あなたがトリニティでやってはいけない事リスト   作:装甲アッサム春雨

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『あなた』の懐き度
先輩¦殿堂入り、なにかあったら先輩の所に行く

ホスト三人¦最上位、例のあれでナギサが少しランクダウン

保全部¦普通に最上位、二人の溜まり場ががらくただらけなので懐かしい居心地

生物部¦上位、『あなた』からの認識はおやつ置き場

シスターフッド¦上位、サクラコ様はマフィアやいてるのでもうちょっと上

正義実現委員会¦下位、ツルギがまだ少し『あなた』が過去の姿に戻るのではないかと警戒中な為

救護騎士団¦下位、注射嫌い


また、今回の後書きにあるとある項目の人物についてはフレーバーテキスト程度にお考えください。


十五冊目

ここはトリニティ総合学園一年生のあなたのトリニティ並びにキヴォトスでの禁則事項です。

よく確認しておいてください。

 

 

 

48.あなたの勘と経験には何度も助けられていますが、無闇に警戒するのはやめましょう。

 

・しかし、今回は気のせいでは?

ヒフミさんはペロロ様という方に関する以外は、極めて普通の生徒です。

ですので、あなたが言うような方ではありませんよ?

 

・でも、スラムで一番ヤバかった奴と同じ匂いがした。ですか。

確かに、先程申し上げたペロロ様が絡むと模範的とは言い難い方です。しかし、ヒフミさんはそれだけの方です。

その様なアウトローな方ではありませんよ?

 

・そうです。気のせいです。

あなたの言う〝アラサカ〟というマフィアについて、私も資料だけではありますが存じています。

あの様な方とヒフミさんは全く違うでしょう?

今回はまた知らぬ内に人見知りをして、それを勘違いしたのでしょうね。

 

 

 

49.今回の生物部への協力は大変素晴らしく、私も誇らしい事ですが、あまり深入りしないように。

 

・今回はお説教ではなく、注意と称賛です。

あなたの趣味により、トリニティ自治区では絶滅したとされていた〝キヴォトスホワイトフィッシュ〟の生息域が確認された事、私はとても誇らしく思います。

ナギサ様達も今回の生物部の論文を読んで、共同研究者にあなたの名が刻まれた事をとても喜んでいました。

 

・しかし、まさかあの古代魚があなたがよく釣りに行く地下水路付近の沼に生き残っていたとは……。

素晴らしい快挙だと思います。

 

・ほら、こっちに来なさいな。

褒めてあげます。どうしました? 

ほら、特別に普段より焼き締めたクッキーもありますよ。

ああ、このクッキーですか? ちょうど、珍しい抜き型が手に入りまして。まるで、あなたが発見したサカナの様ですね?

ええ、そうですね。

あなたが食べた〝キヴォトスホワイトフィッシュ〟に似てますね。

 

・別件で捕縛した生物部部長の〝鴨下〟さんを問い詰めまして、あなたに味の感想を求めたと言っていましたので、何の味の感想なのかを問いましたら〝キヴォトスホワイトフィッシュ〟の感想と言うではありませんか。

……あなた、まさか本当に食べましたの? キヴォトス全域で絶滅が危惧される魚を。

 

・……逃げ場はありませんよ。塵塚さんに頼んで、ドアはオートロックにしてもらいましたから。

お説教は無し? ええ、確かにそうでした。

しかし、それとこれとは話が別です! 弱って回復の見込みの無い個体であったという話ですが、絶滅危惧種を食べるとは何事ですか!

さあ、そこに座りなさい。本日のお説教は長いですよ。

 

 

 

50.昼食を摂らずに作業をしている保全部の二人に無闇に近付いてはいけません。

 

・……昼食を摂っていない保全部、特に塵塚さんには近付いてはいけません。

あの二人、普段はそうでもないですが、空腹時には凶暴化しますので。

 

・あんな風に睨まれたのは初めて?

まあ、そうでしょうね。

あの二人は基本、誰にでもあの調子ですから。

ですが、塵塚さんは怒らせない様に。

あの人はトリニティのボクシング部の助っ人に呼ばれる程のハードパンチャーでもあります。

なので、注意しましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お二人共、お疲れ様です」

「……おう」

「あー、もー、注文多いってー……」

 

古聖堂横に設置された簡易休憩所で、保全部の二人は伸びていた。

ただでさえタイトなスケジュールに、対アリウス用の仕掛けを学園中に張り巡らせているのだ。

流石の二人もかなり限界が近い。

 

「とりあえず、学園中のカタコンベの出入口には粗方仕掛けが終わった。これなら、アリウスの動きも制限出来るだろうさ」

「本当にお疲れ様です」

「全くだよー」

 

ぐったりと見上げるテントの屋根は新品らしい輝きがある。

アリウスが攻め入ってくるだろうカタコンベの出入口は、器物保全部が所有する秘密地図を頼りにその大半を塞ぐか、何かしらの仕掛けを施した。

そして、そこから繋がる通路も突貫の間に合わせではあるが、連中の動きを制限する隔壁を建てた。

 

「サクラコさんがシスターフッドの人員回してくれなかったら、マジで間に合わなかったよ」

「そのサクラコさんも今は古書館にカンヅメだ。そういや、尾っぽは?」

「……こちらに」

 

そう言うと、塵塚達からは見えなかった少女の背後から、ひょっこりとこちらを窺う様に彼女が顔を出す。

 

「差し入れです」

「おー、助かるー」

 

彼女が差し出してきた皿には、三角に切り揃えられた厚いサンドイッチが目一杯に載せられていた。

本音を言うなら握り飯が良かったが、具が分厚いカツや玉子サラダ、照り焼きチキンと兎に角腹に溜まる具で揃っている。

 

「すまんな、尾っぽ」

「大丈夫です。塵塚さんも、お疲れ。です」

「おう。しかし、形式に拘るのはいいが、ちょっと拘り過ぎだろ」

 

作業灯に照らされる古聖堂を、カツサンドを齧りながら見上げる。

荘厳というには質素で、しかし厳粛かつ重厚な雰囲気は見る者の背を正させる。

トリニティの歴史、それがそこにあった。

 

「お陰で公会議時代以前の建築様式まで調べるはめになった」

「ホント、ナギサさんも無茶言うよね」

 

あれだけあったサンドイッチを半分程平らげて、二人は溜め息を吐く。

 

「生物部もぼやいてた。なんでも、当時飾り付けに使われた花で、今は栽培されてないのがあったからトリニティ中の野山ひっくり返す勢いで探したとか」

「野生の花をですか?」

「花も野菜も元々は野生だ。まあ、昨日ようやく見付けたみたいだがな」

「左様で御座いますか……」

 

そう言いながら、彼女が水筒で差し出す茶を飲み、保全部二人はまた溜め息を吐く。

 

「まったく、古聖堂の修繕と普段の補修の同時進行。アタシらじゃなきゃぶっ倒れてた」

「ホントにねー」

「お二人の日々の尽力、誠に感謝してもしきれないものです」

 

言いながらも少女は、こちらの裾を引っ張ってくる彼女の視線の先から、ただならぬ気配を感じていた。

簡易休憩所の隅、そこに積まれた資材の山の中に何かある。

 

「ああ、そうだ。それもこれも全部アリウスが悪い」

「そうだそうだー。アリウスのせいだ」

 

横倒しにしたドラム缶の両端に、馬車の車輪を無理矢理取り付けた様なそれ。

彼女も野生の勘から、それが尋常のものではないと理解しているのか。明らかに怯えた顔で裾を引っ張りながらこちらを呼び掛けてくる。

 

「あの、あれは……?」

「ん? ああ、戦車って速いだろ」

「はい?」

「速くて堅くて一撃が重い。だけど、人が乗らねえと動かねえし、撃破されたら盾に使われる事もある」

 

会話が成り立っていない。彼女の裾を引っ張る力が強くなった。

塵塚のハンチングの庇の奥にある瞳はどこも見ていないし、御手洗も視線が定まっていない。

気付けば皿に載っていたサンドイッチも空になっている。

これはマズイ。

この二人は只でさえ大飯食らいで、今までのスケジュールで消耗している。

その上、忙しい時に限って何か別の事をし始めて、何かとんでもないものを作り出す。

空腹と過密スケジュールが合わさった今、その二人が作り出したものは今までの比ではないだろう。

彼女がおずおずとポケットに隠し持っていたクリームサンドクッキーを差し出すと、二人はそれを迷いなく口にして話を続ける。

 

「だから、アタシらは気付いた。撃破されるなら撃破しちまえばいい」

「そ、自動で走って爆発する様にしちゃえばいい」

「ぴぃっ!」

 

少女の後ろに隠れきれていない彼女が悲鳴をあげ、流石の少女も後退る。

二人の目はそれほどの闇に染まっていた。

 

「こいつは真ん中のドラム缶に爆薬詰めててな。車輪に着けた爆竹で自走する」

「で、敵に当たった瞬間にドカンだよ」

 

アリウスめ、目にもの見せてやる。

ケラケラ笑う保全部二人の目にはもう殺意以外何もなかった。

 

「……では、私共はこの辺りで」

「戻る。ます」

 

言い様の無い身の危険を感じ、少女は彼女の尾の根元辺りに腰掛けると、彼女はすぐさま駆け出した。

 

「……あの二人には特別休暇と手当ての申請しなくてはなりませんね」 

「はい……」

 

月に照らされながら、二人は溜め息混じりにこれからの予定を立てた。




『あなた』
ふと漏れ出た気配から〝あれ〟の関係者かとヒフミを警戒。
〝キヴォトスホワイトフィッシュ〟は美味しくなかった。
釣具は先輩が用意した(トリニティ基準で)安物だが、しっかりした造りが評判のブランド品。
釣りに行く時はこれらと虫アミ、虫カゴを引っ提げて行く。

先輩
流石にこれはと、全て終わった後の特別休暇と手当てを基準以上に申請中。
釣具はよく分からなかったので、カタログにある評価が高いものを用意した。

保全部
キレた。トリニティ面に目覚めた。

生物部
またやらかした。本年度15回目。先代より少ない。








〝アラサカ〟
ある日突然〝0番スラム〟に現れ、スラムが生まれてから初めて〝0番スラム〟を統一しかけた謎の人物。
ヘイローが確認されている為、生徒である事は確かだが、身元は一切が不明。
噂では身体の半分近くを機械化していたというものもあるが、人体の機械化技術はミレニアムでも実用段階ではない技術なので、これは尾ひれのついた噂だろう。
また、〝アラサカ〟の登場とゲヘナの〝雷帝〟の権勢がほぼ同時期であった事と、スラムのゲヘナ側から〝アラサカ〟の支配が始まった事から、〝雷帝〟の関係者ではないかとも言われている。
また、『あなた』を執拗に狙っていて、度々衝突していた。最後は『あなた』に敗れ、炎の中に消えていった。
この戦いが理由で、〝0番スラム〟は一時的に小康状態となり、その隙に先代ホストは『あなた』と接触した。
〝アラサカ〟由縁の品は、手に入れればスラムを支配出来るという与太話もあるが、その最たる品である拳銃は『あなた』により右手ごと噛み砕かれている。
口さがない者達は〝アラサカ〟を〝悪神〟〝この世全ての悪〟と呼んでいたが、まさしくそうとしか言えない悪意を持っていた事は確かだ。

やるかどうかは分からない

  • 山海経、月影祭
  • ティーパーティーバカンス
  • 喫茶ティーパーティー
  • ミレニアムエキスポ
  • 『あなた』とゲーム開発部
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