忍の世界とか割と詰みである 作:こうすけ増田劇場版
「確かに三尾を封印しろとは言った……だが、まさか人柱力としてとは思いもしなかったぞ」
「丁度いい封印があったもので……」
今回の任務は無事に終わったのだが、本来果たすべき結果、三尾の封印がややこしい形で終わった。
三尾を封印して三尾で足を止めると言う事に成功したが俺の中に封印して人柱力になった。綱手様はもう少し何かあっただろうとやや不満そうにしているが、多分コレが一番だろう。
「三尾は本来は霧隠れの物だったがある時を境に居なくなってな……三尾で止めることは出来たが、三尾の一部を暁は回収した。我愛羅に宿っている一尾を狙わず二尾を狙った事から三尾はこれで終わりか、何処かの段階で一斉に狙いに来るか……」
「俺が人柱力になったのを交渉のカードに使いますか?」
「それもありだが、おそらくは今までとはなんら変わらないだろう……砂隠れと木ノ葉は暁を倒す事については積極的ではあるが、もう1つ何処かの里が暁を倒すのに力を貸すとならねば話が動かない」
「めんどくせえっすね……」
「事態を悪化させた者がなにを言っておる」
「!」
「これはこれはダンゾウ殿……なにか御用でしょうか?」
他の里への暁討伐の協力を結ぶことが出来ないのが中々に厄介な状況だと頭を抱えていれば……ダンゾウが現れた。
綱手様は何時もの体育会系のノリでなく社交辞令の様な態度を示しているがダンゾウは然程気にせず……やって来た理由を述べる
「新たに尾獣の確保に成功した様だが、九尾の人柱力を甘やかし続けているから何時までも木ノ葉は人柱力を使った戦力強化が出来ない。新たに手に入れた三尾のコントロールを辰五郎に行わせる。辰五郎よ、お前もそれは承知の上で三尾を身に宿したのだろう?」
「待て!三尾のコントロールは大事かもしれぬが、今は過剰に力を持たせては」
「いえ、構いませんよ」
ダンゾウが三尾の力をコントロールする事に専念する様に言えば、俺及び尾獣の力が狙いだなと綱手様は察する。
ここで俺は構わないとその話を承諾することをすれば綱手様は驚いている。
「綱手様、ナルトにばっか依怙贔屓をしないでください……三尾についてはどうにかしたいのを含めて自分に封印したから」
「ならば話は早い。これよりは木ノ葉で」
「砂と合同で尾獣の力のコントロールを……暴走した場合の被害を考慮して木ノ葉でなく砂で行いましょう」
「待て、砂でなく木ノ葉でだ……木ノ葉にはうずまき一族の封印術が幾つか残っている。失敗したとしても封印すればよい」
あ、このジジイ、俺に尾獣コントロールを失敗させて尾獣及び人柱力を合法で手に入れようと模索しているな。
既に写輪眼、千手と色々と持っているのにそれに加えて尾獣まで手に入れたら完全に色々とやらかすのが目に見えている。
「それは困る、一尾を宿しているのは風影で砂隠れからおいそれと移動は出来ない」
「……そもそもで、砂の協力は必要なのか?」
「ええ、尾獣の力のコントロールのキッカケを掴みかけています。それともなにか方法があるのでしょうか?嘗て九尾の人柱力が居たようですが全くと言って成果が上がっていませんが」
「そちらこそあるのか?」
「ありますとも……だから砂と合同で行うのです」
なんとかして自分の元に来るように誘っているダンゾウだったが、ハッキリと来いとは言わない。
大蛇丸同様にあくまでも自分の意思で来るようにしたい……うちはシスイの写輪眼を使って幻術を使ってくるか?
ダンゾウが食い下がるかと思ったが色々と熟考をしている……そうなれば、こっちが使う手はやりやすいと中指を突き立てた
「なんの真似だ?」
「テメエがナルトの迫害をする様に手引きしてんのは知ってんだよ」
「なにを言い出すかと思えば、噂など煙が無ければ起きぬ」
「言っとくけど、俺はあんたの言うことを聞くつもりはねえぞ……仮に上役の意見として傘下につけというのならば、それ相応にやらせてもらう」
「辰五郎……貴様……」
「あんたをどうにかして消したいって思ってるんでな……じゃあ、そういうわけで三尾の力を使える様になんとかしますよ」
明確に分かる反抗的な意思を示せばダンゾウは睨んでくる。
色々と暴露してやろうかと思ったが、今はまだ言うわけにはいかない……着実にその日がやってくるのを待つしかない。
砂と協力して尾獣の力をコントロールをする……とは言うが、どうしたものか。
俺は目を閉じて自分の内側に入っていけば三尾が居た
「お前、あの男の事が嫌いなのですか?」
「ああ、嫌いだぞ」
「……本当にそう思っているのですか?」
三尾はさっきの会話を聞いていたのか俺がダンゾウの事を嫌いなのかどうかを聞いてきた。
俺はハッキリと嫌いと言えば、本当にそう思っているのかを聞いてきた……ああ、そういうことか。
「ハッキリとした被害は俺は受けていないから、中身が無いって言いたいのか?」
迫害されていたナルトや唯一の保護でもあり放置されていたサスケと異なって大きな被害を受けていない。
ダンゾウと会話をしたのは数える程度で後は噂程度と知識としての情報ばかりで、ダンゾウの人となりを知っていない……ダンゾウはあれでも木ノ葉の為に尽くしているつもりだろうが、その結果が常に悪い方向に向かっている。
「うん」
「だろうな……三尾、お前は個人的に嫌いな尾獣は居るか?」
「いきなりだね……」
「嫌いになるには嫌いになるだけのそれ相応の理由はある!って思ってるだろうけどね……人間ってのは特になんの意味も無くコイツは嫌い、関わり合いを持ちたくないって思える人種が居るんだ。俺にとっちゃダンゾウがそれに該当するんだ」
俺にとってなにか大きな転換点があったから、ダンゾウが大嫌いとか憎いとかそういうのがあるのかと思ったが、俺には無いよ。
あ、このジジイ、ロクでもない事を企んでいるんだなって言うのが何度かあったけども……それが決定的になり大嫌いという理由には至っていない。
「……君の中に闇があるってのは分かった。君の中にある闇に干渉したけど、暴れなかった……憎しみを乗り越えるんじゃなくてそれを含めて君は君だと割り切っている」
「そりゃそうさ……俺は清廉潔白な人間じゃねえし、今からいい子になるから今まで好き勝手に生きてきた罪を許してくださいなんて甘えた考えは持ってねえよ」
こんなロクでもない世界に転生して好き勝手に生きているんだ、自分が悪いことを意図的にやろうとしているんだから許しが欲しいなんて思ってない。罪の涙は最後じゃない。ずっと苦しく背負って生きていくことだが……それでも殺りたいって思いはある。
三尾は俺の中にある憎しみの感情が薄かったり、普通の人とは異なっている事について指摘してくるが……憎しみとかの憎悪はあるよ。
一番憎しみを向けたいのは誰かって言えば…………………俺をこの世界に転生させたよく分からん奴だ。今頃は第四の壁を経由してどっかからニヤニヤとこの光景を見に来ている。三尾の人柱力になるなんて面白い展開だなんだと騒いでいるのが余裕で浮かぶ。
「定期的に思っているからな。なんで俺がこんな目にって思いながらも、結局はそういう貧乏くじを引くタイプの人間だって」
ナルトみたいに無償の愛に近い優しさを持っているかと聞かれれば怪しいし、そういう奴の勝手な行動で貧乏くじを引かされる。
誰かが余計な事をしてそれの尻拭いばかりさせられるのは嫌だと割り切りたいが、俺もそういうのを引く運命だってのは分かってるし、そういうのを受け入れる思考や思想に陥っているのは理解している。それを含めて自分だって分かっていて、そんな自分が大嫌いでもある。
「生憎な事に忍の人生なんてクソゲーに挑まされているからな。火の意思だなんだって言ってても世の中は良くも悪くも動く……変わらない意思があるのならばそれは何時か老害へと成り果てる。その意思を断ち切るのもまた大事なこと」
少なくとも何でもかんでも受け入れた結果がロクでもない未来だ。
許したりするのもいいけども、永遠に許さない。その罪を自覚して悪かったと永遠に苦しむ姿を見たいって思っている奴は一定数居る。向こうは好き勝手やってきたのに1からやり直そうだなんて都合が良い話だ。
「……なんと言うか変わっているね」
「そりゃどうも……そういうお前も、守鶴よりは話し合いに応じているな」
「僕達を連れて行こうと企んでいる奴等よりも君の中の方が比較的安全だし、君も君で僕との対話を望んでいるじゃないか……ハッキリと君には憎しみの感情を混ぜたチャクラを渡しているけど、君は慈悲じゃなくて虚無の心で憎しみをどうにかしている。そして僕に対してもどういう風にするのかを考えている……今までの人柱力とは違うのは分かっている」
「そうか」
守鶴の様にキャンキャンと吠えてくるかと思ったが比較的に話し合いが通じる友好的な性格をしている三尾。
俺の前の人柱力ってことは四代目水影の事だろうが、あの時は操られていただろう……
「それに少しの間とは言え、自由に泳ぐことが出来ていたからね」
「それについてだが……少しチャクラをくれないか?」
色々と試したい事があると三尾からチャクラを貰えないかと聞いた。
微弱でいいのならばと俺のチャクラと三尾のチャクラを交渉して譲り合って……ほんの少しだけだが三尾のチャクラを貰えた。
三尾チャクラを貰ったので……ある術に使えないかを試してみる。
それはなんてことはない……とは言えないか。俺のチャクラをほんの一部混ぜ込んでいて、残りは三尾のチャクラで出来ている分身を生み出す。
「変化の術!」
影分身の術とは似ているが、異なる。
影分身の術は自分のチャクラを分身したい数に均等にチャクラを割るが、この術は尾獣チャクラが大半で一部だけ俺のチャクラを混ぜ込んでいる……分身を生み出す事は出来たがナルト達人柱力が纏っているチャクラの衣で出来ていて俺の要素が無い。だが俺の意思で動く様にしていて……変化の術を用いれば、肩に乗るサイズ……ポケットなモンスターのかの有名な電気ネズミサイズの三尾が出来た。
「口寄せの術」
「カァーッ!出番か……って、木ノ葉か」
三尾が出来たのならば他にやることはあると口寄せの術を使う。
呼び出したのはデネブでもゲイルでもなく、通常サイズのカラスであるムクロを呼び出した。呼び出されたという事は緊急事態かと思ったが木ノ葉の里に呼び出されたので少し驚いている。
「ムクロ、俺に同棲の術を使ってくれ」
「む……有事の用ではないが」
「取りあえず試してみたいからさ」
ピカチュウサイズになった三尾を右肩に乗せて左肩にムクロを乗せる。
自然エネルギーを集めていき、仙人モードに入ってからムクロはチャクラを練り込み……融合をする術を使えば、ムクロが弾かれる
「カァーッ!お前、体になんか入ってるぞ!融合しようとしたら拒まれた」
「……三尾、話を聞け」
「さ、三尾!?お前なにしてんだ!?」
尾獣としてのプライドがあるかどうかは知らないが、ムクロとの合体もといシェアハウスを拒む三尾。
その名を口にすればムクロは慌てた様子で叫んでいるが気にせずに俺は三尾に向かって問いかける。
「この術で融合すれば、お前は小さいけど自由に動かしていい体を手に入れれる……お前から貰った尾獣チャクラを主体に俺のチャクラを一部練り込んだ分身が右肩に乗っている。お前はその分身をコントロール出来るかどうかを試してくれ」
三尾に改めてなにをしているかについて言い、もう一度ムクロを左肩に乗せる。
ムクロは融合する術を使えば……今度は弾かれることは無かったが、右肩に乗っている三尾が動き出した……
「四象封印で漏れ出している一部のチャクラを経由して、好きに動かせる体だ……今から近くの池に連れて行くが大丈夫か?」
「……」
「どうした?」
「君は、僕達との共存を望んでるみたいだね……」
三尾をリフレッシュさせる為に泳がせるかと思っていれば三尾は無言になっている。
今まで尾獣に対してロクな事をしてこない人間を見てきたのだから、俺のやっている事は意外な事だろう。
「お前の力はこれから必要になってくるし、他の尾獣の奴等にも少し不自由かもしれないけど歩くことが出来るってのを知らせれば……強い力を持ってるのが分かってるなら、こういう懐柔策みたいなのは普通使うだろう」
「そうですか……この体で泳げるかどうか確かめたいので、水辺に連れて行ってください。僕は陸上よりも水場の方が好みなので」
「ああ、わかった」