■シリーズ
最終回に向かう奈落家

■キャプション
神無の小さな反抗


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■まえがき

いつも読んでいただき、ありがとうございます。

※ 奈落家のいつもの設定確認

・設定は戦国時代なのになぜか現代の要素が入る。
(今回はスーパーに隣接するカフェ)

・奈落家の服装は、原作通り。

・奈落さんと分身たち皆生存していて
人見蔭刀に仕えて
皆一緒に人見城に住んでいる設定です。

・季節は特に記載が無ければ、
投稿された日と同じです。
(春→夏あたり)

ストーリーのジャンル:ほのぼの・少しシリアス

(pixivにも同時に投稿)

では、このまま下へスクロールして本編どうぞ。

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第1話

奈落の使いでスーパーに行った帰り、

まだ時間があるからと、

神無は隣接するカフェで一休みする。

 

実質サボりである。

珍しい。

しかし季節は夏に向かっていて暑く、

どこかで水分補給が必要であった。

奈落に咎められた時の言い訳にもなる。

神無はアイスココアを注文した。

 

店内はchatGPTで描いた絵のような

オシャレな造りだった。

 

雨垂れの雫が奏でるようなヒーリング系の

BGMが流れている。

 

席は角に当たる所が人気のようだ。

マダムたち、フリーランス(?)のお兄さん、

主婦単体、おねえさんたち、高齢者夫婦と

平日らしい客層である。

 

神無もアイスココアを持って

角の席に着く。

 

淡い黄色のソファー席がふっくらとして

座り心地が良い。

 

そして小さなポシェットから出した

文庫本を読み始める。

 

アイスココアは家で作るのとは違う

濃厚なココアに小さいキューブ状の透明な氷が

たくさん入っていて甘冷たくておいしい。

 

カフェの方が城(自宅)にいるよりも

読書がはかどるし、心地よく集中できる。

 

内容は量子力学の本であった。

 

たくさんの素粒子が同時に存在し、

この世界とパラレルワールドが

重なっているというSFみたいなことが

書いてあった。

 

非常に興味深い。

 

もしもパラレルワールドがあり

世界同士が重なっているのなら、

この世界のどこかに奈落に縛られていない

自身がいるのでは?と神無は思った。

 

そしてその自身と入れ替わり、

パラレルワールドに逃げ込んで

世界の重なりを断ち切れば

奈落の束縛からも自由になれるのでは?とも。

 

だが夢幻の白夜同様、現実的な神無は

すぐにムリだと思い直す。

大儲けの仕方をX(旧ツイッター)で知って

すぐに大儲けできないように

そうもうまくいかないのだ。

 

ふと本から顔を上げて

辺りを見回す。

 

クーラーも効いているし、

オシャレなジャズ調に変わったBGMと

人の話す声が混じって逆に心地よい。

周りの角の人たちも長居しているようだ。

 

アイスココアは飲みやすいため、

一気に飲めてしまう感じなので

神無は意図的に何回かに分けて飲んでいる。

 

何も注文しないで居座ろうと思えば

居座れるけど(マナー違反だが)、

やっぱりきちんと商品を注文して利用した方が

落ち着いて楽しく利用できる。

 

スマホで時間を確認して

また再び本に顔を落とす。

 

そして合間にまたアイスココアを

白いプラスチックストローで口にする。

 

それからどれくらい時間が経っただろうか。

本を読了し、アイスココアの最後のひとくちを飲み干す。

 

城(家)にいると余計にお菓子を食べたり、

余分に飲み物を飲んだりしてしまうので

これくらいのペースで飲み物を摂取できれば、

美容には良いかもしれないと神無は思った。

お金はかかるものの、城(家)で安い物を

大量消費しているより逆にお得かもとも。

 

さらにジャズ調のBGMも転調を見せ、

神無は文庫本をポシェットにしまい、

アイスココアのコップを返却口に戻し、

テーブルを拭いて、買い物したレジ袋を持って

カフェを出た。

 

偶然にも奈落が買って来いと言った物の中に

常温だと傷む物が何も無かったことが救いだった。

でなければ、こんなにカフェに一人長居できなかった。

 

こういう風に折を見て自由を得なければ

自分たち人見家の姉弟はいっこうに自由は手に入らないだろうと

神無は思っていた。

 

弟の白夜はわかっているだろう。

いつか妹の神楽にも感情的にならずに

もっとうまくやることを教えねば。

…いや、でも神楽も本当のところは

わかっているだろう。

感情の制御ができないだけで。

むしろそこは彼女の良いところだ。

求められてもいない

よけいな助言をするのはやめようと

小さな童女の体ながら、姉の神無は思い直した。

彼女は真の無心であった。

 

今回、神無は勝手ながらうまくサボった。

 

満足したかに思えたが、

それだけではなく、

彼女は女子トイレに寄る。

 

そして奈落に頼まれた買い物メモの紙を

小さな白い手で思いっきりビリビリにやぶって

トイレのゴミ箱に捨てた。

 

スッとした。

発散もうまくやらなければやっていられない。

 

そんな神無の思いを知る者は誰もいなかった。

 

こうして神無はいつもの従順に戻り、

奈落のいる人見城へと帰って行く。

 

おわり

 

最後まで読んでいただき、

ありがとうございました。


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