あなたがトリニティでやってはいけない事リスト   作:装甲アッサム春雨

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『あなた』
先輩に懐中時計型オルゴールを渡せてご機嫌だが、謎の頭痛が止まない。 


先輩
『あなた』から貰ったオルゴールを肌身離さず、式典後のパーティーの準備。

先生
原作通り、聖堂にて待機中


二十四冊目

ここはトリニティ総合学園一年生のあなたのトリニティ並びにキヴォトスでの禁則事項です。

よく確認しておいてください。

 

 

 

60.体調不良は早めに申し出なさい。

 

・人が生きている上で体調不良は避けられない事です。

それはどれ程頑丈でも起こりうる事、なので体調不良は早めに申し出なさい。

 

・しかし、あなたが体調を崩すとは例の虫歯以来ですね。

頭痛、ですか?

……細かい作業や体の冷え等、原因があると聞きますので、救護騎士団に診察を受けておきなさい。

 

・……塵塚さん達も調子が悪いと言っていましたが、鴨下さんが言っていた何らかの影響が出ているのでしょうか?

しかし、この様な影響を及ぼす様なものが存在する?

先生なら何か判るかもしれませんが、先生は今はゲヘナ。

次にトリニティに来られるのは調印式の日な上、根拠は鴨下さんの話のみ。

不安材料にはなりますが、根拠と被害らしい被害が無い以上、これ以上の報告は出来ませんね。

 

 

 

61.何時如何なる時も凛としましょう。

 

・体調不良は仕方ない事ですが、淑女たる者、何時如何なる時も凛としましょう。

 

・やはり、頭痛が引きませんか。

そこまで酷い訳ではない様ですが、どうにも気になる。ですか。

救護騎士団には?

 

・注射を打たれそうになった?

……頭痛で注射とは、あまり聞いた事がありませんね。

ミネ団長が止めてくれた?

………救護騎士団もアリウスの皆様の看護で疲れているのでしょうか。

 

 

 

62.改めて申しておきます。身形はきちんと整えましょう。

 

・宜しい。これより調印式、式典において護衛であるあなたの身形が崩れていては、トリニティの権威に関わります。

 

・私の言い付けは覚えていますか?

1.言葉による対話

2.常に慎みを持つ

3.常に前を見る

4.如何なる時も凛とする

 

・……宜しい。本日はあなたが初めて、私共お目付け役無しでお役目に臨む事になります。

あなたも立派な淑女の一人として、自身の役目を果たしなさい。

 

・大丈夫です。あなたなら出来ます。

私はあなたを信じています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

先日までの暑さは何処へ消えたのか。そう言いたくなる程、晴天の下には涼やかな風が吹き、トリニティとゲヘナの校章が刻まれた旗を靡かせていた。

 

「キキキ、桐藤ナギサ。以前より顔色が良くなったじゃないか」

「ええ、マコトさんのお陰です」

「それは重畳。この晴れ舞台に首長の顔が暗くては、これからの未来に影を落とすからな」

 

特設の貴賓席で慇懃にナギサが応えれば、マコトは何処吹く風と受け流しつつ、ナギサに向き直る。

 

「桐藤ナギサ」

「何でしょう?」

「アリウスの件だ。我々、ゲヘナも協力しよう」

「当然です。アリウスの一件にはゲヘナも関わっているのですから」

 

ナギサの言葉に、マコトは笑みを深くした。

思えば、エデン条約の話を持ち込んできた当初のナギサは良く言えば模範的、悪く言えば型通りのトリニティ首長代理でしかなかった。

これであのトリニティを治められるのか。よもや傀儡で、背後にはあの〝雷帝〟の様な悪辣なる者が糸を引いているのではないか。

そう疑いもした。だから、そのタイミングで現れたアリウスを使い、情報を得ようとしたのだが、まさか護衛の勘と補佐の機転で見破られるとは思わなかったし、ミカ(トリニティピンクキングゴリラ)からアームロックを決められるとも思ってなかった。

まあ、だからこそ気付けた。

桐藤ナギサは羽沼マコトの様に独断で動く為政者ではなく、周囲に支えられ覚悟を決めた時に真価を発揮する為政者だ。

故に覚悟が決まりきっていない時は、如何にもトリニティと言った胡乱で自分の意思で言葉を発しない治世の為の機能といった印象だった。

 

だからこそ、覚悟を決めた時の動きは速く強い。

兎に角、徹底的に相手の逃げ場を封じ、相手が逃げる先で手ぐすね引いて待っている。

もう既にアリウス関係については逃げ場は無くなっている。

だが、マコトからすればそれだからこそ面白い。

 

「キキキ、お前が過労で倒れなくて良かった」

「今更ですか」

「本音だ。原因の一端を担ってしまった者として、そして、これからの友としての、な」

「そうですか」

「キキキ、つれないな。しかし、本音に嘘は無い。よくぞ、この日に辿り着けた」

「まったくです。漸く、辿り着けました」

 

眼下に臨む両校の儀杖隊は、まだ剣呑な雰囲気はあれど問題は無い。

これからの両校は時間は必要だろうが、共に手を取り合い歩む立場になるのだ。

 

「しかし、奴はなかなかに気合が入っているな」

「あの子は真面目ですから」

「重畳、奴もまた融和の証だ」

 

彼女は、〝0番スラム〟というトリニティゲヘナだけでなく、キヴォトスから忌み嫌われた地から来た。

その彼女が両校の融和の式典にて、儀杖隊として校旗を掲げる。

この意味が理解出来ない者は居ない。

 

「さあ、これから忙しくなるぞ」

 

これからの融和にアリウスの問題とやる事は山積みだ。

全てが完全に解決する頃には、自分達はもう居ないだろう。

だが、それを誇りに思える日がきっと来る。

そう思い、二人は向かい合い手を伸ばす。

サインは済んだ。後はこの手が結ばれれば全てが始まる。

周囲がこれからの事に、両首長が並び立つ姿に沸き立つ中、彼女は不意に空を見上げた。

 

「ちょっと、どうしたの?」

「何か変。です」

「変?」

「何か来る」

 

隣に立つクラスメイトが問い掛けるも、彼女は直立のまま完全に警戒態勢に入っていた。

今この場にはトリニティの最高戦力とゲヘナの風紀委員会が集まっている。最大戦力である空崎ヒナも、急遽発生した案件で到着時刻より若干遅れたが参列している。

つまり、キヴォトス三大校の最高戦力のほぼ全てがこの式場に集結しているのだ。

そこに手出しする愚か者が存在するのか。

 

「何かって、何が……」

 

そう問い返す声は耳をつんざく轟音と共に天より堕ちてきた衝撃と破壊に掻き消された。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やはり、効果は出ましたか」

 

手にした宝杖の輝きに、ベアトリーチェはほくそ笑む。

正直、こんなもの、手にもしたくないが目的の為に手段を選んでいては崇高に辿り着くなど、夢のまた夢だ。

 

「あの子供の神秘を切り取り形にしたものですが、やはり使えましたね」

 

思い出すのはこちらを嘲笑する姿、あれのせいで自身の計画は大きく遅れた。

あれさえ居なければ、サオリ達の見え透いた計画に乗る事もせず、使えぬ生徒を盾に出来た。

だが、その奴も〝0番スラム〟で姿を消した。

負けたのだ。この宝杖に共鳴する神秘の持ち主に。

 

「誰かは判りませんが、なんと都合のいい」

 

サオリ達が小賢しくなったのは腹立たしいが、計画は順調だ。

後は馬鹿な子供達の腹を食い破り、混沌の内に崇高を我が手に納める。

その為に

 

「この〝アンリマユの災禍〟使わせてもらいましょう」




『あなた』
ジュンコミサイルに気付くも、校旗を手放す訳にはいかず直撃。


先輩
突然の轟音と衝撃に吹き飛ばされるも、すぐさま復帰からの現状把握の指示を飛ばす。

ナギサ
ジュンコミサイルの直撃の余波を浴びるも、パテル分派隊のガードで無事

マコト
同上。だが、アフロ














〝アンリマユの災禍・دروغ〟
曾てアリウスに住み着いていた生徒の神秘を切り取り、それを杖の形にしたもの。
オリジナル程ではないが、特定の神秘に共鳴して悪意を増幅伝播させる効果を持つ。

一日ルーティン

  • 先輩
  • 『あなた』
  • 保全部
  • ナギサ
  • ミカ
  • セイア
  • 蒲郡
  • 鴨下
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