誰かを守ることさえできれば……(鬼滅の刃:互いの決意) 作:つねお あきら
月倉兄弟と四霊剣霊会の因縁
内容:
朝鮮半島から日本へと渡った守護勢力「四霊剣霊会(しれいけんれいかい)」は、その道中で「武力による浄化」を唱える強硬派と、「弱者救済と共存」を説く穏健派へと分断された。ウイハナの両親は穏健派であったが、後に上弦の壱となる月倉兄弟は、強硬派である師・無影(むえい)の思想の下で育てられた。幼少期に武士によって村を滅ぼされた兄弟は、師の「この地で理不尽な差別に抗うための力を」という教えを胸に、武人狩りと略奪を繰り返す凶戦士へと変貌を遂げた。しかし、師もまた武士たちとの闘いで散り、兄弟は復讐の鬼と化す。彼らは弱者には手を下さず、強き武士のみを狩る特異な歪みを抱えたまま、縁あって継国巌勝・ウイハナ夫妻と邂逅することとなる。
【上方修正/特徴】:
四霊剣霊会が奉じる12の霊的な気運のうち、師・無影が宿していた「馬(ば)」の属性は、本来の蚩尤天王(しゆうちんのう)の加護から外れ、日本の凶神の力を受け入れた変異属性へと堕落している。
1. 兄:月倉成成(つきくら なるなり) - 天津甕星(あまつみかぼし)
馬属性の変質: 心魔(しんま)と闇、逆らう邪念。
悪神設定: 日本神話において最後まで神々に服従せず抗い続けた至高の悪神であり、星と漆黒の闇を司る。万物を混乱させ、魂を揺さぶる呪的殺性を有する。
叙事的シンクロ: 武人への憎悪を核とする成成の精神と完璧に共鳴。師の「馬」の属性がこの悪神と結合し、相手の深淵にあるトラウマを物理的な「百鬼兵装」として実体化させ、自らの恐怖で自滅へと追い込む[心魔成業]の源泉となる。
2. 弟:月倉勝久(つきくら かつひさ) - 禍津日神(まがつひのかみ)
馬属性の変質: 幻覚胞子と結合した疫病と腐食の災厄。
悪神設定: 黄泉の国の汚濁と死者の怨嗟から生まれた、災厄と疾病を司る神。その足跡はあらゆる生命を腐敗させ、狂わせると伝えられる。
叙事的シンクロ: 世界の秩序を破壊せんと欲する勝久の狂気とマッチング。幻覚を司る「馬」の属性がこの疫病神と結合し、歌舞伎の化粧粉のような極彩色の煙の中に、致命的なウイルスと細胞腐食毒素を潜ませて散布する[逆天成業]へと歪められた。
───
【あとがき】
この設定は、月倉兄弟の過酷な悲劇と、いずれ避けることのできない継国巌勝・ウイハナ夫妻との宿命の衝突をより深く、より切実なものにするために即興で構成したものです。彼らが単なる「敵」ではなく、理不尽な時代の犠牲者として、そして歪んだ信念を背負った者としての「物語の当為性」を強く込めてみました。この重厚な因縁が、今後の展開でどのような化学反応を起こすのか、非常に楽しみです。