機動戦士ガンダム DoubT ~少年のウソが戦争となる~ 作:NageT
赤ずきんちゃんネルに二本目の動画を投稿してから、まだそれほど時間は経っていなかった。
それでも、86ちゃんTVの画面には新しい通知が絶え間なく流れ込み、再生数の横に表示された数字は更新するたびに少しずつ増えている。
ベルーガの一室で端末を開いていたケンは、その数字よりも下に並ぶコメントへ目を奪われていた。
「……なんか、前と違う。」
隣に座っていたノンが画面を覗き込む。
「何が?」
「コメント。」
第一回の動画を公開した時にも、数え切れないほどのコメントが付いた。
だが、あの時目立っていたのはケン達自身に向けられた言葉だった。
戦争の原因を作った人間が何を言っている。
海賊と一緒に闇試合へ出ておいて反戦を名乗るのか。
綺麗事だ。
信用出来ない。
もちろん、今回もそうした書き込みが消えたわけではない。むしろ再生数が伸びた分だけ、辛辣な言葉も増えている。
それなのにケンが違和感を覚えたのは、コメント欄のあちこちで、視聴者同士がケン達とは別の話を始めていたからだった。
『リボーンの住民が言ってることは分かる。捜索するなとは言えないけど、何時間も全部止める必要あったのか?』
その下には、すぐに反論が付いている。
『ガンダムで戦った指名手配犯がいるかもしれないんだぞ。何か起きてからじゃ遅いだろ。』
『でも結局何も起きてないじゃん。』
『それは結果論だろ。』
『兵士の説明は普通じゃない? 動画で戦争反対って言ってることと、指名手配されてることは別問題だろ。』
『俺もそう思う。あの兵士を悪者みたいに編集しなかったのは意外だった。』
「……これ。」
ケンが指を止める。
「俺達のことを褒めてるとか、叩いてるとかじゃない。」
ノンも黙ってコメントを追った。
『中立だから大丈夫って言ってた人、俺も同じこと思ってたわ。』
『でも本当に戦争になったら中立だから絶対安全って保証あるのか?』
『そもそも連邦とコロニー国家連合って、なんでここまで揉めてんだよ。』
『ニュース見ろよ。』
『ニュース見ても両方自分達が正しいって言ってるだけじゃん。』
『兵士も戦争したくない、住民もしたくない、動画の二人もしたくない。じゃあ誰が戦争したいんだ?』
最後のコメントを読んだところで、ケンの指が止まった。
「……これ、俺達が動画の中で言ってたことと同じだ。」
「そうね。」
「でも俺達が聞いてるんじゃなくて……。」
ケンは少しだけ画面へ顔を近付けた。
コメント同士が繋がり、その下にまた別の意見が付いていく。
誰かが答えを出しているわけではない。
むしろ意見はバラバラだった。
軍の行動を当然だと考える者。
中立コロニーへの軍の介入を警戒する者。
ケン達を信用出来ないと言う者。
戦争そのものを恐れる者。
それでも、以前とは確かに違う。
「……みんな、自分達で話してる。」
ノンの言葉に、ケンがゆっくり頷いた。
「うん。」
何となく嬉しくなって、口元が緩む。
「これって……結構すごくない?」
「何が?」
「いや、だってさ。最初は『お前が言うな』ばっかりだったじゃん。」
「今もかなりあるわよ。」
「それは見えてる!」
ケンが即座に言い返すと、ノンの口元が僅かに緩んだ。
「でも、それだけじゃなくなってる。」
ケンはもう一度コメント欄を見る。
「俺達のことじゃなくて、戦争のこと話してる。」
そう言葉にしてみると、思っていた以上に胸に響いた。
再生数が増えた時も嬉しかった。
百万人以上が動画を見たと知った時など、最初は数字を何度も見直したほどだ。
けれど、今感じているものはそれとは少し違う。
ケンケンちゃんネルをやっていた頃は、動画を見てもらうことそのものが目標だった。登録者が一人増えただけで喜び、コメントが一つ付いただけでも何度も読み返した。
今は、ただ見てほしいわけではない。
自分達が正しいと認めてほしいわけでもない。
画面の向こうにいる誰かが、一度でも戦争について考えてくれればいい。
そう思って始めた動画だった。
「……これが、やりたかったことなのかも。」
ケンが呟く。
ノンはしばらく画面を見たまま黙っていたが、やがて小さく頷いた。
「そうかもしれないわね。」
その返事だけで、ケンの顔が明るくなる。
「じゃあ成功じゃん!」
「まだ二本しか出してないでしょ。」
「もうちょっと喜ばせてよ!」
「百万回再生された時に十分喜んだでしょ。」
「喜びに上限なんてないんだよ!」
「そう。」
「反応うっす!」
いつもの調子で騒ぎながらも、ケンの視線はコメント欄から離れない。
次々と新しい書き込みが追加されていく中、今度は少し違った種類のコメントが目に入った。
『中立コロニーばっかじゃなくて連邦側の人間にも聞いてみてほしい。』
『コロニー国家連合の人間が全員戦争したがってるみたいには思わないでくれ。』
『こっちにも戦争なんか嫌だって奴はいくらでもいる。』
『軍人にも聞いてみてくれよ。本当はどう思ってるのか。』
ケンはスクロールする手を止めなかった。
『俺は戦争になっても仕方ないと思ってる。反対の奴だけじゃなく、そういう意見もちゃんと聞けるのか?』
『連邦の奴らに家族を殺された人間でも戦争反対って言えると思う?』
『どっちも戦争したくないって言ってるだけじゃ何も分からない。なんでここまで対立したのかも取り上げてくれ。』
そこまで読んだところで、ノンが静かに息を吐いた。
「……やっぱり、まだ全然足りないわね。」
「え?」
ケンが振り向く。
ノンは端末を指差した。
「私達が今まで話を聞いた人達。」
「海賊と……リボーンの人達?」
「それに闇試合に参加していた人達ね。」
「うん。」
「でも、地球連邦の中で普通に暮らしている人達や、コロニー国家連合の中で暮らしている人達の声は、ほとんど聞けていない。」
ケンも言われて初めて、その偏りに気付く。
「……確かに。」
「私達は戦争を止めたい。」
ノンは淡々と続けた。
「でも、今のままじゃ『戦争は嫌ですか』って聞いて、嫌だって答えた人の声を集めてるだけになりかねないわ。」
「うーん……。」
「もちろん、それも大事よ。でも、それだけじゃ足りない。」
ノンはコメント欄へ視線を戻した。
「戦争になっても仕方がないと思ってる人がいるなら、どうしてそう思うのか聞いてみたい。」
「……うん。」
「地球連邦を許せないと思ってる人。コロニー国家連合を許せないと思ってる人。軍に家族がいる人。戦争になったら困る人。逆に、戦わなきゃいけないと思ってる人。」
そこまで並べられると、ケンも腕を組んで唸った。
「めちゃくちゃいるな……。」
「世界中の話を聞こうとしてるんだから当然でしょ。」
「そうなんだけどさ。」
少し考えた後、ケンが口を開く。
「でも、そういう人達の話も動画にしたいな。」
「ええ。」
「俺達と全然違う考えでも。」
「そのためのチャンネルでしょ。」
ノンの返事に、ケンは笑った。
「そうだった。」
そこで二人の端末に、新しいコメントが追加された。
『コロニー国家連合の人間が全員戦争したいと思ってるわけじゃない。俺達の側の話も聞いてくれ。』
ケンが指を止める。
「……ノン。」
「見えてる。」
続いて、別の書き込み。
『連邦側にも来いよ。お前らに言いたいことある奴なんて山ほどいるぞ。』
さらに。
『うちの親父は軍人だけど戦争なんかしたくないって言ってる。兵士にも家族がいるってこと忘れないでくれ。』
その下には、
『でも軍人なら命令されたら戦うんだろ?』
『だから怖いんだろ。戦いたくない奴同士でも命令で戦うかもしれないってことじゃん。』
というやり取りが続いていた。
ケンはしばらく何も言わなかった。
それから、ゆっくり椅子の背もたれへ身体を預ける。
「……なんかさ。」
「何?」
「俺達が聞きに行くだけじゃなくなってきたね。」
ノンがケンを見る。
「最初は俺達が『話を聞かせてください』って探し回るつもりだったじゃん。」
「ええ。」
「でも今は向こうから、『こっちの話も聞け』って言ってくれてる。」
ノンは一瞬だけ驚いたように目を瞬かせた後、画面へ戻した。
「……そうね。」
短い返事だったが、その声は少し柔らかかった。
「届いてるんだ。」
ケンが呟く。
「俺達の声が届いて、その向こうから別の声が返ってきてる。」
百万回という数字を見た時より、その実感はずっと強かった。
世界のどこかに、自分達とは会ったこともない人間がいる。
その人達が動画を見て考え、時には怒り、反論し、それでも自分の意見を書き込んでいる。
ケンには、それが何よりも大きな変化に思えた。
「よし!」
突然、ケンが勢いよく立ち上がる。
「次行こう!」
「……どこに?」
「そこは今から決める!」
「決めてから立ちなさいよ。」
「勢いって大事でしょ!」
「あなたの場合、勢いだけで動くのが問題なのよ。」
「うっ……。」
思い当たる節が多すぎて、ケンは反論出来なかった。
そんな二人のやり取りの途中で、部屋の扉が開いた。
「随分賑やかでやすね。」
顔を出したのはグレアーだった。
「あ、グレアー!」
「ちょうどよかった!」
二人から同時に声を掛けられ、グレアーは僅かに眉を上げる。
「なんでやす?」
「次の取材先探したい!」
ケンが勢いよく言うと、グレアーは「あぁ」と納得したように頷いた。
「そういうことなら、ちょうどあっしも話がありやした。」
「え?」
「ブリッジに来てくだせぇ。」
それだけ告げると、グレアーは先に部屋を出ていった。
ケンとノンは顔を見合わせる。
「なんだろ?」
「行けば分かるでしょ。」
「それはそうだけど。」
二人は端末を閉じ、グレアーの後を追った。
ベルーガのブリッジでは、中央モニターに周辺宙域の航路図が表示されていた。
リボーンコロニーを離れたベルーガは、そのまま暗礁宙域からも距離を取りながら次の航路へ向かっている。
以前までなら、何よりもまず追跡を避けることが優先だった。
もちろん今もその事情は変わらない。
ベルーガそのものも、ケン達も、自由にどこへでも入れる立場ではなかった。
グレアーは端末を操作しながら、いくつかの地点をモニターへ表示する。
「次に行く場所についてなんでやすが、お嬢と坊主が言ってた条件に近い場所をいくつか探してみやした。」
「もう?」
ケンが目を丸くする。
「仕事が早い!」
「坊主らがコメント見て騒いでる間にやってただけでやす。」
「聞こえてたの!?」
「船の中であんだけ騒げば聞こえやすよ。」
ケンが少し恥ずかしそうに頭を掻く横で、ノンはモニターへ目を向けた。
「どういう場所?」
「連邦とコロニー国家連合、どちらか一方の色が強すぎる場所へいきなり入るのは危険でやす。」
「やっぱりそうよね。」
「リボーンの件もありやすからね。」
グレアーは一つの航路を拡大する。
「そこで、両方の勢力圏を行き来する民間船が比較的多く集まる交易地点を候補にしてやす。」
「交易地点?」
「補給、積み替え、船の修理なんかで色んなところから人が集まる場所でやす。連邦出身者もいれば、コロニー国家連合から来る商人や運送屋もいる。」
ケンの表情が変わった。
「それ、いいじゃん!」
「まだ行けるとは決まってやせん。」
「えー。」
「『取材したいから行きます』で簡単に入れる立場じゃないって、リボーンで散々思い知ったでしょうが。」
「……はい。」
即座に勢いを失ったケンを見て、グレアーは小さく肩を竦めた。
「ただ、条件としては悪くありやせん。まずは周辺の警備状況と入港条件を調べてみやす。」
「お願い。」
ノンが答える。
その時、モニターの端に別の情報が表示された。
ケンは何となく目を向ける。
「……これ何?」
「ん?」
グレアーが視線を追い、表示された情報を確認する。
「あぁ。航路情報でやす。」
「なんか警告出てるけど。」
周辺宙域の一部に、注意を示す表示が出ている。
グレアーは数回端末を操作し、最近の通信記録を呼び出した。
「暗礁宙域外縁から、この辺りにかけて……最近、小規模な襲撃事件が何件か報告されてるみたいでやすね。」
ノンが僅かに眉を寄せる。
「海賊?」
「まだ分かりやせん。輸送船を狙った賊の類だとは思いやすが。」
「レッドスワンじゃないよね?」
ケンがすぐに聞く。
「違いやすよ。」
グレアーは即答した。
「ナーベル達の縄張りからも外れてやすし、今のレッドスワンがこんな真似する理由もありやせん。」
「だよね。」
そう言いながらも、ケンは表示された警告をじっと見つめていた。
つい少し前まで自分達がいた暗礁宙域。
カストロファミリーを中心に、海賊やマフィア、傭兵達が入り乱れていた場所。
ドン・カストロが死に、長く彼に縛られていたレッドスワンは自由を手にした。
それで全てが綺麗に収まるわけではないのだと、改めて思わされる。
「最近増えたの?」
「報告を見る限りでは、そうみたいでやす。」
グレアーがいくつかの記録を開く。
「大きな被害はまだ出てやせん。ただ、単独か少数で航行してる輸送船を狙って、積荷を奪う連中が出てるみたいでやす。」
「戦争も始まってないのに……。」
ケンが思わず呟く。
「始まってなくても、世の中が不安定になりゃ、それを利用する奴は出てきやす。」
グレアーの言葉に、ブリッジの空気が少しだけ重くなった。
地球連邦とコロニー国家連合が対立を深めている。
ニュースではそればかりが流れている。
だが、その影響は二つの勢力だけに留まらない。
物資を運ぶ船。
商売をする人。
辺境のコロニー。
そして、混乱に乗じて利益を得ようとする者達。
まだ戦争は始まっていない。
それでも、その空気だけで世界は少しずつ変わり始めている。
「……こういう人達の話も聞けたらいいね。」
ケンが言った。
ノンが横を見る。
「襲われた人達?」
「うん。それに運送してる人とか。」
ケンは航路図を見たまま続ける。
「俺達、コロニーに住んでる人のことばっかり考えてたけど、宇宙を行き来して生活してる人もいるじゃん。」
「そうね。」
「戦争になったら航路だってどうなるか分かんないし。」
ノンは少し考えてから頷いた。
「次の取材先で、そういう人達にも聞いてみましょう。」
「うん。」
その会話を聞いていたグレアーが苦笑する。
「取材相手がどんどん増えていきやすね。」
「いいじゃん!」
「坊主がちゃんと編集出来るならでやすが。」
「そこはノンが――」
「私に押し付けないで。」
「まだ何も言ってないじゃん!」
「言う前に分かるわよ。」
二人の言い合いが始まり、グレアーは呆れたように息を吐いた。
だが、その表情はどこか楽しそうでもあった。
しばらくして、ケンとノンは再び自室へ戻っていた。
次の目的地候補についてはグレアーが引き続き調査することになり、二人に出来ることは今のところ待つことくらいしかない。
ケンは椅子に座り直すと、もう一度86ちゃんTVを開いた。
「また見るの?」
「ちょっとだけ。」
「さっきからずっと見てるじゃない。」
「いや、なんか面白くなってきちゃって。」
「コメント欄を娯楽にしないで。」
「そういう意味じゃないって!」
ケンは慌てて否定しながら、増え続けるコメントを眺める。
そこには相変わらず厳しい言葉も多い。
『こいつらに何が出来るんだよ。』
『戦争なんて動画一本で止まるわけない。』
『理想論。』
一方で、
『それでも戦争にならない方がいいだろ。』
『無理かもしれないけど、何もしないよりはマシじゃない?』
『次はどこ行くんだ?』
そんな書き込みも増えていた。
そして、その中に一つ。
ケンの目を引くコメントがあった。
『コロニー国家連合の輸送業者です。』
ケンの手が止まる。
『俺は軍人じゃないし、連邦と戦いたいとも思ってません。』
『最近は航路が不安定になって仕事もやりにくくなってきています。』
『戦争になればもっと酷くなると思います。』
『もし本当に色んな人の話を聞くつもりなら、俺達みたいな人間の声も聞いてください。』
ケンは最後まで読み終えると、しばらく画面を見たまま動かなかった。
「……ノン。」
「何?」
「これ。」
端末を少し傾ける。
ノンもコメントに目を通した。
読み終えた後、二人の間に短い沈黙が流れる。
「さっき話してたばっかりなのに。」
ケンが小さく笑う。
「運送してる人の話も聞きたいって。」
「ええ。」
「向こうから来た。」
その言葉に、ノンの視線ももう一度コメントへ落ちる。
今までは、自分達が世界へ向かって声を投げていた。
戦争を止めたい。
色々な人の話を聞きたい。
考えてほしい。
その言葉が本当にどこまで届いているのか、二人には分からなかった。
だが今は違う。
リボーンで暮らす人達。
連邦側から来た者。
コロニー国家連合で暮らす者。
兵士の家族。
輸送船で働く人間。
立場も考え方も違う人達から、「自分達の話も聞いてほしい」という声が返ってきている。
「……俺達が次に聞く声って。」
ケンが呟く。
「もう、俺達だけで探さなくてもいいのかもしれないね。」
ノンは少しだけ考えた後、首を横へ振った。
「探すのをやめるわけじゃないわ。」
「え?」
「待っているだけじゃ、聞けない声もあるでしょ。」
そして、僅かに笑う。
「でも。」
「うん。」
「向こうから届けてくれる声があるなら、それもちゃんと聞きましょう。」
ケンも笑った。
「だね。」
画面の中では、そのコメントにも少しずつ返信が付き始めていた。
『俺も運送やってる。最近マジで怖い。』
『暗礁宙域の近くは避けた方がいいぞ。』
『昨日も輸送船が襲われたって聞いた。』
『戦争前からこれじゃ、本当に始まったらどうなるんだよ。』
ケンはその言葉を眺めながら、少しだけ表情を曇らせた。
まだ戦争は始まっていない。
それでも、世界はもう何も起きていないわけではない。
誰かが怯え。
誰かが怒り。
誰かが自分達の生活を心配し。
そして、誰かがその声を届けようとしている。
ケンは端末を閉じず、その一つ一つを追い続けた。
自分達の声を聞いてほしい。
そんな願いを持って始めた赤ずきんちゃんネルへ。
今度は世界の方から、いくつもの声が集まり始めていた。
その中にはまだ、ケン達が知らない現実もある。
画面の向こうで語られているだけだった危険が。
もうすぐ、自分達の目の前に現れることを。
この時のケンは、まだ知らなかった。