好きなシナリオ発表ユーザーが〜♪   作:はめるん用

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 ※転生要素無し


なんだかんだ良いコンビになるヤツ。

「協力者、ですか? アイツが?」

 

「君が組織の捜査に尽力してくれているのは知っている。だが、上の連中は過程より結果ばかり見ているものだ。手段を選ばす、などと口が避けても言えないが」

 

「法と秩序の番人である我々がアウトローに助けを求めるなど、恥知らずと謗られても言い訳できません」

 

「だろうな。だが冷静に考えて欲しい。本当に助けを必要としているのは誰だ?」

 

「……なんの罪もない市民の方々です」

 

「ならば我慢したまえ。別にキミに違法捜査を命じているワケではないのだ、現実と信念の折り合いはどうにかして飲み込んでくれ」

 

「わかりました。失礼します」

 

 

「……行ったか。信用も信頼もできる男だが、今回ばかりはどうなることか。万が一のときには私が全ての責任を請け負わなければなるまい」

 

 

 

 

「よう! アンタが噂のヒーローか。色々と思うところはあるかもしれないが、ひとまず仲良くやっていこうぜ!」

 

「なんだ、その手は?」

 

「そりゃオマエさん、よろしくお願いしますの握手だよ」

 

「命令だからな、貴様の能力については信用してやる。能力だけは、な」

 

「ありゃま。コイツは確かに堅物の見本みてぇなヤツだな。だがアンタが俺を信用しなくても、俺はアンタを信用してもいいって気分だ。どうだ? まずは俺を知ってもらうために一緒にメシでも食いにいこうぜ! 美味いホットドッグとコーラで乾杯しようじゃないか」

 

「生憎と私はあの手の食事は好まないのでね。どうしてもと言うのなら私が招待してやろうか? もっとも、貴様がネクタイの結び方を知っているのであれば、だが」

 

「バカ言え、いけ好かねぇ上司のホームパーティーにお呼ばれした哀れなビジネスマンぐらいだぞ? そんな格好でオニオンとケチャップのボトル傾けてんのは」

 

「アレは立派な仕事の一部だろう。好き嫌いは別としてな。とにかく、私は貴様と馴れ合うつもりはない。だが、貴様も私を信用する必要はない。あくまで限定的な協力関係として」

 

「わかった、わかったよ。俺だって都合があってお手伝いを了承したんだ、感情的なアレコレとか、そういう面倒なのは抜きにして真面目に働いてやるさ。モンキービジネスは俺の信念に反するからな」

 

「フンッ、悪党崩れが信念などと」

 

「正義とか言わないだけマシだろう? 一応、俺なりに気を遣ってやったんだぜ?」

 

「それはそれは申し訳ない。だったら気遣いついでにムダ話は止めてさっさと情報を出せ。組織について、なにか心当たりがあるんだろう?」

 

「へいへい。それじゃあ早速────」

 

 

 

 

「うん? 客か? いま準備中で」

 

「ハァイ♪ ダーリン、元気だっちゃ?」

 

「────ッ?!」

 

「おぉっと逃さねぇよ。つれないねぇ、久々に顔を見せたっていうのに。あんまりイケメンが急に現れたから驚いちゃったかな? ま、知らない仲じゃねぇんだ。コーヒーとか出さなくてもいいからよ、とにかくお邪魔するぜ」

 

「ま、待て! 話せばわかる、な? オレは頼まれたってだけで、アンタに恨みとかそういうのは────グギィ?!」

 

「お喋りするならもっと楽しい話題を出してくれなきゃ困るぜプレイボーイ」

 

 

「止めろッ!」

 

 

「おいおい、そんな声を荒げることないだろ? ちょこっと、ほんの数ミリグラムほどダイエットに協力してやっただけだぜ」

 

「自衛のための暴力なら私とて文句は言わない。だがその男は完全に貴様に屈していた。情報を引き出すだけなら問題ないハズだ」

 

「ヒーローには出来ない効率的なやり方ってヤツがあるんだよ」

 

「効率だけでは救えない命がある。忘れるな、貴様と協力関係にあるのはコイツの背後にいる組織を捕まえるためだ」

 

「……チッ。わかったよ。いまの俺は雇われだからな。雇用主のオーダーにはちゃんと従ってやるさ」

 

 

 

 

「よしよし、いまのところハズレ無しで情報集まってんな。捕まった連中には気の毒なこったが、組織に始末されるリスクを思えば刑務所の中はタワマン並みに快適だろうさ」

 

「あ、あぁ……そう、だな……」

 

「どうしたヒーロー、なにか気になることでもあんのか? まさか昨日の酒が残ってるとか、そういうタイプじゃないだろオマエさんは」

 

「いや……悪かったな、その。怪我は」

 

「気にすんな。言っただろ? オーダーには従うってな。それに、反撃するぶんには自由だってオマエさんが許可してくれてたからな」

 

「すまない。私の判断ミスだ。初めから貴様のやり方に任せていればもっとスムーズに事が済んだハズだった」

 

「だ〜か〜ら〜、もう終わったことだし気にすんなって言ってんだよ! あんまり細かいことウジウジ悩んでるとハゲるぞ?」

 

「……すまない」

 

「ありゃりゃ、こりゃ重症だな。ま、とにかく組織の幹部までもう少しで手が届くんだ。次に顔を合わせるときまでは気合、入れ直しておけよ?」

 

 

 

 

「おかえり。どうした、なにか……あまり、具合が良くなさそうだが」

 

「いや、大丈夫。父さんに心配されるようなことはないよ。捜査は順調に進んでいるから」

 

「ふむ。と、いうことは……協力者のことで悩んでいるのかな?」

 

「それは」

 

「そうだな、なら、ひとつ。意地の悪い話をしよう。もしも我が家が世界で最も貧乏になり、コップ1杯の水すら買えなくなったとしよう」

 

「例え話でも想像したくない状況だな」

 

「そんなときにな? もしもお前が病気や怪我で動けなくて、私もお前も食べるものが手に入らないようなことになったら。私は、迷わずパンを盗んでお前に食べさせるよ。もちろん、親切な人に恵んでもらったとウソをついてな」

 

「父さん、それは……!」

 

「そうだな、真実を知ればお前は私のことを軽蔑するかもしれない。もしくは、私に盗みを働かせてしまったと後悔するかもしれない。どちらにせよ苦しむことになるのは私よりお前のほうだろう。それでも、私はパンを盗むよ。大事な息子に嫌われることになったとしても、大事な息子だからこそ生きて欲しいと願う父親のワガママだ」

 

「……軽蔑なんて、しない。悩むのは、どうしようもないかもしれないけれど」

 

「そうだな、どうしたって心は割り切れるモノじゃない。本当に欲して望んでいることを誤魔化すのは難しい。まして、お前は小さい頃から正義の味方に憧れていたのだからな。だから、私もこう言おう。もしもお前が正義よりも大切なことがあると、自分の心に従って物事を判断したとしても、私はお前を軽蔑したりはしないよ。もちろん、悩みもしないとも」

 

「……父さん。捜査に区切りがついたら、一緒に母さんの墓参りにいかないか?」

 

「おぉ、それは良いな。忘れずに花束も注文しておこう。久しぶりにオレンジのタルトも焼いてみるか」

 

 

 

 

「……まいったな、日々の訓練で加減などしていなかったが。少し、自惚れていたか。ぐぅッ!?」

 

「どうした、追いかけっこはもう終わりか? ハハッ、まさかこんなに簡単に釣れるとはなァ」

 

「そう、だな。協力を、申し出た……人間が、組織側だという、可能性が、抜け落ちていたのは……私の、落ち度だ。勉強に、なった、よ……」

 

「ほぉ? なんだ、ずいぶん素直じゃねぇか。いいねェ! 人からモノを教わったときはちゃんとアリガトウゴザイマスが言えるってのは大事なことだ」

 

「悪党に、言われるまでも、なく……礼儀作法ぐらい、心得ている────ごほぉッ!?」

 

「さっすかエリート様は違うねェ。ってことはアレかい? あの裏切り者とつるんでるのも()()()()()()()()()ってことか?」

 

「いも、うと……だと……?」

 

「なんだ、身辺調査はしてねェのか? 不用心だぜエリート様よ。仕方ねェな。冥土の土産代わりだ、簡単に説明してやるよ」

 

 

「ヤツには足の不自由な妹がいてよ? 遺伝的な問題らしく治療は難しいってんで車椅子生活が続いてたワケよ」

 

「で、まぁ……入院費とか、イロイロと入り用になるだろ? ヤツはそれはもう一生懸命にお仕事を頑張ってなァ……大幹部のお気に入りまでのし上がりやがったのさ」

 

「だから、オレたちも、お祝いをしてやろうと思ってな。大事な大事な妹ちゃんにちょいと“おクスリ”を処方してあげたのさ。身体も心も軽くなれるお高いおクスリを無償でなァ」

 

「だが、車椅子生活が長くて鬱憤が溜まってたらしくてよ? 足の痛みも無くなって、気分が良くなって、ついついはしゃいじまったんだろうなァ……病院の屋上から、お空の果てまで旅立っちまったってなァ!!」

 

「いやぁ〜、オレたちも申し訳ない気持ちで一杯よォ! 新参者のクセに調子に乗ってたクソ野郎が落ち込んでる姿にゃ心が痛んだぜェ! ヒャハハハハッ!!」

 

 

「そんな、こと……が……そう、か……」

 

「ま、そーゆーワケだからよ。恨むならアレと関わったバカな自分を恨んでくれや。法と秩序の番人だなんて偉そうにしたところで、手も足も出ない状況じゃどうにもなんねェだろ? テメェに思うところはねェ、苦しまねェよう脳天をブチ抜いて終わらせてやるよ」

 

 

「フッ……。確かに、手も足も出ない状況だが────プッ!」

 

「うぐッ!? テメェ────ンガァッ?!」

 

 

「口出しは出来るのでね。少々、汚い手段だが」

 

「「「野郎ッ!!」」」

 

「ふむ。乱雑と置かれたスクラップも、こういうときは頼りになるものだ……なッ!!」

 

 

「……ふぅ。今後はなるべく食わず嫌いをしないように心掛けるか。あまり慣れたくはないが、失敗から学ぶ姿勢は大事だからな。さて、いまごろヤツは何処に────うん? ポケットにメモが……これはッ!?」

 

 

 

 

「残念だよ、本当に。キミには期待していたというのに。妹は、そうだな。アレは不幸な事故だったと……いまからでも遅くない。戻ってきたまえ。店舗が幾つか潰れはしたが、キミの価値に比べれば端金だよ」

 

「いいのか? 裏切り者を簡単に許すようなマネをすれば、部下どもに示しがつかないぜ。ルールを守らせる側の大幹部が不正を働くのはどうなん「黙れ」ゴホ……ッ!?」

 

「よしなさい」

 

「ですが」

 

「僕は本気で彼を部下として迎えるつもりなんだ。無用な暴力は控えるように、と……何度も繰り返したハズなのだがね? もしかして、僕の話を聞いていなかったのかな?」

 

「申し訳ありません。反抗的な態度だったもので、つい、いつもの通りに」

 

「まぁ、そうだな。うん、そういうこともあるだろう。僕のために働いてくれたのに叱責するような言い方になってしまったね。ゴメンよ? さて……それで、ルールだったかい? それなら心配しなくても大丈夫だよ。僕はルールを定め従わせる側でもあるから」

 

「あー、そういやそうだったな。大幹部の肩書きは飾りじゃねぇんだったわ。で、スカウトの話だったか? 世話になったアンタの誘いは嬉しいがよ、どうにも自堕落な生活が続いたせいか指示通りだの時間通りだのキッチリ働くってのが億劫になっちまってさぁ」

 

「大丈夫、数日も現場に戻れば身体が思い出してくれるよ。なに、結論を急ぐ必要はない。説得の手段はいくらでもある。ともかく、1度、落ち着いて話せる場所に移動を────」

 

 

「────始める前に、私の用事を先に済まさせて貰おうか」

 

 

「よぅ、遅かったじゃ……まて、まてまて。その銃口、どう見ても俺のほうに向けられて────おわぁッ?!」

 

「貴様、よくも私を虚仮にしてくれたな」

 

「まて、なんのこと────だぁッ?!」

 

 

「えぇと、あの男は」

 

「ヤツと協力関係にあった例の」

 

「あ、あぁ、報告は聞いていましたが……協力、関係? なんですよね?」

 

「そのハズ、なんですが」

 

「僕たちを無視して彼を射殺しようとしているように見えるのは、僕の気の所為なんですかね」

 

 

「おい、落ち着けよッ! いったい俺になんの恨みがあるってんだよッ!」

 

「適当に末端を潰して実績になれば充分だった。昇進のための実績作りとして順調だったというのに、貴様が余計なことをしようとしなければな!」

 

「はぁッ?! 昇進だぁッ?!」

 

「それ以外になにがある! 私が正義なんて無価値なモノに拘ってるとでも思ったか無能なチンピラめ! 組織など自由に泳がせておけば良いのだ! 連中は金を得て! 私は超一流のエリートとしての立場を確かなモノにする! 相互利益というものを知らんのか貴様はッ!」

 

「あぁそうかよッ!! 所詮テメェも欲望まみれのクソッタレでしかなかったワケだッ!! 上等だ、組織の前にテメェから先に潰してやるよッ!! 顔面ごとプライドまでグチャグチャになぁッ!!」

 

「フンッ! いいだろう、その勝負受けてやるッ! 学の無い貴様でも西部劇ぐらい見たことがあるだろう? そら、コイツをくれてやるッ!」

 

「頭でっかちのエリートらしい無駄な配慮、ありがとうよ。お礼にドテッ腹でも心臓でも好きなところにタップリ弾丸をブチ込んでやらぁッ!!」

 

「みっつ、数えたら……だ」

 

「いいぜ。ひとぉ〜つ」

 

 

「よろしいのですか?」

 

「好きにさせておきましょう。それで彼が死ぬならそれまでのことです」

 

 

「ふたつ」

 

「みぃ〜っつぅッ!!」

 

 

「ガハッ?!」

「ギャアッ?!」

 

 

「クソッ!? コイツらッ!!」

 

「なにをしているのですッ!! さっさとコイツらを始末しなさいッ!!」

 

 

「こっちだッ!」

 

「ふぅッ! ……大幹部にしては些か間抜けが過ぎる気もするが」

 

「慣れってのは怖いよなぁ。鉄火場から離れて他人の命を使うことが当たり前になっちまってたろうからな、なんでも自分の思い通りになるって油断するクセがついちまったんだろ」

 

「やはり身の丈に合わない昇進など望むものではないな。私は現場主義を貫くことにしよう」

 

「おぅ、それがいい。部下を使い捨てにしながら尻で椅子を磨く仕事はオマエさんには似合わねぇよ。適材適所ってヤツだ」

 

「私もそう思う。それで、どうするつもりだ? 応援が到着する前であれば、私もついうっかり他所見をしてしまうかもしれないが」

 

「正気か? そりゃオマエさんの主義に反するだろ。よく見たら顔のアチコチに青痣あるな、色男が台無しだ。頭に強い衝撃を受けちまったんだな、かわいそうに」

 

「妹の話を聞いた。確かに衝撃的だったよ、思わず情報提供者の前歯を全部へし折ってしまうぐらいには」

 

「……そうかよ。同情してくれてんのかい?」

 

「そうだな。今度は失敗したくなかったんでね、ここに来るまでに自分の心に問い掛けて答えを出した。私は貴様の復讐を邪魔しない」

 

「アンタの正義は無くなるぞ」

 

「だが信念は残る」

 

「……そうかよ」

 

 

「こっちだッ!」

「撃て、撃てぇッ!」

 

 

「おっと、危ねぇなオイ! そういうオモチャは人に向けちゃいけません、ってママに教えて貰わなかったのか……よッ!」

 

「ぎゃあッ?!」

 

「手が、くそぉッ!!」

 

 

「いい腕だ、破落戸のままにしておくのが惜しい」

 

「くたばれェッ!!」

 

「言葉遣いが荒いな。シャワーでも浴びて落ち着くことをお勧めする」

 

「なんだ、こりゃ? 濡れ……ギャアァァァァッ?!」

 

「のど、が、ご、ァァァァ……ッ?!」

 

 

「マジで? そりゃヒーローの戦い方じゃねぇだろ……ビジュアル的に最悪だな」

 

「状況に合わせた効率的な倒し方だろう? 向こうだッ!」

 

「そら、逃げろ逃げろ〜ッ! それで、さっきの話だが」

 

「あぁ」

 

「ヤツは殺さない。たったいま、そう決めた」

 

「……いいのか? 次は無いぞ」

 

「俺の復讐はそれで終わるかもしれない。だが、俺の妹じゃない誰かの不幸を無くすためには場当たり的なやり方じゃキリが無い」

 

「上層部が貴様の期待通りに動いてくれるとは限らんぞ」

 

「上層部が動かなくても、俺の期待を裏切らないと信じられそうなヤツがいるからな。遠回りになるだろうが、効率的なやり方だけじゃ救えない命もあるんだろ?」

 

「いいだろう、貴様には調査に協力してもらった借りがあるからな。ここは貴様の思惑に乗ってやる。だから……そうだな。貴様には私が約束を果たすか見届ける必要が出来たワケだ。だから、こんなところで死んでくれるなよ? 相棒」

 

「当然だな、こんなベッタベタなアクション映画みてぇな撃ち合いにまで巻き込まれたんだ。そんでフタを空けたらタダ働きだなんて冗談じゃないっつの。オマエさんには未来の残業手当ても含めてキッチリ報酬を支払ってもらわなきゃならないんだ、簡単にくたばってくれるなよ? 相棒」

 

 

 

 

「こ、こんなハズでは……ッ!?」

 

「よぅ。テメェは一緒に遊ばねぇのかい?」

 

「あ……うぅ……ッ!?」

 

「呆れたな。裏組織の大幹部でありながら、武器のひとつも携帯していないとは。犯罪者としての自覚が足りていないのではないか?」

 

「ま、待て! 待ちなさい! 僕を殺したところで組織にダメージを与えることなど出来ませんよッ! そ、そうだ! 司法取引といきましょう! 僕なら捜査に必要な情報や資金を充分に提供します! もちろんお二人にも別途で報酬をご用意させて頂きますよ!」

 

「そう言えば新しい釣り竿が欲しかったんだ。テントも傷みが目立つようになってきたから丁度いい」

 

「へー、オマエさんそんな趣味があったんだな。今度グリルパーティーでもやるかい? 俺にはビールじゃなくてジンジャーエールで頼むわ」

 

「か、金なら……いくらでも……ッ!!」

 

「魅力的な申し出だったが、生憎と私の中でソレの優先順位はそこまで高くないのでね」

 

「だ、だったら! 貴方たちが、その、金よりも欲しいというモノを言ってくれれば、どんな手段を使ってでも用意して……ッ!!」

 

「ハハッ、そりゃ無理な相談ってヤツだ。どんだけ大金を積み上げたって俺たちの欲しいモンはテメェにゃ手に入れらんねぇよ」

 

「ぼ、僕が金で買えないモノなんて……いったい、なにを」

 

 

 

 

 

 

 

 

「────私が認めた【信念】だ」

「────俺が信じた【正義】さ」

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ〜、疲れたぁッ!! しばらく家に引き篭もって朝から晩までダラダラしてぇ。今日のうちにメシとか買い込んでおこうかな……わりとマジで」

 

「大物を確保できるとあって、到着は早かったな。いつもこれぐらい本気で事件に取り組んでくれればいいんだが」

 

「なんか心理学だかでやってたぞ。組織ってのは、優秀な人間だけ集めても何割かはサボること覚えちまうらしいぞ?」

 

「嘆かわしいことだ。しかし、そう考えると先ほどの大幹部は当たりだったと言えなくもないな。我ながら下手くそな茶番だったが、楽しんでくれたようで助かったよ」

 

「茶番のついでに、本隊の連中と一緒に行かなくてよかったのかヒーロー。組織の大幹部を生け捕りにする大活躍だろ? 普通に昇進の話とか、なんなら捜査班の責任者に抜擢されたりするかもよ?」

 

「面倒だ」

 

「もう少し言い訳あるだろ」

 

「私はゲームマスターよりプレイヤーのほうが向いていると、少なくとも自分ではそう確信しているのでね。なに、部下の代わりに優秀な情報屋をタップリこき使ってやるから安心して任せるといい」

 

「う〜む、ちょっと約束する相手を間違えたか? 俺。ま、いいや。だったら改めて、相棒契約の成立を記念して今度こそメシでも食いに行こうぜ。念のために言っておくが、俺だってネクタイぐらい普通に結べるに決まってるからな」

 

「なんだ、ホットドッグを食べるのにネクタイなど不要なんじゃなかったのか?」

 

「……ッ! よぉ〜し、そういうことなら俺に任せておけ! 美味い店の見分け方から教えてやっからよ!」

 

「食べもしないで見分ける方法があるのか」

 

「そうだな、まずはオニオンのみじん切りだ。カウンターに山盛りで置いてあるのは初心者には取り放題でお得に思えるだろうがそうじゃねぇ。長く放置されたせいで香りも食感も台無しになってる」

 

「なるほど……思ったよりロジカルな判断方法がちゃんとあるのか……」

 

「ケチャップとマスタードの使い方にもコツがある。ソーセージのサイズと焼き方から最適な割合を計算して────」




 
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