「…………はぁ」
俺は学食から自室へ戻って来たのだが完全に落ち込んでいた。
…………出だしミスったし周りからファザコン呼ばわりされるというなかなかに酷い状況に陥っていた
「ハルフォーフ大尉やモルに言いつけられたんだけどなぁ……」
やっぱりコンプレックスって酷いと思う、見劣りしてしまうと何故か俺は突っかかってしまう
(なぁ………父さんだったらどうすんだよ……母さん……俺やっていけるのかな……)
すると首元のネックレスからデフォルメ化した自立飛行小型アクセサリーのクーゲルが飛び出し,俺の頭を突きまくる
「痛い痛い痛いって!お前まで俺を……」
「(オマエ! イクラナンデモ! ジブンガタリシスギ!)」
「あっ……」
俺が過去を話したのは2回、一つはクラリッサさんの前で,二つ目は今だ。
クラリッサさんとは信頼を築いた過程で俺は話したのだが、クラスメイトに至っては大間違えだ。
最初に過去をベラベラと話したらただのかまってちゃんにしか見えるのは当然だろうな。
「………明日謝るか」
ガチャッ
ドアが開く瞬間
「ただいま〜」
「一夏……-おかえり」
ドアが開き食堂から一夏が戻ってきた。俺はベットから起き上がり一夏を出迎えた。
「………なぁ一夏。俺明日からどう生活したらいい?」
「どうって……そのうち受け入れてくれるだろ、ラウラとかそうだったし」
「そうか……でも第一印象が終わっててもうだめだ。別室登校しようかな」
「ライディって結構落ち込むんだな」
すると次の瞬間ドアがガンガン叩く音が鳴り響く
「な、なんだ!!?!」
「おいおい警察かよ!」
なんだ?日本の警察はこんなことするのか ってそんな馬鹿な!
「あぁ分かった!開けるからあまりガンガン叩くな怒られるぞ!」
ガチャリとドアを開けるとあの時学食にいたクラスメイト達だった
「って皆んな……」
「アストラス君……………ごめんなさい!!」
「「「「ごめんなさい!!」」」」
一気に謝罪の言葉が出て来て俺と一夏は困惑を覚えた
「ちょ、ちょっと待てよ! 大体過去語りをしていた俺が悪いってのに……」
「ううん! アストラス君はお父さん思いでかっこいいよ!」
「なのに死んじゃったお父さんを馬鹿にするようにファザコンって言ったのは後悔してる!!」
「だからアストラス君もそれで悩まないで!!」
………IS学園は寮に住む事になる。
そこで彼女達は親の元から離れて暮らすのだが、父親が死んでおり,母親はドイツにいると聞いて可哀想だと思い,復讐に走るのもなんとなく理解してくれた
「…………初対面なのにこんな態度とってごめんみんな。これからも仲良く出来るかな」
「もちろんだよ!」
「これからもよろしくね!」
初手で仲良し度カンストしたのはさておき
や、やばい!たくさんの女子達が俺達二人を押し始めた。
飲み込まれそうになった瞬間だが、織斑先生が現れた事でなんとか鎮静化した。
「はぁ……はぁ……焦ったぁー……」
「………な? 女子達結構優しいだろ?」
「………そうだな。」
一夏の言う通り、IS学園の女子生徒は優しかった!
俺はまだやり直せるんだって安心した
……今日は一日目にも関わらず疲れたなぁ。
「それにライディごめんな、まさかラウラがあんな風に言うなんて」
「いや今はもう良いぞ別に。それにこの問題は俺とボーデウィッヒ隊長との問題だから」
「あのなぁ、IS学園は軍隊じゃ無いんだからさ、普通に呼んでも良いんじゃないか?」
「織斑先生が軍事教官の経験がある時点でもう軍隊だろ」
「ははっ確かにそうかもな」
しかし一夏のやつ本当にあの織斑先生の弟かぁ?雰囲気段違いやぞ
とまぁなんやかんやで話題がなんか無くなりそうになっていた
「とりあえず俺は明日専用機持ちと篠ノ之に迷惑をかけたって謝るよ」
「それで良いと思うぜ。今日来たばっかでライディも慣れていなかったんだろ?」
「まぁな。」
……ドイツ空軍に比べてここは女子が多すぎるからかなぁ、多分そうに決まってる
「取り敢えず今日はもう寝ようぜ」
「そうだな。じゃあおやすみ」
「おうおやすみ」
そして俺のIS学園の1日目が終わった。
ーー♢ーー
夢を見た。
俺の周りには青空が広がっており,地面は何故か滑走路になっていた
「ここって………ドイツの!」
いや違う…!ふわふわしてるからか色々とぼやけていたけど、ここが空港の滑走路って事はわかった。
「……でもなんでここに」
周りを見渡していると謎のコートの人が歩いているのを見つけた
どうしてだろうか,俺はそいつが何者か知らないまま奴を追いかけた。
「あのーここってどこか分かりませんか?」
『
普段の喋り方じゃ警戒されるから敬語で行ったが、流暢すぎるドイツ語がいっそう怪しさを増していた。
「あぁ決まっているだろ。俺は父さんを殺したISを」
『それだけで,お前は強くなれるのか?』
日本語対応してくれるのか
「なれる、なれないの以前の問題だ。だからその為に俺は強くなる」
『……貴様の目的は復讐か。』
「………あぁ。」
『ならこの力の源は何処から来た。 偶然手に入れた力でないのは確かだ』
すると奴が俺の方を向いた瞬間フードの隙間から顔が見えそうになったのだが,俺の腹部あたりが熱くなり、いきなり吐血した
「……ゴハァッ!?」
よく見ると腹部から血が流れ出しており顔を見上げると奴が手を指鉄砲にしているのだが,指先から煙が出ていた
「お前は……誰だよ………!!」
『俺が何者かはまだ話すつもりは無い、だがな」
『お前の方こそ誰だ?』
また指鉄砲の銃弾を胸に撃たれ、俺は倒れた
「ハァッ!!?」
そこで俺は夢から覚めベットから飛び起きた。
「はぁ…はぁ…はぁ……なんて夢だよマジで」
時計に目をやると朝の5時を指してした。うわやけに中途半端な時間に起きてしまったなぁ……
「…………走るか」
また寝ようとしてもどうせ眠れない為ジャージに着替えて一夏を起こさないようにランニングへ出かけた。
空軍時代モルとは朝早く走ろうって言われて毎回やってたけどパイロットから整備官になった途端やめちゃったんだよなぁ
しかしライディが部屋に出た途端部屋の前にある人物が来ていた。
その人物とはラウラ・ボーデヴィッヒ。何故か彼女は周りを気にしながらドアの前でしゃがみこんだ。
そしてズボンのポケットから細い金属の棒を取り出し鍵穴に差し込みいじり始めた。
そう、ピッキングである(????)
軍人である彼女にとってこんなもの朝飯前といった感じで鍵を開け中に侵入した。
「フフフ………一夏へのサプライズとして起きたら夫が横に居たらさぞ喜ぶだろ」
マ◯キーが乗ったらむっちゃかっこいいだろうな〜みたいな理論やめてください
そんな思いを口しあろうことか服を脱ぎ始め一夏が寝ているベットに潜り込んだ。
しかし一夏は侵入されていることに気づかず寝息を立てて熟睡していた。
ランニングを終えて部屋に戻ろうとした時廊下である人物に遭遇した。
「あ。」
「あっ……」
「し、篠ノ之……だよな」
「あぁ……アストラスか」
出会したのは篠ノ之箒だったのだが、服装は道着だった
「その格好って……」
「あぁこれか、一夏を朝練に誘おうとな。剣道部所属だ」
「へぇーこれがジャパニーズスポーツって訳か」
ある人のお陰で日本にある程度興味を持っていた俺は感心した。
ちょうど良いと思ったのか俺は篠ノ之に謝罪した
「そのー……昨日は困らせてごめん」
「あぁあれか、いきなり自分の父が殺されたとか言われてびっくりしたぞ」
「だよな、あの時の俺は自分の過去を知って欲しくてどうかしてたんだと思う。」
すると篠ノ之も話をしたかったのか俺は聞く事にした
「アストラスは……私が篠ノ之束の妹だって知っているか?」
「あぁ、あの篠ノ之束がISを作り出したから俺の父さんは遠回しに殺されたと言っても過言じゃ無い てかそれ話してよかったのか?」
「姉さんが作ったISのせいで情報保護プログラムで両親もろとも離れ離れになってしまってな、私は酷い目にあってきた。 それでアストラスが父が死んだと聞いて私はゾッとしてしまった」
そんな風に思われていたのかよって心の中でショックを受けたが篠ノ之は話を続けた
「いや俺はそこまで恨んでたりしないぞ、寧ろアンタ被害者だろ」
「…………随分と物分かりがいいんだなアストラスは」
「あぁ??」
「すまん忘れろ。 でもアストラスの家族と永遠に離れ離れになるのは分かるぞ。今も父と母が何処に住んでいるかすら分からない。」
「…………そうか。」
自分だけ悲しい過去があると思い込んでいたが,そんなものじゃなかった。寧ろ自分が恥ずかしいくらいだ。
「それじゃあ俺帰るわ。じゃあな篠ノ之」
「まてまてこれから一夏の所に行くんだろ?一緒に行こう」
「あぁー……そうするか」
そして俺と篠ノ之は一緒に部屋に向かって歩き出した。
部屋の前に着くと何やら中が騒がしかった。
「ん?」
「どうした?」
「しっ!」
俺はドアノブを少し下げ引っ張ってみたら開いた。おかしい鍵はかけて出ていったはず誰か侵入者か!
「鍵が開いてる……何故だ?」
「なんか怪しい、無闇に突撃したらダメだ」
「ならどうする?」
「こいつを先制攻撃で行く」
そう言い待機形態のアクセサリーをタップするとクーゲルが小型ドローン形態で動き出した
「ってお前のISはこんな事できるのか!?」
「俺だけ特殊なだけだ! 篠ノ之は何か武器は持ってるか?」
「竹刀なら」
そういう篠ノ之さんは持っていた袋から1本の竹刀を取り出した。
「ならOK!こっちも武器を使う!」
俺は護身用にバススロットに入れておいたグロック銃を取り出す
「こんなものまで……ってお前何気に武装以外の
「ちょっとドイツで友達にやれって言われて出来たけど説明は後! いいか?3で突入する」
「わかった!」
そしてドアノブに手をかけて秒読みをする。と言うか先制で行かせたクーゲルが戻って来ないのを焦るがなんとかなるだろうと済ます
「3、2、1」
思いっきりドアを引き銃を構え部屋に突入したがそこに見えた光景に俺は唖然とした。
「クーゲル大丈夫か!!」
「(エグイ……エグスギル……)」
クーゲルがベッドに目を離せないままフリーズしており、困惑した俺のネックレスのアクセサリーへと戻っていった
「うわぁマジか………( ゚д゚)」
「どうしたアストラス!何があった」
俺の後に続いていた篠ノ之が入ってきた。
「なっ!?」
そこには裸のボーデウィッヒ少佐と何故か関節をキメられていた一夏がいた。
「なんだ私と嫁の営みの邪魔をするな」
「なっ!?一夏!」
「誤解だ!」
何が起きてんだ意味わかんねぇ……なんで少佐は裸で一夏にアームロックキメてるんだ? やばい思考が追いつかない。
俺が思考をめぐらせている横で篠ノ之の体がぷるぷると揺れ始めていた。
「不埒千万……覚悟!」
「うわあああ!」
バシッ
「あ、アストラス!?」
「一旦落ち着け篠ノ之!! ここで血流沙汰は洒落にならねぇ!」
俺は即座に少佐のところへ向かい、彼女の赤い瞳と目があう
「何だ!中尉! 貴様も邪魔するのか!」
「あのなぁ!! 普通に不法侵入するの頭おかしいんですか!!」
「貴様…… 嫁との営みの邪魔をするな!隊長命令だ!異論は認めん!」
沖縄の防衛基地前にいる老人並みに話が通じないと察した俺の脳内コンピュータが編み出した方法はこれだった
「一先ず眠れっ!!」
「ぐはっ」
俺は少佐の首元に水平チョップをキメた。すると見事に命中させ少佐を気絶させた。
そして俺は裸の少佐を自分のベットの掛け布団に寝転がすとそのまま服ごと包みバックから紐を取りだし結んだ。
「篠ノ之!」
「は、はい!」
「ボーデヴィッヒの部屋は何号室だ?」
「1306号室です……」
「ありがとう」
俺は包み布団を持ち上げそのまま部屋を後にした。
「な、なんだったんだ」
「さ、さぁ。しかしあいつの顔が怖すぎる」
「あ、あぁライディの顔ってただでさえ怖いのにな……」
「ひとまず一夏」
「お、おう」
「剣道の朝練に付き合ってくれ」
「………わかった」
そうして2人は一夏の着替えの後に剣道場へと向かった。
その後ラウラと同室のシャルロット曰く朝食を食べに行こうと部屋のドアを開けたらぐるぐるに巻かれた布団がそこにあって開けたらラウラが気絶していたという謎現象があったという。
翌日他の専用機持ちにも謝罪すると良いよ良いよと気にしないでくれたけど………
「貴様が邪魔をしなければ………!」
「こんなことしてんのおそらくアンタだけだ」
「何を言う! これは日本における立派な作法だ。郷に入って郷に従えだぞ!」
そんなに大事な事だったのか。てかしれっと日本のことわざ使ってるし染まってんな……いや待てこの人一夏の事を嫁って言ってたよな。まさか……
俺はスマホを取り出してある人物にメッセージを送った。
案外返信はすぐ帰ってきた。
『大尉質問があります』
「なんだ?」
『先刻ボーデヴィッヒ隊長が織斑一夏に対して嫁と呼んでいたのですがもしかして大尉なんか余計なこと言いましたか?』
『余計とは失礼な私は隊長からのご相談を受けて「日本では好きな物に対して嫁と読んでいる」と答えただけだ』
「………はぁ?」
『そうか、ライディは知らないようだな。 日本には好きになったものを嫁と呼ぶ文化があると!』
「はぁ!?んなもんある訳ないでしょうが!!そもそもそれって推しに言うもんでしょ!?なのに何でそのまんま伝えちゃったんですか!!」
『すまない……私も結構オタクなのは知っているだろう? それで間違った知識を教えていたのか……』
「いえ……こっちも言いすぎました」
『済まないがライディ、隊長に間違った知識を教えてしまったと修正してくれ!
「無理ですよ俺隊長にめっちゃ嫌われているんですから」
『なぜだ?』
「あの時話したじゃないですか、俺が少佐と五分五分で揉めてたって話しそれに俺の事なんて伝えたんですか?」
『いや普通になかなか強い新人が入ってきたとだけ』
「それだけじゃあそこまで怖い顔しないですよ」
『…………あっ!』
「なにか知っているんですか!?」
『いやー稼働テスト時の模擬戦のことを話したら凄く不機嫌になっていたな』
…………そりゃそうか,ISを初めて動かしたにも関わらずあんな動きしまくっていたら警戒されるわな
『すまないライディ、私の方から隊長に誤解だったと伝える』
「……了解です」
そして俺はスマホの電源を切って机に突っ伏した。
モルにこのこと伝えたらどうなんのか考えると余計に疲れてきた
………なんかドイツに帰りたくなってきた