ソウルハッカーズ・魂の残照 作:しーぐ/うぇむwith Gemini
原作:ソウルハッカーズ1
タグ:真・女神転生 デビルサマナー・ソウルハッカーズ ソウルハッカーズ1 レイ・レイホゥ ビジョンクエスト AI生成
時系列はエンディング後。
スプーキーズが解散し、ひとり天海市に残った主人公、神薙 利一(カンナギ トシカズ。HN:リーチ)
ホテル・シーアーク屋上で彼は、レイ・レイホゥと再会する。
魂の旅路。ビジョンクエストを通じて見たユダとナオミの記憶、己の魂に焼き付いたレイへの想いに決着をつけるため、リーチがとった行動は……
文章・プロット作成の一部に生成AI「Google Gemini」を使用しています。
・日が沈んだあとも、しばらく空を赤く染め続ける美しい光。
・偉大な存在が消え去ったあとも、周囲に与え続ける強い影響。
ホテル・シーアーク屋上に
黒地にドクロのプリントシャツ、緑のジャケット、白の長ズボン。
短髪の前頭部にマウントしたサングラス。
ヤンチャ小僧そのものの格好だが、どこか達観したような目は、彼がいかに修羅場を潜って来たかを示していた。
元ハッカー集団『スプーキーズ』の一員にして、若き
『大いなる者』に
リーチの眼下に広がる天海ベイエリアの夜景。
町の明かりは以前よりも少ない。きっとこれからも減っていくだろう。
ネットモデル都市として繁栄した天海市の
「こんばんは。お待たせしたかしら?
まさかあなたから連絡してくるなんてね、神薙君」
「どうも、レイさん。その節はお世話になりました。
すいません、お忙しいのに、急に呼んじゃって」
リーチは声に振り返った。
夜風に赤味掛かったショートヘアを揺らし、白のスーツに身を包んだ美女。
悪魔召喚士一族『
リーチをはじめ、スプーキーズの面々は、幾度となく彼女に救われている。
「それで……ご用件は?」
「レイさん。ユダ・シングって名前に聞き覚えはありますか。それとナオミっていう女性のことは?」
「!? あなたが……何故それを?」
青年の言葉に、レイの声のトーンが上がった。
彼女と因縁浅からぬ2人の名……。
『葛葉』の情報網でも、リーチが彼らと接触したという話はなかったはずだ。
リーチは語った。
3人のダークサマナーの人生を追体験した魂の旅路・ビジョンクエスト。
普通の人間だった彼が、
レイに「自身の名前の意味を考えなさい」と言われ、
流派同士の争いで師匠と兄弟子達を失い、レイへの激しい憎悪で己を焼きながら、志半ばで倒れたナオミのこと。
にわかには信じがたい、と思う一方、レイは納得もしていた。
一般人のリーチが、なぜこれほどの速さでサマナーとして成長し、偉業を成し遂げたのかを。
「つまり……あなたはユダとナオミの魂を、あなた自身の魂で感じたということね」
「そうです。俺は神薙 利一だ。あいつら自身じゃない。
ただそれでも、あいつらの魂の叫びがあったから、ファントムとの、マニトゥとの戦いを生き延びられたのは確かなんです。
……恩を仇で返すようなマネして申し訳ないと思ってます。
けれど……一度、お手合わせ願えませんか、レイさん」
ヒュ、と風を切る音。
リーチの手には、赤い棒が握られていた。
如意棒。破壊神セイテンタイセイ……すなわち孫悟空の武器。
かつて秩序に叛逆して暴れ回った、「枠に収まらぬ不敵な魂」の象徴だ。
レイがリーチを見つめる。青年の目は澄んでいた。
彼はユダやナオミの幻影に操られているわけではない。
自分は「神薙 利一」であると、強く自認している。
その上で、己を生かした「死者たちの生きた証」を、ただの過去の幻影として消え去らせるのではなく、サマナーとして受け止め、背負うと決めたのだろう。
「……いいわ。あなたの中にいる『彼ら』が、それを望むなら」
この若き戦士の魂。そこに宿る残照を自らも受け止めるべく。
レイもまた、三節棍を抜いた。
◇◇◇◆◆◆◇◇◇◆◆◆◇◇◇
カッ、カカッ、と、乾いた打撃音がシーアーク屋上の夜空に連続して響く。
互いに命を取り合うつもりはない「手合わせ」。
それを差し引いてもリーチは『レイさんはかなり手加減してくれているな』と感じていた。
如意棒の突き、払い、叩き……
それに加えてフェイントをかけても、如意棒の伸縮自在の力を使っても、軽くあしらわれる。
悪魔との戦闘経験を積んだリーチだが、中国武術はレイのフィールド。
当然といえば当然だった。
「サマナーなら、自分の
「『ユダ』はともかく『ナオミ』が納得しない気がするんで」
息ひとつ切らしていないレイに対し、リーチの呼吸はハ、ハ、と途切れている。
ユダ・シングの目を通したレイの強さは圧倒的だった。
悪魔達で波状攻撃を仕掛け、合間をぬって振り下ろしたグルカナイフが難なく受け流された時の戦慄が思い出される。
それでもナオミなら……レイさんとはタイマンで決着つけたいだろうな、とリーチは思った。
深呼吸……感覚が、極限まで研ぎ澄まされる。
「ここ!」
「っ!?」
リーチは狙いをつけ、踏み込み、如意棒を伸ばした。
速度の乗った突きが己の胸に迫るのを見て、レイに動揺が走る。
かろうじて身を翻し……その回転をも利用して、レイが先端を握って振り回した棍は、蛇のように三節をくねらせて、リーチの側頭部をしたたかに打った。
「ガッ!?」
「あ……」
レイがやりすぎた、と思った時には、リーチの身体は横っ跳びに浮いていた。
倒れる瞬間、彼の指が銃型COMP……GUMPを無意識に操作し、エンターキーを押す。
召喚されたのは三面の女悪魔、鬼女ボルボ。またの名を満月の女王ヘカーテ。
ナオミ亡きあと、
そして、なんの偶然かリーチと巡り合い、仲魔になっていたのだ。
(無茶をしたのう、
(まあそう言った頑固さは、『前の主の魂』に影響されたのかの?)
ボルボは
「大丈夫!?」
「いや、すげー効きました。完敗です、レイさん」
「ごめんなさい。鋭くて加減出来なかったの。いい一撃だったわ、神薙君」
心配と安堵の入り混じったレイの表情を見た途端、ふっ、と荷が落ちたような感覚を覚えるリーチ。
あぁ、『あいつら』も、満足したのかも知れない。
一度胸を押さえ……その少し下から、クゥ、と音が鳴った。
「動いたらハラ減ったな。
レイさん、中華でも食いに行きません?
タピオカとマンゴープリンがメチャクチャ美味いところ知ってるんスよ」
『すべてが終わったら、またあのお店で』
ナオミが最後の依頼を受けた店の味を思い出す。彼女の供養にもなるだろうか。
レイは
「あら、デートのお誘い? かわいい彼女に悪くないかしら」
「ヒトミなら今、ネミッサのルーツを探しにアメリカに行ってます。
あいつレイさんの大ファンだから、むしろそっちの方に怒るんじゃないですかね?」
2人の笑い声が重なる。
それは、世界を救うための戦いでも、憎しみ合うための殺し合いでもなく。
『生者と死者、すべての魂の記憶を未来へ進めるための、一夜限りの儀式』が終わったことを伝えていた。
(了)