ラブライブメンバーは告られたい   作:桜紅月音

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セラス 柳田 リリエンフェルト(1)

 

「友達が欲しい。どうしたらいいと思う?」

 

私は病院に持ち込んだぬいぐるみにそう話しかけた。

人見知りで友達作りが苦手だった私は、ぬいぐるみが友達だった。

 

そんな私に声をかけてくれたのが彼だった。

 

「セラス、友達出来なかったの?」

 

「○○…うるさい」

 

「怒られちゃった…」

 

彼は、○○。

私の幼馴染で、私と同じ病院に入院していた男の子。

そして、部屋も一緒だった。

 

「花ちゃん~また、セラスに怒られたんだけど…」

 

「あたしに構っても何もないよ」

 

「花ちゃんにも振られた…」

 

誰にでも構ってあげるそんな男の子だった。正直な所、うざかった。

でも、話しかけてくれるのは嬉しかった。この頃から私は、○○の事が気になっていた。

 

「ねえねえ!○○、これやってみたい」

 

「ごめんね…僕は出来ない、かな…また、誘ってくれたら、嬉しいかな…」

 

私が小学生高学年になった頃、彼はそう言って断る事が増えていた。

 

「そうなんだ、また一緒に遊ぼうね」

 

「うん、約束」

 

そんな約束をした日もあった。

 

 

 

 

 

******

 

 

「セラスちゃん、いよいよ退院なんだ。良かったね」

 

「うん、○○君も退院できるよ!」

 

「ふふっ、ありがとうね」

 

私が中学に上がる頃、私の病気が完治して、病院での生活にバイバイになった一方で、○○は病院生活から解放される事は無かった。

 

「○○君は、私の事好き?」

 

「花ちゃん、とっても元気になったよね。その元気ちょっとでも分けて欲しいくらいだよ」

 

「じゃあ、こうして分けてあげるよ!」

 

花ちゃんはそう言って、○○の事を抱きしめる。

そんな光景を見て、私はちょっと妬いてしまった。

 

「花ちゃん!○○は私の物だよ!」

 

「ええ!?○○君は、私たちの物だよ!」

 

「いつの間にか、二人の物になってる…」

 

この頃には、私は○○の事が好きになっていた。

多分、花ちゃんも○○の事が好きなんだろうと私は疑っている。

 

「だって、私は二人よりもお姉さんだからね!」

 

「二つ年上なだけじゃん」

 

「それでも!私はお姉さんなんだから!」

 

「お姉さんっていうのは、看護師さんみたいな人の事を言うんだよ?花ちゃん」

 

「うぐっ…確かに…」

 

「そういう意味では、花ちゃんはお姉さんではないね」

 

そう話す二人は、とっても仲が良さそうだった。

私には出来ない事だから、この光景を見て嫉妬してしまいそうだった。

 

「でもでも!私だって、胸大きくなったんだから!」

 

「…反応に困る事を言うのは辞めて欲しいんだけど…花ちゃん」

 

「事実だもん!ほら、触って確認してくれてもいいんだよ」

 

そう言って、○○の手を握って、自身の胸へと持っていこうとした。

私は、そんな花ちゃんの手を止めた。

 

「せっちゃん?」

 

「スキンシップはほどほどにね?花ちゃん」

 

「せっちゃん…?怖いよ?どうしたの?」

 

花ちゃんにそう聞かれるけど、私は何も返せなかった。

嫉妬していたんだと思う。

 

それから、1年が経って花ちゃんは、金沢にある『蓮ノ空女学院』に行った。

なんでも寮生活なんだとか。私は同時期にアイドルを始めた。

でも、これで○○と二人きりの時間が増える。この時はそう思っていた。

 

 

 

「○○ー!お見舞いに来たよー!」

 

 

 

私はいつも通りに、○○が居る病室に来た。

けど、今日は様子が違っていた。

 

「セラスちゃん、ごめんなさい、今日は帰って貰っていいかな?」

 

「えっ?」

 

「本当にごめんなさい…!」

 

○○の担当の看護師さんにそう言われてしまい、私は追い返されてしまった。

○○に何かあったんだろうか。そんな思考が頭を駆け巡った。

 

 

 

そして、答えはすぐに分かった。

 

 

 

「えっ…○○が…」

 

「…」

 

その日の夜、○○のお母さんが、私の家にやってきて、○○が亡くなったと話を聞いた。

なんで…なんで…昨日まで…元気だったのに…そんな言葉が過っていた。

 

「…○○君…病気でしたよね…」

 

「ええ、余命3年でした…5年生きてくれました…」

 

私のお母さんと○○のお母さんの会話が聞こえてくる。

5年…あの時には…既に…

 

「でも、あの子がそれだけ生きてくれたのはセラスちゃんのおかげかな…?」

 

「えっ…?」

 

「あの子が言ってたの『セラスちゃんのアイドル姿を見て、誰かの憧れになりたいって、だから生きる希望になった』って_」

 

 

 

 

 

○○のお母さんにそう言われた時、私は何を思ったのだろう。

 

自分の部屋のベットに寝転がって考えていた。

 

 

「……何言ってるの…○○は、私の憧れだったよ…」

 

 

○○と一緒に取った写真を見てそう呟き、そして言う。

 

「○○に情けない姿を見せたくないから、私も頑張るね。私の憧れで好きな○○」

 




次回は花帆ちゃんの予定です。

もうちょい書きたかったけど、これ以上浮かばなかったのでごめんなさい。思いついたらちまちま追加しておきます。
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