あなたがトリニティでやってはいけない事リスト 作:装甲アッサム春雨
身長¦イチカとハスミの間くらい
好きなもの¦魚介類、乳製品(固いチーズ)、バタークッキー、アンティーク、釣り、玩具、先輩
髪色¦薄く青みがかった黒のロングボブ
目 ¦茶色の爬虫類系の縦に割れた瞳孔
尾 ¦腰の辺りから生える蛇の様に長く、鱗に覆われ、先端は尾に沿う様な形の尾鰭の様な甲殻がある。
この甲殻は普段はイルカやシャチの様に柔らかいが、気が昂ると硬化し大型の鉈の様に扱える。
トリニティにあったスラムの出身、あまりに頑丈な体と力、特異な尾に先代ティーパーティーホストが目を付け、肉の盾とする為だけにトリニティ総合学園へ推薦入学をさせた。
だが、元より先代の政策に反対派であったナギサ達、現ティーパーティーにより肉の盾から事務官兼護衛に任命され、先輩から徹底した淑女教育を受ける。
元々、好奇心が旺盛であり今まで見た事も無いトリニティの環境に、日々新しい世界を見る様に目を輝かせている。
先輩
身長¦コハルより少し低い
好きなもの¦肉類(牛肉)、紅茶、読書、アロマ
大切なもの¦あなた
髪色¦スチルにあるティーパーティー生徒より濃い金
目 ¦かなり鋭い猛禽類の様な目、目付きが悪い訳ではなく鋭い
翼 ¦鷹等の猛禽類系統。恐らくトリニティの有翼系の中で最大
トリニティの中流家庭の出身、淑女として在る事に強いこだわりを持ち、周囲もそうあるべきと考えていた。
その為、周囲からは有能だが融通が利かない頭の固い扱い難い存在として、軽い腫れ物扱いだった。
だが、『あなた』の教育係に任命されてから、トリニティのお嬢様から見ればとてつもなく破天荒な『あなた』と触れ合い、考えを改めるようになる。
ここはトリニティ総合学園一年生のあなたのトリニティ並びにキヴォトスでの禁則事項です。
よく確認しておいてください。
29.淑女として好き嫌いは出来るだけ減らすべきです。
どうしても苦手な食べ物は仕方ありません。
・好き嫌いが無いというのは素晴らしい事です。
淑女たる者、出された食事は無理の無い範囲で全て召し上がるべきですから。
・ええ、出来る限りです。人には体質的信仰的に口に出来ない物があります。
それに、人には味や食感等でどうしても好みではなかったり、苦手な食べ物が一つ二つ、必ずあります。
・ええ、あなたが葉物の野菜が好みではない様に、私にも苦手なものがあります。
ええ、そうです。私にも苦手なものがあります。
だから、その生魚を近付けないでください。
・いや、あなた生ですよ? トリニティでは一般的ではありませんが、魚を生で食べる文化や料理があるのは私も知っています。しかし、私はそれが苦手なのです。
・私は生肉を食べるのに? いいですか。これはブルーレアという焼き方で生ではありません。
首を傾げても、これはそう言う焼き方なのです。
ワイルドハント芸術学院では、ステーキの焼き加減に生があるとも耳にします。
つまり、そう言う事です。
30.読書に興味を持つのはとても素晴らしい事です。しかし、睡眠はもっと大事です。
・あなたが読書に興味を持ってくれた事、私はとても嬉しく思います。
ああ、コミックが読書ではないとは私は言いません。
私もコミックの類いは読みますよ?
・何故、そんなに驚くのです?
私も小説や学術書ばかり読んでいる訳ではありません。
コミック、週刊誌の類いだって読みます。ティーパーティーという立場上、表立っては読みませんが。
・読書とは書を読むという行為で、目的は娯楽と知識の入手。なら、小説に学術書、コミックにも差はありません。……内容にはよりますが、物語やその登場人物に心動かされ、作者の思考に感銘を受け、詩歌の一節に心打たれる。
そこに高尚も下劣も無いと、私は考えます。
何度も言いますが、内容によりますからね?
・しかし、読書よりも大事な事があります。
それは睡眠です。物語の続きが気になるのは解りますが、夜通し読み耽るのは健康に良くありません。
そのせいで、あなたは大事な会議で居眠りをするという粗相をしたではないですか!
・まったく、ゲヘナとの会談が始まる前に目覚めたからよかっただけで、会談が始まってからも眠っていたらいい笑い者でしたよ?!
私とあなたも政務には直接携わらない立場ではありますが私は書記官、あなたは護衛という立場でエデン条約に関わっているのです。
もう少し気を引き締めなさいな。
・……なんですか? エデン条約を止められないかですか?
あなた、ナギサ様の悲願を何と考えていますの!?
このエデン条約の為に、ナギサ様がどれ程の苦心をしたか。それに、あなたも以前に言っていたでしょう?
ゲヘナと仲良く出来ないかと、この条約はその足掛かりになるものなのです。
私達の代では厳しいかもしれませんが、あなた達の代ならもしかしたら……。
・……何か嫌な感じがする、ですか。
ふむ、あなたの勘の鋭さは認めます。ですが、エデン条約はトリニティだけでなくゲヘナも関わる重要な案件。嫌な予感がするというだけで止められるものではないのです。
しかし、あなたがそう言うのであれば、念の為にナギサ様には伝えておきます。
あなたの勘の鋭さは、私が一番よく知っていますから。
31.お昼寝をするなとは言いませんが、もう少し慎みを持ちましょう。
・あなたも日々の業務と学業、最近のナギサ様達の護衛で疲労が溜まっている事は理解しますし、疲労回復の為にお昼寝をする事に私は何も反対しません。
・ええ、あなたはお稽古から逃げ出しはしますが、遅刻等は一切しませんから、投げ出す様な人ではありません。
ですが、淑女たる者。お昼寝であっても慎みを持ちましょう。
・庭園やベンチ等で日差しや風が心地よく、つい眠ってしまう事は私にもあります。
しかし、足を広げて眠る淑女は居ません!
ティーパーティーの庭園のベンチで、背凭れに足を引っ掛けて涎を垂らしながら眠るあなたを見つけた時は、思わず卒倒しそうになりましたよ!!?
・……だからって、銃のストックで殴らなくても?
お黙りなさい! 撃たれなかっただけ温情というものです。
まったく、またお稽古を初めからやり直しますか?
あっ?! お待ちなさい!!
32.他のお仕事を手伝うのは構いませんが、あまり無理をせぬように。
・あなた達、一体どうしましたの!? 埃どころか泥だらけではないですか!?
・あー、すまん。急にちょっとこいつの馬鹿力が必要になってな。手を貸してもらったんだわ。
・それはこの子が了承したのなら構いませんが、一体何がありましたの? 貴女、確か古聖堂の修繕に付きっきりでしたよね?
・柱の修繕でデカイ根が入り込んできててな。重機を入れられねえ場所だったから、アタシとこいつで穴掘って鋸と斧で根を切り取ってたんだが、何処ぞの誰かが配管を通してたみたいでな。
もうちょいってところで斧で割っちまった。
・それは災難でしたね。お怪我は?
・ただの水道だったからご覧の通り。ま、最終的にはこいつの尻尾で根は引き抜けたから、問題解決だ。礼はまた今度纏めて送るわ。
んじゃ、アタシは飯食って作業に戻る。
・あ、ちょっと塵塚さん!? ……もう行ってしまいましたわ。古聖堂の修繕、そんなに立て込んでいるのでしょうか?
・成る程、予想以上に老朽化が進んでいたと。器物保全部のお二人には苦労をかけますね。
ほら、あなたは早くシャワーを浴びてきなさい。というか、塵塚さん達のお手伝いをする時は着替える様に、私以前言いましたよね?!
・あっ! こら! 脱ぎ散らかさない!
ああもう! 尾も鱗と甲殻まで泥が入り込んでるではありませんか!!
尾をこっちに向けなさい! 私が磨きます!
33.喧嘩の仲裁はいいですが、少しは自身を省みましょう。
・以前も同じ様な事を言いましたが、喧嘩の仲裁は必要な事ではあります。しかし、あなたの役目は事務官とティーパーティーホスト外出時の護衛。
あまりやり過ぎてはいけません。
・しかしまあ、今回の事はティーパーティーテラスにまで被害が及ぶところでした。
まったく、ゲヘナ嫌いは構いませんが行動に起こすのは違うでしょうに……。
ナギサ様のお心が心配ですね。
・あなたの心配?
あのですね……、デモで起きた喧嘩に真っ先に飛び込んで、正義実現委員会が到着するまでこれでもかと暴れ散らしたあなたの心配ですか?
・確かに、騒動の早期解決は大事です。
ですが、あなたは即決過ぎました。
デモで騒動が起きた瞬間に飛び出して、一体どうしたのですか?
あなたは確かに即断即決のきらいがありますが、考えが無い訳ではありません。
そのあなたが様子も見ずに飛び込んだのです。
何か感じた事が?
・……嫌な感じがした?
それはデモに対するものではないのですか?
違う? 何か懐かしい様な感じがした、ですか……。
もう少し詳細な、……詳しい話は出来ませんか?
スラムに居た時に起きた抗争と雰囲気が似ていた?
つまり、どういう事ですか?
・……ふむ、対立派閥を共倒れにする為に第三者が介入し、抗争を引き起こした。その時と今回のデモの雰囲気が似ていた。という事ですね。
よく説明出来ました。
・しかし、何故あなたがその様なデジャブを感じたのか。もしかすると、エデン条約の反対派も一枚岩ではないのかもしれませんね。
34.あなたは人であり淑女です。くだらぬ流言に耳を貸すのは淑女のする事ではありません。
・……誰が何と言おうと、あなたは人であり淑女です。
私がはっきりと申し上げます。あなたは人です。
獣? 悪竜? なんですかそれは?
・あなたは人です。泳ぐ事と悪戯が好きで、塵塚さん達の仕事を手伝ったり誰かの代わりに痛みを受ける事も厭わない。
トリニティ総合学園のただの手の掛かる淑女見習い。
それがあなたです。
・何度でも言いましょう。あなたは人であり淑女です。
トリニティが、いえ、キヴォトスがあなたを違うと否定しようが、私が肯定します。
・ほら、こっちにいらっしゃいな。そんな泣き腫らした顔で部屋まで帰るつもりですの?
膝をお貸ししますから、落ち着くまでじっとしてなさいな。
『あなた』
魚介類と固いチーズが好物。歯と顎が強いせいか、葉物の野菜、中でも柔らかい野菜が好きではない。
魚は骨ごと、カニやエビは殻ごと食べるし、固いチーズは丸齧りしようとして先輩に叱られている。
先輩の言い付けを守り手を出しはしなかったが、何をどう言い返せばいいか判らず逃げ出した。
先輩
肉類、特に牛肉を好み、焼き加減はレアを好む。
生魚を食べる事に親しみが無く苦手。
何時かはワイルドハントに赴き、噂の生肉ステーキを堪能したいと思っている。
今回の件で淑女メーターが振り切れ、暇ができた保全部二人を引き連れ機関銃両手にお礼参りを敢行した。