筆記試験は上々……というか、殆どの問に答えることができた。
(……受かるといいな)
プレゼント・マイクというヒーローからの説明を受けて、会場へ移動する。
「広い……」
街一つ分ありそうな規模の演習場が、ここの他にも無数にある。そう聞いて、大学どころじゃないなとつくづく思う。
流石は超常社会、その育成機関の最前線に立つ高校だと、改めて認識し──
『ハイスタートー』
(……え)
始まった……?
『どうしたぁ!? 実戦じゃカウントなんざねえんだよ!! 走れ走れぇ!! 賽は投げられてんぞ!?!?』
その一声で、一斉に駆け出す。
(……プレゼント・マイクさんは、仮想敵を
つまり、その仮想敵……今目の前にいる口の悪いロボットたちは、
「……脆い?」
入試用に、多少脆く作ってあるのかな。
「これなら、個性を使わなくてもいけるかも」
「ぐ……足が……!」
(他の受験生の攻撃の余波で、崩れた瓦礫が脚を挟んで固定してる……!? あたしの個性じゃあ、ここで終わっちゃ──)
「大丈夫!?」
「え……」
(……綺麗な、紫色……)
「仮想敵はやっつけたから、今のうちに!」
「……あ、ありがとう!」
(……これで、5人助けた。でも、きっとまだまだいる。助けを求める人たちが。私たちヒーローの、助けを呼ぶ声が)
時にロボットを壊して、時にピンチに陥った受験者を助けながら進んでいく。
倍率300倍の入試だとしても、怪我人が多い状態で終わることは避けたいし、何より……こわい。
(……説明であった0ポイントっていうのは、まだなのかな)
現在は、43ポイント。そこそこのポイントが集まってきて、ボーダーラインで考えても、合格圏内に入ってきてる頃だ。
「……?」
そんな時にふと、地面の下から轟音が聴こえてきて。
「……嘘」
それは──中学生にぶつけるには重すぎる、動く巨大な金属塊。幾つも倒れるビルを掻き分けて進むそれは、子供にはあまりにも無謀な壁。
「あれが、0P敵……」
数秒、呆然と立ち尽くした。
倒せるわけがない。そう思ってしまった。
でも。
(……みんな逃げてる)
パニックなんだ。
『ヒーローになりたい』。そんな想いを胸にやってきた少年少女の心を折るには十分すぎる代物。
(──でも)
そこで折れるには、まだ早い。
(でも、アレを倒すなんてどうやって──)
一人で考えても、埒が明かない。
「まずは、人探し」
一目でわかりやすく、連携がしやすそうな個性を持つ人を探そう。
話はそれからだ。