シャーレの先生は化け物である   作:人肉の味を知りたいようで知りたくない

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水着キサキのガチャーを!回しながら!水着キサキーを!当てたい!!そうしたい!!(願望)


『借金』

 

 

 

 カタカタヘルメット団との話し合いを終えた先生達は再びアビドスへと戻ってきた。アビドスの生徒達は、『ヘルメット団の答えが出るまでの間は襲撃に会うことがない』と言う安心感からか、気が抜け、椅子にへたり込んでいた。

 

 

「今日はもう驚いてばっかりですね〜」

 

「ん、こんなにうまくいくなんて思ってなかった……正直今まで、ずっと短い一歩を進んでただけだったのに、今日で一気に進んだ気がする」

 

「物資も大量、襲撃もしばらくは無し……今日は本当に運が良いわ!!」

 

 

 シロコ達の顔に笑顔が宿り、それを見た先生も嬉しくなる。笑みを浮かべながら、水分補給のために先生は持ってきていたコーヒーを口に入れる。

 

 

 

 

「これで心置きなく借金返済に取り掛かれるわ!」

 

「ブッハァ!!?」

 

「せ、先生⁉大丈夫ですか!?︎」

 

 

 

 しかしセリカの借金返済というワードを聞き、飲んでいたコーヒーを吹き出してしまった。慌ててノノミが先生に駆け寄り背を摩り、シロコは吹き出されたコーヒーをタオルで拭く。

 

 

「ご、ごめんね2人とも。流石にびっくりしちゃって……もしかしてだけど、この学園には…借金があるの? それとも個人の…?」

 

「はっ!?いや、違ッ……」

 

「そ、それは…ですね……」

 

「待ってアヤネちゃん!!それ以上は言わなくて良いから!!」

 

「…ん、先生には話してもいいと思う。ここまで助けてもらったし」

 

「で、でも……っホシノ先輩からも何か言ってよ!」

 

「うーーん…先生、仮にだけど。この借金の話を聞いて『大変そうだね…』で終わらせる気は?」

 

「ごめん流石に無理かな、今日は話してもらえるまでここを動かないよ」

 

「だよね〜……ってことだから、もう話すしかないと思うよ」

 

「…うう」

 

「…では、先生。ご説明いたします」

 

 

 

 

 そこから先生はアヤネ達アビドスが抱えている借金の問題について説明を受けた。

 

 数十年前に起きた砂嵐による災害でアビドス自治区の土地はほとんど壊滅、それを補うために借金を背負わざる終えなかったのだが……その借りた相手というのがかなりの悪徳金融業者。

 

 最初のうちはすぐに返済できる算段のはずだった。しかし砂嵐はその後も毎年更に巨大な規模で発生し……学校の努力も虚しく、学区の状況は手が付けられないほどの悪化の一途を辿った。

 

 

「そしてついに、アビドスの半分以上が砂に呑まれて砂漠と化し、借金はみるみる膨れ上がっていったのです……今アビドスが抱えている借金は、9億6235万円です」

 

 

 

「………内臓ってどれくらいだっけ」

 

「先生…⁉︎」

 

「嘘嘘…冗談だよ(そもそも(喰種)の内臓って人には使えないしね……)。実質10億の借金……」

 

 

 到底生徒5人だけで返せるような金額じゃない、改めて先生は彼女らのことを心のそこから凄いと称賛した。たった5人でこれだけの額を抱えながらも、ヘルメット団の襲撃に耐え、戦ってきていた。

 

 

「……このアビドスの借金の返済、私も協力させてもらいたいな」

 

「…い、…いや!これはアビドスの問題。それに先生の仕事はもう終わったんでしょ?ならもう…」

 

「カタカタヘルメット団の問題をどうにかすることだけが私の仕事じゃない。私はアビドス学園を救いにきたんだ―全身全霊をかけて、私は君たちを助ける」

 

「……ん、セリカ。頼ってみてもいいと思う。ここまで真剣に話を聞いてくれて、助けるって言ってくれた大人はいなかった…でも先生は言ってくれた、だから」

 

「…どうせ、どうせすぐに折れて、帰るに決まってる…!!それに今まで私達だけで頑張ってきたのに…今更大人がこの問題に首を突っ込んでくるなんて…―私は認めないから!!!」

 

 

 

 そう言ってセリカは扉を開け出ていってしまった。ノノミは彼女のことを心配し追いかける、部屋に残っていたのは沈黙。

 

 

 

「ごめんなさい先生!セリカちゃんは…」

 

「ハハッ、いいんだよアヤネ、気にしないで。今日来た大人がいきなり借金の話を聞いて、わかった、助けてあげる。なんて言われて素直に信用する方が難しいよ」

 

「…ごめんね先生、色々助けてもらってるのに」

 

「全然平気さ、むしろ元気いっぱいみたいで私は微笑ましいよ。神経質な所だって、私はそれを変に思わないよ……とりあえず」

 

 

 

 

 先生は立ち上がり、んんっ、と咳払いをした後その場に残っている者達に告げる。

 

 

 

「私は誓うよ。何があっても私はこのアビドスから逃げない、君達がこの先不安や恐怖を抱えながら生きていくことがないように……死ぬ気で頑張らせてもらうよ」

 

「先生…!ありがとうございます!」  

 

「ありがとう、先生」

 

「先生は変わり者だねー。こんな面倒なことに自分から首を突っ込もうなんて」

 

「生徒が困ってるのなら、例えこの身を盾にしても助ける。そう心に誓ってるからね」

 

 

 

 先生にとって、このアビドスの借金の問題はそこまで余裕がない物ではなかった。

 

 

 

 

 人間社会に溶け込むために行ってきた徹底的な人間のフリ。

 

 喰種を討伐する事に人生を捧げている人間達との戦闘。

 

 物騒な考えを持つ喰種の組織と人間達との争い、もしくは喰種同士の争い。

 

 

 

 

 正直これらのことに比べれば全然心に余裕がある、先生は心の底からそう思っていた。ホシノからはまだ完全に信頼はされていない…だがいい、信頼されていなくても助ける、それが先生。

 

 それにセリカは言った、『どうせすぐに折れて帰るに決まってる』と。だがそれは間違いだ。

 

 

 

(―耐えるって事に対しては、もう十分すぎるほど鍛えられたからね)

 

 

 今まで様々な事に耐えてきた先生にとって……諦めると言う文字は、存在しなかった。







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