ネタバレ解釈ですので
暗君はWEB版最後まで
地に落ちは最初の方を読んだ方推奨です。
音と熱が消え去り無音と感覚が消え去った。完璧に調律された理想の世界がそこにはあった。
あぁ……これが……救い
そう思った時だった。
不意に視覚と音だけが戻ってくる。少し薄暗い棚に囲まれた部屋だ。棚には無数の本が収まっている光景が見える。
図書館だろうか。直感でそう思い込む。
「いかがでしたか?貴方の物語は」
後ろから急に声をかけられる。
振り向くと一人の女が佇んでいた。女なのか少女なのかはわからないが貫頭衣とベールをつけた司祭だろうか?
「物語とは?何ですか?」
「貴方の物語です。定められていた。」
「私は私の人生を私が生きたのだ。定められてなどいない。」
「そうですか……やはり貴方の意志と責任だと仰るのですね。」
「当然だろう!自分の人生を誰かが作ったなんて侮辱もいいところだ!」
腹立ちをそのまま声に出す。なぜだろう感情の抑えが効かない。
それにこの空間は何なのだろう。
「ここはなんなんだ?死後の世界とでも言うのか?」
「あぁそれはお気になさらずに……どうせ何も残らないのですから」
そう言うと手元で開いていた本を閉じこちらに顔を向ける。
ベールに隠され表情は見えない。
「貴方の責は貴方の物…でしたね?」
「そうだ。私の物であり誰の物でもない。」
「であるなら、その責任を取ってもらわねばなりませんね。」
「…………それが罰だというのか?」
「罰というなら罰でしょうし救いというのなら救いでしょう」
「それがどうあるかも含めて全ては貴方の物です。」
「ちょっと待ってくれ。せめて説明してくれ」
「貴方の責任において貴方の人生に関わった人の物語の責任を取ってください。」
「だからそれはどういう事か説明をだね。」
「無用です。どうせ記憶も記録も残らないのですから。」
「全ては許されている世界で貴方が貴方の責を全うされん事を」
会話が成り立たない。一方的な宣告だった。
視覚が途切れ音がなくなる。
朝だ
いつの間にか眠っていたらしい。枕元には空っぽのもふもふの友が恨めしそうに転がっている。
何やら嫌な夢を見たと言う感覚だけが残っている。
寝酒した後というものは常にそんな感じで起床するものだが夢の記憶は一切ない。
ノロノロと体を起こしルーチン化した動作で時計をみる。
いつもの起床時間であり起きたと言うことは会社に行かなくてはならない。
ぼくは会社に行くために動作を自動的にこなす。
会社に行く途中空腹感を覚えたのでお弁当を買う。
竜田揚げ弁当。
揚げ物がきつい年齢にはなってきたのになんとなく脂物を選んでしまう。
その日昼時に部下が辞めると言う暗いニュースを聞く羽目になる事を彼はまだ知らない。
そこから、人生が大きく動くことを
ハーメルン投稿がどんな物かお試ししつつここ最近考えていた内容の創作です。