうつうげき)
召喚した木龍を瞬時に飢えた木の猟犬と鳥の形状に変換して四方へ射出する。これらの木獣は敵の闘気と体温を感知する追跡能力を持ち、敵が息絶えるまで執拗に追いかけて四肢を食い千切る。
第8型:神罰之共鳴・拒絶(しんばつのきょうめい・きょぜつ)
背中の太鼓5つを共鳴させ、自身を中心に巨大な球体状の音波および電撃エネルギー防御膜を形成する。甘露寺蜜璃のように「痣」を発現させた「柱」の超高速連続攻撃すらも、この障壁に触れれば振動で弾き飛ばされ、逆に刀が折れる危険にさらされる。
第9型:威圧之神眼・鬼畜滅絶(いあつのしんがん・きちくめつぜつ)
憎珀天が抱く歪んだ選民思想と憎悪の鬼気を眼差しに込め、前方に放出する。この鬼気に直撃した剣士は胸を押し潰すような巨大な恐怖感に包まれ、一時的に呼吸が凍りつき、心拍が不規則になって身体が硬直する。
第10型・最終奥義:萬歳極楽・凍土之神罰樹(ばんぜいごくらく・とうどのしんばつじゅ)
無惨への盲目的な生存渇望と敵への憎悪が極まった時、半天狗本体の全魔力を絞り出して召喚する超巨大神罰樹。戦場全体を覆う巨大な天罰の木が隆起し、その枝ごとに雷神の太鼓と木龍の首がぶら下がる。この木が完成した瞬間、領域内の全ての酸素と大気を吸収して鬼殺隊の呼吸そのものを根底から封じ込める。同時に、数百筋の落雷と超音波、木龍の突撃が融合した超広域滅絶爆撃を常時(パッシブ)乱射する、憎珀天の最後にして最強の要塞型最終奥義である。
8. 玉壺(ぎょっこ)
血鬼術:冥府成業・百鬼魚創(めいふせいごう・ひゃっきぎょそう)
壺を媒介とした奇怪な空間転移および水中生物召喚術。壺を割って現れる本性の「真の姿(真・殺魚鱗)」状態では、万物を魚に変える「神の手」と、金剛石の鱗による超高速体術で敵の武器を破壊しながら追い詰める。
1. [壺形態:技巧の章]
第1型:千本針魚殺(せんぼんばりぎょさつ)
壺から怪異な金魚の群れを召喚する。金魚が口から散布する毒針は、掠めるだけで神経系を麻痺させ、全集中の呼吸と身体機動力を瞬時に停止させる。
第2型:水獄鉢(すいごくばち)
波が刻まれた壺から粘り気のある粘液性の水を注ぎ出し、敵の頭を閉じ込める水の檻を形成する。外部と酸素を完璧に遮断して全集中の呼吸を封鎖し、内部から干涸らびさせる。
第3型:蛸壺地獄(たこつぼじごく)
蛸の吸盤が刻まれた壺から、建物を破壊する巨大な高密度触手を大量召喚する。斬撃の威力を吸収するゴムのような弾性を持ち、防御膜の役割と同時に敵を絡め取って拘束する。
第4型:一万滑空粘魚(いちまんかっくうねんぎょ)
粘魚が刻まれた壺たちから、1万匹の食人粘魚の群れを滝のように浴びせる。この魚は斬りつけるたびに四方へ強力な毒性体液を飛散させる。これは皮膚に触れるだけで肉を溶かす、恐るべき酸性の毒である。
第5型:冥府転移・血壺双間(めいふてんい・けっこそうかん)
戦場に無数の壺を斬像のように射出した後、空間の制約を無視して驚異的な速度で壺の間を行き来する。敵の「透き通る世界」でさえ、次の座標を直ちに認知することを困難にする欺瞞型の超高速回避技。ただし、透き通る世界を極めた者の前では通用しない。
第6型:塩湖砂泡旋(えんこさほうせん)
壺から超高濃度の塩分と腐った海の霧を噴出し、戦場を満たす。この霧を吸い込んだ剣士たちは呼吸器が焼けただれ、日輪刀の刃さえ瞬時に錆び付いて腐食する壊滅的な煙幕技。
第7型:水霊鏡帳(すいれいきょうちょう)
壺の口から噴出した高圧の酸性の水膜が、玉壺を球体状に包み込む。飛来する遠距離技術を水流の回転力で受け流し、刀が触れた瞬間に酸性液が剣を溶かす反撃型の防御技。
2. [真・殺魚鱗形態:武毒の章]
壺を割って現れる玉壺の本性。全身が透明で硬い脱皮鱗で覆われており、下半身は蛇の形状をしている。この状態では空間転移を使用せず、人間である剣士の刀剣そのものを破壊する超越的なフィジカル体術へと転換される。
第8型:鱗波羽動(りんぱうどう)
全身の特殊な鱗を微細に振動させ、地面との摩擦をゼロにする。自由自在に予測不可能な軌道で折り返し、痣を発現させた「柱」以上の超光速で突撃する、真・殺魚鱗専用の歩法。
第9型:神之手・生態屠殺(かみのて・せいたいとさつ)
真・殺魚鱗の核心権能。玉壺の手に直撃されたあらゆる生物と物質は、即座に生命力を失い、一匹の「魚」へと強制変換される。「柱」の服の端や肉体、あるいは日輪刀の刃でさえ、この手に触れれば魚に変えられ破壊される即死級の魔手である。
第10型:海皇魚神撃(かいおうぎょしんげき)
鱗の弾力性を利用して腕を奇怪な連打構造に変形させ、前方に「神の手」を纏った数百発のパンチを斬像のように浴びせる。ガードした日輪刀そのものを魚に変えて砕くため、鬼殺隊側は紙一重で回避し続けなければならない地獄の乱打技。
第11型:魚鱗全方位爆散(ぎょりんぜんほういばくさん)
自身の身を包む金剛石級の鱗片を全方位へ爆発するように射出する。鋭い鱗の破片一つ一つが日輪刀の攻撃を弾き返し、敵の陣形を強制的に押し戻して四方に切り傷を負わせる全方位牽制技。
第12型・最終奥義:真・殺魚鱗・冥府魚海百鬼夜行(しん・さつぎょりん・めいふぎょかいひゃっきやこう)
玉壺自身の「超高速縦横無尽な機動」と「神の手の乱打」を極限まで圧縮した殺戮芸術奥義。
1)効果:玉壺を中心に半径10メートル前後の狭い空間に「粘魚の毒液が流れる超高圧の水中領域結界」を瞬間的に展開する。この結界に閉じ込められた鬼殺隊の「柱」たちは、まるで深い海に溺れたように身体の動きと剣の速度が半減し、呼吸が極端に制限される。
2)攻略法:戦場全体を変えることはできず、玉壺の周囲にのみ常時展開される領域である。玉壺本体はこの領域内で「鱗波羽動」による超光速機動を行い、四方から「神の手」で敵の四肢と日輪刀を魚に変えて粉砕しようとする。鬼殺隊は結界の外へ無理やり脱出するか、あるいは「透き通る世界」を発動して玉壺の「神の手」の軌跡を完璧に見切り、結界の中心にいる玉壺の首を一気に斬り落とさなければならない、タイトな白兵戦攻略型の奥義である。
9. 鳴女(なきめ)
血鬼術:無限城(むげんじょう)
物理法則および重力の欺瞞:無限城内部には上下左右の概念がなく、壁や天井がそのまま地面となる。鳴女の意志に従って重力の方向がリアルタイムで入れ替わり、剣士たちの平衡感覚を完全に無力化する。
格子構造の無限増築:外部から見ると一つの巨大な格子状の魔方陣構造を成しており、鬼殺隊司令部が鳥瞰図を把握して地図を描いた瞬間、空間を物理的に再構成して無限に増築し、相手のあらゆる戦術的計算を白紙に戻す。
絶対監視網(冥府の眼):鳴女の髪の毛の根が無限城の壁面をすべて覆っており、これを通して数千個の眼球の分身を城内の至る所に散布する。鬼殺隊のあらゆる動き、会話、心拍数に至るまで、琵琶の視点切り替えを通してリアルタイムで無惨に共有する。
無限城制御5大技術表
第1型:百鬼召喚(ひゃっきしょうかん)
琵琶をただ一度弾き、日本列島全域に存在する指定対象を無限城内部へ強制転移させる。鬼たちは認識する間もなく即座に移動させ、人間である鬼殺隊員は足元に次元の穴を開けて吸い込む。この際、鬼殺隊の核心戦力たちを上弦たちの部屋へとそれぞれ「強制分散配置」し、各個撃破の地獄を形成する。
第2型:格子反転(こうしはんてん)
琵琶を連続で演奏し、無限城の数百、数千の部屋と直角の柱、扉を同時多発的に操作する。鬼殺隊が無惨へ接近しようとするたびに目の前の廊下を迷路のように歪めたり、あるいは別の階へ空間を物理的に隔離し、到達そのものを永遠に不可能にする。
第3型:虚空墜落(こくうついらく)
剣士たちが踏んでいる足場の建物を丸ごと消し去り、上下数百〜数千階層もの遥かな深さの断崖絶壁を形成する。呼吸を極限まで鍛え上げた「柱」たちですら、受け身を取ったり着地する構造物を見つけられなければそのまま墜落死させる、絶対的な地形破壊技。竈門炭治郎も時透無一郎が掴まなければ、侵入と同時に死体になる罠であった。
第4型:質量圧殺(しつりょうあっさつ)
鬼殺隊員が密集する区域に向かって、四方の巨大な大理石の壁面と大型の建物を丸ごと移動させ、押し潰す。投げる打撃ではなく、空間の軸そのものを狭めて建物の巨大な質量で圧死させる技術。「柱」級の強者は機動力で回避可能だが、一般隊員はこの重い質量の軌跡に閉じ込められ、肉体を粉砕される。
第5型・最終奥義:天動閉鎖(てんどうへいさ)
鳴女がすべての魔力を注ぎ込んで演奏する、無限城の最終防御形態。鬼殺隊司令部が無限城の鳥瞰図をハッキングしたり、伊黒や蜜璃などが自身を追跡してきた際に発動し、無限城内部のあらゆる扉、壁、格子柱を数千の繭のように完璧に噛み合わせ、外部との通路を完全に遮断する。この奥義が維持される間、無限城はどんな物理的、異能的方法を用いても外部から侵入したり脱出したりできない「閉じた宇宙」となる。内部の鬼殺隊員を永遠に無限城という迷路の中に閉じ込めて干涸らびさせる、鳴女最強のサポート型最終奥義である。
天動閉鎖の唯一の連動攻略法(鬼殺隊の執念)
第1段階 [構造逆追跡および同時打撃]:天動閉鎖は完璧に噛み合った構造的結界であるため、逆説的に均衡が崩れれば崩壊する。産屋敷司令部が地図の鳥瞰図を通して城を支える「4つの核心物理軸(柱)」を逆追跡し、各区域に孤立した「柱」たちが司令部の合図に合わせ、同一のタイミングで呼吸の極意により4つの軸を同時に打撃し、結界に致命的な過負荷(隙)を発生させる。
第2段階 [愈史郎の精神ハッキングおよび地上射出]:軸が壊れた衝撃で鳴女の演奏が乱れた刹那、「柱」たちの援護を受けて潜入していた愈史郎が、鳴女の頭部に血鬼術の札を貼り付け、脳と視覚神経を完全にハッキングする。操られる鳴女の権能を逆利用して天動閉鎖を強制解除し、無限城のあらゆる空間を開放すると同時に、城全体を地上へ射出して攻略が完了する。
10. 獪岳(かいがく)
血鬼術:冥府間雷(めいふかんらい)
雷の呼吸を繰り出す際に噴出されるあらゆる視覚的エフェクトを、肉を切り裂き焼き焦がす真の「漆黒の物理稲妻(黒雷)」として実体化させる。獪岳の剣撃にかすめるか、稲妻に撃たれた者は肉体が干ばつの田畑のように裂け、鬼の血が宿る電流が傷口の再生と止血を根源から封鎖する。(※第1型「霹靂一閃」およびその派生技は使用不可)
第2型:稲魂(とうこん)
本来の剣理:一度の呼吸で稲妻が閃くような残像を残し、自身を中心に瞬時に5連続の高速斬撃を半円状に浴びせる技。
血鬼術効果:剣風の残像の軌跡に沿って、本物の物理的な漆黒の電流が連鎖的に爆発する。剣撃で負った傷を激しく引き裂き、電流が全身の神経網を伝って侵入し、敵を一時的に完全硬直させる。
第3型:聚蚊成雷(しゅうぶんせいらい)
本来の剣理:回転歩法を利用して敵の周囲を残像のように回り、四方から中心に向かって波状の稲妻の軌跡を描きながら切り込む回転連撃。
血鬼術効果:ジグザグに締め付けながら回転する軌道四方に、音速で飛来する微細な黒雷の誘導弾片を無数に散布する。敵が剣撃を回避しても、四方から唸りを上げて飛来する稲妻の破片が皮膚を容赦なく焼き尽くす中距離打撃機へと強化される。
第4型:遠雷(えんらい)
本来の剣理:遠くで鳴る雷のように、非常に遠い距離から神速の気勢で直線突進し、広範囲に斬撃を放つ遠距離突撃技。
血鬼術効果:第1型「霹靂一閃」を使えない劣等感を補うため、鬼の脚力で無理やり加速する。獪岳が一直線に通り抜けた突進の軌跡に沿って巨大な黒雷の連鎖後爆風が発生し、街道上に立つあらゆる敵を爆圧で吹き飛ばす。
第5型:熱雷神惶(ねつらいしんこう)
本来の剣理:上へと昇る稲妻の性質を利用し、下から上へ刃を強く打ち上げる高熱の斬撃。(獪岳はこれを上から下へ振り下ろす形態に改変)
血鬼術効果:雷固有の高温の性質に鬼の細胞の熱量を融合させ、肉を焼き焦がす高熱の亀裂稲妻を叩きつける。この技に直撃した鬼殺隊員は、傷口がまるで熱せられた鉄で焼かれたかのように焼け焦げ、極度の火傷を負い、止血が不可能となる。
第6型:電轟雷轟(でんごうらいごう)
本来の剣理:自身を中心に、四方に無数に絡み合う稲妻状の刃を散布し、敵を切り刻む広域技。
血鬼術効果:自身を守る防御型の剣理を捨て、破壊のみを目的として歪めた。剣を振るうたびに空から無差別な漆黒の落雷が四方へ収束し、叩きつけられる。戦場の地形を根こそぎ破壊し、「柱」たちの陣形を瓦解させる広域爆滅機。
第7型:冥羅網雷(めいらもうらい)
本来の剣理:真菰の空中広域技「天網」に対抗するために編み出した地上制御初式。日輪刀を大地に深く突き刺し、剣圧の波動を放射する。
血鬼術効果:突き刺した刃を起点に、地面全体に蜘蛛の巣のような黒雷の網を展開する。領域内の剣士たちは、足を踏み入れるたびに足の裏から血鬼術の黒雷が逆流し、全身の筋肉が収縮され、歩法と呼吸の流れを強制的に妨害される。
第8型・最終奥義:黒雷神明・惶呼(こくらいしんめい・こうこ)
本来の剣理:第1型「霹靂一閃」を繰り出す勇気も脚力もない獪岳が、敵が命懸けで間合いを詰めてくることを恐れ、自身の安寧と逃走経路を確保するために卑怯に剣を乱射する防御型連撃。姿勢を低くして逃げるタイミングを計りながら、自身へ接近する全ての軌道に対し、後ろを振り返りつつ無差別な剣圧を四方に振り撒く。
血鬼術効果:獪岳の卑劣な恐怖心が魔力と融合し、剣を振るう四方の大地に肉と骨を泥のように溶かす巨大な漆黒の稲妻の沼(龍)を噴出させる。正面突破ではなく全方位黒雷障壁に近い技であり、善逸や真菰が命を懸けて神速で懐へ入り込む前進軌道を強制的に遮断する。かすめるだけで日輪刀を爆破して足止めを食らわせる、獪岳特有の卑劣さと虚勢が極まった生存型最終奥義である。
11. 狐ヶ闇ヒズミ(こがやみ ひずみ)
血鬼術:歪曲焦熱(わいきょくしょうねつ)
兄妹を焼いた火刑台の業火と、鎌で斬られ歪んだ肉体の怨念が融合した権能。ヒズミの炎は光を放たぬ「漆黒の黒煙と剣赤色の炎」である。平時は左目の視界欠損を補うために奇怪に折れ曲がった長刀を振るう。彼の血鬼術が触れた万物は、灰になるのではなく、熱せられたプラスチックのように醜く歪み、腐り爛れる。特に梅に対する歪んだ執着のため、城内で梅に似た美女たちを拷問し、捕食することで魔力を極大化させている。
第1型:焦闇抜刀・毒蛇伏線(しょうあんばっとう・どくじゃふくせん)
長刀を地面に擦り付けながら不意打ちで放つ抜刀術。剣風は一直線ではなく、妓夫太郎の鎌の軌跡を嘲笑うかのように大地を這い、蛇のようにしなりながら折れ曲がって迫る。黒い炎の軌跡が敵の四肢を焼き、関節を歪めて破壊する。
第2型:火刑之陽炎・蜃気楼(かけいのかげろう・しんきろう)
過去の火刑台の圧倒的な高熱を四方に放出し、大気を極度に歪める。この陽炎の中でヒズミの身体と剣の軌跡がぼやけて歪んで見えるため、隊員たちは距離感を完全に喪失し、虚空を斬ることとなる視覚撹乱技。
第3型:盲眼之恨・黒煙蛇獄(もうがんのうらみ・こくえんじゃごく)
梅に簪で刺され失明した左目の怨念を込めた技術。左の死角から凄まじいタール成分の黒煙を爆発的に噴出する。この煙を吸い込んだ隊員は肺胞が焼けただれて呼吸が封じられ、眼球に毒が浸透して視界が完全に遮断される。
第4型:卑劣之奇襲・蛇軌(ひれつのきしゅう・じゃき)
妓夫太郎の背中を不意打ちした卑劣な剣理が血鬼術と融合した技術。正面へ突きを放つが、空間の結び目を歪めることで、刃が敵の背後や死角の虚空から折れ曲がって飛び出し、心臓を狙う因果無視の変則刺突。
第5型:焼骨剝製・墨殺乱舞(しょうこつはくせい・ぼくさつらんぶ)
遊郭で梅に似た女たちを拷問する際に用いた残酷な剣理。剣赤色の炎の刃を鞭のように長く伸ばし、四方へ撒き散らす。この炎をガードした日輪刀は、高熱と歪みの因果により、飴細工のように歪み折れる。
第6型:業火連鎖・磔刑刺棘(ごうかれんさ・たっけいしきょく)
長刀を地面に突き刺し、自身を焼いた火刑台の棘の蔦を模した黒い業火を地面から連鎖的に隆起させる。噴出した炎は生きた毒蛇のように鬼殺隊員の足首を絡め取り、骨まで溶かす。
第7型:怨毒之蛇歯(おんどくのじゃし)
剣を大きく振り回し、蛇の牙を象った剣赤色の火炎斬撃を数十個、扇状に射出する。斬撃一つ一つが大気を圧殺しながら飛ぶため、剣圧をガードで受け流そうとしても、剣士たちの防御姿勢そのものを粉砕する。
第8型:生命軽視・焦闇帳幕(せいめいけいし・しょうあんちょうばく)
「邪魔者を片付けてくれて感謝する」という遊郭管理人の冷酷な精神が血鬼術の防御壁として形骸化した技術。自身に向かって飛来するあらゆる呼吸の遠距離技を、黒煙の渦の中へ吸い込み、跡形もなく燃焼させる。
第9型:煙狩・蛇捕縛(えんしゅ・じゃほばく)
大気中に広がっていた黒煙を瞬間的に凝縮し、強固な火炎の蛇の形状に実体化させる。敵の四肢を絡め取った瞬間、骨を砕く圧迫とともに、全身に一生消えない火傷の痕を刻みつける残酷な拘束技。
第10型:爛自尊心・歪曲天乱(らんじそんしん・わいきょくてんらん)
妓夫太郎に刀と共に身体を両断されかけた侍としての、踏みにじられた自尊心が爆発する狂気。空中に跳躍し、地上へ向けて数百発の剣赤色の蛇剣状の火炎をメテオのように注ぎ込む。大地全体を腐りゆく火炎の沼と化す。
第11型・最終奥義:焦闇歪巳・火刑地獄之蛇神(しょうあんわいし・かけいじごくのじゃしん)
自身に地獄を味合わせた兄妹を必ず切り刻んで殺すという執着と、上弦の魔力が爆発する最強の殺戮奥義。ヒズミの全身から巨大な漆黒の煙の毒蛇(龍)の形状が噴出し、戦場を包み込む。ヒズミが長刀を振るうたび、その軌跡に沿って空間の軸と大気の理が蛇のように曲がりくねる空間歪曲が発生する。これにより、鬼殺隊が一直線に突撃を敢行しても、歩法の方向が強制的に歪められ、ヒズミの刃の前へと誘導される。
鬼殺隊の連係による打破(人間たちの執念)
欠陥(入り込む隙):この空間歪曲は、ヒズミの「右目(正常視界)」が捕捉し、蛇剣でなぎ払う範囲にのみ完璧に適用される。かつて梅が簪で刺して失明させた「左目の死角」だけは空間歪曲の精度が落ち、微細な歪みの亀裂(隙)が発生する。
鬼兄妹の欺瞞戦術:捕食や吸収を望まない妓夫太郎と梅は、自身の異能(血鎌と帯)を限界まで絞り出し、ヒズミの「右の正常視界」を完璧に遮断してヘイトを稼ぐ。兄妹の死闘によりヒズミの注意は完全に分散される。
人間の痣開花と必殺:ヒズミが右の視界を奪われて足掻くその瞬間、絶体絶命の危機の中で鬼殺隊の柱たちと隊員たちの身体に燦然と「痣」が発現する。痣による超越的な身体能力と「透き通る世界」を通じ、歪みの届かない左目の死角を正確に捕捉。空間の結び目を縫って侵入し、日輪刀でヒズミの頸を一気に斬り落とし、勝利を掴み取る。
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【あとがき】
次編は「下弦の血鬼術編」を予定しています。その後については、外伝の連載方式や、ウイハナ家の設定を盛り込むべきかどうかの悩みがあります。この部分についてはもう少し考える時間が必要そうです。いつも読んでくださる皆様に感謝いたします!