趣味が合いそうな人はいますか?
多分その内消します
誰か書いてください(他力本願)
何故、こんなことになってしまったのだろうか。
「ねえ、待ってよー」
どこで間違えた?何を間違えた?俺は……あいつに何をしてしまったんだ?
「待ってってばー……逃げてもいいことなんてないよ?」
声のする方を振り返ると、そこにはピンク色のボールのような見た目の可愛らしい生き物がいた。ただここで留意すべき点は三つ。その生物が宇宙規模の相手に対抗どころか勝利することができる力の持ち主であること。いつもキラキラしているはずの目が濁り切っていること。そしてその手に鈍く輝く剣を持っていることだ。
「もー……しょうがないなぁ。えいっ!」
軽い掛け声と共に飛ばされた斬撃が、目の前の樹木を切り倒す。もし自分が狙われていたのなら、間違いなく真っ二つに切られていただろう。
「あれ?怖がらせちゃった?大丈夫だよ。君には傷一つ付けさせないからさ」
カービィが優しくそう言ってくるが、生憎今はそんな言葉を信用できる精神状態ではない。体は寒くもないのにガタガタと震え、冷や汗が止まらない。何か言い訳を口にしようにも、舌が上手く回らない。
「はい、捕まえた。ふふっ、これで君はぼくのものだね。さあ、いっしょに帰ろう?」
さっきの言葉通り傷つけないように優しく、だが有無を言わさぬ力強さで手を握るカービィ。その手を振りほどこうにも、そのための力も勇気も今の俺にはなかった。
「これで君とずぅっといっしょ……!考えただけで楽しくなってきちゃうなぁ……」
カービィに半ば引きずられるように移動しながら、俺は今までの行動を振り返っていた。
俺は気づいたらこの世界にやって来ていた、いわゆる転移者というやつだ。とある星で生贄として捧げられそうになっていたところをカービィに助けてもらい、そこでこの世界が「星のカービィ」の世界であることを知った。
そこからはカービィに頼み込み(といってもただお願いするだけで話は決まったが)一緒に星々を巡る旅をしていた。その後はポップスターのプププランドにたどり着き……後はまあ大体ゲームの通りだ。今はエアライダーまでの出来事が終わっている。
俺はそんな風に最前線でカービィの活躍を見られるおいしい立ち位置で過ごしてきたわけだが、今現在カービィに監禁されそうになっている。
事の発端がなんであったかはわからない。ただいつからかカービィの俺を見る目が濁り始めたのは認識していた。まあそれをただの勘違いだと高をくくっていた結果がこの様なんだが。
朝起きたら何故かカービィの家の中にいた→鍵をかけられて閉じ込められ身の危険を感じたのでとりあえず窓をぶち破り逃げ出した→そしたらカービィに追われて実力行使され捕まったというのが今の状況だ。
「これからはずっとそばにいるからね。だから君も僕から離れたりしないでね?そうしないと……」
「そ、そうしないと?」
「……ちょっとオシオキをしなくちゃいけなくなっちゃうかな。でもぼくはそんなことなるべくしたくないし、君もそんなことしないだろうから安心だよね!」
「そ、そうだな……あはは……」
マジヤベー……このままだとマジで一生監禁コース(見張り付き)じゃん。いくらカービィのことが好きっていっても流石にそれは御免被るぞ。
はい、というわけで夜です。食欲と同じくらい睡眠欲の強いカービィさんはぐっすり眠っています。つまり逃げるなら今しかない。
だがしかし窓はストーンのコピー能力によってガッチガチに封鎖され、出入り口たる扉の鍵はカービィのお腹の中。これでは脱出は不可能……というわけでもない。もう一か所だけ出口がある。
それこそが煙突。この家には暖炉が配備されており、ここから外に出ることができる構造になっているのだ。まあ人が通ることを想定されていない汚さではあるが、今はそんなことを言っていられる事態ではない。
(煤がひでぇ……でもここで咳き込んだり声を出したりしたら最悪カービィが起きちまうから慎重に……!)
全身煤まみれになりながらもなんとか屋根の上に脱出することに成功した。後はどこに逃げるかだが……
(デデデ大王のところはなしだな。カービィに負けて俺が引っ張り出される未来しか見えない。メタナイトの、というか戦艦ハルバードのところにでも行くか?星間移動ができればワープスター相手でも多少の時間稼ぎはできるし……)
そんなことを考えていた時だった。
「ねえ、どこに行くの?」
「ああ、とりあえずメタナイトたちのところに……ん?」
ふと後ろを振り返ると、そこにはなんと皆さんご存じピンク玉が。……いやなんで?
「なるべく音を立てずに脱出したつもりなんだが……」
「音なんてしなくても、君がいなくなったらすぐわかるよ?」
あ、はいそうですか。要するに勘ってことっすね。そんなんチートやチーターや!(突然のキバオウ並感)
「ねえ、なんで逃げたの?なんでぼくといっしょにいてくれないの?ぼくなら君を守れるのに。ねえなんで?なんでなんでなんで?……ナンデニゲルノ?」
やばいやばいやばい!なんか大体いっつもニコニコしてるカービィの表情が消えてるんですけど⁉ほんとに俺が何したのさ⁉
「いやえっと、な?これは別に逃げたわけじゃなくてその……外の空気を吸いたくなったというか……」
「そっか。じゃあ……オシオキだね」
聞きなれたコピー能力の効果音がして、カービィの見た目が変化する。頭上には冒険家のようなカウボーイハット、手にはしなり敵を打ちのめし拘束する鞭。コピー能力「ウィップ」の姿だ。
「やぁっ!」
自由自在に操られる鞭が風切音を鳴らして迫る。俺はそれを地面に落下することで回避する。
「コピー能力はアウトだろ普通……!」
全力ダッシュで逃亡を図るが、俺の本気なんてあのピンクの悪魔の前ではあってないようなもの。再び背後から風を切る音が聞こえた。
「うおっ⁉」
こっちに来てから(強制的に)鍛えられた勘に従って右に大きく跳ぶ。どうやらそれは正解だったようで、視界の端にしなる鞭の残像が映った。
「ねえ、なんで避けるの?君が悪いんだから、オシオキはちゃんと受けなきゃ」
「んな理不尽に痛い目に遭ってたまるかよ!」
思わず感情のこもった叫びが飛び出す。だがそれは間違いだったようだ。
「……へえ。そんなことをいう子には……強めにオシオキしなきゃねっ!」
さっきよりも数段早い動きで鞭が俺を狙う。身体能力が貧弱な俺ではそれを防ぐことも避けることもできず、そのまま拘束されてしまう。
「くそっ……!」
「じゃあいくよっ!」
放り出されたのは遥か上空。「キャプチャーウィップ」からの「たかいたかい」のコンボを喰らった俺はそのまま宙を舞って地面へと……
「ほいっと」
叩きつけられる前に鞭で引き寄せられた。もちろん体はグルグル巻きで動かせない。
「……なあ、もう逃げないから一旦離してくれないか?」
「ダメ。もうその手には乗らないよ。どうせ君は何回でも逃げちゃうでしょ?なら……」
またカービィの姿が変わる。至近距離だからわかりづらいが、この帽子は恐らくエスパーのはず……あえ?
「よいしょっと」
めがまわる。まわりがゆれる。かーびぃがいっぱいみえる。あたまがふわふわする。きもちいい。
「ここをこうして……えっと、こっちをこう!でいいんだっけ?」
カービィ、カービィ、カービィ。カービィが好き。カービィと一緒にいるのが好き。逃げることは考えない。考えちゃいけない。だって、
「じゃあもう帰って寝よう?ぼく、眠くなってきちゃった」
「そうだな。早く帰って一緒に寝ようぜ」
カービィと一緒に家に帰って寝る。ああ、なんて幸せで素敵なことだろう。このままずっとこんな日々が続けばいいな……
そんなことを考えながら、俺はカービィを抱きしめて眠りに就いた。
……本当にこれでいいのか?
そんな声は聞こえなかった。
君とはまだ僕が「カービィ」じゃなかった時に出会った。
その頃のぼくは生まれたばかりで、嬉しいも悲しいも楽しいも、何一つわかっていなかった。みんなが当たり前に持っているそれを知るために、ぼくは旅をしていた。
その時のぼくは大きな空間のうねりと強い感情を感じて、ある星にやってきていた。
君はそこでその星のカミサマっていうやつに殺されそうになっていた。必死の形相を通り越して瀕死になりながらも足掻き続けていた君は、ぼくを見てこう言った。
「カービィ⁉」
困惑と驚愕、そして何より安堵が混ざった感情が見えた。なんでぼくを見て安心したんだろう。その時は理由がわからなかった。
「……ちょっと邪魔しないで」
それでも、君がぼくについて知っていることはわかった。ぼくも知らない何かを。それを知るために助けた。それだけ。君が言うところの、ビジネスライクな関係っていうもののはずだった。
でもそんなぼくの思惑とは裏腹に、君はぼくにいろいろなことを教えてくれた。
「ほら、これ一緒に食べようぜ。中々うまいぞ」
君と食べるごはんから「おいしい」を知った。
「今日は昼寝でもしたくなるようないい天気だな。そこで一眠りしてかないか?」
君のそばで眠る時間は「心地いい」をくれた。
「あんなヤバそうなやつが一瞬で……流石はカービィだな」
君に褒められて「嬉しい」がわかった。
君という存在が、「カービィ」を作り上げていったんだ。だから君はぼくにとってかけがえのない大切な人になっていったんだ。
「ねえ」
「ん?どうかしたか?」
「君はこれからもずっといっしょにいてくれるよね?」
「……ああ。俺たちはずっと友だちだ」
ある日ぼくが不安になって問いかけた時、君はそう言って笑ってくれた。その答えを聞いてぼくは安心したんだ。君はいなくなったりしないんだって。
「ぁ……かぁび、ぃ……」
「え……?なん……で……?」
だから君がボロボロになって倒れているのを見た時、ぼくは少しの間動くことが出来なかった。
それはぼくたちがちょうどプププランドを離れている間のことだった。全宇宙の支配がー、とか言ってた相手をみんなで倒して帰ってきたら、君はこうなってしまっていた。
君は誰よりも弱かった。それこそワドルディたちに囲まれたら何もできないくらいに。転んだだけで血が出るし、ウィスピーウッズのリンゴが頭に当たったら気絶しちゃう。そして何よりも、
君もそれをわかっていたからなるべく戦うようなことはしなかったし、ぼくたちもそんなことはさせなかった。それに君はメタナイトがいうききさっちのうりょく?がすごいみたいで、危険な相手が現れると攻撃される前に逃げることがほとんどだった。
でも今回は違った。みんなの話によるとこの国にやってきたヤツは真っ先に君を狙っていて、逃げることもできずに戦うしかなかった君は、瀕死の重傷を負ってしまった。
そんな君を見たぼくは、目の前が真っ赤になって、何も考えられなくなって、そのまま……
「……ビィ……カービィ!」
「……あれ?メタナイト?邪魔しないでよ。ぼくはこいつを……」
「それはもう死んでいる。だいぶ前にな」
「そうなの?」
「そうだ。……彼は無事だ。一命を取り留めた。だからもうその武器を下ろせ、カービィ」
君は生きていた。見ているだけで心が痛くなるくらいボロボロだったけど。でもそんな傷もみんなのおかげですぐに治った。君はまたすぐにいつも通りに戻った。……でも、ぼくはもう前のようにはいかなかった。
もう君が傷付く姿を見たくない。死んでほしくなんてない。じゃあどうすればいいんだろう。いっぱいいっぱいッ考えて、わかった。
大事なものは、誰にも取られないところにしまっておけばいいんだ。
「今日からここが君の部屋だよ」
「そうか。いい部屋だな」
寝心地の良いふかふかのベッド。お料理ができるキッチン。君が好きだって言ってた本がたくさん入った本棚。ぼくが集めた君だけのための部屋。
「ずっとここから出ないでね」
「ああ、わかったよ」
さっきぼくの言う事を聞くと気持ちよくなるようにしたから、君がここを自分から出ることはない。これで君はずっとぼくだけのものだ。
「ずっといっしょにいようね、■■」
「……ああ」
ぼくの大事な宝
君
「星のカービィ」を知る転生者
カービィになる前のナニカに助けられ、そこから共に旅をしてきた
戦闘能力は皆無
特に防御力が低い
本人はカービィに激重感情を抱かれていることに気づいていない
カービィ
自分をナニカから「カービィ」にしてくれた君に激重感情を抱いている
もう君が傷付くところを見たくないため、自宅の地下室に幽閉することにした
面白い、他のキャラのも見たいと思ったら、高評価・感想よろしくお願いします!
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