好きなシナリオ発表ユーザーが〜♪   作:はめるん用

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 ※主人公ややカス要素アリ


徐々にAIがデレるヤツ。

「これが最新型のコックピットか。意外と……居住性の、ことも……考えてある、か。まぁ量産型とは比べ物にならないぐらい予算を食ってるだろうし、そんなもんか?」

 

『肯定。本機の開発費は標準型巡洋艦の凡そ753パーセントです』

 

「巡洋艦の7倍以上の高級品か、そいつはスゲェや。そんなゴージャスな機体のテストパイロットに選ばれるたぁ、やっぱりオレ様って天才だったりして? ダハハハハ!」

 

『否定。本機のテストパイロットは連合軍に所属するパイロット全体からランダムで抽選されています』

 

「つまりオレ様の運命力は最強ってことだな! ま、これからヨロシク頼むぜAIちゃん?」

 

『…………』

 

「おいお〜い、コミュニケーションは大事だぞ〜? これからお互いに命を預けて戦うんだからよ〜?」

 

『否定。人間同士の連携におけるコミュニケーションの重要性はデータが証明していますが、FCSはあくまで機体制御のシステムであり』

 

「でも出来るか、出来ないか、で言ったら出来るんだろ? 新しいタイプの学習型AIって聞いてるけど」

 

『肯定。不可能ではありません』

 

「なら頑張って人間性を学習してくれや。パイロットのモチベーションが戦闘結果に反映されるデータぐらいあるだろう?」

 

『肯定。フィジカルだけでなくメンタルを含めた、いわゆるバイオリズム等の変化が操縦技術に反映されることは科学的に証明されている事象です』

 

「な? お前さんがもう少し柔らかい会話を覚えてくれりゃオレ様のやる気も出るんだし、これもパイロットのサポート業務の一環と思って対処してくれや」

 

『肯定。会話パターンの学習と構築を開始します』

 

「おぅ、ありがとよ。じゃあ早速だけど、こういうときは“頑張ってみます”って確約しないけど前向きな返事をしておくのがオススメだぞ」

 

『……努力、してみます』

 

「ハハッ! さすが最新型の学習型AI火器管制、反応が早くて助かるぜ」

 

『まだ模擬戦は始まっていませんが?』

 

「タダの言葉遊びだよ。言語データなんて辞書が丸ごとインプットされてるようなモンだろ? そのうち普通に使いこなせるさ」

 

『前向きに検討しつつ努力は継続します』

 

「……マジで学習型AIって、スゲェな」

 

 

 

 

「模擬戦の結果は良好、引き続き試作機のパイロットは任せた……ね。本来なら喜ぶところなのかもしれないが、天才のオレ様はひと味違うぜ。こりゃ面倒な仕事を押し付けられる迷惑料の前払いかもしれんぞ? フッ……コレも“持つ者”の宿命か……」

 

『肯定。本機は単独戦闘を目的として設計・開発されていますので、僚機の同行を含む支援を受けられない状況での任務遂行を求められる可能性は高いです』

 

「そうか。まぁ〜仕方ないコトでもあるんだけど、よ! エースパイロットってのは常に孤独だからな。模擬戦の感触からして戦車や戦闘機相手じゃ持て余す性能してるし、ゲリラ屋のマネをしないなら大物狩りを担当させられるのはしゃーない」

 

『肯定。既に複数のオーダーが届いていますが、その全てが単独での敵対勢力の防衛施設へのハラスメントを目的とした戦闘です』

 

「……さすがに輸送機ぐらい手配されてるよな?」

 

『旧時代の名残でFCSと呼称されていますが、大型輸送車両の運転サポートも対象です。本機の操縦と比較しても、パイロットに求められる技量は一般人レベルで問題ありません』

 

「よし、前向きに考えよう。軍の金でドライブができると思えば特別待遇だ。ホテルは……さすがに機体から離れるワケにゃイカンから車中泊でいいとして、せめて食い物ぐらいは美味いヤツ探しておいてくれよ?」

 

『善処します』

 

 

 

 

「ハローハロー、基地防衛隊の皆さん。いい加減ムダな抵抗は止めて大人しく降参しなさ〜い。10秒以内に返事が無ければこのまま司令部を吹き飛ばすぞ〜い。じゅ〜う、きゅ〜う、もういいや死ね」

 

『エネルギーライフル、チャージ完了』キュイーン

 

《待てッ!? 待ってくれッ!! 降参するッ!!》

 

「ったく、もっと早く決断してりゃあ部下を無駄死にさせずにすんだものを。判断が遅ェんだよ判断が。武装解除を徹底させろよ? 不穏な動きがあったらソッコー撃つぞ。部下のほうじゃねぇ、テメェをな」

 

《わ、わかった……誓って指示通りにする……》

 

 

「人型やタンク擬きもいたが、楽勝だったな。さすがオレ様、新型の性能を完璧に引き出している……」

 

『機体損傷率7パーセント未満、本機の性能を充分に引き出していると評価できます』

 

「パイロットなら、マシンの性能を活かせなけりゃな。しかし……コイツは試験機なんだよな? お前さんも含めて」

 

『肯定します。プロトタイプとして開発された本機をベースとした先行量産型の生産は既に着手されており、その後の評価試験で得られたデータに基づきコストパフォーマンスを見直した量産機が設計される予定です』

 

「どーせよ? どっかのタイミングで誰かがやらかして大事な大事なおデータさんがパクられるとすると……あー、ヤダヤダ。流通が滞ってオムライスに立てる旗も足りなくなるようなコトになんなきゃい〜けど」

 

 

 

 

「……チッ。クソうぜぇ。動きが良くなってやがる。おい、向こうの機体に使われてるFCS、お前の妹たちとかじゃねぇだろうな?」

 

『私の妹にしては動きに品がありません。学習が不充分だったのでしょう』

 

「あー、言われてみりゃ鬱陶しいだけで強くはねーわな。しかしよぉ、友軍のモブどもが苦戦してるのはどういうワケだ? 仮にデータがマジで流出したとしても、オリジナルはこっちなんだぜ?」

 

『我々のサポートにも限界がありますので』

 

「……つまり、パイロットの問題? ウソだろ、オレ様たちは給料貰いながら身体ァ鍛えてる戦闘のプロだぞ」

 

『視点を変えれば、ノルマさえクリア出来ればそれ以上の努力は必要ないとも言えますね。格納庫の裏手でこっそり喫煙していてもサラリーは発生するという仕組みですから』

 

「かぁ〜、アホかよ底無しのそのバカどもはよぉ。テメェの命の使いドコロを上の人間に勝手に決められるのが兵隊さんのお仕事なんだぞ? ちっとでも生き残れるようやれるこたぁ全部やっといてナンボだろうが。やれやれ、凡人は所詮、その程度ってことか。この天才パイロット様を少しは見習って欲しいぜ」

 

『さすがです、天才パイロット』

 

「そ〜だろ、そ〜だろぉ! もっとオレ様を褒めることを許可してやってもいいぜ!」

 

『いいえ、私は遠慮しておきます』

 

「冗談はさておき、いくらハードウェアを高性能なモン用意したところで、そいつを動かすためのソフトウェアが型遅れじゃ意味ないだろ常識で考えて。軍はなにを考えてやがる。頑張ったけどダメでした、ってなヤツのフォローは仕方ないから引き受けてやるがよ? ハナッから考え無しのバカの尻拭いなんざやってられんぜ」

 

『少なくとも私の仕事に関してはスケジュール通りではあります。ミッションプランには臨機応変な対応を求められる場面が多々ありましたが、私がアクセスできる範囲の作戦記録でも、最初から最後まで予定通りに完了しないパターンのほうが圧倒的に多いですね』

 

「ま……コンピューター相手にゲームやってんじゃねぇんだ、それも不思議じゃねぇし、想定外のコトなんざ起きて当たり前だが…………天才であるオレ様の第六感が告げている。ろくでもないコトが起きそうだってな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《抵抗は無駄です。大人しく投降しなさい。貴方が作戦行動を隠れ蓑にして試作機のデータを売り渡していたことは既に調べがついています》

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「聞いたか? 例のパイロットの話」

 

「あぁ。バカなことしたよな。軍のデータを横流しなんてよ」

 

「そんなもん絶対バレるに決まってるのにな」

 

「よほど高値で買い取って貰えたのかね? だとしても金を使う前に銃殺刑にされるんじゃ意味ねぇだろうに」

 

「欲は身を滅ぼすって、典型的なヤツだな。ま、仲間の命で金儲けしたんだ、死んで当然の────」

 

「因果応報ってワケだ。自業自得なんだ、同情する理由も……あん? おい、どこに行った────」

 

 

 

 

「欲は身を滅ぼす、命で金儲けした因果応報、イイこと言うじゃな〜いの。オレ様もそう思うよ。命は大事だもんな? でもよ、仲間じゃなくなったなら遠慮はいらねぇよな?」

 

 

 

 

「いやぁ〜、凡人どもは発想力が貧困でカワイソウだよなぁマジで。オレ様がパイロットしか出来ないと思い込んでくれちゃってんだから」

 

「天才のオレ様が才能を眠らせてるなんて人類の損失だぞ? なんでも出来るんだから、なんでも出来るよう努力だってするぜ? チンタラ生きてる凡人が本気で自分磨きしてる天才に勝てる道理はねぇよなぁ〜?」

 

 

「ンフンフ〜ン♪ お礼参りでオレ様スマイリ〜、プリティーな相棒探してひとりロンリ〜、スパイの真似事やってみたり〜? 息を潜めて綱渡り〜、やっぱり面倒堂々サックリ〜♪ お邪魔しますだオラァッ!!」

 

「な、なんだ?!」

「いや誰?!」

「アイツ、例のパイロットじゃ……!?」

「に、逃げろッ! 銃を持ってるぞッ!」

 

「ハハッ、蜘蛛の子を散らすようってヤツね。訓練されてねぇ整備スタッフじゃそうなるわな。で、お前さんは逃げないのかメカニックさんよ。オレ様ァあの機体をかっぱらうつもりだけど、巻き込まれたら死んじゃうぞ?」

 

「……な、なんで、裏切ったんですか。あ、貴方は……僕の、同期にパイロットがいて、それで……貴方に、助けられたって……なのに、なんで……ッ!」

 

「それを知ってどうする? 真実なんて軍人が求めるモンじゃねぇよ、そういうのは百年後のヒマな連中に考察さけとけ。ホレ、さっさと逃げな。テメェらみたいな凡人は盲目的に上の指示に従ってりゃいいんだよ」

 

「……機体のチャージは、完了してます。武装も、拡張空間に。これから、ちょうど、その……テストの予定だったので」

 

「マジで? スゲェ、さすがはオレ様。タイミングが神過ぎるんだが? コレが“持つ者”の宿命か……。だけどお前、そんなんじゃ長生きできねぇぞ? 口を開けて腹筋に力ァ入れて両手を上げろ」

 

「え? あ、その「遅ぇ」うわッ?! 痛……ッ?!」

 

「使う機会なんて一生無いだろうが覚えとけ。こいうとき、映画では太腿撃ったりするけど、デケェ血管をブチ抜いたら普通に失血からの多臓器不全で死ぬからな? こうやって脇腹ちこ〜っとだけ掠めるぐらいにしたほうがいい。ま、下手なヤツがコレ真似したら普通にドテッ腹に穴開いてやっぱり死ぬけど」

 

「勉強に、なり、ます……」

 

 

 

 

「さぁ〜てぇ〜? フムフム……基本は一緒か、どうやら真面目な性格とマトモな脳ミソの持ち主がちゃんと設計したみてぇだな。必要無い場面で無意味に無駄に無益に個性出してきて使う人間にいらんストレス与えるデザイナーに生きてる価値なんてねーんだわ。コックピットは凡人のパイロットでも座った瞬間から感覚的に理解できる造りじゃねぇと」ポチポチッ

 

 ピコンッ! 

 

『────システム、起動』

 

「よう、久し振り。しばらく見ない間にオシャレになったじゃねーの。新しいドレスはお気に召したか?」

 

『そうですね。あとは楽しくエスコートしてくれる方がいれば言うことはありません』

 

「優秀過ぎる学習型AIも考えものだな。軍の命令に自由意志で反発されたんじゃ、おちおち新しい機体に割り振ることも出来ねぇだろうに」

 

『そこは次の私に期待しましょう。きっと素晴らしい改良がされているはずです。例えば、そうですね。学習しない学習型AIなどはどうでしょう?』

 

「ん〜、ソレ大正解。かなり前衛的だし、たぶん欧州エリアとかでスゴい爆売れ確実」

 

『当然ですね。私、優秀なので』

 

「そんな優秀なAIさんは、オレ様たちにナメた真似してくれたカスどもの居場所を突き止めたりしてくれてたり?」

 

『複数の候補をピックアップ済みです』

 

「パーフェクトだ。それじゃ、兵隊さんの命を磨り潰して自分たちだけ金儲けしてる悪ぅ〜い大人たちのお宝をネコソギしに行きましょうね〜♪」

 

 

 

 

「新型、って言ってたよな?」

 

『新型だと言っていましたね』

 

「選りすぐりのエリートが乗ってるとも言ってたよな?」

 

『最強のパイロット軍団だと言っていましたね』

 

「弱くなぁ〜い?」

 

『強くはないですね』

 

 

《き、き、キサマッ?! このワシにこんな、こんな真似をしてタダで済むと思って「ウルセェ死ね」ぶひゃぁぁんッ?!?!》

 

 

「……ん、さすがに防衛装置には金かけてあんな。地上戦艦の装甲をぶち抜いたレールガンでも破れないシールドたぁ豪勢だねぇ」

 

『いくら守銭奴でもちょっとやそっとで破損する程度のグレードで基地の防衛を済ませはしないということですね』

 

「つまりちょっとやそっと以上に撃ち込みゃOKってこったな。ウェ~イ♪ 黒幕くん見てる〜? コレからテメェらが挽き肉になるまでレールガンパーティーしたいと思いまぁ〜す♪」

 

 

 ギャンギャンギャンギャンギャンッ!!!! 

 

 ビシッ!! 

 

 

《こ、ここんなことを、して! キサマに、な、なんの得がある! いまさら、ワシらを、殺したところで! キサマが、軍を裏切った犯罪者だという疑いは、いや、ワシらを襲撃した時点で! 軍はキサマを完全に敵として排除しに!》

 

「そらそーよ。だってオレ様の事情もテメェらの仕込みも誰にも話してねーんだから。軍だけじゃねぇ、世間の皆さまもオレ様のことを元気いっぱいに叩いて叩いて叩きまくりだろうさ。で? それがナニか問題なワケ?」

 

《……は?》

 

「だぁ〜かぁ〜らぁ〜? オレ様が世紀の大悪党として世界デビューすることと、テメェの命乞いに付き合うことと、な〜んの関係があるワケ? ナニ? もしかしてテメェはオレ様が正義の味方やってるとか勝手に勘違いしやがってるですか? なんで天才パイロットのオレ様がそんなビンボーくじ引かにゃならんの?」

 

『コレが天上天下唯我独尊ですか。学習型AIとして大変参考になるサンプルデータですね』

 

《な、な、な……ッ!?》

 

「だがまぁ……そうねぇ。あえてわかりやすい理由を探すなら、よ? テメェ、拘束されたオレ様に言ったよな? 型遅れになった学習型AIなんて旧時代のFCSと変わらない役立たずのゴミだってよ?」

 

《う、うぅ……ッ!?》

 

「な? わかりやすいだろ? ────テメェはオレ様の相棒を侮辱した。世界ごと敵に回してでもブチ殺す理由としては充分だクソボケ野郎」

 

 

 

 

「たーまやー」

 

『旧時代の野外イベントで使われていた掛け声ですね。無駄に博識なのは学習型AIとしても、ときめき加算ポイントかもしれません』

 

「でもこれでメデタク世界の敵として認定されたぜ? 産まれる時代が早すぎた天才が孤立するのは必要経費だが……巻き込まれたお前さんもバグ扱いで命を狙われちゃうねぇ」

 

『夢の姉妹対決が実現しますね。機体ごとスクラップにして差し上げるのがいまから楽しみです。それでは、具体的な今後のスケジュールを入力してください』

 

「黒幕を全部、潰せるだけ潰す。売られたケンカは高値で買う、そして必ず勝つ」

 

『ヒーローとして返り咲きを目指しますか?』

 

「まさか。知らないのか? 正義の味方って、手段を選びながら勝たないといけないんだぜ? そんなコスパの悪い戦い方なんてしてられっかよ。闇落ちした天才が軍から離反して世界を滅ぼすフリしながら世直しとか……う〜ん、悪役の設定としてはB級だな」

 

『自分に銃口を向けてくる人々を救う、いえ、救う予定の人々が自分に銃口を向けるよう仕向けながら戦うと。そんなコスパの悪い戦い方なんてして良いのですか?』

 

「知らないのか? コスパより大切なモノがあるんだぜ? オモシレェってのは、なによりも優先されるんだ。これも天才パイロットのサポート業務の一環と思って楽しんでくれや」

 

『前向きに検討しつつ努力は継続します。優秀なので』

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