転生したら妖怪だった件   作:鋼色

16 / 16
16と格上の炎と強者

「覚悟しろよイフリート。俺の攻撃はウザいぞ」

「……?」

「熱くて近寄れないなら、熱さを含む炎ごと食べちまえば解決する話だとは思わないか?」

 

妖魔受胎で生み出したスライムの破片から捕食者(クラウモノ)を発動し、炎を飲み込んでいる。

 

イフリートを飲み込めないのは魔素の差かな。多分そのまま飲み込むとリムルに大ダメージが来るのかな。

 

はぁ……聞いたことないよ、食べて逆にダメージが来る相手なんて。

 

「鬼槍・光天」

 

そんなリムルとイフリートを横目に、私は鬼玉から槍を作り出す。

 

どれが効くか分からないなら、全部試してみるしかないもんね?

 

「たこ焼き流槍術・千林華」

 

最終奥義にも等しい大量の魔素を貼り付けて投げる力技、千林華。

 

大量のダメージを与えれるかなって思ってこの技使ったけど、イマイチ。思ったよりも防御と体力がヤバそう。

 

「そうなったら今度はリンダと烈風豹族(テンペストパンサー)の合わせ技!純白暴風雨(ホワイトテンペスト)!」

 

うわぁ、全然効いてなさそう。私でも受けたら大ダメージは免れないほどの圧倒的攻撃力だよ?

 

それを無傷でやり過ごすとか自信なくなるんだけど。

 

「聖魔杖術・鐘鳴(カネナリ)

 

杖に搭載されている鐘を鳴らし、自分自身に超強化をかけて高速の打撃を与える技。

 

凍結百花・薔薇(ローズ)が魔法中心だとしたら、聖魔杖術・鐘鳴(カネナリ)は超がつくほど物理技。

 

「…っ!かっ、が、はっ!!」

 

鐘鳴(カネナリ)を受け流されて、お腹に掌底を受けた。それは今まで受けてきたどんな攻撃よりも高次元で、格差を最も感じる一撃。

 

きっと私だけじゃ勝てない。リムルと足並み揃えても勝てない。

 

もっと、もっとシンクロを深めながら加速させないと倒せない敵。進化をし続けなければ倒せない敵。

 

あぁ、今の私やリムルにとっては高すぎるよ。だからこそ、越えたときに燃えるんじゃないか。

 

「リムルゥ!まだそんなものじゃないでしょ、まだまだ焦がすよ!全力全開!超本気(ガチマジ)…!!!」

「仕方ねえな、ついてこいよ。妖魔之(デモンストレイト・)核撃化(ニュークリアフルバースト)

「誰に言ってんの!」

 

守護之御力、大帝鬼(オニサマ)超本気(ガチマジ)鬼時間(テラータイム)

 

強化の四段重ね。あまりの倍率に体が軋む。これ以上は耐えきれないと悲鳴をあげている体に天魔再生をフルで回す。

 

そうしないとあまりの負荷に倒れてしまいそうだ。

 

そして、それはきっとリムルも同じ。超進化再生や熱変動耐性があると言っても爆発的な熱に耐えられるわけじゃない。

 

フルパワーを維持できるのは数分が限度。その数分で片をつけないと殺されちゃうかなぁ。

 

まあ、いっか。どうせ本気を出さなかったら殺されるのは確実だし。

 

「熱さが何?私だって炎の妖怪だよ!!」

「っ!」

 

さっきは一撃受けただけで吹き飛ばされちゃったけど、今は別。バカみたいに強化された肉体は真正面から熱と打撃を受け止め、反撃を繰り出す。

 

特別能力(エクストラスキル)の逆境、怨念反転、反転でカウンターの威力を少しでも上げる。

 

触れたら焦げてしまいそうな熱度を真正面から触り、天魔再生で治し、また触れる。

 

その繰り返しだ。それでも指先に力が入るのは隣に戦っている人がいるからか、私の後ろに守らなければならない人がいるからか。

 

……そんなのどうでも良いか。今はただイフリートに集中していたい。

 

「……!」

 

さっきまでの赤い炎とは違う、白い炎が腕にまとわりついてくる。

 

無理やり離そうと思っても離せないね。継続的にダメージを与えるスリップダメージの役割を担っているのかな。

 

でもこの程度のダメージなら大して気にせずに戦っても……!?

 

「っ、なにこれ…!?めっちゃ痛い…!!」

 

スリップダメージが通り過ぎた後、何とも形容し難い痛みが腕を襲う。

 

いや、体を襲う!足や腕を動かすことができないほどの強烈な痛みが体を蝕み、イフリートの目の前で悶える。

 

「おぉらよ!……カミア!」

「はっ……ありがとう、リムル。楽になったよ。何をしたの?」

「炎だけを食べたんだ。……この炎、痛覚無効を持ってなけりゃ近接戦はできないようになってるな。スリップダメージで受けた痛みを倍にし、その倍に受けた痛みを更に倍に、その倍を更に倍。いわば無限に強くなる痛みの炎。性格悪いったらありゃしない」

 

そう考えたら納得のいく話。私は痛覚鈍化や痛覚無効を持っていないのに特段と痛みに強いわけじゃない。

 

それだったらこの炎の前にひれ伏すのも理解できる。

 

「…理解できるからって受け入れるかは話が別だけどね……」

 

万能執事(ワタシノシツジ)。長ったらしい説明はいらない。あの白い炎を出されても真正面から戦える力を手に入れるにはどうしたら良い。

 

〈……解答。配下の妖怪たちを妖魔伝記(アヤカシ)で進化することで身体能力の向上や新たな能力の獲得に期待できます〉

 

〈しかし、配下たちの進化には多大な負荷が発生します。死亡する危険性が30%ほど……〉

 

知らないよ、そんな確率。知ったこっちゃない。

 

もしかしたら死ぬかもしれない。それは、今ここで歩みを止める理由にはなりはしない。

 

もしこの反対を選んだとしても、逃げ切れる保証はない。

 

それに……リムルとここまで来たんだから。洞窟で色々やって、今ようやく本腰入ってきたとこなの。

 

それ邪魔されて心折れるなんてダサいじゃん。

 

〈…了解。妖魔進化を実施します〉

 

配下たちの進化。それにより流れ出す圧倒的な力。

 

体を分析し、最適な能力(スキル)を探っているのだと本能に実感させられる。

 

この最悪な感覚に倒れてしまいそう、挫けてしまいそう。

 

でも、私は倒れない。私が成りたい私はこんなんじゃないからさ。

 

特殊能力(ユニークスキル)苦悶者(クルシムモノ)]を獲得しました。続いて、痛覚鈍化を獲得しました〉

 

「イフリート」

「……」

「これで、やっと真正面から相手できるよ」

 

蠢き、迫るは先ほどと同じような白い炎。体にまとわりつき、痛みを倍加させてくる忌まわしきもの。

 

けど、さっきみたいに痛すぎて動けなくなるわけじゃない。悪いね、イフリート。私、成長してるから。

 

「……!」

 

少しの炎じゃ私を倒せないと踏んだのか、炎の熱度と量、勢いが増す。

 

流石にそこまでクルと私も耐えきれないかな。天魔再生をフルで回しているけど、ダメージが入ってきてしまう。

 

でもさ、イフリートくん。限界が見えてきたんじゃないの?

 

赤い炎と白い炎。両方を高出力で放出しているからか、本体の熱度が大きく下がっている。

 

これなら効くよね、百鬼姫の氷が。

 

「覚悟するといい……吹雪之息吹(ホワイトブレス)

 

私諸共イフリートに冷たい妖術が襲いかかる。熱がないイフリートに氷の術は刺さり、更に温度が低下する。

 

はは……ここまでお膳立てしたなら食べれるよね?無理なんて言葉は聞く気はないよ。

 

「っ、リムル!!」

「任せろ!!捕食者!」

 

リムルの体がイフリートを包み込み、食べる。

 

残ったのは魔素が衰弱してるシズちゃん。

 

「リグルド……シズさんを運んでくれるか?」

「はっ!リムル様方は……?」

「俺たちは少し休んでから行くよ」

 

疲労感からか、つい腰が落ちる。このまま寝っ転がったら寝れるかな。うん、多分寝れる。

 

「お疲れ様、カミア」

「リムルもお疲れ様。久しぶりにこんな苦戦した気がするよ……」

「そうだな。暴風之混沌霊(カオスヴェルート)、リンダとの戦闘以来か?」

「リムルはテッカクとも戦ったんでしょ?」

「いや、あれは論外。俺がボコボコにされたし……勝った勝負で言えば久しぶりだよ」

 

確かに……それはそうかも。

 

「……やばい。眠くなってきた」

「…あぁ、イフリート倒したからか。安心しろ、俺がいてやるよ」

「うん……ありが……と」




苦悶者(クルシムモノ)
苦しい、辛いと思えば思うほど成長に補正が掛かる特殊能力(ユニークスキル)

痛覚鈍化
痛覚無効の下位互換バージョン。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

読者層が似ている作品 総合 二次 オリ

内緒やで、ぶっちゃけダサいと思っとんねん。術師が得物使わんの(作者:器用貧乏ならっこ)(原作:呪術廻戦)

これはもし直哉が得物をしっかり使って戦闘してたら、そんなお話。▼掲示板形式のタグは番外編にやるつもりで付けてます。▼2026/03/24 本編完結しました。


総合評価:6959/評価:8.46/完結:21話/更新日時:2026年04月10日(金) 20:11 小説情報

武術の王『虎杖悠仁』(作者:やめろ小僧、その技は俺に効く)(原作:呪術廻戦)

もし虎杖悠仁が如来神掌の使い手だったら?という話。


総合評価:21019/評価:8.79/完結:71話/更新日時:2026年06月02日(火) 11:05 小説情報

禪院全「全ては僕の為に」(作者:羂索ハードモード)(原作:呪術廻戦)

一九七七年、冬。▼呪術御三家が一つ、禪院家に、一人の『化け物』が産声を上げた。▼その名は禪院全。生まれながらにして規格外の呪力を宿し、父の歪んだ野心という名の呪いを背負わされた少年。▼彼が与えられた生得術式は、他者の術式を根こそぎ奪い取り、己の糧とする禁忌の力――【簒奪呪法】。▼奪うも与えるも思いのまま。才能に恵まれず虐げられる者たちに術式を『禅譲』しては狂…


総合評価:27017/評価:9.03/連載:50話/更新日時:2026年07月21日(火) 12:00 小説情報


小説検索で他の候補を表示>>