002ジェット・リンクは最初から分かっていた。 「そのうち俺にも来る」 確信していた。 003、009-7、009、004、005が広告業界に捕まった。次は自分だ!当然だった。 「まあ、俺はモテるからな」 ソファに寝転がりながら言った。 「そうか」004。 「そうね」003。 「そうですね」009-7。誰も否定しなかった。002は昔から女性に人気があった。明るい、面白い、自信家、格好いい。そして、空を飛ぶ。男の子の夢全部入りである。
広告業界も放っておかなかった。 「絶対に取れ!」 いつもの会議。 「どの商品にしますか?」 「本人に選んでもらおう」 「大丈夫ですか?」 「わからん」 結果、ジェット本人が適当に選んだ。 「これでいいだろ」 誰も止めなかった。後で全員後悔した。商品は、男性向けサプリメントだった。撮影当日、009が資料を見て固まった。 「ジェット」 「なんだ?」 「これ本当にやるの?」 「面白そうじゃねえか」 009は頭を抱えた。
完成したCM。夜の街、スポーツカー、轟音、加速。そして002。ナレーション「速い男には秘密がある」002が笑う。 「本当の勝負は夜だ」 最後、ウインク。 「準備はいいか?」 CM終了。SNS 『なんだこれ!』 『腹筋が死ぬ!』 『公式がやるな!』 『ジェット最高!』 男性『買った』 『とりあえず買った』 『意味は分からんが買った』 女性『面白すぎる』 『自信満々なのが似合う』 『腹立つけど格好いい』 『笑った』 爆発的人気だった。特に、夜の店で働く女性たちの支持率が異常だった。 「ジェット可愛い」 「自信満々なのにどこか憎めない」 「なんか放っておけない」 なぜか大人気だった。
002本人は、ある日、知人に誘われて店へ行った。すると、「えっ」 女性スタッフ。 「ジェットさん!?」 店にいる全員が知っていた。 「CM見ました!」 「最高でした!」 「サインください!」 「写真お願いします!」 002は驚いた。 「おお!」 「人気者ですね」 009-7。 「そうみたいだな!」 満更でもなかった。 かなり満更でもなかった。 翌日のギルモア邸で002は新聞を持っていた。 「見ろ」 誰も見ない。 「見ろって」 誰も見ない。 「ランキング一位だぞ!」 「おい」 004がため息をついた。 「何のランキングだ」 002は誇らしげに答えた。 「女性が選ぶ一緒に飲みたい男ランキング」 沈黙の後、009が吹き出した。003と009-7が笑った。005は大笑いした。 「なんだよ!」002は抗議した。 「一位だぞ!」 「よかったな」004。 「もっと褒めろ」 「嫌だ」 だが、その夜、002は一人で記事を読み返していた。そして少しだけにやけていた。 「まあ」 コーヒーを飲みながら言った。 「悪くない」 世界最速の男は、結局のところ少しモテたかっただけだった。