与多垣「調子はどうだ沙耶?」
サヤ「うん。お父さんが作ったこのベルト…これなら戦える。」
私はZAIA本社に居るであろうお父さんと連絡を取り合っておりサウザーとの戦闘データをお父さんの端末に転送していた。
サヤ「でも…このベルトを見ても天津垓は反応を示さないのは何でだろう?」
私はスラッシュライザーを腰から外すとその手に持つベルト帯をじっと見つめた。
与多垣「お前と迅のベルトはZAIA本社で極秘に開発していた物だ。天津垓が知らないのも当然だ。」
サヤ「ZAIAか…ねぇ…お父さんの目指す未来って何?」
与多垣「どうしたんだ…急に?」
サヤ「ZAIAと飛電は一緒にヒューマギアの研究をしてるって聞いた…けど今の天津垓の行動は明らかに問題がある…ヒューマギアをあそこまで嫌うなんて…」
与多垣「彼が…そうか…」
サヤ「お父さんはどう思うの?ヒューマギアの事…」
与多垣「俺は… ヒューマギアに真の自由をもたらすのが俺の夢だ。」
サヤ「真の自由?」
与多垣「人間に使われるだけでは彼らは本当に幸せになれるのか?時々そう思う時がある。かつて亡がそうだったようにな…」
サヤ「亡…確か不破さんの脳内に亡のAIチップが埋め込まれてるって…」
与多垣「あぁ…その通りだ。全てはアークを滅ぼすためのな…」
サヤ「アーク…もしかして迅を復元したのはもしかして…」
与多垣「あぁ…アークを滅ぼしヒューマギアを解放するためだ…」
サヤ「アークを滅ぼす…どうやって?」
与多垣「アークを地上に誘き出す…そのためには滅亡迅雷net全員が必要だ。」
サヤ「どうして滅亡迅雷netが?」
与多垣「4人のうちの誰かをアークの器にして破壊する。それが迅と俺の建てた計画だ。おそらく器に選ばれるのは滅になるだろうが…」
サヤ「そんなやり方でアークを倒せるの?」
与多垣「倒さなければ…人類に未来はない…お前もわかるだろう?」
サヤ「……私は…」
-不破の自宅-
不破「サヤ?」
サヤ「突然お邪魔しちゃってすみません…少しよろしいですか?」
私はお父さんとの通信を終えると私は不破さんの自宅へと訪れて、チャイムを押すと風呂上がりだったのか髪がボサボサの不破さんが姿を現した。
不破「お前も風呂入るか?」
サヤ「いや…あの…私は…」
不破「あぁ…すまん。ヒューマギアだから風呂は駄目か…」
サヤ「私はヒューマギアなので汗をかかないんですよ。あと機械なので壊れちゃいます…」
不破「でもお前、時々着替えてるだろ?」
サヤ「色違いですけどね…シェスタから貰ったジャケットですが、戦闘時に生地の一部が傷んだりするので修繕も兼ねてシェスタカラーの服に着替えてます。」
不破「ヒューマギアは同じ服をずっと着てると思ったぞ」
サヤ「着替えるのは俳優、モデル系ヒューマギアを除くと私ぐらいじゃないですか?イズも基本は同じ服装ですし…」
不破「そういえばイズもいつも同じ服装だったな…」
サヤ「イズのスカートを見たら皺があるのが見えますよ。ずっと同じのを身に付けてるんですよ。」
不破「…お前が普通の人間だと時々勘違いする時がある…」
サヤ「私が?」
不破「お前と話していると普通の人間と話しているように感じる、お前は他のヒューマギアと違って1番人間に近いかもな…」
サヤ「そうですか…嬉しいような…少し複雑な感じです。」
不破「それより…話したいことがあって来たんだろう?」
不破さんが髪をタオルで拭きながらコーヒー牛乳を冷蔵庫から取り出してからこちらに視線を向けた。
サヤ「思い切ってA.I.M.S.を退職したはいいんですがこれからどうするんですか?」
不破「ZAIAをぶっ潰して刃を元に戻す…そのために俺は戦う…」
サヤ「ZAIAをぶっ潰す…ですか」
不破「そういうお前はどうなんだ?A.I.M.S.を抜けた上に仮面ライダーになった…言ってしまえばお前はあのZAIAの社長に対して喧嘩を売る事になる」
サヤ「私には力がありませんでした…私を守るために他の人が傷つくのは見たくない…だから私は力を求めたんです。」
不破「力を求めて…そういえば、あのベルトどこで手に入れたんだ?」
サヤ「これですか?」
私は懐からスラッシュライザーを取り出して手渡すと不破さんは私のスラッシュライザーを手に取って眺めた。
不破「迅が持っている物と同じ物か?」
サヤ「えぇ…」
不破「こんなものどうやって手に入れた?」
サヤ「私の父から託されました。」
不破「お前の親父から!?本当の父親に会ったのか?」
サヤ「えぇ…迅との戦いの中で記憶の一部が頭に浮かび上がって、私は父の正体を知りました。」
不破「じゃあ…お前の本名は…」
サヤ「えぇ…与多垣沙耶…それが私のフルネームです。」
不破「与多垣…聞いたことがない苗字だ…まぁ、当然といえば当然か…」
サヤ「思い出せたのは父の顔と名前…そして父と過ごした一部の記憶だけです…他の記憶はまだ思い出せないです…」
不破「親父さんの事を思い出せただけでよかったじゃねぇか!!親父さん喜んでいたろ?」
サヤ「えぇ…でもお父さんはやらなきゃいけない事があるみたいで…」
不破「昔のようにはいかない…ってか?」
サヤ「そうなんです。父も私もやらなきゃいけない事があるので…」
不破「そうか…お前はこれからどうするんだ?」
サヤ「私は…今は或人社長の新しい会社が気になっています。」
不破「確か…新しい会社を作ったんだったな…」
サヤ「天津垓は必ずあの会社とヒューマギアを狙って来る筈…だから用心棒が必要なんですよ」
不破「用心棒か…」
サヤ「この後は或人社長の会社へ行くつもりです。イズが1人で心配ですから…」
不破「お前も気をつけろよ…」
サヤ「大丈夫ですよ。いざとなればイズを抱えて飛んで逃げます。」
不破「あぁ…社長さんに宜しくと伝えておいてくれ」
サヤ「わかりました。それではお邪魔しました…」
私は不破さんの自宅へと出るとすっかり暗くなった夜道を歩いて或人社長とイズのいる筈の飛電製作所へと続く道を歩いて行った。
サヤ「……」
私は暗い夜道を歩いていたが背後から気配を感じて足を止めるとゆっくりと振り返った。
サヤ「私を始末しに来たんですか?唯阿さん…」
唯阿「サヤ…」
街灯の影から唯阿さんが姿を現して唯阿さんは私の方をじっと複雑な表情で見つめていた。
唯阿「サヤ…何で仮面ライダーになった!?」
サヤ「唯阿さん!?」
唯阿「お前は戦ってはならない…大人しくしていればZAIAと争うことも無かった…なのにどうして!?」
サヤ「私はもう誰かに守られるだけの存在じゃありません!!今度は私がヒューマギアを…私が大切だと思う物を全て守る!!」
(スラッシュライザー!)
(レイドライザー!)
私はスラッシュライザーを取り出して腰に装着すると、スカートのポケットからプログライズキーを取り出して起動させると、それを見た唯阿さんもレイドライザーを装着してプログライズキーを起動させた。
(ブリザードウィング!)
(ハント!)
サヤ「変身!!」
唯阿「実装…」
(フローズンイーグル!)
(ファイティングジャッカル!)
私は仮面ライダーに唯阿さんはジャッカルレイダーに変身すると唯阿さんは武器の大鎌を召喚して、私はベルトから剣を抜いて構えに入った。
唯阿「あああああっ!!」
サヤ「っ!!」
唯阿さんは叫びながら突進して大鎌を振り翳すが私は冷静に攻撃を見切りながら剣で大鎌を受け止めに入った。
唯阿「あぁっ!!うわあああっ!!」
サヤ「ハッ!!」
私は叫びながら私に向かって振り下ろす大鎌を躱すと攻撃の外れて地面に突き刺さった大鎌の刃先を足で踏みつけて攻撃を封じに掛かった。
唯阿「ぐっ…」
サヤ「もうやめてください唯阿さん!!」
唯阿「サヤ…お前は…お前はぁぁぁぁ!!」
唯阿さんは力の限り大鎌を引き寄せると再び大鎌を私に向かって横薙ぎにして振り抜いた。
唯阿「お前は仮面ライダーになるべきじゃなかったんだ!!」
再び叫びながら大鎌が振り下ろされるが私は冷静に攻撃を見切って横ステップで回避すると回し蹴りで大鎌を蹴り飛ばした。
唯阿「なっ…動きが読まれている…!?」
サヤ「無駄ですよ… 唯阿さん。貴方の攻撃パターンは全て見切りました!!」
唯阿「くっ…何故だ!?この前はお前を圧倒して変身解除にまで追い込んだ筈!!」
サヤ「ラーニングによって強くなる。それがヒューマギアです!!」
唯阿「まだ…まだだ!!あああああっ!!」
(ファイティングボライド!)
唯阿さんはレイドライザーのボタンを押して大鎌を構えると私に向かって突進するが私も既に反撃のための準備を整えており剣を正面に構えた。
(ブリザードウィング!)
私はプログライズキーのボタンを押して氷の力を剣に纏わせると振り下ろされた大鎌を受け止めると力の限り押し返して大鎌を跳ね上げるとガラ空きとなった体に下から切り上げるように斬撃を放った。
(フリージングレイン!)
サヤ「セイヤァッ!!」
唯阿「うわああああああっ!!」
私の斬撃が唯阿さんを吹き飛ばすと唯阿さんの腰からレイドライザーが弾け飛び私の足元に転がり変身の解けた唯阿さんは、地面に倒れるがすぐに立ち上がろうと膝を突いた。
サヤ「私の勝ちです。唯阿さん…」
唯阿「サヤ…お前はまた社長にも命を狙われる!!それでもいいのか!?」
サヤ「私はヒューマギアを守りたいだけなんです…どうかわかってください…」
私は足元のレイドライザーを拾い上げると装填されているプログライズキーを抜いてしまうが唯阿さんが私からレイドライザーを取り戻そうと立ち上がった。
唯阿「返せ…」
サヤ「ごめんなさい…」
私は剣を地面に突き刺すと氷の膜が唯阿さんの足元を凍り付かせてしまい唯阿さんは身動きが取れなくなってしまった。
サヤ「しばらくしたらその氷は溶けますので安心してください…」
唯阿「サヤ…待てっ!!」
私はレイドライザーとプログライズキーを地面に置くとそのまま身動きの取れない唯阿さんをそのままに静かに立ち去ってしまった。
サヤ「ごめんなさい…本当にごめんなさい…」