ウルトラクロスロード ~銀河に輝く星々の宿命~   作:通りすがりの大学生

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(=◎ω◎=)<どうも読者の皆様、おはこんばんちは! 作者です!


(=◎ω◎=)<前回のラストで聞こえて来た謎の声


(=◎ω◎=)<一体、何ッサ星人なんだ……!?


(=◎ω◎=)<という茶番は脇に置いといて


(=◎ω◎=)<今回は何故サンダーキラーが出て来たのか


(=◎ω◎=)<その理由が明かされます


(=◎ω◎=)<受け取り方は人それぞれですが


(=◎ω◎=)<「下らない」からこそ逆にムカつく、というものをイメージしてみました


(=◎ω◎=)<詳細は本編にて!


(=◎ω◎=)<それでは、ゆっくりして行ってね!


第四十三話 こういう場面で迷わず啖呵切れるから強いのよ

 

 

 

 聞く者を不快にさせる笑い声が聞こえるや否や、メインモニターに映し出されていたサンダーキラーの映像や解析データの上から強制的に別のウインドウが開き、一人の異星人の顔をアップで映したライブ映像を表示する。

 

 青白く発光する一対の瞳、奇妙な渦巻き模様が描かれた暗い金色の外骨格、頭頂部付近から伸びるウサギの耳のような突起物。その異星人の姿を見た瞬間、ミライ達は異口同音に叫んだ。

 

 

 

「「「「「「バロッサ星人!」」」」」」

 

『ギッヒヒ、あったりぃ~!!』

 

 

 

 即座に自身の正体を言い当てられても動じず、それどころか逆に「よくできました」とばかりに手を叩いてから、バロッサ星人ことリヤンゴンはニタニタと意地の悪い笑みを浮かべて画面越しにミライ達を見渡す。

 

 

 

『お前らよぉ、ちぃ~っとばかしお勉強の時間が長過ぎやしねぇか? 天下のGUYS様がそんなんだから、ほぉ~ら見てみな。俺様の可愛い可愛いサンダーキラーちゃんが好きなだけ暴れまくっちゃってるぜぇ~?』

 

 

 

 リヤンゴンの言葉と共にメインモニター内のウインドウが勝手に移動し、彼の顔を映すウインドウとサンダーキラーが暴れる工業団地の映像を映すウインドウが横一列に並べられた。

 その不可解な状況を見せ付けられて、星都は瞬時にリヤンゴンがフェニックス・ネストのコンピューターをハッキングしている事を悟る。

 

 

 

『エレキングの長ぇ尻尾も、エースキラーのイカした金色の装甲も、どっちも単品ですらカッコいいモンだ。それをこうやって合体させちまえば、生まれるモンがとんでもなく凶悪でとんでもなくすげぇ破壊兵器になるのは当たり前だよなァ!』

 

 

 

 まるで新しく手に入れた玩具を自慢するかのように、リヤンゴンは高笑いしながら饒舌に言葉を紡ぐ。その様子は、完全に自分のした事に酔い痴れていた。

 

 

 

『これこそが怪獣のあるべき姿! 本来の存在意義ってぇヤツだ! 怪獣は暴れさせてナンボ、決して「良い子良い子」して可愛がるペットじゃねぇ! その事を、お前ら「甘っちょろい地球人」や「おめでたい怪獣オタク」にも分からせてやるぜぇ! 特にそこの眼鏡掛けた嬢ちゃんよォ! お前が大大だぁ~い好きなエレキングが、街をぶっ壊して何の罪もねぇ一般人を大勢不幸にする様を、精々その目に焼き付けるこったなァ!』

 

 

 

 外骨格に覆われた指でビシッとコノミを指差し、リヤンゴンはせせら笑う。彼女とリムエレキングの絆を頭から否定し、侮辱し、蹂躙するその言動に、コノミはただただ悔し涙を流しながら握り拳を震わせる事しかできないでいた。

 

 

 

「———ふざけるなよ、コソ泥野郎」

 

 

 

 そんな空気を切り裂くように、星都が画面に映るリヤンゴンの双眸を睨み上げながら言った。

 

 

 

「何が『俺様の可愛いサンダーキラー』だ。どうせそいつも、どっかから盗んで来たSDなり技術なりを使って実体化させてるだけだろう。他人の持ち物を自分の物のように自慢して何が楽しいんだ? 俺からすれば空しいだけだな。『怪獣は暴れさせてナンボ』? ハッ、そんな事言われなくても分かってんだよ。けどな、誰かを傷つけるための『暴力』も、誰かを守るために振るうのならそれは立派な『武力』だ。それは現代兵器も、怪獣の力も変わらない」

 

 

 

 脳裏に過るのは、自分の父である月光や、父の親友である頌栄達の顔だ。

 一流の武術家である彼らに幼い頃から教えを乞い、力と技、そして精神を磨いてきた星都は、よく月光から「力の使い方」について言い聞かされていた。

 

 力そのものに善悪の区別は無い。それを決めるのは、力を振るう者の意思である。だからこそ、力を得るためにはまず精神を鍛え、磨き、強靭な心を手に入れなければならない。

 どれほど素晴らしい武の技術も、ただ誰かを傷つけるため、あるいは私利私欲のために振るわれればそれはただの「暴力」に成り下がる。しかし、どれほど強大で危険な暴力も、誰かを守り、助けるために振るわれればそれは立派な「武」と成る。

 

 それら、尊敬すべき先達からの尊い教えを、星都は自分なりの言葉でリヤンゴンに叩き付けた。

 

 

 

「要は力を使うヤツがどうしたいかだ。同じ『怪獣の力』でも、使うヤツ次第で意味はがらりと変わるもんだ。お前が今、嬉々として何かを壊すために使っている力を、俺達は必死で何かを守るために使う。お前が散々『凶悪だ』なんだと自慢してたその力が、本当に誰かを不幸にするためだけにしか使えないものなのかどうか、今からお前を実験台にして試してやる」

 

 

 

 一呼吸置き、画面の向こうにいるリヤンゴンへ人差し指を突き付けて言い放つ。

 

 

 

「——お前の薄汚い計画は、この俺が粉々に破壊する。精々震えて待っとけ」

 

 

 

 堂々とした宣言に、コノミの目尻から一筋の涙が零れ落ちた。しかしそれは、決して悲しみや絶望によるものでは無い。

 どこまでも強く、どこまでも温かく、悲嘆に暮れていたコノミの心を優しく救い上げてくれる、希望に満ちた言葉。バロッサ星人の言い分に対する激しい怒りと、共に戦ってくれる怪獣達に対する深い愛情が込められた、聞く者を奮い立たせてくれる「光の宣言」だ。

 

 

 

『おーおー、お熱いこって……そう上手く行くかどうか見ものだねぇ~。——やれるもんならやってみな』

 

 

 

 そう言い残して、リヤンゴンのライブ通話は途切れた。

 

 

 再びサンダーキラーの様子を映す映像画面だけになったメインモニターを前に、サコミズは冷静に口を開く。

 

 

 

「……敵の明確な意図が分かった今、我々にじっとしている暇は無い。各自、迅速にサンダーキラーの迎撃に動いてくれ。星都、今回の作戦において、キミの知識と力は絶対に必要だ。すまないが、解説の続きは現地でしてくれないか」

「分かりました。喜んで協力させて頂きます」

「テッペイ、キミは司令室に残って引き続き解析作業を頼む」

「はい、分かりました!」

「コノミはリュウ達と一緒に現場へ行って、みんなのサポートを」

「は、はい! ありがとうございます!」

「リュウ達は直ちにガンフェニックスとガンブースターで出撃だ! ――GUYS Sally GO!」

 

「「「「「「「G.I.G!!」」」」」」」

 

 

 

 実働部隊の六人に星都を加えた七人分の唱和が響き、GUYSが動き出す。

 

 出動する五人が次々と司令室を飛び出して行く中、アイテムボックスの中に保管しているSDの中から今回使用するものを素早く選び出し、別ルートからサンダーキラーの元へ向かうために司令室の出入口を潜ろうとした星都の背中に待ったが掛かった。

 

 

 

「星都、今回はキミもリュウ達と一緒にガンフェニックスに乗って現地へ向かってほしい」

「え、それはありがたい話ですけど、良いんですか?」

「勿論だ。今のキミは客分で、キミ独りだけでも現地へ向かう手段がある事は分かっているが、同時に我々GUYSの仲間でもある。仲間を独りで戦わせる訳にはいかないんだ。どうかな?」

 

 

 

 願っても無い申し出だ。頌栄謹製のギンガスパークには、特殊ギミックの一つとしてウルトライブする怪獣のSDを瞬時に切り替える機能も搭載されているが、変身先を変えてから動き出すまでの間にどうしても五秒未満の硬直時間が発生する。

 通常であれば気にする事すら無いほどのわずかな時間だけれど、こと戦闘において数秒の隙は命取りになりかねない危険なものだ。それ故に、戦闘中におけるSDのスイッチはタイミングがとてもシビアで、それを見極められる咄嗟の判断力と胆力が求められる上級者向けの機能であるとされていた。

 

 星都も過去の戦闘で何回かそのスイッチ機能を使った事があり、大きなピンチに陥った事は無いものの毎回肝を冷やす思いをしていた。そんな危険を犯す必要が無いならば、乗らない手は無いだろう。

 問題は、あのガンフェニックスに実際に搭乗するというまたとない幸運に、表情筋や理性をどこまで保てるかである。

 

 

 

「ありがとうございます、サコミズ隊長。その申し出に甘えさせて頂きます」

 

 

 

 二つ返事で受け入れた星都に安心したような笑みを浮かべ、サコミズは手に持っていたヘルメットを差し出した。

 

 

 

「これは予備のヘルメットだ。内蔵されたインカムの設定は既に終えてあるから、今回はこれを持って行くと良い。気を付けて行ってくるんだぞ」

「分かりました。お世話になります!」

 

 

 

 礼を言ってサコミズからヘルメットを受け取り、早速装着してみる。星都の頭の大きさにジャストフィットだった。

「予備」だなんだと言いつつ、本当は星都のためにわざわざ発注していたのでは無いか。そう邪推してしまいそうになるほどのピッタリ具合である。

 

 本物のGUYSのヘルメットを着けられて早くも爆発しそうになるファン魂をどうにか抑え込みつつ、星都は改めて司令室から退室すると、駆け足で搭乗口に向かった。

 

 

 

『意外なところから燃料がガンガン投下されてますねぇ~。作戦が終わるまでしっかり我慢できます? 途中でドッカンしようものなら、GUYSの皆さん全員に白い目で見られる事間違いなしですぞ~♪ 自分から鴨葱になって調理されに行くその自爆スタイル! ボクは潔くて逆に好きですなぁ~!』

「んなもん、調理される前に『回れ右』して『Bダッシュ』で逃げりゃ良いだけの話だろ。てか、警報が鳴った時からやけに静かにしてたじゃないか。どうした? トイレにでも行ってたのか?」

 

 

 

 耳に装着していたインカムから太郎のハイトーンが聞こえ、星都は冗談半分、「大事な時に何してたんだ」という苦情半分で応答する。

 周囲の通路には星都以外に誰もいないため、声に出してのびのびと返事ができた。

 

 

 

『トイレなら星都くんとテッペイさんが食事してる間に済ませましたよ。ボクが静かだった理由はそれではなく、サンダーキラーのSDの反応が突然団地の真ん中に現れたので、それの解析作業に集中してたからですねぇ』

「あ、やっぱあいつ、実体化したSD怪獣だったのか。俺はてっきり、リヤンゴンのヤツが何か妙な製造機でも持ち込んで、エレキングとエースキラーのデータを合成して出来上がったサンダーキラーを直接嗾けてんのかと思ってたぜ」

『それどこの「超獣製造機」です? リヤンゴンはバロッサ星人であってヤプールじゃありませんからねぇ。仮にもしも星都くんの言う「妙な製造機」を本当に持ち込んでたとしても、出来上がるのはサンダーキラーそのものではなくサンダーキラーのSDとかそういう類のものでしょ。今回の場合、使って来てるのはボク達から盗んだ頌栄さん謹製のSDなんで、製造するもクソも無いんですけど』

「つまり、戦って勝てばサンダーキラーのSDを取り返せるって事か。やる気がモリモリ湧いて来る話だな」

 

 

 

 実際には、倒してSDに戻したあと、リヤンゴンよりも先に回収しなければならないという、一種の争奪戦のようなものだ。

 しかし、あのサンダーキラーが盗まれたSDの一つで、取り返せるチャンスが巡って来たというのは紛れもない朗報である。星都が言うように、俄然やる気が湧く話だった。

 

 

 

「んで? 太郎さんほどの腕があるハッカーが集中して作業してて、サンダーキラーの解析作業だけで手一杯なはずは無いだろ? 他に分かった事はなんだ?」

『それについては、戦いが終わったあとにでもゆっくりご報告致しますんで、一先ず今は目の前の戦いに「全集中の呼吸」と行きましょう! とはいえ、今回も相手が強敵である事は紛れもない事実です。サンダーキラーのエネルギー出力値を計算してみたところ、先日のガーゴルゴンと同じくリミッターが外されている可能性は九十九.九%。ほぼ間違いないという解析結果が出ちゃってますねぇ。今お手持ちのSD達を使い分ければ勝てるとは思いますが………もう既に使うSDは決めちゃってるんでしょう?』

 

 

 

 質問の体を成しているものの、太郎の声には揺るぎない確信が込められていた。それに気付いた星都は観念したように鼻を鳴らし、フッと表情を緩める。

 

 

 

「………なんだ、バレてたのか」

『バレバレのモロバレルですぞ? あの有頂天Maxなコソ泥野郎に向けて堂々と啖呵切ったところはボクも見てましたし、その前の暴れているサンダーキラーを見た時のコノミさんの反応もバッチリ確認記録済み。彼女の無念を晴らし、リヤンゴンの野望をぶっ壊す、そのための「破壊する」宣言だったとしたら、使うSDも自ずと絞られるってなもんです」

「……悪い。実利を取るならもっと強力なSD……それこそ昨日と同じファイブキングや、あるいは別の強豪怪獣を使うべきなのは分かっちゃいるんだが、コノミのあの顔を見ちまったあとだと、どうしてもな……」

『ンッフフ、あの星都くんがしおらしくなるなんて、珍しい事もあるものですなぁ~。………別に謝る事なんて無いと思いますよ。頌栄さんも「現場の判断を優先する」って言ってたじゃないですか。絶対に譲れない何か、意地でも貫き通したい何かがあって、それを成せる力が手元にあるのなら、迷う事なんてありゃしません。どーんと胸張って、どーんとぶちかましちゃえば良いんです。きっとそっちの方が、頌栄さんや月光さんも「よくやった」って褒めてくれますって』

 

 

 

 インカムのスピーカーから流れてくる太郎の静かな言葉が、星都の心の中から迷いや憂いを綺麗に吹き飛ばし、立ち止まりかけていた背中をそっと押す。

 そこに普段の軽薄で狂気的な雰囲気は微塵も存在せず、代わりに四十を過ぎた人生の先輩としての思慮深さや温かな優しさが溢れていた。いつもの態度や言動が奇人変人過ぎて想像しづらいが、大事な時にはこういう事をサラッと言えるのが猫原太郎という男である。

 

 

 

「………ありがとうな、太郎さん。おかげで元気が出たぜ」

『いえいえ、現場の人間の背中を押すのもオペレーターの仕事ってやつです。お礼なら、帰還したあとに振る舞って貰う約束の食事でドーゾ!』

「ああ、特上のフルコースをご馳走してやる。頬が落ちても知らんから覚悟しとけよ!」

『うっは、何ソレめっちゃくちゃ楽しみ! ボクを「瘤取り爺さん」にしたかったらやってみせろってんですぅ!♪』

 

 

 

「連合軍」の頼れるチーフ・オペレーターと軽妙なやり取りを交わしながら、星都は力強く床を踏み締めて通路を駆け抜けた。

 

 

 




(=◎ω◎=)<いかがでしょうか


(=◎ω◎=)<ここまで読んで頂き、誠にありがとうございます!


(=◎ω◎=)<という訳で、リヤンゴンがサンダーキラーを出した理由は


(=◎ω◎=)<単なる「GUYS(特にコノミ)に対する嫌がらせ」でした


(=◎ω◎=)<まぁ、「ベリアル融合獣の戦闘データを集めるため」


(=◎ω◎=)<という理由も、1割か2割はありますし


(=◎ω◎=)<これはこれでリヤンゴンにとっては意味のある事なんで


(=◎ω◎=)<当人からしたら全然下らなくは無いんですけどね


(=◎ω◎=)<文中後半の太郎と星都くんのやり取りは


(=◎ω◎=)<太郎の四十路に入った年季を感じて頂ければ幸いです


(=◎ω◎=)<こういう時にこういう事を言えるから、仲間内から信頼されてるんですよ、この猫


(=◎ω◎=)<今回のお話でpixiv版の第九話が終わりましたんで、


(=◎ω◎=)<次の日曜日に合体版の第九話をpixivに投稿します


(=◎ω◎=)<それと一緒に、「幕間①」も投稿しておきますので


(=◎ω◎=)<併せてお楽しみ頂ければ、と思います


(=◎ω◎=)<次回の更新は九月十六日(水)予定!


(=◎ω◎=)<お楽しみに!


(=◎ω◎=)ノシ
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