ようこそ『側』だけ超高校級コスプレイヤーさん!   作:つむつむ

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2話 地味な知識

これから先の計画を振り返りつつ、Bクラスの教室に向かえば生徒はほぼ揃ってた。

後ろ側の扉から覗いた感じ、私以外揃ってた。

 

周囲の人とちょこちょこ話してるみたいだけど、ほぼ全員が自分の席に着いてる。

誰も居ないのは廊下側の1番後ろ。

 

つまり多分ここが私の席、地味に嬉しい。

 

考え事をしながらダラダラ歩いてたせいでもう時間ないし、隣の席に話しかけたりとはしない。

むしろ話しかけるなオーラを地味に出しつつ、気配を消してる。

 

Bクラスは良くも悪くも個性が強すぎる人は少ない、唯一あのピンク髪の娘が一ノ瀬さんだというのはわかる、それ以外多分……かなぁ……?って感じ。

 

クラスメイト名前予想をしてればパンっと教室の扉が開いた。

 

「Bクラスのみんな〜おはよう!HRの時間だよ〜」

 

出たっ、星之宮知恵先生だ。

裏を知ってるとはいえ、表向きは明るくてホワホワした感じで、地味な私にはかなり眩しい。

 

「私は星之宮知恵、このクラスを3年間受け持つことになったよ、よろしくね〜」

 

Bクラスバージョンの最初のHRは星之宮先生の明るい雰囲気もあって、クラス中は希望に満ち溢れてる。

 

「じゃあこの学校のルールについて説明するね。

みんなも知っての通り、この学校は全寮制そして在学中外部との連絡は原則禁止、もちろん接触なんてもっての外だから気をつけて。

まぁその代わりに娯楽施設は凄い沢山あるから安心してね!」

 

そこまで話して、ほんのちょっとだけ真面目な表情に変わる。

 

「1番大切なことを説明するよ?

この学校では現金は使えません、お買い物は生徒手帳の代わりになる端末に入ってるプライベートポイントを使ってね。

そして〜、今月は既に10万ポイント支給されてるよ〜!」

 

10万ポイントの発表に対する反応は多分どのクラスでもあまり変わらないんだろうな、Bクラスでも結構盛り上がってる。

 

「でも所持しているポイントは卒業時に学校に全部回収されちゃうから溜め込みすぎても意味ないよ、だから青春のために使っちゃうのがいいかもね!」

 

あれ?星之宮先生のことだから、使いすぎ注意!とか言うと思ってたのに意外だな。

 

「最後にこの学校では『実力』で生徒を測るよ。そのポイントは入学した君たちの『価値』!

……説明おわり!それじゃ、 入学式が始まるまでは自由に過ごしててね〜」

 

説明を終えた星之宮先生は小走りで教室から出た。

 

さて、そろそろ自己紹介タイムが始まるはず。

でも私はちょっとやりたい事がある、参加できないのはかなり惜しいけど今動かねば私のやりたいことは叶わない。

 

さりげなく立ち上がって教室から出る。

同時に前の扉が開いて星之宮先生が顔を出してた。

 

「ごめーん、1つ言い忘れてたんだけど3年間は同じクラスだからみんな仲良くね!」

 

タイミングが良かったな、小走りを追い掛ける必要があったけど追いかける必要がなくなった。

 

「星之宮先生」

 

扉を閉めて行こうとする先生を呼び止めれば、ビクッ!と驚いた。

 

「あーびっくりしたぁ……」

「すみません、音消して歩くのが癖になってました」

 

なんじゃそりゃと笑いながら深呼吸。

 

「えっと、白銀さんだよね?どうしたの?何か質問したかった?」

「いえ、少し体調が悪くて、入学式は保健室で休んでいたいのですが良いでしょうか?」

「んー、本当に体調不良ならいいんだけど……」

 

やっぱり裏がある人なんだな。

期待した眼から一気に怪しむ目に変わった、僅かな変化だし気付かない人は気づかないだろうけどね。

 

「1万ポイント」

「ん?」

「1万ポイント支払うので入学式を撮ってきて貰いたいのですが、出来ますか?」

「んんん?!ちょっと待ってね!」

 

慌てたように周囲を見渡して、手を掴まれる。

 

「とりあえず保健室で聞くから移動しよ?」

「時間は大丈夫なのですか?多分長くなってしまいますよ?」

「うっ……と、とりあえず行こう?!」

 

これは明らかにSシステムに触れている内容、しかも私が全てに気づいているのか、それとも偶然かわからないだろう。

 

説明から時間が空いていないのに気づかれたかもしれない、焦るはずだ。

気付いているなら口止め、気づいていなくてもこの場でできる話ではない、入学式の準備もあるだろうし、冷静さが奪われてる今なら多少の無茶も通る。

 

ガチャリ

 

「これで良し、ごめん時間がないからパッと済ませちゃうね!

まず1万ポイントで入学式の撮影は出来るけど、映像そのものを渡す事は出来ないよ、これはポイントが足りないとかじゃなくて1度見て終わりって感じだよ」

「はい、大丈夫です」

 

ポイントを渡して取引きは終了。

 

「……これだけはハッキリさせておきたいんだけど、白銀さんは本当に体調不良?」

 

直接気付いた?と聞かないのはペナルティを警戒してるのんだろう。

なら、私が返すべき言葉は、

 

「先生と話す時間を作りたかっただけですよ、それも私の知っていることの『価値』が落ちる前に、ね!」

 

あっ、調子に乗るとテンションが上がって煽るような口調になるのを忘れてた。

真面目な顔で無言だし、やっちゃったか?

 

「……とのことです、坂柳理事長」

「えっ……?」

 

信じられない人の名前が星之宮先生の口から出てきて、ポケットから出てくるのは通話中になった端末だった。

 

通話相手の名は坂柳理事長。

 

『初日、しかも入学式前に気づく生徒がいるとは思わなかったよ。

どうも初めまして白銀つむぎくん、僕は高度育成高等学校理事長をしている坂柳成守だ』

 

……初っ端から理事長なんて聞いてない、地味な私には荷が重いよぉ。

 

 




次回 コスプレ許可
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