百生吟子(病み)
「ねえねえ、吟子ちゃん!」
「うん、何かな?」
「○○先輩って、スクールアイドルクラブの誰かと付き合ってるのかな~?」
とある日、クラスメイトの女の子からそう聞かれた。
「誰と付き合ってるとか聞いた事ない…」
「そうなんだ!なら、吟子ちゃん!○○先輩と会わせてくれない?」
「えっ…なんで?」
彼女からそう言われた時、私の反応はこうだった。
「だって、誰にでも優しいし。かっこいいじゃん!」
「うん、確かにかっこいいけど…」
「だから、直接会ってみたいなって」
「うん…話は通しておくね」
「ありがとう~!吟子ちゃん、絶対話しておいてね!」
彼女は私にそう言って、違うクラスメイトの所に行ってしまった。
さっきから、上がっている○○先輩というのは、私が所属しているスクールアイドルクラブの男子の先輩。
私のおばあちゃんと○○さんのおばあちゃんが知り合いで、その繋がりからの知り合いで、私の好きな人_
「好きな人なんだから会わせる訳ないのにね…」
私がボソッと呟いた言葉は、誰にも聞かれることはなかった。
そして、放課後。
部室に向かうと、○○さんが椅子に座って作業をしていた。
そんな○○さんに声を掛けたのは慈先輩だった。
「○○~今度の休み、一緒にこれ食べに行こうよ~」
慈先輩はそう言って、○○さんに抱き着く。
「えぇ…今度の休み、綴理と出かけるんだけど…」
「む~その後は?」
「その次は梢と_」
「もう!私とおでかけに行くって言ってくれたのに、行ってくれないじゃん!」
○○さんの対応に、慈先輩がキレた。
「ごめんごめんって…」
「謝るくらいなら、私とデートしてよ!」
「予定が合えば…ね?」
「予定って言っても、全然空いてないじゃん!」
「それはそうなんだけど…」
慈先輩の言葉責めに困っている○○さん。
私は、○○さんを助けるべく二人の間に入っていった。
「慈先輩、○○さん、こんにちは」
「吟子、いらっしゃい」
「吟子ちゃん!聞いてよ!」
「はい?」
二人の間に入るや否、慈先輩はそう言ってきた。
「○○ったら、私とのデート嫌だって言うんだよ?どう思う?」
「えっと…」
よりによって、なんでそのような質問を私にするんだろう
「慈…吟子が困ってるから…」
「○○が私とデートに行ってくれないから、こうなってるんでしょ!」
「えぇ…」
慈先輩に怒られて困惑の表情を浮かべる○○さん。
「でも、慈先輩、タレントなんですよね?恋愛的なのは…その…ダメなんじゃ…」
「うん?その事なら大丈夫だよ?なんだって、私たちめぐ党の間では公認の仲だし」
「…えっ…?」
慈先輩から出てきた言葉にショックを受ける私。
○○さんの方に、私は見た。
「はぁ…吟子、この話は聞かなくていいから、慈が適当に言ってるだけだから」
○○さんはそう言って、席を立った。
「○○?どこ行くの?」
「ここに居たら集中できなそうだし、寮に帰る」
「ええ~帰っちゃうの?」
「最後の鍵閉めは忘れないようにね」
○○さんはそう言って、パソコンを鞄にしまって部室を後にした。
「私は、ただデートに行きたいだけなんだけどなぁ…」
○○さんが居なくなって、慈先輩がそう言っていた。
「慈先輩は、○○さんの事好きなんですか?」
「吟子ちゃん」
「はい」
「何当たり前の事を聞いてるの」
「えぇ…?」
「私はずっと○○に一途だからね」
慈先輩はそう言って、部室を後にした。
「…このままじゃ…まずいかもしれへん…」
私は、○○さんの部屋に向かった。
今日で決めるって想いで
*******
○○さんの部屋の前に付き、扉をコンコンと叩く。
しかし、居ないのか全然扉が開く雰囲気は無かった。
扉に耳を当てて、中の音が聞こえないか試してみる事にした。
すると_
「○○先輩…吟子ちゃんと仲良くしたいんですけど…どうしたらいいですか?」
なんと花帆先輩が居た。
「花帆ちゃんらしくやってみたらいいと思うけどなー僕は」
「あたしらしく…?」
「そう、向き合えば分かってくれると思うよ」
「なるほど…向き合う…分かりました!あたし、やってみます!」
「うん、でも、抱き着くのは辞めてね?」
「何言ってるんですか!あたしと○○先輩の仲じゃないですか!」
花帆先輩がそう言ったのと同時に、私は扉から耳を離して、近くの柱に隠れた。
『○○さん、今から部屋に行きたいんだけど、いい?』
とメッセージアプリで○○さんに送った。
それから、しばらくして花帆先輩が○○さんの部屋から出て行ったのを確認して、○○さんの部屋のドアをノックする。
「吟子、いらっしゃい」
「はい、失礼します」
○○さんに案内されるがまま、部屋の中に入ると、机の上にマグカップが二つ置いてあるのが見えた。
「○○さん、誰か来てたんですか?」
「うん、花帆ちゃんが来てた」
「何の話してたんですか?」
「うん?たわいのない話だよ?吟子と仲良くしたいって話」
「それ以外には?」
「それだけだよ?」
○○さんは、表情を変えずにそう言ってきた。
「…嘘ですよね…?」
「へっ…?」
「だって、花帆先輩と抱き着いてたじゃないですか…」
私がそう言うと、○○さんは黙ってしまった。
「何か言ってくれてもいいじゃないですか…何も言わないのはそういう事だと思いますけど…」
「…吟子がどう思ってるか分からないけど…そういう関係じゃないから」
「じゃあ、その証拠を出してください…」
「証拠って言っても…どうやって出せば…」
「…もういいです…」
私はそう言って、○○さんの事をベットに押し倒した。
「…吟子…?」
「…私の気持ちが分からない○○さんにはこうするしかないですよね…」
「…へっ…?」
私はそう言って、ポケットに入れておいた惚れ薬を手に持った。
「…吟子…それって」
「ふふふ…飲んでください○○さん…」
「いや…怖すぎるって…」
「いいから!飲んで!」
「だから…無理だって…」
○○さんの元に持っていったけど、○○さんは口を開けて飲んでくれなかった。
でも、ここまでは想定済。
「はぁ…」
私は諦めて、自分の口に惚れ薬を入れた。
「吟子…何して…うぐぅ…」
そして、そのまま○○さんの唇にキスをして、惚れ薬を口移しで○○さんの口の中に入れた。
「…吟子…」
「ふふふ、これで準備は出来ました…後は時間の問題ですね」
「…えっ…」
「もう、離しませんからね○○さん」
それから数時間後、○○さんは私の物。
誰にも渡さない…あげない…
-後日-
「なんで、○○、吟子ちゃんと距離がそんなに近いの?」
「慈先輩」
「えっ、何?」
「○○さんは私の物ですから、もう手を出さないでくださいね。手を出したら…私、何するか分からないですよ?」