好きなシナリオ発表ユーザーが〜♪   作:はめるん用

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 ※やや転生要素アリ


本人は知らないけど周囲が実は最強なヤツ。

「孤児院を飛び出して」

 

「人使いは荒いけどなんだかんだ親切な商人さんのお世話になって」

 

「どうにか生きるための知識と技術と、突然のまとまったお給料を手に入れて」

 

「どうにかこうにか憧れの冒険者のための学校に入学できたのに」

 

「まさか、貴族のお子様たちに目を付けられて退学まで追い込まれるなんてね〜。アハハ」

 

「…………クソがよぉッ!!」

 

「これが、権力……ッ! 学校では身分は関係なく誰でも平等、だなんて建前だったんだ……ッ! ま、そんな気はしてたけどね。だって入学式の時点でもうかなり怪しかったし」

 

「しかし、どうしようかな〜。まずは生きるための手段について本気出して考えないとダメだよね〜。取り敢えず春を売るのは最後の手段として……うん?」

 

 

 

 

「お兄さん、手伝いアリガトね〜」

「やっぱり魔術師がパーティーにいると安定するな。回復とか支援を任せられるってのも助かる」

「しかも安い! あれだけの実力でこの値段なら破格も破格だぜ!」

「だが本当に良かったのか? ギルドの紹介とはいえ、割に合わない仕事を押し付けるのも冒険者としては少しな」

 

「俺は俺で魔術教会の仕事も兼ねているので心配はいらないですよ。そもそもレベル帯が同じなのに魔術師だけ数倍も依頼コストが高いのも納得してないんで」

 

「変わり者だと話には聞いていたが……教会から派遣されてくる魔術師なんて、誰も彼も偉そうなヤツばかりで────おっと、アンタの前で言うようなことじゃなかったな」

 

「教会の名誉のために反論させてもらいますが、事務仕事をしているスタッフの皆さんは普通に礼儀正しいですよ。それこそ、各地でアホどもが起こした騒ぎにキレ散らかしている程度には」

 

「それは……ストレスが凄そうだな。わかった、もしも教会の人間と話す機会があれば、先入観だけで強く当たらないよう気を付けるとしよう」

 

「そうしてもらえると助かります。では、俺はこれで。また機会があればよろしくお願いします」

 

「あぁ! そのときは是非ともよろしくな!」

 

 

 

 

「ほーん、ふーん、へぇー。うん……これはティン! ときたな……。あの人は“良い人”だと商人の下働きで培った観察眼が言っている。このチャンス、なにがなんでもモノにするっきゃねー! ……あのッ!」

 

「うん?」

 

「突然すみません! 私を弟子にして下さい! 魔術師の弟子として!」

 

「いいよー」

 

「もちろん突然こんなこと非常識だってわかってえぇぇぇぇ?! そんな簡単に了承せれるなんて思ってなかったから心の準備がががが」

 

「非常識とわかってて頼んできた、ってことは。つまり非常識な可能性に頼りたいぐらい困ってるってことになる。で、そこで“助けてほしい”じゃなくて“鍛えてほしい”って言ってきたトコを評価してみた」

 

「判断が早いッ?!」

 

「面白そうなコトは悩まないで、取り敢えず首を突っ込んでから考えることにしてるんだ。後付けの理由になるけど、教会所属の魔術師は弟子を育てることも仕事だからね。ま、大抵の魔術師は自分の研究が大事だから後進の育成にはあまり興味ないみたいだけど」

 

「えぇ……? それはそれで不安なんですけど……」

 

「ん、心配しなくて大丈夫。さっきも言ったけど、鍛えてほしいって頼み事だからね。それはつまり、キミが逃げ出さない限り俺のほうから見捨てることはしないってコト。で、どうする?」

 

「よろしくお願いしますッ!!」

 

「うんうん、判断が早いねぇ。それじゃ、まずは魔術教会に戻ってキミの身分証明証を発行してもらおうか。貢献度が低いうちは大した恩恵は無いけれど、取り敢えず最低限の宿泊施設はタダで使えるから。もちろんお風呂もあるよ」

 

「それ庶民にとっては充分過ぎるほど大した恩恵なんですけど?」

 

 

 

 

「お帰りなさいませ【黒】様。冒険者ギルドから通信で報告が来ていますよ。今回も感謝する、と」

 

「こちら側の都合も含めてだから気にしなくていいんですけどね」

 

(黒……いや、クロ? お師匠さまの名前、というかニックネーム的な? 想像と違ってフレンドリーな感じなのかな、魔術教会。だったら私も少し、安心できるんだけど)

 

「それで、そちらの女の子は」

 

「ついさっき、依頼先で弟子にした。思い切りの良さと行動力に将来性を感じたもので。登録、お願いできますか?」

 

「かしこまりました。それでは、こちらへ。貴女の魔素の波長を登録してライセンスを発行します」

 

「あ、は、はい!」

 

「それじゃ、俺は向こうのカフェテリアで待ってるから。たぶん10分ぐらいで終わるんじゃないかな? それが済んだら1度、俺の工房に案内するから」

 

「工房ッ?! え、ホントに? だって、魔術師にとって工房っていうのは聖域みたいなモノだって、授業でも習って」

 

「そりゃ弟子には見せるでしょ。俺の魔術式を教えるんだから。ま、それが嫌だから弟子なんか育てないって魔術師も多いんだろうけど」

 

「貴女の認識は間違いではありません。この場合は黒様が魔術教会に積極的に貢献してくださっているという話です」

 

(あ、コレ私めっちゃ当たりを引いたヤツだ。ってか冷静に考えたら学校を退学になったら逆に教会所属の魔術師になったって、それもう逆に同級生をブッ千切ってるよね? よし、もう一生分の幸運を使い切ったと思って一生懸命に勉強しよう!)

 

 

 

 

「それからお師匠さまに工房を見せてもらって」

 

「調合に使う薬草の畑とか、普通にお野菜とか、そーゆーのもお世話を手伝うって条件だったから、空いてる部屋に住み込みさせてもらうことになって」

 

「今日も鶏の世話をしているワケだが」

 

「コケッ?」

「コケッ」

「コケェ」

 

「デケェなお前ら。ねぇ知ってる? 普通の鶏はキツネに襲われる心配をするんだよ。このサイズ感だと返り討ちにして目ン玉とか食べちゃいそうだね?」

 

「コケェ〜♪」

 

「んん〜! でも懐っこくてカワイイ♪ なで心地もイイしキレイ好きで水浴びもイヤがらないからニオイも普通だし卵は美味しいしで最高かよ〜♪ ほ〜ら、虫食いでゴメンだけど新鮮なトマトだよ〜♪」

 

「「「コケェッ!!」」」

 

「世界には私の知らない生き物が沢山いるんだな〜。お師匠さまも教会の依頼で大陸各地を巡ったりしてるって職員さんが言ってたし、私もそういうの目標にしようかな〜」

 

 

「エサやり終わったか〜?」

 

「あ、お師匠さま! はい、バッチリです!」

 

「それじゃ、今日のトレーニング始めるか。新しい生活にも慣れてきて、スタミナも多少は鍛えられてきたからね。次のステップにいこうか」

 

「はい!」

 

「まずは目標とするお手本を見せておこう。ハッ!」

 

「おぉ!? 遠くに置いてあった薪に穴が!? いま親指でなにか弾いて飛ばしましたよね? 石ツブテ的な?」

 

「いや、魔素を直接固めて飛ばす【指弾】っていう攻撃スキルだよ。魔素の使い方は学校で習ったと思うが」

 

「戦士系の人たちはパワーに変換して武器スキルを、魔術師系の人たちはエナジーに変換して魔術スキルを使うんですよね」

 

「そ。あとは身体能力の向上と一緒にね。で、魔素の変換は本人の素質で決定して、魔術スキルを行使できる才能は貴重だってのが常識なんだが……その辺りは政治的に面倒だから考える必要は無い。特訓すりゃ誰でもどっちも使えるってことを体験してもらう」

 

「武器と魔術の二刀流……そういうのもあるのか……。わかりました! お師匠さまがそういう方針で鍛えてくれるのなら、私もそういう方向性で頑張ります!」

 

「うんうん、やる気があるのは良いことだ。教え甲斐がある。ま、学校の試験と違って合格も失格も無いからな。何度でも失敗を繰り返して構わないから、のんびり成長していこう」

 

「はいッ!!」

 

 

 

 

「警備依頼、ありがとうな。あの魔術師様のお弟子さんなだけあって、とにかく助かったよ。この辺りは海開きの観光が主な収入源なもんで、迷惑な連中がね、どうにも毎年やってくるもんでな。ガチガチの重装備の冒険者たちに頼むにしても、観光客が嫌がるから難しくて」

 

「確かに……このいかにもリゾートッ! って空気感のところにフルプレートやらメイス持った人たちが歩き回ってるのはちょっと」

 

「まぁ、本来ならこんな依頼を引き受けてくれる魔術師様のほうが珍しいんだがね」

 

「それは……うん、えぇ、そうでしょうね〜。でも安心してください! 私はそういうのゼンゼン気にしないんで! また依頼のご指名、お待ちしていますね!」

 

「そうだな、そのときは是非ともまた教会に連絡させてもらうよ」

 

 

「なぁ」

「どうした」

「見回り、魔術師に依頼したんだよな?」

「そうだな。怪我をした子どもを魔術で治療してくれたりとか、対応が早くて助かったよな」

「迷惑なナンパ客を膝蹴りで海まで吹っ飛ばしたのも魔術なのか?」

「そりゃお前、きっと膝属性の魔術なんだろ」

「じゃあお客さんの荷物を盗もうとしたヤツを上半身を左右に揺らしながら的確に脇腹を連続で殴ってたのは?」

「そりゃお前、きっと拳属性の魔術なんだろ」

「そうか……魔術って、スゲェんだな……」

 

 

 

 

「いろんな地方でいろんな依頼、お金も貰えるし、知らなかったことも経験できるしで楽しいな〜♪ お世話になってた商人さんも言ってたっけ。お金だけを好きになるんじゃなくて、お金を儲ける過程も楽しめないとダメだって」

 

「で、今日からは魔術スキルの割合を増やして特訓するってことなんだけど……火属性の【ファイア】、水属性の【ウォータ】、雷属性の【サンダー】、氷属性の【ブリザド】、風属性の【エアロ】と……改めて見ても、お師匠さまの魔術式、名前もシンプルでわかりやすいな〜。それだけでも名誉とかに興味無いって感じがスゴい気がする」

 

「名称も詠唱も無意味に長くしても実戦で使えないからな。モンスター相手に見栄張っても仕方ないし、虚仮威しをするなら専用の幻覚魔術を使ったほうが効率がいい」

 

「あ、お師匠さま! なるほどな〜、この魔術式たちはお師匠さまが実戦経験の中で編み出したオリジナルってコトなんですね!」

 

「んー、オリジナルではないかな。先人がいて、俺はそれを真似しているだけ。歴史に名前を残したいとか、そういうのは面倒だからね。借り物で足りるなら借り物で充分、大事なのは“使わせてもらっている”ってリスペクトの精神だと思ってるよ」

 

「そうですか……。なら! 私もお師匠さまをリスペクトとして“気軽に頼れる庶民派魔術師冒険者”を目指します!」

 

「冒険者を目指すなら名声が役立つこともあるだろうに」

 

「でも、そうなると面倒な付き合いも増えますよね?」

 

「有名税ってヤツだな」

 

「ヘタすれば王族や貴族とも関わるハメになりますよね?」

 

「なるだろうなぁ。俺はこんな有名人と知り合いだぞ! って自慢する連中はどこにでもいるし」

 

「そんなクッソ厄介な連中と付き合うリスクを考えたら、自分のペースでコツコツ冒険を楽しむほうが100万倍面白い人生になるんじゃないでしょうか!」

 

「否定はしないけど、あんまり権力者を先入観だけで毛嫌いしないでやってくれ。真面目に働いてる人たちもちゃんといるから」

 

「……。…………。………………ガンバリマス?」

 

「俺のトコに転がり込む理由が理由だっからな……そりゃ素直に分かりましたとは言えんわな……ま、そこはボチボチ慣れてもろて。で、さっきから俺の後ろで登場するタイミングが掴めなくて困ってるエルフの女性がいるだろ?」

 

「その方がお師匠さまが言っていた“先生”ですね。初めまして! お師匠さまには魔素の使い方に武器スキルと魔術スキル、ついでに衣食住の世話まで丸っとお世話になってます!」

 

「あらあら、話に聞いていた通り元気な子ね。事前に説明されていたと思うけれど、冒険者として活動するにあたり、異なる生活圏や文化圏を行き来するときに必要な知識を教えてあげるわ」

 

「常識が通用しないだけじゃなく、ついうっかりで死人が出る可能性もある……でしたよね」

 

「悪意を持ってウソを吹き込んでくるヤツもいるし、常識の違いを理解していなくて本当に信じるとは思わなかった……ってな具合に冗談を教えてくることもある」

 

「お師匠さまも大変な目にあったことが?」

 

「とある国で俺は初対面で女王陛下を口説いて嫁にするため奪い去ろうとした勇者として不名誉で不本意な形で賞賛されている」

 

「大変のレベルが冗談で済まされてない件」

 

「意図的に国際問題に発展させて外交手段のカードに、なんて狙ってくる場合もあるわ。だから、トラブルを回避するためにも出来るだけ各地の文化について勉強しておいたほうが良いの」

 

「はい! 将来の夢を実現するためにも全力で頑張ります! ……ところで、なんですけど。ひとつ、質問したいことがありまして、ですね……」

 

「あら、なぁに?」

 

「お師匠さまと先生、どっちが強いのかな〜って」

 

「純粋な戦闘力なら彼が上よ。百回戦っても百回全部ワタシが負けるわ」

 

「その代わり研究者として魔術教会への貢献度は俺の百倍以上だ。単に長命種族だからってことじゃなく、純粋に魔術の研究という分野では俺とは桁違いに格上って話ね」

 

「そうでしたか。変な質問をしてしまって、申し訳ありません」

 

「謝る必要は無いわ。これから授業をするんですもの、疑問はどんどん口に出してくれたほうが助かるのよ。と、いうことで……さっそく、始めるのかしら? 準備が必要なら改めてスケジュールを調整するけれど」

 

「特には……あ、すみません。先にエサやりだけ終わらせてきてもいいですか?」

 

「それぐらい俺が終わらせておくが」

 

「いえいえそんな! それも手伝うって理由で弟子入りしたんですから! それじゃ、チャチャッと終わらせ……ると拗ねるので、ちょっと撫でてから戻ってきますね!」

 

 

「ねぇ、あの子が言ってるエサやりって」

 

「もちろん俺の可愛いペットたちのことですが? 栄養満点の卵を毎日産んでくれる最高の生産者たちです」

 

「え〜? ワタシはダメなのにあの子は懐かれてるの〜? しかもナデナデまでさせてくれるなんて……ズルいわ〜!」

 

「それは嫌われるようなことをした先生が悪いです。昼寝してるところをいきなり羽根を毟られたんですから、怒って当然ですよ」

 

「だからって、目があっただけで威嚇することないと思わない? この前なんてわざわざ美味しいお野菜を持っていてあげたのに、囲まれて石化ブレスまで吐かれたのよ?」

 

「いや俺のいないときに危ないことしないでくださいよ。見た目は大きな鶏でギリ誤魔化せますけど、アレでも生存限界領域の外側、それも【死灰の海】エリアあたりで保護した邪龍の上位亜種ですからね? 普通の石化と違って魂の情報までデタラメに書き換えられるんです、蘇生魔術はもちろん復活魔法でも元には戻れませんからね?」

 

「はーい、今後は気を付けまーす」

 

「適当な返事をしないでちゃんと約束してください。()()()()()()()()がこんなアホみたいな死に方したら笑い話にもなりませんよ」

 

 

 

 

「ライセンスの更新、これで完了です。今後は黒様の許可を得ずとも危険判定Bまでのダンジョンは貴女の権限で探索できるようになりました」

 

「ありがとうございます! うーん、我ながら1年もしないうちにここまで出世できるとは。やっぱり教える人が上手だと私みたいな凡人でも強くなれるものなんですね〜」

 

「今後は、より報酬の良い依頼も紹介できますが」

 

「それとこれとは別枠って形でお願いします。いまでも名誉には興味ありませんし、同じお金を稼ぐなら人助けしながら稼いだほうが気持ちよく使えるんで!」

 

「わかりました。実際のところ助かっていますよ、お世辞など抜きにして。黒様も、貴女も、師弟ともに本当にお世話になっています」

 

「いや〜、それほどでも」

 

「私どもとしても向上心そのものは否定しないのですがね。それでは、こちらの依頼をお願いしてもよろしいでしょうか? とある農村の近くに未報告のダンジョンがあるらしく、密猟者が原因でモンスターが外まで出てきているようなのです」

 

「わかりました! 封印はどうしますか?」

 

「四式保護の軽い物で大丈夫です」

 

「密猟者はどうしますか?」

 

「動けなくなるまで徹底的に叩きのめして牢屋に入るかモンスターの胃袋に入るか選ばせてください」

 

「了解しました!」

 

「本当に、なんだか裏方みたいな仕事ばかりお願いする形になってしまって……」

 

「別に名声とか肩書きに意味が無いとまでは思ってないんですけどね〜。ホラ、教会長が認めた7人の直弟子の方々とか、やっぱりスゴいって思いますし。【堅牢なる緑】とか【慈愛の青】とか、そういうの、っぱりカッコいいと思います。そういえば、ひとりだけ正体不明なんでしたっけ? 性別も種族も年齢も誰も知らないとか」

 

「そうですね。あの方は顔や名前が売れることを好みませんので」

 

「へー。もしもお話できるような機会があれば、仲良くなれそうな気がしますねー。お師匠さまと一緒に、1度ぐらいご挨拶してみたいですね! それじゃあ、行ってきます!」

 

「はい。どうかお気をつけて」

 

 

「アレが噂の?」

 

「えぇ。素直で頼りになる大型ルーキーです」

 

「学校に残ってる同級生たちが基礎を学んでいる中でクラスBダンジョンをソロで歩けるのは大型ってレベルじゃないでしょ」

 

「皮肉が効いていると思いませんか? 追放された子が魔術教会の一員として認められている中、追放した側は自分たちの言動が原因でコネクションを失ったことを知らずに怠惰に過ごしているのですから」

 

「結果だけを見れば良いこと尽くめでしたね。教会の資金で勝手なことをしていたバカどもも処理できたワケですし。もちろん、まだまだ各国の権力者が潜り込ませた連中は残っているでしょうが」

 

「それも、これから徐々に炙り出されることでしょう。彼女は短期間で強くなり過ぎましたからね。本人が名声を望まなくても、足を引っ張ることに長けている者たちは無視できませんよ、きっと」

 

「そいつらも可哀想に。下手に手出しをすれば身を滅ぼすことになる、なんて欠片も想像していないんでしょうね」

 

「確かに、少しだけ同情しますね。まさか自分たちが手を出そうとしている相手が」

 

 

 

 

 

 

 

 

「────魔術教会の最高戦力【グランシャリオ】の筆頭にして最強の魔術師【静寂の黒】の1番弟子だと知らないのですから」

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