世界が震撼し、偉大な庇護者のいなくなった世界で人々は新たな形を模索する中、僕は雄英の制服に着替えたマシュと一緒に登校していた。
「先輩、この格好どうですか?」
マシュは少し照れくさそうに僕の目の前でくるりと回りながら見せる。
「うん、似合っているよマシュ」
僕がそう褒めるとマシュは気分が良くなったのか足取りが軽くなった。
何故彼女が制服を着ているのかというと今回の事件でヴィランに攫われた僕は根津校長に相談したところ、護衛としてマシュを同行させる許可を貰えて更に編入生として手続きをさせてもらった。
「ふふ、楽しみですね。先輩」
マシュにとって初めての学校生活に浮かれているの見て、彼女には存分に楽しんで欲しいと思いながら雄英高校の敷地内に入ると前からA組の皆が駆け込んできた。
「デク!無事か!?」
「デク君!」
「良かった、緑谷君!」
かっちゃんと麗日さんを筆頭に次々と寄っていく。
「皆、ごめんね。心配を掛けて」
「全くだ。俺達はお前が攫われてから皆、心配で眠れなかったんだぞ」
A組の皆にもみくちゃにされていると皆がマシュの存在に気付きはじめる。
「緑谷君、彼女は?」
「ああ、紹介するよ。彼女はマシュ・キリエライト。僕の個性で召喚した英霊だよ」
「「「英霊!?」」」
僕の説明に驚く皆にマシュは一歩前に出ると自己紹介を始めた。
「皆さん初めまして。私の名前はマシュ・キリエライト。先輩のサーヴァントであり、これからは雄英の生徒としてきました。よろしくお願いしますね」
満面な笑みで自己紹介するマシュ。
その可愛らしさに男子達はちょっと見とれていたがここで上鳴君、切島君、瀬呂君がその名前に築く。
「ちょっと待て!マシュ・キリエライトって言やぁ。FGOのメインヒロインの名前じゃねえか!?」
「あ、本当だ!それに外見もまんまじゃねえか!?」
「え、何?実在していたの!?」
三人のFGOという言葉に他のFGO読者も気づき始めた。
「先輩、もしかして……」
「うん、あの旅を本として出しているんだ」
僕はマシュに小声でFGOについて簡単に伝えると、背筋に悪寒が走った
「おい、緑谷……」
と、ここで峰田君が何か目を血走らせながら怨霊の様にじりじりと寄ってきた。
「お前……俺達が心配している間にまた新しい女を落としやがったな?」
「え、峰田君?」
何かいつもより様子がおかしいんだけど。しかも血涙流し始めた。
「いっぺん地獄に落ちろー!」
そう言って僕に襲い掛かる峰田君だがまたもや見覚えがある帯が彼を拘束する。
「全く。来て早々何の騒ぎだ?」
持ち主はもちろんこの人、相澤先生だ。
―――
「とりあえず、一年A組。また集まれて何よりだ」
ハイツアライアンスの前に集合した雄英高校ヒーロー科A組一同は担任である相澤先生からの話を聞く。
「まずはすまなかった、謝罪させて欲しい。雄英高校の不手際でお前達生徒とご家族の方には苦痛と負担をかけて、さらには無理まで強いている」
生徒を守る為の全寮制。
これを導入していたことで実家暮らしやアパート暮らしの者は引っ越しやら手続きやらで苦労した人も居ただろう。
「さて、これから寮の説明をするがその前に二つ。今この場に居るマシュ・キリエライトだが、今日からA組の生徒として雄英に通うことになった。皆、仲良くするように。
そして二つ目、当面では合宿で取る予定だった仮免取得に向けて動いていく。凄くキツイが、まあ、頑張ってくれ」
相澤先生はそう言って寮に入ると説明を始める。
男女で分かれた棟は一階の共同スペースで繋がっており、食堂や風呂、洗濯は共有。
自室は二階からで一人一部屋、エアコントイレ冷蔵庫にクローゼット、さらに備え付けの机に椅子と棚とベッドまで付いた贅沢空間。
共同と聞いてまた峰田が不穏な雰囲気を持ったが相澤先生が阻止した。
「部屋割はこんな感じだ。とりあえず今日は部屋作ってろ。明日また今後の動きを説明する、以上解散!」
「「「はい、先生!!」」」
こうして僕達は割り当てられた部屋で各々のコーディネートを施していく。
―――
そして夜、荷解きを終えた僕達は一階で寛いでいると女子達を連れた芦戸さんがお部屋披露大会を開催。
まず初めとして一番近かった僕の部屋に入ってきた。
「お~!中々良い部屋じゃん!」
「以外!」
「あ、これFGOのポスター?」
僕の部屋を興味深そうに見渡す女子達。ここで切島君が棚にあるFGOのグッズを見つけて目を見開く。
「緑谷これ!今年の春のイベントで100人しか手に入らないっていう幻の限定グッズじゃねえか!?」
「あ!これって一部終章発売記念で出された設定集じゃねえか!?何でお前が持っているんだ!?」
「すっげぇ!どれもこれも普通じゃ手に入らないものばっかじゃん!?」
男子生徒が僕が貰った限定グッズの数々に問い詰められているとかっちゃんが欠伸をしながら答えた。
「そりゃあ、デクはFGOの作者だからな。商品開発とかに関わっているからそん時に貰ってんだろ」
「「「……え?」」」
かっちゃんのカミングアウトに皆の時が止まった。しばらくしてようっやく内容を理解したのか全員驚愕の声を上げる。
「ば、爆豪!それ、本当なのか!?」
「嘘は付かねえよ」
「まじでか!?」
その後僕はクラスのFGO読者による質問攻めに遭い、皆を落ち着かせるために数十分を要した。
ようやく皆が落ち着いた所で再び皆の部屋を見て回った。
常闇君
全体的に暗く、恐怖を誘う内装。
青山君
全体的に眩しく、とても派手な内装。
峰田君
どす黒いオーラが出ていたのでスルー
尾白君
特変わった所が無い普通な内装。
飯田君
真面目な彼らしい内装だが予備のメガネの数が凄かった。
上鳴君
全体的にチャラく、手あたり次第な感じがする内装。
口田君
普通の内装だが可愛らしいウサギが居るのがポイント高い
そんな感じで各々の部屋を評価している途中、言いたい放題された男子達の不満を募らせる中、峰田君が女子部屋も評価するべきと宣言、それに芦戸さんがOKをだす。
何か峰田君から不穏な気配を感じるな。用心しておこう。
かっちゃん
彼のセンスが最大限引き出された格好いい系の内装。
切島君
漢らしく暑苦しい内装に麗日さん以外は微妙な顔をされた。
障子君
机と布団しかない質素な部屋だった。
瀬呂君
普段の彼の印象と全く違うエイジアンな内装に女子達ははしゃぐ。
轟君
この短い時間でフローリングから和室にリホームされていた。
砂藤君
普通の内装だが手作りのシフォンケーキに女子達はテンション上がっていた。
そして男子組が終わり次は女子組の部屋を評価する。……その前に。
「瀬呂君、峰田君を拘束しといて」
「分かった」
「な、何すんだよ!?」
また峰田君が邪な事を考え始めたのでとりあえず瀬呂君に拘束してもらって続きを再開する事にした。
耳郎さん
楽器やCDなど音楽に関する物で置かれた内装に驚いたが上鳴君と青山君が余計な事を言ったのでお仕置きされた。
葉隠さん
女の子らしい可愛らしい内装。
芦戸さん
こちらも葉隠さん同様、可愛らしい内装。
麗日さん
凝ったものは特になく、とても質素な内装。
梅雨ちゃん
蛙のぬいぐるみや装飾が飾られた彼女らしい内装。
八百万さん
お嬢様らしく豪華な内装だったがベットが大きすぎて物凄く狭く感じる。
マシュ
全体を白系統で統一された彼女らしい内装。
全員の部屋を見て回った僕達は一番いいと思った部屋に投票、その結果は砂藤君の部屋に決定した。
理由は「ケーキが美味しかった」という部屋とは全く関係が無い物だったがそれでも楽しい物だった。
そしてお部屋披露大会が終わると、皆で歯磨きをして自室に戻り、眠りについた。