「裁判は待たぬ。其方を処刑する」
錬金術士であるユリカ・フェル・グランハースは、王族に纏わる“勇者病”の鎮静薬を錬成できることから宮廷でも重宝されていた。
王太子からの信頼も厚い彼女だが、一方で血統主義的な宮廷貴族は、ユリカの父親が元平民であったことを理由に彼女を煙たがった。
そんな中で、何者かの悪意によってユリカは罪人に仕立て上げられてしまう。
実績と貴族籍も全て失い、深い失意の底に沈んだユリカ。だがそれでも、多くの人と出会い、優しさと強さを分けて貰い、そして父の教えを胸に携え、自分の人生と渡り合おうとする。
そんなユリカを匿うことになったのは、残忍で冷酷な辺境伯と噂されるヴァルグ。過去の記憶を傷として背負う彼は、次第にユリカに惹かれていく。
互いに共有している数奇な運命に二人が気付いたとき、悪意は再び動き出す。だがユリカは、今度こそ諦めない。
「これ以上、大切なものを奪われるのは我慢なりません」
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