ちょっ、ッッま...自分まで巻き込まれる必要なくないかぁ!!?? 作:大塩tune八郎
たいっっっっっっっへんお待たせしました...!
ここまで遅れたのはマリアナ海溝よりも深いわけが...。
えーこの際なので書きます。
自分、今年受験があるせいでこれから半年程は投稿頻度がピぬほど落ちます。
書きたい気持ちは山々なんですが.....息抜きのこれでさえ疲れてしまう状態なので.....ご理解頂けると助かります。
では、本編どうぞ。
『何で彩葉は、そんなに頑張らないといけないの?』
泣き止んだかぐやが、改めて私にそう尋ねた。けれどそれを説明するのはとても難しい。熱に浮かされていれば尚更だ。
一からちゃんと伝えようと思うと母との話を避けては通れない。....それに、楠峲との話も。
「う〜ん、う〜〜〜〜ん.....」
黙っている私を見て、かぐやは何を言うか悩んで、思い付いては言い淀むを繰り返していた。宇宙人も困ることあるんだ。
その様子が可笑しくて、少し気が楽になった。
すると、私の口はついさっきまでの抵抗感を忘れたようにポツポツと語り始めた。
死んじゃったお父さんの話、変わってしまった母の話、出ていったお兄ちゃんの話、旅立ったくすりの話、正しさに潰されそうになった話、母に反抗した話。
母ならきっとこんなふうに体調を崩したりはしないのだろう。
実際、私は母が風邪を引いているところを見たことが無かった。母は誰よりも正しくて強くて完璧で、でも母から見れば私はずっと何かが足りてなくて。
だから私も出ていくことを選んだ。母が出来たこと、通った道を、一人で正確になぞることができて初めて私は母と対等に向き合えるのだと思った。
「......それで、私が一人で学費も生活費も賄うならって、やっと折り合い着いたんだよね」
「えらい簡単に言ってるけど、みんなそんなことしてなくない?」
かぐやが隣で眉を顰める。
「母さんはそのくらい平気でやってたし、私も譲らなかったし。最初にここで目を覚ました時のことよく覚えてる。何もないし、誰にも頼れないけど、自分の力で生きるんだって思ったらめっちゃ力湧いてきた。なんかラッキー....みたいな?」
あの日は、本当に清々しい朝だった。荷解きも終わっていない静かな部屋の中で、やっと、ここからなんだって。
「いやいやいや、ラッキーじゃないっつーの!宇宙人調べてもそのお母さん激ヤバおかしぃぃって~!!」
かぐやの言う通りだと思う。私が聞かされる側なら同じ感想を抱くと思う。
でも─────。
『──彩葉!』
またぬいぐるみに爪を立ててしまう。
「かぐやには.......」
「え?」
「ううん、なんでもない」
何でこんなに話してるんだ。どうやら相当熱に浮かされてしまったらしい。
「.....そっか。じゃぁ、ご飯食べてお薬飲んd<バンッ!「...い、ろは!はぁ...はぁ...。...大丈夫、か...?」ッッ...ビッックリシタァ..」
かぐやの言葉を遮って玄関を勢いよく開けたのは、どう見ても大丈夫ではない、息も絶え絶えのくすりだった。その右手にはドラックストアのロゴが入ったビニール袋が忙しそうに垂れていた。
「かぐや....これ、冷蔵庫入れといて.....、ごめん、少し、休ませて.....」
「うわ、重っ!量すごっ!」
袋を受け取ったかぐやはテキパキと大量のゼリーや飲み物をしまい、慎重な足取りでお盆を私の元へ持ってきた。
「卵は2個入ってるよ。あつあつだからふーふーして食べてね」
「あちっ」
かぐやの言う通り卵おじやは舌先がやけどするほど熱いけれど、
「.....超うまい」
残りの舌は全部がとろけるほどに美味しかった。
「でーしょぉぉぉぉぉぉう?」
くどいくどい。病人に見せるにしてはくどすぎるほどの笑顔を輝かせ、かぐやは謎のポーズを決める。
「彩葉元気そうで良かったぁ〜....」
あんたは何で私より元気なさそうなんだ。玄関先で靴も脱がず這いくたばっているくすりは、卵おじやよりも暑そうにしてるのだった。
──
<side楠峲>
『みんなのために、わんわんお!ヤチヨカップの公式実況担当、忠犬オタ公です。今日も元気に、職務果たしちゃいまーす!今週もヤチヨカップ特集────…』
「次なんのキャラ使う?」
別モニターでツクヨミ公式ニュースを見流しながらヘットホンのマイクへ声を放つ。今やっているゲームは大人気FPSゲーム・A〇EXだ。すると正面の画面に写っている2人のキャラクターの片方から声が帰ってくる。
「さっきと同じの使うよ。...あ、そうそう聞きたいことあったんだけどさ」
「ん?何よ」
耳元のスピーカーから聞こえてくる声の正体は、同じクラスの、女子よりも女子してる男。
名前は"
女装した姿は校内のミスコン(非公式)でTOP5に入るほどだ。
そんな絶世の美少年の彼から出る高音のショタボで、
「いちさんって、彩葉さんと幼馴染なの?」
意外な質問をされた。
え、あれ、知らないんか。記憶を探ってみれば確かに話したことはなかったような....?
「あれ、言ってなかったっけ。彩葉は幼稚園からの付き合いだよ。まぁあれだ、腐れ縁ってやつ」
「やっぱり!前からそうだと思ってたんだよね〜」
柔らかい、けれどどこか緊張しているような嫋やか声で返事を返される。
なにか不細工な大人たちを思い出すが.....彼に限ってそんな魂胆はないだろう。なにせ高校に入学した時、先に話しかけてくれたのは彼だった。もちろん彩葉達を除いてだが....久々に同性の友達が出来て、正直結構嬉しかった。あっちではあんまり馴染めてなかったし。
「てか、今日は彩葉さんたちのとこ行かなくていいの?」
「あ〜、行こうとしたら彩葉から『今日は女子会だから男子禁制』って」
「あ〜ね、じゃぁ今日は沢山一緒に出来るってわけか〜」
「YE〜S」
そこでタイミングよくゲームに誘ってくれたのが麻生ってわけだ。
都合が良すぎるぜ、ありがとう麻生、フォーエバー麻生。と、適当に感謝しつつコントローラーを握り直す。
「んじゃ、ヴァル使うわ」
「おk〜!」
3連続チャンピオンとったるでぇ〜!!
そう高らかに意気揚々とマッチに挑むのだった。
ー
ツクヨミ内にある自分の家の一室。
急遽かぐやからの連絡に飛んで、中身の説明を受けた。
要するに黒鬼と試合するから出て欲しいと....。
障子と畳が使われた和を特徴とする部屋の中で必死の声が響く。
「.....どうしてもやらないとダメ?」
「そこをなんとか、お願い!クー!!なんでもするから!!」
ん?今なんでもって....。
自分の目の前にいるのは黄金比率の土下座で頼み込んでくる金髪うさ耳歌姫。もしこの光景をファンにでも見られたらきっと大炎上どころじゃ無くなるだろう。
「てか、そもそも自分はいろかぐのメンバーじゃないんだけど...」
「メンバーとか関係ないの!なんとしてでも勝たないといけないの!」「ふ〜む」
顎を撫でる素振りをしながらかぐやの懇願に対して考慮を巡らせる。
横にいる彩葉はヤレヤレと言ったような表情でかぐやと自分を交互にチラチラチと見ている。それになんだか悩んでいるようにも..?
「ちなみに対戦日いつなの?」
「今日の夜」「うっっそん今日かよ」
ん〜朝兄と対戦......ぬぬぬぬ。
すると横で見ていた彩葉がかぐやの方に回り込み予想外なことを口にする。
「くすり、私からもお願い」
「えっ」「えぇえ!?」
いや、かぐやも驚くんかい。
まさかの彩葉が頭を下げてお願いしてきた。普段なら必ず彩葉は否定的な意見や考えを持つだろうに、一体DMに何書いたんだよ...朝兄は.....。
自分としても予想外な展開で驚きだ。彩葉にあそこまでやられたら断ることも断り切れない。それに加え2人とも凄くキラキラした目で見つめてくる。
この2人には!絶対に認めさせると言う"スゴみ"がある!
....しょうがない…
「わかった。受けるよ、その話」
「いいの!?!!?よォっっっっしゃぁああ!!」
「...いいの?ほんとに...くすりも色々… !」
かぐやは相変わらずリアクション激しいな。それと対照的な彩葉さんや、
フ-「彩葉が頭まで下げたんだからさ...幼馴染としては断れないわけですよ。だから問題無し、気にしなさんな」
「かぐやのは意味なかったってこと?!」*2
本当は黒鬼とは対戦したくなかったが.....このふたりの笑顔見たらそんな気持ちもどこかに消えてしまっていた。
それに....なんだか、かぐやがいれば彩葉は大丈夫に向かっていけそうな気がする。
「んじゃ、時間ないし軽く作戦会議しますか」
「オッケ〜」
「わかった」
机に広がったSENGOKUのマップを囲みながら作戦会議を始める。
急ぎ足になるけど、彩葉とかぐやはセンスがパないから大丈夫でしょ。やるぞォーー!
そうして.....
───
──
『注目のイベントが始まります!王者ブラックオニキスが異例の速度でのし上がった超新星かぐや・いろPに宣戦!そしてまさかの求婚!運命を懸けたKASSENが今まさにここツクヨミ特設スタジアムで始まろうとしています!!』
あっという間に対戦時間へなり、
会場は超満席状態の中、解説席には元プロゲーマー・乙事照琴と盛り上げ上手な忠犬オタ公の煽りと共に会場入りする。
『ヤチヨカップの結果発表も残り1時間ですよね』
『この勝負の結果次第ではかぐや・いろPの逆転も!?』
『ルールはSENGOKU───』
こんな大舞台久しぶりだな〜......。観られてる感覚が嫌な感じ....。
上を見上げれば透明な巨大レプトケファルスが立ち上る煙の様にゆらゆらと身体をくねらせながら泳いでいた。
あ〜自分もあれになれたら気持ちいいだろうなぁ。
「......はぁ」
深いため息をついた彩葉を尻目に、さらに深く深呼吸をする。
ちなみにかぐやは、
「ま〜だ〜?」
と、未だに現れない黒鬼に不満を漏らしていた。
彩葉とは違って嫌味なほどに通常運転だな。
かぐやが犬DOGEと遊び始めようとしたその時、会場上方の岩壁が爆発する。
『来ました!黒鬼です!』
砕けた破片の隙間から、虎バイクに乗った帝が巨大な鬼と戦いながら落ちてきているのが見える。人気ライバーらしい、ちゃんと設定をつけた演出で流石だなと思う
帝はそのまま虎バイクで鬼に突進、衝撃の直前に跳躍し、宙に浮きながら抜刀。目にも止まらぬ速さで鬼を切り刻む。次の瞬間、それは爆ぜて会場の空へド派手な花火となって打ち上がった。残香には会場に降り立つ帝、その後ろからやってきた雷と乃依が。完全な余興だ。
会場のボルテージが上がる。派手好きな朝兄らしいな。
『黒鬼!ご来臨─────!!』
盛大な歓声に迎えられ、ブラックオニキスの3人が登場した。
2年前の大会ぶりか....。この期に及んで弱音は吐く気はなかったが、脳みそはそのつもりはないらしい。
「どーも、対戦受けてもらってありがと」
「オラオラオラァ!」「何見とんじゃワレェ!」
「威嚇しないの、2人とも」
無駄に良い顔で爽やかに挨拶をしてくる帝に舐められないようかぐやとがんを飛ばす。
彩葉は上辺では止めていたが内心もっとやれと思ってそう。
両チームともメンバー確認を終えて控えに移動する。
『試合の準備に入ります!』
彩葉とかぐやがわちゃわちゃとしている。まぁかぐやから一方的に矢印が向いてるだけだが、それを見て爽快に笑みを浮かべる帝。
去り際、こっそり内線に切り替えて自分に聞こえるように、
「今回は負けないよ」
と一言。
そうして言葉を返す暇も与えられず、
『試合開始です!』
法螺貝の音が鳴り響き、遂にブラックオニキスとのKASSENが始まった。
「んじゃ作戦通りに」
「オッケ〜」「わかった」
彩葉とかぐやはミドルレーンに、自分はトップレーンへ櫓を取りに向かう。
焼き付けで考えた作戦.....と言っても自分が最速で櫓とって人数有利で押し込んでだるまを天守閣に打ち込むとかいうガバガバ作戦だけど。
地上を高速で走り雑魚をいい感じに蹴らしながらミニマップを見る。
どれどれ黒鬼はどうやって攻めてくるかな.....ハァ?⤴
『ブラックオニキス、トライデントです!』
さっきの一言はなんだったんだよ!
宣戦布告のような帝の言葉に身構えていたのに、蓋を開ければ舐めプって....あれはチームじゃなくて帝➝自分って事か...?? ケッ!
小さく腹を立てながらトップの牛鬼を蹴散らす。
消滅エフェクトを見送ることなく空かさず鐘に向かって階段を登ろうとすると、
「させるかよ」「ッ!」
間に合っちゃったかぁ。
横から速度を維持した状態で立ち塞がるように金色の金棒を振りかざしてくる。
それを間一髪で避け、後ろへ跳び距離を作る。
接敵したのはやはり帝。
じわりと両者"間"を空けながら見つめ合う。互いの微動を伺うように。
「わざわざ俺の方に来たんすか、帝様」
「まさか、たまたまだ...ッよ!!」
先に動いたのは帝。刀身を抜き鞘から銃口を自身へ正確に向け撃ち放ってくる。だが、これはいつもの動き出しだ。銃撃後の隙で相手を誘って自身の間合いまで詰めさせる帝の戦略。
分かっているならこっちも遠距離攻撃で応戦するのがセオリーだろう。けれど今回は....
「のってやるよッ!」
時間が命だ。
きっと今頃彩葉とかぐやも雷と接敵しているだろう。かぐやが肝になる作戦。頼られた身として不甲斐ない結果は生まない!
銃弾を避けながら帝までの最短距離を詰める。
被弾したが、2・3発ぐらいは許容範囲、ここからは近距離武器、こっちの方に分がある。
今回も使用しているのは短剣二刀の超近接タイプ。
このタイプは超近距離以外ほとんど戦えないけれど....
「ッツ...!」
逆に超近距離では敵なしな型だ。
二刀あるアドバンテージを隈なく発揮しながら帝を詰める。
隙を生まない一方的な連撃、それに比べて帝は防戦一方、傍から見れば圧倒的有利に見える。が、
あぁもう、受け流すの上手くなってやがる!帝は流れを利用しながら防御を完遂させていた。ダメージは入っているが決めきれない。
するとここで、
『乃依、ボトムの櫓を占拠!かぐや・いろPチーム大ピンチだ〜!』
くっs...上手くいかないもんだな。あわよくば帝の残機減らしときたかったけど、しょうがない...。
おもいっきり上から振りかぶる、もちろん帝は横にした刀身で防ぐが、狙い通りだ。
自身から見て右、刀の先の方へ身体をまわしながら僅かな隙間を縫って階段へ駆け上がる。
「しまっ...!」
「こっちも、もーらい!」
どデカい鐘がどデカい音を出しながらどデカく前後に振れる。
オッケイ!これで有利不利はプラマイゼロ、あとは防衛に向かうだけだ。
帝も自分を倒すことよりも防衛を優先し、高速で自陣の天守閣まで虎バイクに乗っかり向かった。
「乃依さーん!久しぶりぃぃぃひっヒヒヒ!!!」
「怖っ」
天守閣までの残り十数段のところギリギリセーフで間に合う。
遠距離からの大将落としが出来ないのが救いだ。
彩葉たちは上手く切り抜けただろうか。かぐやはヘマしてないだろうか。そんな不安が頭をよぎるがマップはまだ2人が生きていることを教えてくれる。
彼女らを信じて、乃依を倒s「ごめんくすり、死んだ!」え。あ、まず。
『帝、楽々かぐやを撃破!いろPは逃げることしか出来ません!』
〜ここからは四手で詰み〜
1,雷がジャンプ台からボトムの櫓まで飛んでくる。
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2,かぐやが復活。しかし彩葉が戻ってくる前に、自分が乃依をあと一歩倒し切る前に、雷が乃依と合流してしまう。
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3,リーチ的に手も足も出ない自分と実力差の大きいかぐや、そんな2人を相手に手こずることなく雷・乃依コンビは突破。
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4,無事。天守閣が大爆散。
戦闘描写書くのって難しいっすね...。
あと帝の動きが解釈一致で書けている自信無さすぎる。
次は二回戦からです。
感想書いてくれる人、すっごく心の励みになります。いつもありがとうございます!