My Hero Grand Order   作:BLUE@

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第三回戦 VS飯田天哉

試合後、轟君をナイチンゲールさんの宝具で治療をしてリカバリーガールの元に送った後、僕達の試合を見てはしゃぐクラスメート達にもみくちゃにされながらA組で固まってるスタンドに座る。

 

現在、舞台はセメントスによって修復中。僕と轟君の全力放出で壊れたからね。

 

それが終わると早速第二試合が再開される。

 

飯田君と塩崎さんの戦いか。

 

どう茨を回避して捌くかがキモだね。

 

回避させないよう逃げ場をなくした茨の覆いからの茨の津波。

機動力を封じた塩崎さんの波状攻撃を、飯田君の蹴撃が引き裂いた。

 

『ヒーローは人を過剰に傷つけてはいけない。だが襲い来る障害を粉砕して進むことは許されるっ!!』

 

接近された塩崎さんの苦し紛れの足掻きも吹っ飛ばし飯田君は勝利した。

走るなら片脚がエンストしたら終わりだが、攻撃だと割り切れば最速の攻撃が2発打てるか。

かなり厄介だね。

 

二回戦、飯田君の勝利。

この障害物の無い視認できる舞台は飯田君に有利だ。

 

続いて芦戸さんと常闇君の戦い。

 

高いフィジカルにバランス感覚そして凶悪な個性を持つ芦戸さんに、常闇君は敢えて接近し至近距離でダークシャドウを叩き込んで場外まで吹き飛ばした。

 

二回戦、常闇君勝利。

 

そしていよいよ二回戦最終戦、切島君とかっちゃんの試合。この勝者で雄英高校一年のベスト4が決定する。

 

周りからの評価だとかっちゃんが不利。

硬化の個性に喧嘩根性殺法の切島君は接近戦なら文句なしの強者。かっちゃんの個性である爆破を耐えきれるなら勝ち目はある。

 

そう周囲は思っていた。

 

『グハッ!!』

『実戦喧嘩殺法が武術に勝るって思ってたか?そいつは奇を衒って不意をつけたらの話だ』

 

だけど予想に反してかっちゃんは麗日さんの時と同じく殴りかかる切島君の腕を取り投げ飛ばして更に爆破で場外に吹っ飛ばした。

 

「柔道、だけじゃないか?」

 

格闘技に精通している尾白君がかっちゃんの動きが武術によるものだと推測する。

 

(まあ、僕が教えた物なんですけどね)

 

僕が個性に目覚めて直ぐに行った勝負で敗北後。かっちゃんが自分を高める手段として選んだのが武術だったのだ。

 

個性により規格が揃えられなくなった武術は現在廃れている。だが数千年の人類闘争の歴史の中、突き詰められ最適化された戦闘理法は今だ健在。

 

更に僕が教えたのはサーヴァント達から教えられたものだ。僕はかっちゃんに彼等から教わった技を余すことなく伝授した。

 

その結果、かっちゃんは生来の天才性で僅かな期間であらゆる流派を体得したことであらゆる武術を修めた無手の戦闘で並ぶ者無しの実力者に至っていた。更に個性の爆破の火力が加わるから攻撃力は倍だ。

 

こうして二回戦全試合終了、一年ベスト4が決定した。

 

そして三回戦目、僕と飯田君はお互いステージに上がる。

 

『三回戦目!そのスピードで相手を翻弄するランナー!、飯田天哉!VS同じく、彼のスピードをどう攻略するのか?ヒーロー科、緑谷出久!lady Go!』

 

開始の合図と同時に僕は飯田君と渡り合える英霊を憑依させる。

 

「憑依召喚。アルターエゴ【メルトリリス】」

 

選んだのはムーンセルの管理AIの一体、BBが生み出した眷属の一人で女神の英霊を複合したハイ・サーヴァント。

 

SE.RA.PHの調査で孤立無援となった僕に力を貸してくれた英霊。

 

「ちょっ!?緑谷君!?何だその恰好は!?」

 

彼女の力を借りた僕の姿を見て飯田君は顔を赤くした。

うんまあ、気持ちは分かる。だって。

 

『おおっと緑谷選手!今度は女になったが下半身が危ない事になっているぞ!?』

『おい、ミッドナイト以上にヤバイ絵面だぞ』

 

このメルトリリス、下半身がほぼ丸出しだから結構不味いんだよね。

 

「ああ、クソ!こっからじゃあ見えねえ!」

「何で望遠鏡を持ってこなかったんだ俺の馬鹿!」

 

そして上鳴君、峰田君。君達は黙っててくれ。

 

「ごめんね、飯田君。こういう英雄なんだ」

「「「どんな英雄!?」」」

 

この場に居る全員から総突っ込みを貰うが、どうしようもないんだよね。

 

「ほら、気を取り直して。始めよう」

「あ、ああ、そうだな……」

 

何とも締まらない空気の中だったが、いざ戦うとその空気は吹き飛んだ。

 

「く!?速い!?その英雄、俺と同じ戦闘スタイルか!」

 

フィギュアスケートのように地面を蹴り、踊るように蹴る僕に飯田君は躱すので精いっぱいだ。

更に距離を取ろうとしても追いつかれるため。飯田君の蹴り技を封じ込めた。

 

「くそ!?同じ戦闘スタイルがこうもやりにくいとは……」

 

飯田君は苦し紛れに蹴りを放つが僕は滑る様に回避して、その背に蹴りを叩きこむ。

 

『おおっと飯田選手!緑谷選手の華麗な動きに翻弄されている!』

『まさか飯田と似た戦闘スタイルをぶつけて来るとはな。しかも動きが軽やかな分、緑谷が優勢だ』

 

実況の声が響く中、僕は更に加速して飯田君に攻撃を続ける。

 

「くっ!?レシプロバースト!」

 

飯田君は焦ってエンジンの出力を上げて蹴るが、僕は上体を逸らして回避し、バク転しながら蹴る。

 

そんな攻防が続き、飯田君は二回目のレシプロバーストを外したところで僕は飯田君に話しかける

 

「飯田君。これで君は対抗手段は無くなったけど、まだ続ける?」

「当たり前だ!ヒーローを目指すものとして決してあきらめない!」

 

もう足が限界のはずなのにそれでも立ち上がる飯田君に僕は真っ直ぐ見つめる。

 

「そっか。なら、全力で行くよ」

「望むところだ!」

 

僕は彼の意志を尊重し、宝具を使う。

 

「君には、そろそろご退場願うよ?さぁ、飲み込まれてしまいなさい。【弁財天五弦琵琶】!!」

 

この宝後は本来は対心(対人)ではなく対衆、対都市、対界宝具。

 

戦闘や戦士に用いるものではなく、一定の文明を築いた文明圏に用いるもの。

 

メルトリリスの蜜は肉体だけでなく精神まで甘く溶かす。

 

この宝具はそのコミュニティーの良識・道徳をとろけさせ、群体のように一体化させてしまう。そうして身も心も社会もスライム化したものを踏みにじり、吸収するのが本来の力だ。

 

けど舞台がSE.RA.PHではないため、本来の効果を絞り、物理攻撃特化に調整されているのでこの能力は適応されない。

 

僕は飯田君の周囲を回転しながら切り裂き、最後に渾身の一撃を叩きこんだ。

 

「勝者!緑谷出久!」

 

試合が終わった後、僕は飯田君を医務室に連れて再びナイチンゲールさんの姿になって治療をして観客席に戻ると丁度、かっちゃんと常闇君が戦っていた。

 

そして常闇君の攻撃を最小限の動きで回避しながら間合いを詰めると特大の爆破で吹っ飛ばした。

 

そしてミッドナイト先生がこれ以上の戦闘は無理と判断してかっちゃんの勝利とした。

 

(これで、決勝か。負けないからね、かっちゃん!)

 

僕は決勝に上がった幼馴染みに強い闘志を燃やした。

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