異世界に転移したら植物系魔人だった!   作:藤海 佐月

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かみさま

 

 

 

 

 

まっしろな空間だ。

まるで格闘ゲームのトレーニングルームのようなラインが入っていて、巨大なタイルのようである。

そこにイキナリ瞬間移動してきたかの様に茶色の肌を持つ人が現れた。

 

 

 

♦︎

 

 

「…うぅん、ここは?」

 

ヤバいな、全く知らんとこに来てしまった。

どうする?

 

あの後、身体が耐えられなかったか、何かに追い打ちを掛けられたか。

要するに死んだか。

 

それとも無我の境地に達したか?

 

いや、ここは神との遭遇なのか?

フッ最初からそうだとわかってさ。

 

……しかし、神がいない。

どーゆーことだ?

まさか、謎空間”いしのなか”だとでも?

いやいや、なんと”ガコッ”

「ウワッ!」

なんかの民族みたいな声がでた。

めっちゃ恥ずかしい。だっていきなり大きな音がするんだ。しょうがない。

 

音源を見れば黒い穴がある。

……………くぐるしかないっしょ。

それ以外に道はないしな。

 

黒い穴の中は通路のようになってる。

足場や壁はガラス張りの様になってるようだ

そして、ガラスの奥は闇が蠢いている。

つまり、真っ暗。

取り敢えず入ったら入り口が消えた。

なんも、見えへん。

 

「怖いなぁ、しかし私は歩み続けることしか出来ないのだ!」

 

 

意外に長い、10分位歩いてる。

 

 

更に30分歩いた。

疲れたから座ろっと

うっっすらーと目を凝らすと闇は蠢いてるというか、俺に向かってる?ん?何かを出している。手かな?

と言うか、人じゃね?

 

「……見なかったことにしよう」

 

昔読んだ蜘蛛の糸の亡者みたいなのがいた

南無。

 

「しかし長い。そうだ、あの時無理矢理使った魔力擬きを使おう」

 

もしかしたら神が与えた修行回かもしれないし。

確か、丹田から引っ張ったら心臓を回って腕にいったはずだから。

今度は足に。

「魔力強化」

ブォン。おお、百足と戦ったときは気づかなかったがオーラの様なものが。

さて、いくか。

 

1時間後

「限界をこえロォー、唸れ俺の脚ぃ!」

 

2時間後

「…なっがいよ、流石に予想外だよ。」

だって、通常の3倍は出てるんだぜ?

もうフルマラソン以上に走ってる気がする。

スタミナも魔力で強化されるようだが疲れが見えてきた。

 

途中からいつか、いつか着くんだ。ほらもうすぐゴールだとか思ったがもう無理だ。仕方がないのでもう帰ろう。入口がしまっていて出られないかも知れないがそのときはそのときだ。

 

 

さて、帰ろうと思ったのだが振り向いた瞬間、閃光が走った。

 

目が慣れて来たら、だんだんと風景が見えてきた。というか初めのトレーニングルームだわ

まぁ十字架に人吊るしてあったけども。

 

 

 

「と言うか、イエス様?」

 

 

 

 

おっと、未来が大きく変わったか。

しかも今日が私の誕生日だとわ。

え〜と、ほうほう。ここの所増加していた自殺者が30年後頃から大幅に減るか……

 

「喜ばしいことじゃあないか!」

 

いやはや嬉しいものである。

ここのところ、これから先を憂うものの叫びが多くてね。神界でも大変だというしね。

さて、今日はどんなことがあったのかな?

 

 

……うっうぅ。

不覚にも泣いてしまった。

いい話じゃあないか

自分が死の瀬戸際なのに、相手を叱咤激励するその心意気。

そして、想いを受け取り未来へのアテもない努力をする若者。

なんというエピソード。

 

 

そうだ、この人を異世界に転生させよう。

復活させてやりたいが、それは今の責任ある立場では難しい。

転生と言えば、たしかマルティナがいたはずだし、彼女の世界に転生させて貰おう。

 

 

 

 

 

♦︎

 

 

 

 

「そうだとも、イエスだよ。それにしても時間がかかったね?普通の人ならあの中の人たち見たら引き返すんだけど?」

 

中の人とは、あの亡者たちだろう。

「と言いますと、私を驚かせたかったのですか?」

そしたら、幾ら何でも趣味が悪い。

そのときは、早急に立ち去ろう。まぁ実際に立ち去れるかはわからんが。

 

 

「いや、違うよ。あの穴のテーマは今までの罪の重さと過去を振り返れといったところだよ。

まぁ本当は異世界に送る前にやる筈だったんだけどマルティナが張り切ってしまってね」

 

トホホ、という顔で落ち込んでいる。

嫉妬するのも馬鹿馬鹿しいくらいのイケメンさんである。

(しかし、やる筈だったとは?どういうことだ?そしてマルティナって?)

 

 

「まぁ、あれは簡易的な地獄ってとこさ。

一応の規則でね」

 

なるほど、一理ある。

確かに重犯罪を犯した覚えはないが何にもしていないわけでもないしな。

 

「おっと、時間が少なくなっているね。

ならば加護を授けよう。効果は生命力のアップといったところだよ、なにか質問はあるかい?」

 

「はい、マルティナという方を知らないのですが…その、どなたでしょう?」

 

「あれ?合わなかった?その体だと確実に干渉はされているはずだけど。大きい木は無かったかい?」

 

「えぇ、ありましたが」

 

「ならばきっと、君の転生で予想以上に体力を使ったようだね。

彼女は再生と破壊の女神。そして世界樹に腰を下ろしている」

 

ならば、あのデカい木は世界樹か。

ふむ、色々と聞きたいことはあるがもう時間のようだ。

 

「ありがとうございました。もう何も質問はありません。」

 

「そうか、ではもう会えないかもしれないが君が何になろうとも君の正義を、信念を貫き通すんだよ」

 

「はい、分かりました。では。」

 

「ああ、君に幸あらんことを」

 

 

 

 

そこで意識がきれた。

 

 

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