ノリで書いた。
子虎礼粒子は激怒した。寝取られに見えない表紙から三部作(一部と二部は純愛物に見えた)寝取られ漫画を読んでしまったからである。粒子には寝取られの流儀は分からぬ。しかし、人一倍寝取られが嫌いであった。
そんな人間だからか粒子はあまりにも酷い寝取られを見た粒子は憤死してしまった。
そして、死んだ後に女神と出会ったのである。
「あなたは本来今死ぬはずの人間ではありませんでした。かわいそうなので異世界に転生させてあげましょう。特典は何がいいですか?」
「寝取られを滅ぼす力をください」
即答であった。
「目標捕捉、存在消滅弾を射出、ヒット」
粒子に与えられた能力は多岐に渡る。精神異常無効、身体能力強化、未来予知、タイムトラベル等々様々あるが、特筆すべきは存在消滅弾生成能力である。それはその名の通り弾丸を生成する能力。粒子が寝取られの事実を認識したものに対し放たれ、その世界線に寝取った者がいないことが確定されるという、あまりにも理外を逸した弾丸である。要するに寝取られ自体は観測されるが、存在自体は滅び、どこにもいなかったことになる。
なお、存在消滅弾はあらゆる防御を貫通するため、防ぐことはできない。
「くっふふ、まさかこのような美女を私のものにできるとは……」
「……はい、私はあなたの所有物です。お好きにお使いくださいませ」
「さーてあの小僧が戻ってきたら儂とラブラブなところを見せつけてやる」
そこにはぶよぶよ太った男ととても美しい銀髪のエルフの少女がいた。エルフの少女の目には生気が宿っておらず虚ろだ。
このままでは少女にはろくでもない未来しか待ち受けていないことは誰の目にも明らかである。
そう彼がいなければの話であるが。
彼はどこにでも現れる。虚空より出でて虚空に消える。誰も彼を捕らえられず、誰も彼から逃れられない。
もし、存在を消されたくなければできることは一つだけ。寝取らないこと、ただそれだけ。骨すら残らない、記憶も記録も意味すらも存在しなかったことになる。
「グッフフ、もしあの小僧が儂を殺そうとしてもこの鎧は貫けぬ。更にはエルフの少女は超常の力を持ち、更に更に傭兵も雇っておる。儂の勝利は確実じゃ」
太った男は、高笑いをした。次の瞬間ターンと銃声が響く。それだけで男はその世界線からいなくなった。彼はこの世からいなかったことになり、世界は何事もなかったかのように時間が巻き戻る。そうして世界は回っていく。
今日も粒子は寝取られを滅ぼしていることだろう、この世から寝取られが存在し続ける限り。
ノリで書いた。後悔はしてない。