原作の終盤で赤鬼はトリコが取り込んでいるため、会話できる状態ではありません。
こちら二次作品では饗力絡みで千年の間に会話ができる状態になっている。
という形で思っていただければと思います!
場所詳細不明。
最果ての宇宙。
星の光すらほとんど届かない暗闇の中に、巨大なゲートが浮かんでいた。
門の向こう側は歪んでいて、何があるのか見通すことすらできない。
「いよいよですね、トリコさん!」
「そうだな、小松!」
トリコは巨大なゲートを見上げ、楽しそうに笑った。
「ここより先には、きっとさらにうまいもんが待ってるぞ!」
「はい!」
小松も笑顔で頷く。
その少し離れたところから、声が飛んできた。
「松! それも置いていくんだろ? 五色羅針盤!」
「あ、サニーさん! 今入れます!」
小松は慌てて荷物を確認し、五つの色に分かれた羅針盤を取り出した。
赤。
青。
緑。
白。
黒。
それぞれが別の宇宙を示す羅針盤。
これまでの旅で使ってきたものだ。
小松がそれを所定の場所へ収めようとした、その時だった。
「あーーー!!」
「どうした、小松!」
「見てください、これ!」
小松が羅針盤を持ち上げる。
その中の一つ。
長い間、静かだった赤い宇宙の羅針盤が、ゆっくりと動いていた。
「赤い宇宙の羅針盤が動いてます!!」
「なにぃ!」
トリコが目を見開く。
「ってことは……思い出したってことか!?」
「そういうことになりますよね……」
小松は動き続ける羅針盤を見つめた。
「トリコさん。どうします?」
「まぁ、大丈夫だろ!」
「大丈夫だろって、そんな簡単に!」
小松はすぐに声を上げる。
「ホワイトディメンションみたいなのが、また来たらどうするんですかぁ!」
「地球は、そこからだいぶ時間が経ってる」
トリコは赤い羅針盤を見ながらも、表情を変えなかった。
「きっと何とかできるさ。人類だって、ただ黙って待ってるわけじゃない」
「それはそうかもしれませんが……」
「それに」
トリコが目の前の巨大なゲートを見る。
「このゲートは、次いつ開くか分からん。これが最後のチャンスかもしれないんだぜ?」
「でも……」
「大丈夫だよ、小松君」
今度はココが静かに声をかけた。
「この羅針盤から、星の死相は見えない」
「ココさん……」
「きっと次世代の美食屋たちが、星を守ってくれている」
小松はもう一度、赤い羅針盤を見る。
針は確かに動いている。
だが、激しく乱れているわけではない。
何かが再び始まろうとしている。
そんな動きだった。
「ココさんが言うなら……大丈夫ですね!」
「おい、小松」
トリコが少し不満そうな顔をする。
「お前はいつも――」
「トリコさん!」
「なんだよ!」
「ゼブラさんの船、もう先に入ってますよ!!」
「なに!」
見ると、巨大なゲートの向こうへ、一隻の宇宙船が消えていくところだった。
「あいつ! 勝手に先行きやがって!」
「ゲート閉じたら大変ですよ!」
「おい、俺たちも早く入るぞ!」
「はい!」
小松は慌てながら五色羅針盤を所定の場所へ収めた。
これから先。
いつか自分たちのように、すべての宇宙のフルコースを集め始める者たちが現れるかもしれない。
その時、何もないところから始めなくていいように。
道を示すもの。
食材の記録。
危険な星の情報。
宇宙を渡るために必要な知識。
そして、五つの宇宙を繋ぐ羅針盤。
必要なものを、すべてこの五色の宇宙に残していく。
「小松! 行くぞ!」
「はい、トリコさん!」
船がゲートへ向かって加速する。
やがて、その姿も暗闇の向こうへ消えていった。
地球では、すでに新しい時代が始まっている。
だが、伝説となった美食屋たちの旅もまた、終わってはいなかった。
彼らは今も、宇宙のどこかで。
まだ誰も食べたことのない、次の食材を探し続けていた。
後世に情報を残し、
伝説の美食屋はさらに先へ。
公開したかった部分まで連日投稿させていただきました!
投稿ペースはまた不定期に戻ります。
・・・
オリジナル作品が少しサボり気味になっていたので、
また注力します!
良ければそちらも見てください!
「四層世界の最下層、魔物の森で生き残る」
https://syosetu.org/novel/420402/
引き続きよろしくお願いいたします!