漫研の先輩が数年振りに漫研に顔を出す話になります。
「この学校も懐かしいな………」
ざわざわと騒々しく人々が歩きながら、その人たちの目的地であろう目の前の学校を見る。その学校は普通の学校ではなく、入り口が飾りで飾られ、生徒達もお揃いのTシャツを着て客引きをしている。ふらふら~と立ち寄ったらたまたま文化祭を開いていたのだ。
「俺がいた頃からメンバー少なかったし、もうなくなってるかもな……新メンバー募集できたのか、あいつ?一年生は一人だけだったからな………」
俺はここのOBだった。あわよくば今の学校を見てみたい。そんな淡い期待を込めながら数年振りの母校に足を踏み入れた。
「な」
所属していた部活……漫画研究部への道のりは体が覚えていた。見慣れた、懐かしい景色を追って足を進める。
「な」
進む度に人が増えていくように感じる。しかも女の子が多い気がする。この先にあったのは男の楽園だったはず。隣のブラバンの演し物か……?
「なんじゃこりゃぁ!?」
ついに漫研へと到達する。俺の、俺たちの聖域だった部室は
「こちらよろしかったら見てくださーい!」
「1部500円となりまーす!
見渡す限り女子、女子、女子の、同人誌即売会会場になっていた………
「な、なんじゃこりゃあ……」
驚きに口が塞がらず、なんじゃこりゃと叫ぶ機械になる始末。え、これがあの漫研?男4人で楽しく騒いでたあの?
「いらっしゃいませー!入り口で立ち止まらず、歩いてくださーい!」
「あっすみません…」
入り口で驚いていた俺は声をかけられ中へ進む。俺がいた頃と大きさは変わらないが、様相が様変わりしている。
漫画やエロフィギュアだらけだった棚は片付けられ、デッサン人形や漫画の書き方の参考書で埋められていた。更には、
「こちらどうぞー!」
「えっ、リ、リリエル!?」
売り子をしていたのは少し前にTLで流行っていた昔のアニメのヒロイン。俺たちの後輩が愛してやまない天使、リリエル。の、コスプレイヤーだった。
「あ、知ってるんですか?私リリ外大好きで!!数年前にいた先輩がリリエルのことが大好きでコスプレもされていたんです!!」
数年前にいた先輩?まさか、あいつがコスプレを??女装??いやいや、そんな訳………
「元々はあの『みかりん』が部長をしている、って聞いて入ったんですが、ものすっごい美人で!!!卒業したのが本当に悲しくて………」
「み、ミカリン?」
「知らないんですか!?スーパーエリート超ウルトラ美人完璧ウーマン『あまのみかり』!!!高校生なのに社長でモデルもやっててコスプレもしてて~~~」
長々と知らない人の情報が垂れ流される。よく分からんが、何でそんなすごい人がここの漫研なんかに……??
「卒業した時はホントに暴動が起きるレベルでしたね……
でも部勲が残ってるんですよ。みかりんは書道も達人だったからあそこに飾ってあるんです!」
指を指した先を見る。棚の上にかけられた額縁、そこに書かれていたのは
『狂え』
「『狂うほどに愛せるものを見つけなさい。人生が一変しますわよ』ってみかりんから言われて、私も頑張ろうって思えたんです!!みかりんも先輩から言われた言葉で、自分が変わったきっかけだったって言ってました!」
確かに良い言葉だと思う。だが俺が見入ったのはその言葉ではなかった。額縁の下にある、飾ってある写真。なんてことのない学生達の集合写真、見知らぬ女子生徒が移りながら唯一知っている顔。写真でも分かる美少女たちに囲まれながら変わらない能面フェイスでカメラ目線を取っているリリエルオタク。
「なんだ、元気そうじゃねえか、奥村。」
どうやら俺の後輩は優秀だったらしい。
それはそれとしてお前の代に何があったんだ!?!?!?羨ましいぞ奥村ぁ!!!!!
奥村の先輩達は今頃何をしているのかなと思い書きました。にごリリに出てくるすべてのキャラが大好きです。