TS転生見習い浄化師は過保護に愛される――――なお、仲間は曇る模様――――   作:カヨウ

17 / 36
第17話 木彫り猫の安否確認

 

 翌朝、目が覚めて最初に見たのは、雨雫とミル被害木材だった。

 

 石と木。

 

 どちらも喋らない。

 

 どちらも役に立たない。

 

 でも、どちらも枕元にある。

 

「……持ち物欄が変になってきた」

 

 寝台の上で呟く。

 

 雨雫はまだいい。

 首から下げられるし、小さいし、名前もある。

 

 問題はミル被害木材だ。

 

 山羊が柵をかじった跡の木片。

 

 旅の記念品と言えば聞こえはいいが、かなり変な記念品である。

 

 でも、見ると丘の村を思い出す。

 

 霧。

 山羊。

 乳酪。

 境界石。

 

 それなら、まあ、いい。

 

「おはよう、雨雫。おはよう、ミルの歯形。今日は木彫り猫の安否確認です」

 

 セレスが隣で小さく笑った。

 

「本当に行く気ね」

 

「体調次第」

 

「体調は?」

 

「昨日より軽い」

 

「だるさは?」

 

「少し。けど、歩ける」

 

「市場は人が多いわ」

 

「短時間。だめなら戻る」

 

「よし」

 

「よし判定」

 

 セレスのよし判定が出た。

 

 それだけで、市場外出の仮予定が少しだけ現実に近づく。

 

 木彫り猫。

 

 やる気のない顔の猫。

 

 買うかどうかは決めていない。

 

 けれど、まだあるかどうかを見たい。

 

 売れていたら、たぶん少し残念。

 

 残念だと思えるなら、やっぱり少し気に入っていたのだろう。

 

     ◇

 

 朝食の席で、レオンに市場行きの希望を伝えた。

 

「体調が悪くなければ、木彫り猫を見に行きたい」

 

 レオンは驚かなかった。

 

 予想していた顔だった。

 

「分かった。午前の早い時間に行く。昼前には戻る」

 

「混む前?」

 

「ああ」

 

「市場の滞在時間は?」

 

「最初から短くする」

 

「猫がなかったら?」

 

「戻るか、少しだけ他を見る」

 

「猫があったら?」

 

「君が決める」

 

 当然のように言われた。

 

 この当然に、少し慣れてきた自分がいる。

 

 買うか。

 買わないか。

 

 決めるのはボク。

 

 決められなければ、保留。

 

 それもあり。

 

「予算は?」

 

 ボクが聞くと、レオンは少し首を傾げた。

 

「あの木彫りなら高くはない」

 

「いや、使わないものを買う予算というか」

 

「持っている小遣いの範囲で買えばいい」

 

「小遣い」

 

 そういえば、ボクにも少しだけ手持ちのお金がある。

 

 浄化院を出る時に、院長先生が渡してくれたもの。

 

 旅費は基本的に王都側と護衛側で管理されているが、ちょっとした買い物用のお金はある。

 

 雨雫はレオンが買ってくれた。

 

 木彫り猫を買うなら、自分で買える。

 

 そのことに気づくと、少し緊張した。

 

「自分で買うの、ちょっと怖い」

 

 言うと、セレスが優しく聞いた。

 

「どうして?」

 

「本当に欲しいのか分からないのに、お金を使うから」

 

 ガルドがパンを食べながら言う。

 

「欲しくなければ買わない」

 

「正論」

 

「欲しければ買う」

 

「さらに正論」

 

「迷うなら持ってみろ」

 

「持ってみる?」

 

「持って、戻したくなければ買え」

 

 ボクは少し黙った。

 

 分かりやすい。

 

 かなり分かりやすい。

 

「ガルド、買い物の判断が実物主義」

 

「物は持てば分かることもある」

 

「深い」

 

「そうか」

 

「食料以外にも応用できるんだ」

 

「できる」

 

 レオンが頷いた。

 

「それでいいんじゃないか」

 

「持ってみて、戻したくなければ買う」

 

 口に出すと、少し楽になった。

 

 買うか買わないかを頭だけで決めるより、手に持ってみる。

 

 雨雫の時も、手にした重みがあった。

 

 木彫り猫にも、たぶん重みがある。

 

「じゃあ、その方針で」

 

「分かった」

 

「本日の目的、木彫り猫の安否確認および実物保持判断」

 

 レオンが少しだけ笑った。

 

「書類にしそうな言い方だな」

 

「クラウスさんの影響」

 

「感染しているのは君もだな」

 

「王都こわい」

 

     ◇

 

 市場は、前に来た時より少し静かだった。

 

 朝が早いからだろう。

 

 店は開き始めているが、人の流れはまだ細い。

 

 それでも王都の市場なので、十分ににぎやかではある。

 

 布を広げる商人。

 野菜を並べる店主。

 香辛料の匂い。

 焼き菓子の甘い匂い。

 遠くで呼び込みの声。

 

 少し緊張する。

 

 けれど、前ほどではない。

 

 今日は目的地がはっきりしている。

 

 木彫りの小物屋。

 

 やる気のない猫。

 

「人、多すぎではない?」

 

 セレスが聞く。

 

「まだ大丈夫」

 

「戻るなら?」

 

「言う」

 

「よし」

 

 ガルドが前を歩き、人の流れを自然に避ける。

 

 レオンは横。

 

 セレスは後ろ気味に周囲を見ている。

 

 市場の護衛配置にも慣れてきた。

 

 慣れていいのかは分からないが、助かるものは助かる。

 

 記憶を頼りに通りを進む。

 

 色硝子の店。

 布屋。

 旅道具の店。

 香草の屋台。

 

 そして、その少し先。

 

 木彫りの露店が見えた。

 

 まだあった。

 

「店は生存」

 

 ボクが小さく言うと、レオンが答えた。

 

「猫は?」

 

「これから確認」

 

 心臓が少しだけ早くなる。

 

 何をそんなに緊張しているのか、自分でも分からない。

 

 ただの木彫り猫だ。

 

 でも、ただの木彫り猫だからこそ、少し大事なのかもしれない。

 

     ◇

 

 露店の老人は、前と同じように小さな木彫りを並べていた。

 

 鳥。

 馬。

 丸い謎生物。

 葉っぱ。

 そして。

 

「いた」

 

 猫がいた。

 

 やる気のない顔で。

 

 前と同じ位置ではなかったが、同じ猫だと思う。

 

 いや、同じ顔の猫が複数ある可能性もある。

 

 でも、これはたぶんあの猫だ。

 

「おや、また来たのかい」

 

 老人が笑った。

 

「猫の安否確認に」

 

「安否?」

 

「売れてないかどうか」

 

「そいつはまだいるよ」

 

「よかった」

 

 言ってから、自分で驚いた。

 

 よかった。

 

 やっぱりそう思った。

 

 老人は少し面白そうに目を細める。

 

「気に入ったのかい」

 

「たぶん」

 

「たぶんか」

 

「まだ審査中」

 

「厳しいな」

 

 レオンが後ろで小さく反応した。

 

 審査中という言葉が飛び火している。

 

 ボクは木彫り猫を手に取った。

 

 軽い。

 

 でも、思ったよりちゃんと木の重みがある。

 

 表面は少しざらついていて、耳の片方がほんの少し丸い。

 

 目は細く彫られている。

 

 やる気がない。

 

 かなりやる気がない。

 

 でも、寝ているわけではない。

 

 世界を見ているが、特に参加する気はない顔。

 

「……いい顔」

 

 ボクは言った。

 

「買うのか?」

 

 レオンが聞く。

 

 ボクは猫を手の中で転がす。

 

 戻すか。

 

 買うか。

 

 ガルドの言葉を思い出す。

 

 持って、戻したくなければ買え。

 

 ボクは露店の台を見た。

 

 猫を戻す場所。

 

 戻せる。

 

 でも、戻したくない。

 

 少なくとも、今は。

 

「買う」

 

 言った。

 

 声は小さかったが、はっきりしていた。

 

 老人が笑う。

 

「じゃあ、少し負けておくよ」

 

「値切ってないのに」

 

「二回来たからな」

 

「来店ポイント」

 

「何だい、それは」

 

「たぶん王都にはない制度」

 

 セレスが笑い、老人も笑った。

 

 ボクは小袋から硬貨を出した。

 

 少し手間取る。

 

 自分で払う。

 

 小さな木彫り猫一つ。

 

 大きな買い物ではない。

 

 でも、手の中の硬貨がやけに重く感じる。

 

 老人に渡す。

 

 猫を受け取る。

 

 買った。

 

 自分で。

 

「……買えた」

 

 思わず呟いた。

 

 レオンが静かに言う。

 

「ああ」

 

 セレスが微笑む。

 

「よかったわね」

 

 ガルドが頷く。

 

「戻したくなかったか」

 

「うん」

 

「なら買い時だ」

 

「ガルド理論、採用」

 

「そうか」

 

 ボクは猫を両手で見た。

 

 やる気のない顔。

 

 かなりいい。

 

     ◇

 

 買い物は、それだけで終わりにする予定だった。

 

 しかし、市場を出る途中で、色硝子の店の前を通った。

 

 前に見た青い雫型の硝子飾りが、まだ並んでいた。

 

 きれいだった。

 

 今日も。

 

 でも、手は伸びなかった。

 

 欲しくないわけではない。

 

 きれいだと思う。

 

 でも、今日は木彫り猫が手の中にある。

 

 それでいっぱいだった。

 

「見なくていい?」

 

 セレスが聞いた。

 

「今日はいい」

 

「そう」

 

「きれいだけど、今日は猫の日」

 

「猫の日ね」

 

 レオンが言う。

 

「木彫り猫の日か」

 

「そう。記念日」

 

「記録するか?」

 

「しなくていい」

 

「クラウスなら記録するかもしれない」

 

「やめて」

 

 ガルドが低く言った。

 

「記録しても困らない」

 

「困るよ。王都の正式記録に木彫り猫購入日が入る」

 

「体調が良かった記録にはなる」

 

「ガルドまで王都書類脳に」

 

「事実だ」

 

「こわい」

 

 冗談を言いながら、市場を歩く。

 

 今日は瘴気騒ぎもない。

 人も増えてきたが、まだ耐えられる。

 

 ただ、長くいると疲れる。

 

「戻る」

 

 ボクが言うと、レオンはすぐに頷いた。

 

「戻ろう」

 

「早い」

 

「目的は達成した」

 

「うん」

 

 目的達成。

 

 木彫り猫を見た。

 まだいた。

 持った。

 戻したくなかった。

 買った。

 

 それだけの外出。

 

 でも、かなり大きい。

 

     ◇

 

 館へ戻ると、玄関近くにクラウスはいなかった。

 

「いない」

 

 ボクが少し驚くと、セレスが笑った。

 

「毎回いるわけではないでしょう」

 

「でも、いそうだった」

 

「今日は報告予定ではないもの」

 

「木彫り猫の報告」

 

「必要?」

 

「不要です」

 

 部屋へ戻り、机の上に木彫り猫を置く。

 

 雨雫。

 ミル被害木材。

 木彫り猫。

 

 並んだ。

 

 いよいよ持ち物欄がおかしい。

 

「……増えた」

 

 ボクが言うと、レオンが机を見る。

 

「確かに増えたな」

 

「どうしよう」

 

「どうしようとは?」

 

「このまま増えたら、机が役に立たないもので埋まる」

 

「増やしすぎなければいい」

 

「正論」

 

 セレスが猫を見て微笑む。

 

「いい顔ね」

 

「でしょ」

 

「名前はつけるの?」

 

 名前。

 

 雨雫にはつけた。

 

 ミル被害木材には、正式名称がない。

 

 木彫り猫。

 

 名前をつけるか。

 

 猫を見る。

 

 やる気のない顔。

 

 世界に対して、半分くらいしか参加していない顔。

 

「……まだ保留」

 

 ボクは言った。

 

「名前保留」

 

「うん。急いでつけなくてもいい気がする」

 

「それでいいわ」

 

 レオンが頷く。

 

「君の猫だ」

 

 君の猫。

 

 またその言い方。

 

 ボクは少しだけ猫を指で押した。

 

 ころん、とは転がらない。

 

 木彫りなので安定している。

 

「ボクの猫」

 

 小さく言う。

 

「自分で買った」

 

「ああ」

 

「使い道なし」

 

「そうだな」

 

「でも、いる」

 

「そうか」

 

 その「そうか」が、なんとなく優しかった。

 

     ◇

 

 昼食のあと、少し疲れが出た。

 

 市場の滞在は短かった。

 

 でも、人の中を歩いたので、身体の奥が少しだるい。

 

 セレスに促され、少し休むことになった。

 

 寝台に横になる前に、机の上をもう一度見る。

 

 雨雫。

 ミル被害木材。

 木彫り猫。

 

 旅の証拠と、買い物の証拠。

 

 どれも役に立たない。

 

 でも、今のボクにとっては、かなり役に立っている気もする。

 

 役に立たないことで、役に立っている。

 

 難しい。

 

「猫、逃げないよね」

 

 ボクが言うと、セレスが笑った。

 

「木彫りだから」

 

「レオンと同じこと言った」

 

「みんなそう思うわ」

 

「でも、いなくなったら困る」

 

「机に置いておくわね」

 

「うん」

 

 目を閉じる。

 

 短い外出だった。

 

 でも、自分で欲しいかもしれないと思ったものを、自分で買った。

 

 小さなことだ。

 

 けれど、たぶん小さくない。

 

     ◇

 

 夕方、目が覚めると、部屋にクラウスがいた。

 

 なぜ。

 

「いる」

 

 寝台の上から言うと、クラウスは椅子に座ったまま答えた。

 

「起きるまで待つつもりだった」

 

「普通に怖い」

 

「レオン殿から、市場外出は予定通り終了したと聞いた」

 

「報告されてる」

 

「体調確認だ」

 

「やっぱり報告案件になってる」

 

 レオンは窓際で少し気まずそうにしている。

 

 セレスは笑っている。

 

 ガルドは通常運転。

 

 クラウスの視線が机の上へ向いた。

 

「木彫りの猫か」

 

「見ないで」

 

「見てしまった」

 

「記録する?」

 

「必要なら」

 

「必要なの?」

 

 クラウスは少し考えた。

 

「市場外出において、本人が必要ではない物品を自分の意思で購入。外出目的達成後、早期帰還。疲労あり。大きな混乱なし」

 

「記録されるやつだ」

 

「良い記録だ」

 

 良い記録。

 

 そう言われると、少し変な気分になる。

 

 猫を買ったことが、良い記録。

 

 王都の書類に、木彫り猫が入る。

 

 困るような、少し面白いような。

 

「猫の名前は?」

 

 クラウスが聞いた。

 

「まだ保留」

 

「では、木彫り猫と記録する」

 

「本当に書くんだ」

 

「正式書類には入れない。経過記録だ」

 

「経過記録に木彫り猫」

 

「必要ではないものを選べたことは、重要だ」

 

 急に真面目な声だった。

 

 ボクは少し黙った。

 

 必要ではないもの。

 

 雨雫。

 ミル被害木材。

 木彫り猫。

 

 どれも、浄化には使わない。

 

 でも、それらはボクが何かを選んだ証拠だ。

 

 与えられた役目ではなく。

 

 蒼銀でもなく。

 

 見習い浄化師として必要な道具でもなく。

 

 ただ、少し気になって、手元に置きたいと思ったもの。

 

「……それ、書類にすると変じゃない?」

 

「変でも必要なことはある」

 

「クラウスさんがそれ言うんだ」

 

「書類は、変なことも残せる」

 

 クラウスは淡々と言った。

 

 でも、その言葉は少しだけ温かかった。

 

「今日の体調は」

 

「市場で少し疲れた。昼寝した。今はまあまあ」

 

「記録する」

 

「はい」

 

「一回でいい」

 

「感染が深刻」

 

 クラウスは少しだけ口元を動かした。

 

 笑ったのかもしれない。

 

     ◇

 

 クラウスが帰ったあと、ボクは机の前に座った。

 

 木彫り猫を手に取る。

 

 やる気のない顔。

 

 名前はまだない。

 

 雨雫のように、すぐ浮かんではこなかった。

 

 でも、それでいい。

 

 名前は急いでつけるものではない。

 

 呼びたくなった時に呼べばいい。

 

「君、まだ保留」

 

 猫に言う。

 

 もちろん返事はない。

 

 働かない石に続き、やる気のない猫。

 

 持ち物の方針がだいぶ偏っている。

 

 レオンが横から言う。

 

「気に入ったか」

 

「うん」

 

「買ってよかったな」

 

「うん」

 

「本採用か?」

 

 ボクは猫を見る。

 

「猫は即日採用」

 

「俺より早い」

 

「猫なので」

 

「山羊も早かったな」

 

「動物系は強い」

 

「俺は?」

 

「長期審査」

 

「分かっていた」

 

 レオンは少し笑った。

 

 その顔を見て、ボクも少し笑った。

 

     ◇

 

 夜。

 

 枕元に雨雫を置く。

 

 その隣にミル被害木材。

 

 さらにその隣に木彫り猫を置こうとして、少し迷う。

 

 寝ている間に落としたら嫌だ。

 

 でも、机に置くのも少し離れている。

 

 結局、枕元の小さな箱をひっくり返して、その中に三つを並べた。

 

 簡易展示場。

 

「増えたね」

 

 セレスが灯りを落としながら言う。

 

「増えた」

 

「小箱、用意しましょうか」

 

「本当に物理解決」

 

「大事よ」

 

「たしかに」

 

 レオンが扉の近くで言う。

 

「明日は外出なしだ」

 

「猫も買ったし」

 

「ああ」

 

「次の予定は?」

 

「まだ決めない。クラウスとリーネが、今後の実地確認について相談するそうだ」

 

「また何か行く?」

 

「すぐではない」

 

「よかった」

 

「気になるか」

 

「ちょっと」

 

「明日ではない」

 

「それもよかった」

 

 ガルドが隣室から言う。

 

「寝ろ」

 

「はい」

 

「一回でいい」

 

「一回」

 

 いつもの夜。

 

 ただ、枕元に木彫り猫が増えた。

 

「おやすみ、雨雫。おやすみ、ミルの歯形。おやすみ、保留猫」

 

 セレスが笑った。

 

「保留猫」

 

「名前が決まるまで」

 

「そのまま名前になりそうね」

 

「あり得る」

 

 保留猫は、やる気のない顔で黙っていた。

 

 雨雫も黙っている。

 木片も黙っている。

 

 静かな三つ。

 

 でも、その静けさが、少し部屋を自分のものにしてくれる。

 

 今日は木彫り猫を買った。

 

 必要ではないものを、自分で選んだ。

 

 それはたぶん、蒼銀を出すことよりずっと小さい。

 

 けれど、今のボクには同じくらい大事だった。

 

 目を閉じる。

 

 王都の夜の音がする。

 

 でも、枕元には小さなものたちがいる。

 

 役に立たない、でも確かにここにあるものたち。

 

 明日もそれがあると思うと、少し安心して眠れた。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。