あなたがトリニティでやってはいけない事リスト 作:装甲アッサム春雨
ここはトリニティ総合学園一年生のあなたがトリニティ並びにキヴォトスでの禁則事項です。
よく確認しておいてください。
15.お小遣いは計画的に使いましょう。欲しいからと無計画に使うと後で困ります。
・お小遣いの前借りはティーパーティーでは認められていません。ティーパーティー所属の生徒の歳費……、お小遣いは月間の予算から振り分けられたものです。
・だから言ったでしょう。考え無しに使うと後で困りますって……。
大体、何ですかその玩具の山は? あなたも仮にはティーパーティー所属の生徒。つまりはトリニティ総合学園生徒の模範……、お手本となるべき立場なのですよ?
・限定販売? これを逃したら、あとは中古品か転売品を買うしかない?
あなたね……。ティーパーティーの生徒が玩具とお菓子の買い過ぎで破産寸前とか、私はナギサ様達にどう顔向けすればよいのですか?!
・食事は、食堂でどうにかなりますから……。あとは消耗品も今の在庫なら次の支給日まで保ちますね。
……とりあえず、次の支給日までの生活は確保出来ますが、おやつと食後のデザートは抜きです。
・そんな目で見ても駄目です。にじり寄ってこない! 纏わり付かない!
あなたの方が体が大きいのですから、少し落ち着き……。ああ、もう! 分かりました!
おやつは私のを分けてあげますから離れなさい……!!
16.身だしなみを整えるのは非常に大切な事です。
・あなた、何ですか頭は?!
寝坊した? あれほど夜更かしはやめなさいと言ったでしょう!
・作業に思ったより熱中した?
また何を始めたのかは知りませんが、身だしなみを整える事は淑女としても人としても当然の事です。
ほら、こっちへ来なさい。隈まで出来てるではありませんか。この機会にお化粧も教えて……。
・……何故、逃げるのですか?
そういえばあなた、今日は妙にモゴモゴとした喋り方ですが、何かありましたか?
・気のせい? そうですかそうですか。……ちょっとこっちへ来て、口を開けて……逃げるな!!
17.身だしなみと同様に、健康管理も非常に大切な事です。
・ミネ団長、あの子は見付かりましたか?!
……ええ、あの子の反応と昨日のおやつの食い付きの悪さから見て、虫歯であるのはほぼ確実かと……。
ああもう! あれだけ歯磨きはちゃんとしなさいと言ったのに……!
・私はあちらを探します。ミネ団長、あの子は少し変わっていて、普通なら入れない隙間に隠れたり、木登りが得意なので、探すならクローゼットや棚の隙間、庭園の木の上等を注視してください!
・あ! 居ましたミネ団長!!
・確かにミネ団長は融通が効かない人ですが、怖い人では決してありません。
・……いいですか? ミネ団長は確かに人の話を聞かず、思い込んだら一直線な人です。
しかし、それは私達の体調と健康を案じての事。
私達トリニティ生徒が日々健康に過ごせているのも、ミネ団長率いる救護騎士団の皆様による啓蒙活動のお陰なのです。
……なので、いい加減にそこから降りてきなさい!!
・むくれても威嚇をしても駄目です!!
虫歯は放置すると他の歯も駄目にしてしまうのですよ!
・ああ、ミネ団長。ええ、あの子はあそこに……。
お待ちください。あなた、一体何をしようとしてますの?
この木を伐り倒す? 何を考えていますのあなたは!?
・いいですか? この木はトリニティ総合学園創立記念に、分校の方々から贈られた記念樹なのですよ?
それを伐り倒すという事は、分校の方々からのお気持ちを踏みにじるという事です!!
そもそも、あなたは救護を第一に考え過ぎて他を二の次にし過ぎです! 貴女方救護騎士団の信念と理念は私も理解し、日々感謝していますが、貴女はそれに傾倒し過ぎています!
・あなたもそこから動かない!!
少々お待ちなさい。私がそちらに向かいます。
・ええ、そうです。私が今からあなたの所まで登ってくるという事です。
木登りはした事はありませんが、私はあなたの教育係です。あなたに出来て、私に出来ない道理はありません!!
ミネ団長、ちょっと私を持ち上げていただけますか!?
・……随分、素直に降りてきましたね。まったく、最初から素直になりなさいな。
ほら、ご迷惑をかけた皆様に謝りなさいな。
あと、ミネ団長。この子はまだ色々な事に不慣れなだけで悪気は無いのです。
なので、どうか穏便な治療をお願い致します。
こら、注射が怖いなら手を繋いでいてあげますから大人しくなさい。
18.交遊、交流関係を広める事は悪い事ではありません。しかし、義務を怠る事はいけない事です。
・…………このような時間まで、一体何処で何をしていましたのでしょうか?
何故、あなたの部屋に私が居るか、ですか?
今日、あなたの姿が見えなかったからですよ。それで、この様な時間まで、一体何処で何をしていましたの?
放課後スイーツ部の方々と遊んでいた?
ああ、あの方達ですね。ふむ、ティーパーティーや同じ学年以外にも交遊を深めるのは素晴らしい事です。
・素晴らしい事ですが、自らの役職の義務を怠る事は素晴らしくありません。
まったく、姿が見えないからまたナギサ様達から何かしらの使令を受けたのかと思っていたら、あなたという子は……!!
いいですか?! トリニティ総合学園のティーパーティーとは、この学園の模範にして規範! その一員であるあなたが遊び呆けてはその名に傷が付きますし、あなた自身も周りから軽んじられ……。……どうでもいいと思われるかもしれないのですよ!
・分かれば宜しいのです。私も交流や交遊をするな。などと、その様な野蛮な事は口が裂けても言いません。
しかし、自らの義務を果たさずに怠惰に過ごす事は見過ごせません。
・では行きますよ。今日の仕事は今日中に終わらせます。私も手伝ってあげますから。
……ちょっとお待ちなさい。あなた先程、……放課後スイーツ部の皆様と交流してきたと言いましたね?
・ええ、交流自体は問題ありません。ええ、交流自体は。
そういえばあなた、救護騎士団から暫く甘いものは控える様にと言われたと、言っていませんでしたか?
・……何故、少しずつ後退るのですか?
控える様にと言われているだけで、禁止とは言われてないですよね?
……こっちに来なさい。何故逃げようとするのですか?
・何をも何も……。今、開いていた洗面台を見たらミネ団長から薦められた歯磨き粉がそのまま置かれていたので、こうなれば私自らがあなたに歯磨き講習を行うまでです!!
・窓も施錠しているので逃げ道はありませんよ。
ほら、こっちに来て口を開けなさい。
なんです? この歯磨き粉は辛いから嫌?
いいから来なさい! また雑な歯磨きをして、ミネ団長にヘッドロックを決められながら削られたいのですか?!
19.生物等の学問に興味を持つ事は素晴らしい事です。しかし、剣先ツルギ委員長は人で新種の生物ではありません。
・……今回、私はどう反応すればよいのか解りません。
・いえ、あなたがよく書いている手帳にその日見た生物や出来事を、事細かに書いている事はよく知っています。
しかし、何故そこにツルギ委員長が書かれているのですか?
・いえ、まあ、なんですか? 気持ちは解らないでもありません……。
少し話せば非常に理知的でお淑やかな方だと理解出来るのですが、初見ではあの方を正常な存在とは思えないでしょう……。
・ですが、あなたはそんな人にコブラツイストを仕掛けたのですよ?
あれからツルギ委員長から、あなたに正義実現委員会に来ないかとスカウトまで受けているのに、あなたの認識は速くて強い生物ですか……。
・ハスミ副委員長もすごく大きい生物扱いですか……。
いいですか? あの方達もあなたと同じ人です。
自身の認識の外にいる生物扱いは、非常に失礼な事ですので認識を改める様に。
・……あら、私も書いていたのですか…………。
お待ちなさい!! なんですかこのすぐに怒る小さい怖い人とは……!!
『あなた』
虫歯治療の際に暴れ始めたので、ミネによるヘッドロックという名の救護で落とされた。
とりあえず先輩が居たら大人しくはなる。
絵が上手い。
『先輩』
とりあえず『あなた』の頭を膝に乗せて歯磨き講習を強行した。
何度か歯ブラシを噛んで止めようとしてきたので、指を突っ込んで口を開けさせた。
先輩が見た自分のページ、その次のページには翼が大きくてふわふわ暖かい優しい人と書かれていた。