さよならで終わらない。そんな二人がこれまでの時間を音楽と共に振り返る話。

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本当は8月16に投稿する気だったんですけど、待ってると気が狂いそうなのでこのタイミングです。


SAIKAI

━━今は昔

 

━━では、なくて。

 

━━超未来だったり。

 

━━いやいや、大昔でも超未来でもなくて。

━━今とあんまり変わらない、でも少しだけ遠い未来の世界。

 

「彩葉〜おきて〜!」

 

「はーい…」

 

どたどたと足音を立てながら、金色の髪をした美少女が寝室にやってきた。

 

「さあさあ!今日も楽しい一日が幕を開けるよ彩葉!…彩葉?あんまり元気そうじゃないね。」

 

「いや、思ったよりも昨日の疲れが残ってただけ…あんたは朝から元気で何より…」

 

「今日は出かける気だったけど…やめとく?」

 

「そう…する…」

 

「よし!じゃあ朝ごはん作ってくるね!」

 

この元気すぎにも程がある女の子はかぐや、紆余曲折…本当に紆余曲折あって私と一緒に住んでいる娘で妹で友人で…まあ一言では言い表せない子だ。

 




 

私達がどうして同棲しているのか、かぐやが何者であるかはかぐや自身が最近頑張って作っているらしい超かぐや姫!(原作)を読んでほしいとして。

 

私達は一度離れ離れになりつつも、お互いの努力が実を結び、最近はこうやって彼女が我が家を走り回れるようになった。

 

あ、自己紹介が要るか。

私は酒寄(さかより)彩葉(いろは)。高校生の時からかぐやと一緒に生きてきて、いつまにかかぐやのプロデューサーやったり、理系の道を歩んだり、よくわからない発明品を作ったり…思えば振り回され方すごいな私の人生。別に嫌じゃなかったけど。

 

「彩葉〜何考えてるの〜?」

 

かぐやの作った朝ごはんを食べ終え、ぼーっとしていると、話しかけてきた。

 

「思えばこの10年間めちゃくちゃに振り回されてきたなって。」

 

「途中から彩葉の方が振り回してたけどね〜!私の体作っちゃったりとか、ライブとか!」

 

「つまりお互い様ね…」

 

「あ、そろそろ今日の配信の時間だ!じゃあまたあとでね!…久しぶりに配信に出てもいいんだよ?」

 

「う、その目はやめてよ…」

 

「彩葉〜」

 

「はあ…夜の部には参加するから。」

 

「よっしゃあ!」

 

「我ながらチョロすぎる…!」

 

本当に、どうすればこの子のおねだりに耐えられるのか。

 




 

かぐやには、いくつかの面がある

 

一つは超元気で無茶苦茶な配信者のかぐや。

 

一つは私にやたら甘えてくるかぐや。

 

一つは意外とドライなかぐや。

 

そしてもう一つ。

 

『ヤオヨロー!神々のみんなは今日も元気かな?』

 

仮想空間『ツクヨミ』の管理人、自称AIのアーティスト

月見(るなみ)ヤチヨ』

その中の人…というよりはヤチヨこそが紆余曲折八千年前にタイムスリップした末に作られたかぐやのペルソナなのだ。まああの子の本質でもあるんだろうけど、よく考えるとうっすらキャラが被ってるし。

 

『次に歌う曲のアンケート集計が終わったよ、みんな投票してくれて感謝!』

 

いつの間にか彼女の配信は終盤に突入し、次回の話に移っていた

 

『次に歌うのは…ドゥルルルルル…でん!『SAIKAI』!』

 

『MiliのCassieさんが歌うゲーム音楽だね!今回の投票ではこれが一番多かったんだけど、なんでかなー?』

 

『とにかく、来週の配信を楽しみにしててねー!』

 




 

「疲れた〜!彩葉肩もんで〜」

 

「あんたの肩はそういう仕様じゃないでしょ。」

 

「気分だよ〜気分。」

 

「はいはい…それで、来週歌う曲が決まったんでしょ、練習しなくていいの?」

 

「それはもう大丈夫!何回も歌ったことあるし!」

 

「そうだっけ?配信にも動画にも無かったと思うけど。」

 

これでも私はヤチヨの正体を知る前からファンなのだ、配信も動画も一通りのことは覚えている。

 

「え〜っとね…ちょっと恥ずかしいんだけど。」

 

「何よ、私はあんたのオムツ替えから始まり8000年の友人関係まで大方知ってるのよ、今更じゃない。」

 

単純な事実、彼女の記憶と記録を覗き見た私はだいたいのことを知っているのだ。

 

「すごいこと言ってる〜…いやさ、私がヤチヨだったことを告げてからしばらくして…ちょっと怖かったんだよね。」

 

「何よ。」

 

「こんな変な人生送ってきた私でも、彩葉についていけるのかなって、愛してあげられるのかなって。」

 

「…」

 

「でさ、そんな時に気晴らしにいろんな音楽をダーっと聴いてたら『SAIKAI』が流れてきたんだ。」

 

「最初はよくわからなかったけど、これがゲーム音楽だって知ったらそのゲームについて調べて…それでちょっと驚いたんだ。」

 

「これは生き別れた親子の曲なんだ、母親が我が子を助けるために旅に出て、娘はそれを何年も待って、そして待ちきれなくなった娘は母への愛憎を募らせて。」

 

「…かぐやは、私を待つのが嫌だった?憎しみがあったり…する?」

 

これは聞くべきではない、あるいはもう何度も聞いたことかもしれない、それでも尋ねずにはいられなかった。

 

「そりゃまあ…でもねそれ以上に愛しかったよ。」

 

「待ってる間も一人じゃなかった、私を応援してくれる友達が居た。」

 

「それにこのゲームに出てくる娘…アラヤも一緒で、母親の良秀も一緒だった、待つのにも旅をするのにも仲間がいたの。」

 

「出会いがあるなら別れがあって、寂しいこともあったけど。」

 

「それでもね、曲の歌詞にはこうあるの。」

 

『S is not for SAYONARA』(「さ」は「さようなら」の「さ」じゃない)

 

「聞いたらなんだかとっても嬉しくって、だって私達みたいじゃない?」

 

「…そうね」

 

「だから大丈夫だよ、彩葉。私達はこれからも一緒、退屈にさせたり、悲しませたり、何より縁が切れたりなんか絶対しないしさせないから!」

 

「こっちこそ!」

 




 

「あの頃は気づかなかったけどヤチヨってさ。」

 

「なんだい?」

 

「意外とかぐやのままだったね、かぐやとめちゃくちゃキャラ被ってたよ。」

 

「頑張って変えてたのに〜!」

 




SAIKAI/Cassie Wei
俗に言うMili曲、皆さんもリンバス9章をやってください。
超かぐや姫も見て欲しい、名作なのです。
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