異世界召喚されたのに、最初の試練が"笑ってはいけない"だった件   作:老眼はじまりました

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テスト③

白い空間に、再び機械声が響く。

 

《では、次の問題です》

 

全員が身構える。

特にアリーナは、

 

「うぅ! 次は絶対当てるんだからっ!」

 

ペンを握る手に力が入っていた。

すると、突然機械声が……

 

《ここで、一つルールを修正します》

 

「えっ? 修正?」

 

 声が続ける。

 

《全員正解はもはや無理なので、次からは――》

 

「急に諦めた!?」

「いや、現実的判断ではあるけど……」

 

 エステルが突っ込み、ヨシュアが冷静に補足する。

 

《ランダムで選ばれた四名の者のみが、解答するものとします》

 

 一瞬の沈黙の後、全員が理解する。

 

「よ、よかったぁ……!」

「これで被害が減るね!」

 

 ロロナが胸を撫で下ろし、ルルアも安心して喜ぶ。

 

「えぇー? 別に全員でもいいのにー」

「あんたが一番足引っ張ってるでしょっ!!」

 

 呑気なアリーナに、マーニャが即突っ込む。

 

「ランダムということは……つまり、学力ガチャ開始じゃな?」

 マギルゥがニヤリと笑う。

 

「嫌な言い方だけど、間違ってないわね」

 ベルベットがぼそり。

 

「あの姉妹は当たりじゃな」

「……見るな」

「えぇー! 私は当たりじゃないからっ!」

 

 そんなやり取りが続く中、

 スクリーンにルーレットが表示された。

 

「うわぁ……無駄に豪華なエフェクト」

「本当にランダムなのかな」

 

 エステルとセラが不安がる。

 そして、カラカラとルーレットが回り始める。

 そして、選ばれたのは……

 

⇒アリーナ。

「いきなり来たぁーー!!!」

 

⇒ルルア。

「ええぇーー!?」

 

⇒エステル。

「終わった……」

 

⇒ライトニング。

「……私か」

 

「なんで安心枠が一人しかいないのぉ!?」

「ふふんっ!」

 

「「「お前じゃないっ!!」」」

 

 胸を張るアリーナに、全員が一斉に突っ込む。

 

「ライトニングさんだけが頼りだよー」

「……無駄にハードルを上げるな」

 

 願うエステルに、ライトニングがそっけなく返す。

 そんな中、機械声が――

 

《ちなみに、一人でも間違ったら、選ばれたメンバー全員にペナルティです》

 

「「「ええぇーー!!?」」」

 

 大ブーイング。

 

「何それ、聞いてないよー!!」

「ある意味、さっきよりも無理ゲーじゃん!!」

「お姉ちゃんだけが正解しても、全然意味なかったね」

「……」

 

「どうしよう……! お母さんー!」

 ルルアが半泣き。

 

「お願いです。どうか簡単な問題で……!」

 ロロナが必死に祈っていた。

 

 そして、試練が再開される。

 

《それでは問題です》

 

 4人、ごくりと息を吞む。

 

《――の前に》

 

「「「おいーー!!!」」」

 

 全員突っこむ。

 

「なんじゃ、そのタメはっ!!」

「無駄に焦らすわね……」

 

 マギルゥ達の突っ込みに構わず、モーグリが説明を始めた。

 

『これから出す問題は、みんなが住んでる世界によって、多少言葉やルールが違うクポ!

 でも、同じ常識問題だから、意味さえあってれば正解にするクポ!』

 

「ええと……」

「よくわかんないけど、少しは難易度が下がったのかな?」

 

 そして、機械声が続いた。

 

《問題。( )に当てはまる言葉を書きなさい》

 

 今度こそ、息を吞む。

 

《魔物・モンスターが街を襲ってきた場合、住民はまず(   )を優先する。》

 

「あぁ、なるほど! さっきのはこういう意味だったのね」

「穴埋めじゃな。まあ、どの世界でも同じということなのじゃろう」

 

 マーニャ達が納得する中、四人は必死に考える。

 

「え、ええと……」

「これなら、何とかなるなる……?」

「うんっ、これなら大丈夫!」

「その自信が逆に怖いんだが」

 

 すらすら書く者に、ギリギリまで悩む者。

 そして、四人が答えを書き終える。

 

『それじゃあ、答えをオープンだクポ!』

 

 モーグリの声と同時に、スクリーンに答えが表示される。

 

 アリーナ【逃げること】

 ルルア【避難】

 ライトニング【避難】

 エステル【非難】

 

 ……。

 

 …。

 

「「「最後ぉーー!!!」」」

 

 一斉に吹き出す。

 

「非難って何よ……!」

 ベルベットが笑いを堪えきれない。

 

「モンスターが来てるのに、説教してる場合じゃないでしょ!」

 マーニャも吹き出す。

 

「エステル……」

 ヨシュアが頭を抱える。

 

「えっ? なんで? 違うの?」

 キョトンとするエステル。

 

「字が違うんだって」

「えっ?」

 

 スクリーンを見て、他の答えを確認。

 

「あっ……ああぁーー!! ま、間違ってたぁー!!」

 エステルが気付いて、頭を抱える。

 

「ふっふふっ……! 魔物が来てるのに、『なんで来たんだっ!! 危険な行為は許されないぞ!!』とか言ってたら面白いかも」

 セラが腹を抱えて笑う。

 

「いやいや、確かに非難したくなる気持ちは分かるがのぉ」

 マギルゥも大笑いする。

 

「あははははっ!! エステル面白ーい!!」

「いや、笑ってる場合じゃないよっ! 私達、蹴られるからねっ!」

「いやあぁーー!! お母さんー、助けてぇー!!」

「……最悪だ」

 

 みんなの悲鳴を無視して、

 

『それじゃあ、ペナルティだクポ!』

 

 モーグリの声と共に、案の定、謎の人型キックボクサーが召喚され……

 

バシィィン!! バシィィン!! バシィィン!! バシィィン!!

 

「ぎゃあぁーー!!!」

「はううぅーー!!」

「いったぁぁーーー!!!」

「ぐっ……!!」

 

 見事なフォームで……蹴る。蹴る。蹴る。蹴る。

 四人が崩れ落ちる。

 

「よ、四連続いった!?」

 セラが驚愕。

 

「ルルアちゃん! 大丈夫!?」

「全然大丈夫じゃないぃ……!」

 ルルアがロロナに泣きつく。

 

「わ、私なんか三回目だからねっ!」

「自業自得でしょ」

 アリーナに冷たいマーニャ。

 

「エステル……少しは落ち着いてよ。ちゃんと考えれば分かる問題だからね」

「うぅ……ヨシュアが冷たいぃ……」

 ガックリうなだれるエステル。

 

 そんな地獄のような空気の中――

 

『それじゃ、次の問題にいくクポ!』

 

「「「鬼ぃー!!」」」

 

 そして、スクリーンではルーレットが回り始めた。

 

 

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