「久しぶりだねタオリン!ねぇ、ここ2030年!?」
「いやぁ、ひとりぼっちだと思っちゃったけどタオリンがいて良かったぁ…ねぇ、彩葉どこ?」
目の前の生き物がはしゃぎながら俺に様々な質問を投げ掛けてくる。
その前に誰なんだこの子!?
「ちょっと待って!君は、誰?俺君のこと知らないんだけど…どこかで会ったことある?」
「ねぇね、…え?」
俺の話を聞いた生き物はピタッと止まり、俺を見て呆然とした次の瞬間…
「えぇぇえ!?本気で言ってるの!?いっぱい遊んだじゃん!忘れちゃったの!?」
「待って、そしたらかぐやと会う前に来ちゃった!?」
あたふたしながら辺りを駆け回る生き物…ん?今この子自分のことかぐやって言った?それよりも…
「ご、ごめん…俺もさっきここに来たばっかで…わかんなくて…でも、かぐやちゃん?とはさっき会ったよね?」
「…え?どゆこと?」
すると俺を見て頭にはてなを浮かべたこの子はそう言った。
もしかして、この子はさっきの出来事は知らないのか?
「えっとね…さっきのことなんだけど…」
そうして俺は話しだす。俺が死んだとき、この子にこの世界に飛ばされたことを説明した。するとこの子…もといかぐやちゃんはすごい驚きながら話してきた。
「え、タオリンはカリエス?ってやつに殺されてかぐやがこっちに来させたってこと!?カリエス許せねぇ…」
「まぁ…そうなるね。」
かぐやちゃんがさっき俺と会ったかぐやちゃんと同じ反応をしている。やっぱり同一人物なんだと思わせてくれる。
「てことは、かぐやをまだ知らないってことだよね?マジかぁ…もしかしたら、2030年じゃないのここ!?」
「わかんない…でも、歩いてみて確認する?」
「そうだねぇ…あ、そうだ、タオリンはかぐやのこと知らないんだよね…改めて、かぐやはかぐや!彩葉に会いにやって来た月のお姫様ですっ!」
「うん、名前は知ってる。俺はタオリン。かぐやちゃんが知る俺じゃないかもしれないけど、よろしくね。」
「うんっ!じゃ、歩こうか!よいしょ、よいしょ…」
するとウミウシ姿のかぐやちゃんは俺の足をよじ登り、肩に乗ってくる。多分だけど自分で歩くと遅くなってしまうのだろう。そんなことを思っていると…
「ーーーーーーーーー!」
「「…え?」」
この世界で初めて人に会った。ただ、何を喋っているのか分からない。そして槍みたいなものを持っていて、動物の革?みたいなものを着ている。すると、俺がはぴぱれにいた頃の記憶が脳裏に浮かぶ。
〜〜〜
『ねえねえ幸果さん、これってなんなの?』
俺が倒れてはぴぱれに引き取られてまだ日が短い日。
俺は人間界の歴史について幸果さんから貰ったスマホで調べていた。それを見せた幸果さんは「あー」と言いながら説明してくれた。
「えっとね〜、これは縄文時代って言って、確か年数は…」
〜〜〜
「8000年、前…」
「え…?」
「かぐやちゃん、ここ、君の知る時代より8000年も前に来ちゃったかも…」
「えぇぇぇぇぇぇぇえ!?」
かぐやちゃんはものすごい声で驚いていた。後に村に連れて行かれ、かぐやちゃんが色々話したらかぐやちゃんと何故か俺を神と崇められたのはちょっと恥ずかしかった。
でも、この村の生活にも慣れた際、俺達は目を背けたくなる出来事が起きた…病の流行だった。
俺の知る世界なら、薬や病院があったけど、ここは大昔の世界。そんなモノは一つもなくて、村にいる人達は日を追うごとに減っていく。そんな現状を見たかぐやちゃんは、ウミウシの姿で泣いていた。人の死を知らない、そんな瞳が揺れていた。
「なんで…なんで死んでくの?ねぇ、死なないで、お願い…死なないでよぉ…一緒にまた宴、するんじゃなかったの?ねぇ…ねぇ…!」
そんな姿を見た俺は、とても心が痛くなった。俺だって悲しかった。この村には、俺の言葉を理解してくれて、学習して俺達が話す言葉を話してくれた一人の女の子がいた。でも、その子も病に倒れて、亡くなった。初めて他人の死を見て泣き叫んだ。こうも、人を喪う気持ちが痛いと知った。今のかぐやも同じ気持ちなんだ。そうして泣いているかぐやを、俺が手で包み込み、安心させる。
「タオ、リン…」
「大丈夫、かぐやちゃん…俺が、ついてるから…」
「タオリン…タオリンはっ、死なない、よね?ずっと、かぐやと、いてくれる、よね?」
ずっと…か。
俺は自分の寿命がどれほどなのか知らない。そうすれば、約束できる保証はない。でも、この子は一人にしてはいけない。そう思った瞬間、口が開いた。
「一緒にいるよ。約束、する…」
「ホント…?かぐや、いなくなったら許さないよ…?お願いだよ、かぐやを一人に、しないでよ…?」
かぐやちゃんが弱った声で俺の手に頬を擦って涙を拭っている。俺は指を目元に置いて涙を拭ってあげた。その時のかぐやちゃんは、泣きながら微笑んでいた。そこから村の人達を埋め、弔った後に俺達2人の旅路が始まった。この村から出て、時代を超えた旅が…。
〜〜〜
かぐやside.
タオリンと旅して、数十年が経過した。
タオリンは老いず、私と寄り添ってくれている。どうやらホントの人間の体じゃないから、寿命が多いのかもしれないらしい。
私はタオリンと旅して、いろんな姿のタオリンを知った。
意外と怖がりなタオリン。甘いものが大好きなタオリン。人間じゃないと言いながらも感情豊かなタオリン、歌声がとてもきれいなタオリン、いろんなタオリンを知れて、ちょっと嬉しい。でも、そんなタオリンでも、ちょっと嫌なところがある。「幸果さん」の話をするタオリン。
どうやら自分が行き倒れていたときに拾ってくれた恩人らしい。
幸果さんの話をするタオリンは、凄いキラキラしている。そんなタオリンを見た私は…嫉妬、しちゃったんだ。
彩葉が好きなはずなのに、日に日にタオリンへの気持ちがどんどん大きくなっている。今じゃ彩葉の次にタオリンが大好きになっているんだ。
そして私はタオリンに、私は、こう、黒い気持ちを募らせてしまっている。私がその時タオリンを拾っていたら…幸果さんじゃなくて私にそのキラキラを向けてくれるんじゃないかって。私を、好きになってくれるんじゃないかって。
でも、そんな事はできない。私は幸果さんじゃないからそんな事は起きないんだって。でも、年数を重ねれば、きっと私に振り向いてくれる。そんな考え事を、寝ているタオリンの前で思ってしまっている。
「…zzz」
タオリンの寝顔は、可愛い。多分私の目にフィルターみたいな何かがついているのか、凄いキラキラして見える。
…今のタオリンは無防備だ。何を言っても許されるだろう。
私はタオリンの額にそっとキスをして、こう呟く。
「タオリン、大好きだよ。だから、かぐやのことも、好きになってね?」
いつか、叶う日を信じて。
〜続〜
そういやタオリン役の中島颯太さんの写真を改めて見たんすよ。そしたらなんとタレ目だったんすよ。そしてお話的にも彩葉達とも絡ませるということになってまして…
何が言いたいかというと酒寄家の弱点が発動し、ハーレム展開をしないといけない状況が生まれました。誠に申し訳ございませんでしたぁ!あと、初っ端からかぐやを曇らせました。そしてヤンデレになりつつある一方です。
ただそれを伝えたかっただけです。
それではまた、ばいなら〜。
(一作目みたいにかぐやか他のキャラと話すコーナー作ろうか悩んでます。)