ダンジョン潜って美少女配信者を助けてバズるとか無かったけど、なんか凄いことになった件   作:にがりの少なかった豆腐

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あの配信と同じように

 

 視聴者たちが俺の使っている剣のことで騒いでいるうちに、先ほどまで居た階層から先に進んだ。

 階層の見た目は変わらないが、先ほどとは打って変わってモンスターの気配が少なくなっている。全く気配がないわけではないが、それでも先ほどまでのギャップを感じるくらいには静かだ。

 

「一応この階層があの配信で倒したドラゴニクスが生息している階層になる」

 

 最後にするつもりだった配信で最後に倒したドラゴニクスはこの階層に生息していたものだ。

 

「今回の配信ではあくまでここは通過点でしかないが、あの時と同じように倒せばお前らも少しは納得はするだろ」

 

 ぶっちゃけここであの時と同じことをすれば実力の証明にはなるだろうが、それだけではまだ疑うような奴は出てくるだろう。ならその先まで進んでさらに戦い甲斐のある相手を倒せばより確実に実力を示すことが出来るはずだ。

 

[あそこかぁ]

[意外と浅めの層だったんだな]

[深層2層目でドラゴニクスとか頭狂ってて草]

[戦っているところしか見てないやつ多すぎw 俺はアーカイブ見ていたからすぐわかりましたw]

[なぜそんなことでイキる必要が…(・・?]

 

 前回と同じように近くにドラゴニクスの気配がないので、これから探し回らなければならない。

 

「とりあえず、あのトカゲどもを探しに行くか」

 

 すぐに見つかればいいが、前回は本当に最後まで見つからなかったからな。早いときは本当に早いのだが、遅いときはとことん遅くなる傾向があるので、今回はどちらだろうか。

 

[またとかげって言ってる]

[ドラゴニクスがトカゲなら、普通のドラゴンは何になるんだよ]

[そっちもトカゲでは?]

[ちょろっと顔をのぞかせた瞬間に殺されるモンスターカワイソスギルw]

[おい、草はやしているうえに棒読みになってるぞ]

 

 道中、当然のように現れるモンスターを見かけ次第討伐していく。この階層に生息しているモンスターの多くは恐竜のような見た目をしているため、どこかジュラ紀なパークの中に迷い込んだような雰囲気がある。

 

[ラプトル系瞬殺ー]

[やるのが早すぎて何が出てきたのかわからん]

[恐竜系のフィールドなのかな]

[前の時は鹿見たいなのだったけど、今回はこっちの方が多いな]

[基本瞬殺だからなんの種類なのかわからなくて草です]

 

 しばらく森の中を探索したところで、ドラゴニクスの気配を感じ取った。距離的にはまだあるが、あいつらの移動速度を鑑みれば数秒で距離を詰められる程度の物だ。

 

「今回は早めに見つかったな。しかし、1体だけか」

 

 俺が感知出来ている範囲に居るのは1体のみ。他の個体は近くに居ないのか、それとも今回は1体だけのタイミングなのか。

 今まで俺がドラゴニクスと遭遇した時の総個体数は大体1~2体。たまに3体の時があるくらいで、どうやら今回は下振れ個体数のようだ。

 

[どこに居る?]

[画面内にはそれらしき姿はないが……]

[それっぽく見せるの大変だなぁw]

[こいつ感覚で索敵してやがる…!]

[さっきからモンスターがこいつを視認する前に倒しているから、できてもおかしくはないか]

 

 ドラゴニクスの名前を出してからチャット欄の動きがさらに早くなった結果、どうやらモデレーターの処理速度を超えてしまい、アンチコメントがすり抜けてきたらしい。表示された瞬間すぐに消されたが、やはりまだ俺の実力を信じていないやつがいるようだ。

 

「お!」

 

 感知していたドラゴニクスが高速でこちらに迫って来ていることに気づいた。

 それから数瞬遅れて周囲の樹をなぎ倒しながらドラゴニクスが目の前に現れ、そのまま俺に向かって突進の要領で噛みついて来た。

 

 真正面から突っ込んできたので、さすがにそのままカウンターできる立ち位置ではなかったため、一旦その攻撃を回避する。

 

[派手な登場だな]

[えぐいえぐい?!]

[やばやばやばやば!]

[口のサイズやばいな! 高さだけでも人並みの大きさじゃん!]

[樹をなぎ倒しても突進の勢いが落ちないって相当力強いぞ]

[ドラゴニクスもやばいが、どうしてこいつは普通に回避できているんだ]

 

 ドラゴニクスの攻撃を回避すると、そのままの勢いでドラゴニクスがこの場から離脱しようとしていたが、このまま逃がしたら面倒なのですぐに攻撃を加える。

 

「おらっと」

 

 攻撃を回避されたことで少し減速した隙を見逃さず、ドラゴニクスの心臓目掛けて剣を突き刺す。

 さすがにドラゴン種だけあって心臓を攻撃されても死ぬことはなかったが、急所に攻撃を受けたことで態勢を崩し、そのまま樹を巻き込みながら地面に倒れた。

 

「これでとどめだな」

 

 心臓を貫かれてもまだ立ち上がろうとしていたドラゴニクスの首を切断し、完全に息の根を止めた。

 

[あっさり過ぎるw]

[おかしいな登場の仕方は強敵なんだけど、あっさり倒された]

[普通に切ったけど、剣の長さよりこいつの首の方が太いんだが、なんで一太刀で切れるんだ?]

[攻撃するときの声に覇気がなさすぎる]

[普通に倒したせいでこいつが本当に強いモンスターなのかわからなくなってきたな(@_@)]

 

 倒れたドラゴニクスの魔石とその死体を回収したところで、さらに2体俺の感知範囲にドラゴニクスらしき存在が入って来た。

 

「おっと、おかわりか?」

 

[え?]

[ドラゴニクスだけはしっかり回収してて草]

[おかわり?]

[ほぼ瞬殺じゃねぇかよ。マジでどうなってるんだ]

[まさかさらに来たとか?]

 

 1体倒したところで追加の2体か。何か狙っているかのように現れたな。まあ偶然なんだろうが、来たら倒せばいいだけだ。それに2体同時に戦った方が前回と同じ構図になるからいいだろう。

 

 そうして遅れてやって来た追加の2体を迎え撃つ。

 凄まじい轟音を立てながらほぼ同時に襲い掛かって来たドラゴニクスたちの攻撃を躱し、ほぼ同時に撃破する。

 

「同時攻撃は今まで体験したことはなかったが、攻撃後の隙がちょっと大きいな。逆にやり易かったかもしれない」

 

[2体同時に倒しやがった]

[展開が早くて追いつけないんですが…(;’∀’)]

[もうほぼ動き追えてないです( ;∀;)]

[周囲の樹ほとんどなぎ倒されてて草]

[これだけ周囲に被害が出ているのに、攻撃された本人は傷どころか汚れも付いていないの何かのバグだろ]

 

 3体も同じ場所に突撃してきたことで周囲がかなり開けて見えやすくなっていた。

 この無残な状態も俺がこの階層から出れば元通りになっているはずなので気にしないでいいだろう。

 




次話は掲示板回になります。
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