比企谷八幡なオリ主は平和に生きたい   作:れぜ

5 / 5
第5話

 

「いや~!旧約は何度読んでも面白いなぁ!家に帰ったら新約も読まなきゃね」

 

「比企谷君が聖書を愛読してる事実に驚きを隠せないわね」

 

「えっ聖書?」

 

「旧約や新約と言ったらそれが当てはまるけれど……違うの?」

 

「―――とある魔術の禁書目録はオタク界の聖書と言っても過言じゃないかな!」

 

「……反応した私が馬鹿だったわ、時間返してくれないかしら」

 

 

オティヌス可愛いよね、創約も毎回楽しみにさせていただいております。まぁ禁書話はここまでにして……本日は奉仕部活動3日目、一昨日昨日と通報寸前のセクハラ行為をゆきのんに行い退部しようと計画した俺はその悪しき心を彼女に浄化され今ここに居る。とりあえず強引な手段はもう取らずに、良いタイミングを見計らって去ると決めた。

 

現在は依頼人が来ないから完全に読書タイムと化しているのだが、俺には一つ強く引っかかってるのがある。それは―――ガハマさんの存在だ。

 

俺は愛犬をスパ〇ダーマンのマスクを被り救出したのだが、顔を隠しているのでガハマさんは俺だと認識していないはずなのに……2年で同じクラスになってからよく彼女の視線を感じるのはどうしてだろう?この前なんか一度完全に目が合ってしまい物凄い勢いで逸らされてしまった。今までは抱いていた不信感に蓋をし続けてきたけど2日前の平塚先生の一件、比企谷とゆきのんによる意見衝突が無くとも違った形で本編の重要要素である勝負の話はしっかりと出てきた。つまり世界の強制力とやらがある程度働くのかもしれない、ならばガハマさんも何か別の流れで奉仕部へ入部するのだと思う。それは彼女にとって間違いなく救いであるし良い事だ。

 

じゃあ俺への視線は何なんだという話になるけど、スパ〇ダーマッは完璧だったし?まさかバレてるわけはないよね??

 

そういえばマスクの目元が転がったダメージでちょっと破れていたような……

 

 

「ア、アレは大丈夫だったはずだよね」

 

「何かしら罪谷君、過去の犯罪行為でも思い出して法の裁きが下る事に怯えているの」

 

 

むしろヒーロー的行為なんです、俺がそう言葉を返そうとした瞬間コンコンと部室のドアがノックされる音が鳴った。ゆきのんが「どうぞ」と言うと、そのドアはゆっくりと開かれ現れたのは。

 

 

「し、失礼しまーす、平塚先生に言われて来たんですけど……」

 

 

雪ノ下雪乃に続く第2のヒロイン、由比ヶ浜結衣―――ガハマさんである。俺の存在に気づいたのか彼女は目を丸くさせ。

 

 

「な、何でヒッキーがここにいんの!?」

 

「こっちの台詞だよガハマさん……マジで何でここにいんの??」

 

 

わけがわからないよ。

 

 

 

 

「―――2年F組、由比ヶ浜結衣さんよね。座って」

 

「私の事知ってるんだー!」

 

「Yukipediaさんだからね」

 

「でも残念、広大な電子の海でもあなたの存在は把握できていなかったわ」

 

「えっ、ヒッキー同学年じゃかなり有名人だよ」

 

「……ちなみに良い意味か悪い意味、どちらかしら」

 

「あはは……」

 

「何でそこで愛想笑いなんですかガハマさん、ねぇ平塚先生も言ってたけどもしかして俺ってマジで変人扱いなの?」

 

 

悲C……お互いに混乱状態となってしまったのを見たゆきのんはため息をつきながら椅子を用意し、一旦落ち着きなさいと言わんばかりにガハマさんへ座るように促した。俺も同様に座ったがまだ収まらない、だって今のタイミングで来る意味はつまりクッキーの件しかないよね?

 

「俺、実はスパ〇ダーマンなんだ」とゆきのんもいるこの場でカミングアウトしようものなら絶対零度に凍らされそうなので話すわけにもいかず、調理場へ移動する事になってしまった。まぁとりあえずその件は後で2人になれるタイミングで聞くとして……そっかぁ。今からクッキー食べなきゃいけないのか。

 

 

「ねぇ」

 

「サ、サラッと肩に手を置くのはやめてちょうだい。何よ?」

 

「―――終わったら結婚」(俺、この戦いが終わったら結婚するんだ)

 

「……」

 

「雪ノ下?」

 

 

何故かゆきのんは顔を真っ赤にし、調理室へ着くまで話しかけても答えてくれずずっとどこか上の空だった。

 

 

 

 

 

 

ガハマさんの依頼はやはり気になる人へ手作りクッキーを作りたいとの内容で、最も本編だと送る相手は目の前にいる比企谷なのだが……やはり顔を見られていたのか?そう疑問に思うも中々2人きりになれるタイミングが訪れてくれず困る。クッキー食べるのも正直憂鬱で仕方ないし悩みばかりだ。

 

 

「曲がってるわ、あなたエプロンもまともに着られないの?」

 

「ごめん、ありがとっ!」

 

 

あら^~

 

何気ないこの2人のやり取り、だが既にここからゆいゆきは始まっていて―――よし復活!やっぱり百合は元気の源ですね。でもホムセンの木炭みたいなクッキーを食べるにはもう少し力が必要かな。

 

百合エネルギーを欲している俺だったが、ちょうど2人のやり取りが今まさに……

 

 

「その周囲に合わせようとするのやめてくれるかしら?酷く不愉快だわ、自分の不器用さ無様さ愚かしさの遠因を他人に求めるなんて恥ずかしくないの」

 

 

こ、これはくるぞ!!

 

 

「カ、カッコいい……」

 

「なっ」

 

「しゃあっ!」

 

 

瞳を輝かせてゆきのんへ尊敬の眼差しを向けるガハマさん、もうこれだけでエネルギーは充電満タンだけどそこから発せられるガハマさんの一言一言が俺の力を限界のその先へ超えさせてくれる。

 

……さて、味見係としての役割を果たしますか。

 

 

「雪ノ下、正しいやり方教えてあげな。そしてこのクッキーは責任持って俺が全部食う」

 

「……ごめんなさい、後半何て言ったのか脳が理解できなかったのだけれど」

 

 

皿に乗った沢山のもくた……クッキー!

 

 

「見ててねガハマさん―――この世の全ての食材に感謝を込めて、いただきます」

 

「ヒッキー!?」

 

「比企谷君!?」

 

 

1枚ずつ口の中へ入れていくたびに視界が揺らぐ、5枚目辺りから立っていられなくなりやがて最後の1枚を食べ終えた瞬間に意識は暗闇の中へ。その寸前俺の瞳に映ったのは信じられないようなものを見る目のゆきのんと……気のせいだろうけど。

 

 

「ヒッキー……」

 

 

胸に手を当てて恍惚とした表情を浮かべるガハマさんの姿はまるで―――何故だろう、恋する乙女のようであった。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

読者層が似ている作品 総合 二次 オリ

自己加速しすぎてスタープラチナ・ザ・ワールド(作者:常谷 優大)(原作:魔法科高校の劣等生)

‐自己加速術式‐▼術者自身の運動速度を向上させ、移動速度や白兵戦の攻撃速度を爆発的に高める魔法である。▼魔法師の中では初歩的な魔法...▼のはずだった。▼西暦2095年、国立魔法大学付属第一校--通称"第一高校"に入学した一人の少年、▼「比企谷八幡」▼彼の使う自己加速魔法は、世界の理さえ覆す。▼「魔法科高校×やはり俺の青春ラブコメは間違っ…


総合評価:1071/評価:6.84/連載:3話/更新日時:2026年05月27日(水) 21:31 小説情報

助けた女の子に「…責任を取りなさい」と迫られてる件(作者:萩月輝夜)(原作:魔法科高校の劣等生)

全てを失う筈の少女が転生してスパダリになった少年に脳を焼かれたらどうなるか。▼※この作品は一部劇場版魔法科高校の劣等生【四葉継承編】のネタバレを含みます。ご了承ください。▼真夜とのイチャイチャをみたいが為の自己満二次創作です。▼ツンデレ真夜様可愛い。▼軽い気持ちで見てください。タグ追加予定。▼毎日更新は無理なので週一で更新出来たら頑張ります。


総合評価:7981/評価:7.97/連載:11話/更新日時:2026年06月15日(月) 09:01 小説情報

魔法科高校の異端魔術師(作者:もやしになりたい)(原作:魔法科高校の劣等生)

死の間際、佐藤雄馬は他人を庇って命を落とした。▼その死は、本来あるはずのないものだった。▼神の手違いにより、『魔法科高校の劣等生』の世界へ転生した雄馬は、英霊たちとの縁を与えられ、新たな人生を歩み始める。▼そこで彼が触れたのは、魔法が技術として完成された世界と、英霊たちが語る神秘としての魔術だった。▼想子によって情報体へ干渉する“魔法”。▼魔術回路と魔力によ…


総合評価:2366/評価:7.19/連載:37話/更新日時:2026年05月14日(木) 16:46 小説情報

鋼は錬金術師(作者:むつきばな)(原作:魔法科高校の劣等生)

▼十三束 鋼。▼いまの俺の名前だ。▼どうやら魔法科高校の劣等生の世界に憑依転生してしまったらしい。▼お兄様がヒャッハーする世界で生きてくとかマジで嫌なんだけど…。▼まぁ、転生してしまったのだから仕方ないか。▼


総合評価:10694/評価:8.13/連載:14話/更新日時:2026年06月17日(水) 00:00 小説情報

魔法科高校の劣等生 ~隻腕の魔法使い~(作者:なべを)(原作:魔法科高校の劣等生)

少年は地獄を見た。▼少年にとっては新しい地獄の始まりであり、▼少女にとっては呪いとなった。▼世羅 芥「せら かい」は転生者である。▼事故で片腕を無くしながらも、魔法科高校第一高校に「二科生」として入学することが出来た。▼地獄を見てきた反動からか、「日常」に強い憧れをもっているため、普通の学園生活を送れると入学式の日に胸を弾ませていた。▼しかし、この世界には他…


総合評価:570/評価:6.93/連載:34話/更新日時:2026年06月11日(木) 23:07 小説情報


小説検索で他の候補を表示>>